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ジョアン・ラポルタ

いつだったか、たぶん2か月前ぐらいだったか、バルサの会長であるジョアン・ラポルタの1週間を追い続ける2時間ぐらいのルポ番組があった。彼はいまだに“時の人”であり、バルサの“ケネディー”であり、そして何よりも“バルサの会長”であるからして、常人ではこなせないほどのスケジュールに追われる生活をしている。1日の睡眠時間が2時間から4時間、週の半分は朝の6時に弁護士事務所に顔をだして机に向かって本業に精をだしている。昼過ぎから夜中までは分刻みのスケジュールで埋まっており、その中の多くはラジオだとかテレビだとかメディアやスポンサー関係につきあうものだ。

水曜日の8時だか9時だかの早朝におこなわれたカタルーニャラジオのインタビュー番組に出席したのも彼のほんの“日常生活”の一部に過ぎない。1日に10本近くのインタビューをこなす彼の“日常生活”だからして、すべてが理想的な発言とならないのはしょうがないことだ。例えば、インタビューする方が「ロナルディーニョには多くの美味しいオファーがきているのか?」という質問をすれば「彼には想像を超える額を提供するオファーがきたとしても不思議ではない。もしそういうオファーが来たらクラブとしては彼をとどめておくのは難しいかも知れない」ということを言ったとしよう。「それでも我々は・・・」と続ければ何の問題もないとことだけれど、インタビュー側が他の質問に入ってしまえば「それでも我々は・・・」と続けることができない場合もある。そして、これだけで、中央メディアにはとてつもなく美味しいニュースとなってしまう。この言葉をとってマルカとかアスによるラポルタ発言はどうなるか。
「ロナルディーニョをクラブにとどめておくのは難しい。」

自分の発言の反響に驚いたラポルタはぎゅうぎゅう詰めのスケジュールをさらにぎゅうぎゅうと詰めなおさなければならないハメとなる。緊急記者会見を午後に開き「我々は世界中の金を積まれてもロナルディーニョを売る気はない。」
そしてカタルーニャメディアはこれをトップ記事にし、
「バルサはどんなことがあってもロナルディーニョを売る気はない。」
と、中央メディアとカタルーニャメディアに起こるいつもの風景。

まあこれで視聴率があがったり新聞の売れ行きが伸びたりするんだから、メディアにとっては“ニュース”なんだろうが、ああ、なんともばかばかしいことかいな。そしてバルセロナに戻ってきたロナルディーニョを大勢のメディアが空港で待ち受け彼の意見を聞くことになる。
「バルサが気に入っているし、街も好きだから自分はバルサに残るよ」
あったり前のチャンチャンコリン。記憶に間違いがなければ彼は5年契約、違約金1億ユーロという契約書にサインをした選手なんだから。
(04/04/30)


ビクトル・バルデス

セラ・フェレールが監督をしている時代にレイナという、ポルテロとしてはとても若いカンテラ育ちの選手が一部デビューをした。デビュー当時の若さからしても、もし順調に成長していけば今後10年間にわたってバルサの守護神となり得る逸材。1年間にわたってミニエスタディで見続けてきた選手だからして、カンプノウデビューしたレイナを大応援。それでも、レイナの代わりにミニエスタディに登場してきた、これまた若きポルテロも魅力的だった。たぶん一番若いバルサBの選手であっただろうけれど、人一倍大きな声を出して各選手に指示を出し、そして何言っているの理解できない言葉を90分間叫びまくっている選手、それが彼から受けたミニエスタディでの印象。あれは2000年か2001年ぐらいの時期だ。

スビサレッタがいなくなって以来、多くのポルテロがバルサにやって来ている。それでもほんの一時期のヘスプをのぞいてみんな失格。スビサレッタのすぐ後のブスケはフットテクニックは一流ながらポジショニングの悪さや、ポルテロとしての基本的な資質に欠けている選手だったし、ログローニェスで大活躍しスペイン代表では第二ポルテロとなっていたロペテギやポルトガルの色男バイアは度重なる負傷とプレッシャーに押しつぶされた。アンゴイは親族家系のコネ以外何ものでもないポルテロだったし、ボナノは・・・あくまでもボナノだった。

