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ビクトル監督の勝利
かつてメノッティバルサ時代やベナブレスバルサ時代にカピタンとして活躍したビクトル・ムニョス。つい先日までバルセロナの自宅を拠点としてバルサベテランチーム選手の一人として週末にはミニゲームを楽しみ、ほぼ毎日のようにカタルーニャ紙にバルサの現状分析のコラムを掲載していた。そう、彼はつい先日まで元バルサ選手の一人として、そしてコラムニストとして常にブラウグラーナの一人だった人物。その彼がバンガルディア紙にコラムニストとして最後にバルサ分析を掲載した内容は次のようなものだった。
“カンプノウに訪れるクラブはかつてのような恐怖感を抱いていない。だからバルサと対戦しても決してビビることはもうないし、勝利の可能性を信じて戦っている。だが、その自信を持つこともなく、相変わらずカンプノウでのバルサは強敵だと勘違いしていたクラブが存在した。その唯一のクラブ、カンプノウで3−0というスコアーで敗戦したサラゴサだ。”
その“勘違い”による敗戦を喫してから11日、ビクトルはサラゴサの監督としてカンプノウに戻ってきた。彼がこれまでコラムニストとして指摘してきたことが正しいことを証明するためかのようにカンプノウに戻ってきた。“勘違い”をしたパコ・フローレス監督はすでにいないし、11人の選手もすでにその“勘違い”に気がついている。したがって、昨日カンプノウを訪れたサラゴサは11日前のリーグ戦でのサラゴサとは違うチームとなっていたとしても不思議なことではない。
選手たちの持つ恐怖感を拭い去る一番良い方法、それは守りの姿勢でチーム編成するのではなくあくまでも相手チームと対等に、いやそれ以上により攻撃的な姿勢を示すシステムを選手たちに与えればいい、それがビクトルの発想だ。だからこの日のサラゴサは4人のデランテロという、11日前のサラゴサとはまったく異なるチーム編成と姿勢で試合にのぞむことになる。
だが“チーム編成や姿勢”の変化という意味ではバルサも負けていない。彼らも確実な変化を見せていた。だが残念ながらその変化はサラゴサが11日間に肯定的に変化したのに比べ、バルサといえば否定的に変化を見せることになる。グランド内を走り回る11人の選手の中には背の低い選手はいなくなり、ボールテクニックを信条とする選手もいなくなり、サイド攻撃に参加する選手もいなくなり、そして中心となる選手もいなくなったバルサ。プジョー、ジオ、イニエスタが負傷中という言い訳も成り立つかも知れない。だが、国王杯はベンチの中に5人しか入れない規約があるため、クアレスマが観客席に追いやられたことは言い訳にはならないだろう。なぜならベンチには二人のエストレーモ選手、つまりオーベルマルスとルイス・ガルシアが入っていた。トリデンテが機能しなかったのは事実だし、かつて機能したこともあまりないことも事実だ。
審判だけが見たペナルティーの不運は確かにある。その不運は、もし審判が意識的にバルサに危害を加えようとしているのでないならば、ソシエダ戦でもレバンテ戦でのペナルティーとしてすでに経験済みのことだ。バルサには一昨日のバレンシア戦でマドリ・ラウルがもらったような“あり得ないペナルティー”は決して与えられることはないだろうし、その逆に“あり得ないペナルティー”の笛を吹かれる運命にあることも事実の一つだ。そして否定できないもう一つの事実、それはゴールを奪う能力にも決定的に欠けている台所事情だ。
審判を非難してもバルサの順位は上がらないし、国王杯の次のステップに進む可能性を与えてくれるわけではない。したがって最も肝心な問題、それを解決していかなければならない。最も肝心な問題、それはバルサはどのようなアイデアでどのようにプレーし、どのようなスタイルでどのようなシステムでどの選手がスタメンとして起用されるべきか、そういう基本的なことだ。もうシーズンが折り返している季節に入っているといるというのに、そういう基本的なことが最も肝心な問題となるバルサ。毎日晴れているバルセロナだがカンプノウは寒さが厳しそうだ。
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