| バルセロナのホテルに一人で住み、そこから出るときは練習に行くときだけだという。アキ・ニシザワは、ヨーロッパフットボールに挑戦するにあたって、重要な課題の一つであるコミュニケーションの問題に悩んでいる。エスパニョールで成功したいと望みながらも、今まだ、将来への不安はかくせない。
アキは監督のパコ・フローレスが、他の選手に比べてリズムが欠如していることを心配してはいるものの、ゴールに対する特別な才能を認めていることを知っている。
「確かに今の僕は、肉体的に100パーセントの状態ではないです。それは日本でのシーズンが終わってすぐこちらへ来たからです。いまだに疲れが残っているような感じなので、コーチ達と話してクリスマス休暇の時期は練習しないで、休むことにしました。休み明けには、体調はかなりいい感じで戻っていると思います」
アキは典型的なフォワードタイプのようだが、監督が望むならどんな要求にも応じると言う。
「僕はエスパニョールにゴールを決めにきた人間です。ゴールを決めることが僕の仕事ですからね。でももし監督に、中盤に下がってボールを拾えだとか、相手にプレッシャーをかけろと言われれば、もちろんその用意はあります。僕はチームが要求するもの全てに応えられる、と思っています」
アキの一番の問題は、コミュニケーション能力の欠如であろう。
「仲間とはいつも話し合っています。でも正直言って、お互いに理解しあっているとは、ほとんど思えないですね。僕は、今まで育ってきたところとは、全然ちがう環境の元にいるし、なんかストレスがたまってきているような感じです。それでも救いはこちらの選手があたたかく迎えてくれているし、特にポチェティーノ、セルヒオ、ナバスさんあたりがいつも気を遣ってくれます」
彼はエスパニョールにはまだ正式に選手登録されていない。1月いっぱいまでチームとしては最終決定を下さないうことだ。でも彼はその事に関してはそれほど心配してないという。
「練習中に、今テストを受けている、という感じは一回もありません。僕は練習でいつも100パーセント自分の持っている物を出しているつもりですから、見張られている、なんて思ったことはありません。それに、このまま自分の力を出し続けられたら、間違いなく試合に出られると信じていますね」
東洋の国から来たこの青年は、すでにいくつかのカステジャーノの単語を学んだようだ。だが、新しい言葉を発見したものの、いまだにエスパニョールが勝った試合には遭遇していない。しかし、アキはそんなに悪い試合ばかりではなかったと言う。
「最近の何試合かは、非常に難しい試合でしたよね。それでも、だいたいにおいてプレー自体は良かったと思っています。ディフェンスもがんばっていたし、ゴールチャンスも結構ありましたよね。唯一欠けていたのが、最終的にゴールを決める選手だったような印象を受けました。だから、僕にもチャンスがありそうな気がするんです」
テスト中の期間とはいえ、彼はエスパニョールを選んだことに何の後悔もないと言う。
「魅力的なオファーは余るほどありました。例えばイギリスのアーセナルとかね。でも僕はスペインリーガが好きだったんです。特に攻撃的なところに惹かれますね。僕を呼んだことが間違いじゃなかったということを証明するためにも、一回でも良いからチャンスをくれればなあ〜。自信はあるんだ。本当に」
エスパニョールが二部のチームに又貸しするかも知れない、という噂に関して彼は言う。
「そんなことは考えたくもない。確かに噂は通訳の人を通して僕のところにも入ってきますが、クラブ関係者から直接言われたことは一度もありません。僕はエスパニョールというチームで活躍することを夢みて来たんだし、他のチームに行くなんてことは考えたこともないです。でも、クラブが何らかの結論をだした時には、やはりこれからどうするか決めないといけないですよね。でもきっと、大丈夫でしょう。自信あります」
アキはバルセロナという街が大好きだと言う。
「天気は毎日良いし、食べ物もおいしい。そしてみんな開放的ですよね。この街に長く住みたいなあ〜。それにはとにかく、チームでがんばんないと。自信はあるんだ。本当に」
チキ「自信があることは、素直に良いことだと思います。せっかく来たんだから、個人的には一回ぐらいエスパニョールのアキちゃんを見てみたいですな〜。がんばってください。」 |