キャラクターの強さと右足だけとは言えフットテクニックのうまさ、この2点がビクトル・バルデスの売り物。ミスキックや思わぬチョンボが登場するが、それは誰にもあることであり、もちろんあのカシージャスだって完璧ではない。

2002年の11月のこのコーナーで、バンバンによって虐められふてくされた彼のことに触れている。あれから2、3か月再びミニエスタディで見ることになるバルデスだが、もう過去に同じスタディアムでプレーしていた彼とは明らかに違っていた。一部チームでデビューしたことからくる自信なのか、あるいは一皮むける時期だったのか、とにかく一回り大きく成長してミニエスタディに戻ってきた。もうこの時点で今後10年のバルサ守護神となる選手は決まっていた。

マドリ戦での彼は決して100点のできではなかったと思う。もちろん彼にとって今シーズン最高の試合でもなかったし、見た目に派手なプレーが多かったことは確かだけれど、同時にいくつかのミスも気になる試合だった。それでも、これまでのように試合を救ってきたという意味ではシーズンを通しての“普通”のバルデスだった。もし彼の何回かの派手なセーブシーンを見てバルデスが成長したなんぞと思う人がいたとしたら、それはこれまでの彼のプレーを見ていない証拠だ。あくまでも、1人の選手の資質を評価する場合、決して一試合や二試合の“点”を見てするのではなく、シーズンを通しての“線”で評価しなければならないと思う。
(04/04/28)


去る人来る人

シーズンの終わりが近づいてくると必ずやってくる去る人来る人のうわさ話。シーズンの真っ最中でさえよくメディアを騒がしている美味しいうわさ話しだからして、来シーズンの構成を練らなければならない4月や5月には当然ながら洪水のようにやってくる話題だ。バルサも契約切れとなる選手との交渉が来週から始まる。

誰であろうと、それがガッツであろうとパトリックであろうと、いつかはクラブを去る人となるのだし、しかもそういうことには毎シーズン慣れきってしまっているから、今シーズン終了後に誰がクラブを去ろうと、それはそれで自然に受け止められること。誰であろうと、それがトレセゲであろうとルーケであろうと、来る人となったらもちろんバルサ選手の一員として大歓迎するのも毎シーズンながら当然の話。去る人来る人で何かの問題があるとすると、それは去る選手の去り方であり来る選手の来方となる。

例えば、古い話しになるけれども、今のパトリックと同じようにファンの間で見事に二分されての評価対象となっていたシュステルが去ったとき、もしその前のシーズンに去っていればもっとファンに受けのいいスタイルでのサヨナラとなっていたと思う。ベナブレスに半年間も干されるような形で、しかもベナブレス擁護派とシュステル擁護派に真っ二つに分かれてしまっての最終的には喧嘩別れみたいな形になってしまった何とも後味の悪い去り方だった。7年も8年もバルサに貢献した選手なのに、クラブにしても選手にしてもサヨナラの時期を間違えてしまった典型的な例だった。ラウドゥルップは少々事情が違うとは言え、監督との衝突という意味で言えば同じようなものだ。そういう意味で言えば、パトリックはバルサを去るのに1年遅れたとはいえ、今が一番良いサヨナラの季節だし、ガッツにしても、もう1年クラブに残るよりも今がいいと思う。

いま考えてみればロマンの来方は最低だった。肝心の監督がメンディエタ獲得を条件としてクラブにロマンの入団受け入れOKというような来方をさせられてしまったのだから、彼にバルサでの将来は最初からなかったのかも知れない。メディアクラック獲得狙いのラポルタがニステルロイ、ライカーは効率的な選手としてディバイオ、チキはメディアクラックと効率的な選手の中間をとってトレセゲを、そしてサンドロ・ルセーはアドリアーノ大好き人間で彼の獲得を前から狙っているし、それぞれ人によって獲得対象としている選手が違う現在のバルサ、それでもラッキーなのはライカーが監督だということか。

