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試合中止・延期の仕方

気象条件などが原因となって試合が中止されれば、当然ながら“延期試合”となっていつか同じカードで対戦することは言うまでもない。それでも試合には中止の仕方というものがあり、その仕方によって“延期試合”そのものに影響を与えることもある。例えば、ベティスの会長であるルイス・ロペラは次のように考えたとしよう。
“とにかく試合を強行してしまい、5分とか10分後に中止にしてしまえばバルサは同じメンバーで次の試合を組むことが要求されるに違いない。”
多くのベティスファンも同じように考えたようだ。
“一度初めて途中で中止になったら、同じメンバーを起用しなければならない。”
何となくありそうな規則、だが実際にはそんな規則は存在しなかった。

スペインフットボール協会が定める規則は次のようなものだ。
“試合の途中で何らかの理由で試合中止・延期となった場合、カード制裁のため出場不可能な選手以外はすべて新たなフォーメーションで再開できる。”
つまり、カード制裁でこの試合に出場できなかった選手、あるいはこの短い試合で退場になった選手、これらの選手は出場不可能となるが、負傷や何らかの理由でこの試合に出場できなかった選手は出場可能となる。ルイス・ロペラは誰しもがする勘違いをしてしまった。

ベテラン会長にして毎年スキャンダルには事欠かない名物会長でもあるルイス・ロペラ。彼にとって今シーズンデビューしたばかりの新人審判リソンド・コルテスを手玉にとることなど簡単なことだと思ったに違いない。
「お〜い、審判さん、雨は止むそうだぜ。これなら試合ができるな。」
試合開始予定時間までまだ15分ある。リソンド・コルテスはすでにグランドに何回もおもむき、芝の状態や雲の流れを確認している。ルイス・ロペラがそう声をかけてきたものの、グランドから戻ってきたばかりのリソンド・コルテスは首を横に振っている。
「いったい誰があなたにそんなことを言ったのか。雨はまだ降り続けているし、黒い雨雲もきれそうもない状態だ。」
だがルイス・ロペラも負けていない。こんな若造に負けてたまるか。
「いいかい、雨はそのうち止むし試合は予定通り開始すればいいんだ。もし思うように試合ができなかったらその時点で中止を命じればいい。わかるか?」

試合予定時間19時から30分過ぎたところでリソンド・コルテスは試合の中止を決定している。グランド状態は決してフットボールをするものではなく、水球用のプールみたいなものだった。それはすでに試合開始30分前からわかっていることだった。気象庁に電話した彼は次のような予報を聞いていた。
「これからさらに雨は強くなり、一晩中降り続くことになりそう。1Fあたり80から90リットルの雨量だろう。」
とても試合ができる状態ではない。

試合中止を聞いたルイス・ロペラは延期試合をいつおこなうかということに関して、バルサ会長のラポルタとスペインフットボール協会の責任者と会合を持っている。ルイス・ロペラの要求は次のようなものだった。
「我々が要求する日は明日。明日試合をやろうじゃないか。」
明日、その日には多くの選手は代表に呼ばれて不在となっている。もちろんこの要求はラポルタにもフットボール協会にも受け入れられない。当然だ。あったり前だ。

スタメンが決定されていたセルヒオ・ガルシアには本当に気の毒だったとはいえ、彼にはこれから多くのチャンスがやって来ると期待しよう。そして彼の無念さだけを別として、クラブとしてはこれほどありがたい試合延期はなかったに違いない。4月14日、何事もなければプジョー、ジオ、サビオラ、クルービー、彼らの登場が期待できるからだ。