今シーズンの加入選手に関してライカーが介入したのはジオとダビッツのみ。ガウ〜チョはサンドロ・ルセー、ルストゥやマルケスはラポルタ、クアレスマはチキ、マリオはエウセビオ、そして誰かとの交換要員選手としてバルサに戻されたルイス・ガルシアは何となくバルサ居残り。自宅でもケガしてしまうマリオとツキのなかったルストゥは別として、ライカーはそれぞれの選手にそれ相応のチャンスを与えていたように思う。誰が誰を獲得することを狙っているか、そういうことはどうでもいいことで、結果的には、来ることが決まった選手がどう活躍するか、そう、それだけが問題だ。
(04/04/17)


マヌケなカード

ロナルディーニョが積極的に獲得した2枚目のイエローカード。ポルテロに対するファールのルールが具体的にどうなっているか知らないシロウトにも、ああいうのは何となくファールっぽくって、しかもイエローカードの臭いが漂ってくるプレーだ。

あの試合の夜のラジオを聴いていたら、元・現を問わず10人の審判によるあのファールに関する討論会番組があった。出席者全員が“あれはファールでイエローカード”って言うのかと思っていたらとんでもない間違い。審判によってそれぞれ“ポルテロに対するファール”の解釈がずいぶんと違うようだ。約半分の人が“ポルテロは絶対の存在ではない”という理由から、”両手でボールを掴んでいる”状態ではなく、“ボールを投げよう”としている瞬間でも“ボールを蹴ろう”としている瞬間でもなく、ただ単に“片手でしかも手のひらに載せて”いる状態のボールを“ポルテロの体に触る”こともなく相手の選手がヘディングでボールを奪ったのであるから、あれはファールではなくもちろんイエローカードでもない、という意見だった。へえ〜、わかんねえもんだ。よくわからないマヌケなルールと、それを勝手に自己解釈して適用するマヌケな審判と、雰囲気的にはイエローだよっ、ていうプレーをしちゃうマヌケな選手たちが構成するまったくもってマヌケなイエローカード。

でもこれより納得できないのは1枚目のイエローカード。これは誰に聞いても間違いなくイエローバッチリカード。でもこのルールはイエローカードの精神に反するマヌケなものだと思う。

イエローカードの精神は相手選手を傷つけようとするような激しいタックルに対するものであったり、実際にケガさせちゃうようなプレーに対するものあったり、体の接触以外のものに対するものであれば、それはフットボール精神に反するハンドによるプレーだったり、あるいはミエミエの時間稼ぎ行為であったり、あるいはこれまたミエミエの審判だましダイビング行為であったり、つまるところ“確信犯”に対して出されるものじゃなくちゃあいけない。

A選手が審判に“距離を測ってくれ”と頼み、B選手がそれに気づかず審判が笛を吹く前にボールを蹴ってしまう“勘違い”プレー、こういうシーンは計り知れないほど見てきたけれど、これをイエローとしちゃうのはまったくもってマヌケなこと。ルールもマヌケ、審判もマヌケ、そしてイエローをもらう選手もアッケラカンとしてマヌケに見えてしまう。やはりイエローとかレッドカードというのは肘鉄や頭突き行為を平気の助でやるジダーンやグッティなどの“確信犯”にこそ似合うもんなのだ。
(04/04/13)


ちょっとバルサB

ここ何年か下から上がってくる選手が多い。かつてミニエスタディで見ていた選手がカンプノウの広いグランドに登場してくるのはとてつもなく嬉しいこと。イニエスタ、バルデス、オラゲールはすでに一部チームの定着選手だし、オスカー・ロペス、セルヒオ・ガルシア、ジョルケラあたりも今シーズンはカンプノウで見かけるチャンスもあった。

でも残念なことに、現在のバルサBを構成している選手たちの中に近い将来に一部に上がって来そうな選手がいないのだ。期待していたベルドゥはとめどもなく伸び悩んでいるしサンタマリアなんぞは問題外。鳴り物入りで加入してきたエスポシットやクリスティアンは最近はバルサCへの助っ人組み選手となってしまっている。状況が厳しいバルサBであるにも関わらず、バルサCへいかされているということは今のところ計算外ということだろう。

オラゲールが抜けた穴を埋めているロドリ、左ラテラルのペーニャ、久しぶりの大物選手ラモン・ロス、そしていつかは必ず上がってくるだろうレオ・メッシー。セルヒオ・ガルシアが来シーズン一部に定着できるかどうか、それはとても難しい状況。オスカー・ロペスもラテラル選手として起用されると苦しいところがある。ジョルケラは第二ポルテロとしてベンチに入る可能性が大だろうが、彼は良いときと悪いときの差が大きすぎる欠点がある。個人的に期待するのはラモン・ロスとペーニャ。特にロスはコクーの代理を務められる選手だ。でも今までのフラン・ライカーの使い方を見ている限り、彼らにもチャンスが訪れる可能性は少ない感じがする。したがって、来シーズンの定着組はこれまでのシーズンより少なそう。

それにしてもイニエスタの“ストップ状態”は納得いかない。負傷する前にスタメンで何試合か起用され誰もが認めるようにそこら辺に転がっている選手ではないことをすでに証明している。しかも彼は前回のアンダー21のヒーローであり、事実上の最優秀選手だったと思っている。その彼が起用もされず、しかもビジャレアル戦ではベンチにさえ入れなかったことは信じられないことだ。どうにかしてくださいよ、ライカーさん、バルサではもちろん、スペイン代表でも今後10年間超目玉となる選手なんですから。
(04/04/09)


あ〜あ、気にくわない

無敗街道を突っ走っているバルサとは言え、見ている者にとってはどうもしっくりこないし、試合そのものが面白くない。数字で表すシステムなんぞは個人的にどうでもいいんだけれど、後ろの方に人が多いのがどうも気にくわない。どうしても点が欲しいときに、危険を犯してでも点をとりに行こうとする姿勢がないのが気にくわない。もっとも、その姿勢があったとしても、ゴールを決める選手がいないと言われれば、フムフムと納得してしまうが。

勝利している試合展開であれば、コクーが第三のセントラルとなっていても気にならない。でも負けているときやゴールを奪うのがどうしても必要だという時にもそうだと少々気分が悪くなる。ライカー監督はディフェンスを削ってまで勝負、という危険を犯さない監督。あるいは彼の採用したシステムとやらが最優先するためか、選手を代えてもベンチに下がった選手のポジションに誰かを入れるという発想しかないようだ。例えばディフェンスを少なくして中盤を厚くしたり、デランテロを増やそうという発想はない。したがってディフェンスの誰かが抜けたとしてもそこにコクーが入ることが多い。それが危険を犯さないという印象を与える。ソシエダ戦にギリギリのところで偶然と言っても良いガウチョのゴール、そしてセルティック戦、ビジャレアル戦と1点も入らない地元カンプノウでの試合。見ていて面白いわけがない。

後ろの方は丈夫にできているライカーバルサだけれど、前の方を見るとロナルディーニョの閃き次第となるのはヒジョーに寂しい。試合内容そのものは決して面白いわけではないから結果だけが救いとなるのに、その結果さえ思わしくなくなるとやはり面白くも楽しくも何ともないのだ。夜の10時なんぞに試合を見に来て無得点で終わるなんてのが面白いわけがない。しかも2試合続けてだ。

ビジャレアル戦の前に、ミニエスタディでインファンティルの試合を拝見。子供たちの試合だからして、相手選手に対するヤジなど間違ってもない。どちらかのチームの選手が負傷して倒れると、両方のベンチから赤十字のマークのついた箱を持った人が駆けつける。そして選手が立ち上がれば観客席に陣取る親戚の人や学校の同級生たちから拍手。とっても良い雰囲気。

良い雰囲気なのはそういう風景だけではなく、バルサのゲームの進め方が良い雰囲気を醸し出す。左右のラテラルは非常に高い位置にいる。ライカーバルサと違い一人ピボッテの“4番”のフラン・カピタンがボールを左右に押し出す。ヤゴは10番をつけているが役割はかつての“6番”だ。つまりバケーロのような動きと役割をする。上の方を見れば、左右に大きく広がるエストレーモ。まるでウリストやラウドゥルップがプレーしているような景色。そして“9番”のボージャンはもちろん前にはっているだけではなく、真下に、左下に、右下にと自由に動いていく、かつて見た懐かしい雰囲気があるインファンティールのゲーム。ここで帰宅すべきだったな。
(04/04/05)