| サビオラの夢
去年の7月8日、アンダー20の優勝カップを高々と掲げたサビオラが夢見る次のステップ、それはワールドカップへの出場を果たすこと。つまり今年の6月20日、日本で横浜のグランドに足を踏み入れることだった。そして、今週の水曜日、その夢を実現する可能性を秘めたワンステップが踏まれようとしている。
アルゼンチンの監督であるビエルサがサビオラを召集したのはこれが初めてではない。2000年4月16日、パラグアイ戦で代表デビューを飾ったサビオラは15分間にわたってプレーしている。そしてその後ペルー戦とウルグアイ戦にも呼ばれながら出場は果たしていない。
だが当時と今では状況が明らかに変わっている。ワールドカップに向けて召集される23人の選手。その中でいまだにビエルサが決めかねている3人から4人の選手の中にサビオラが含まれている。なぜならビエルサは78年のワールドカップのことを覚えているだろうから。当時の代表監督であるメノッティは、アルゼンチンファンが望んだマラドーナを召集しなかったことで大きな批判を浴びてしまった。そのことをビエルサは覚えているに違いない。今、アルゼンチンのフットボールファンはサビオラとリケルメのワールドカップ出場を夢見ている。ビエルサはもちろんそのことを知っているだろう。
ワールドカップの出場は厳しい状況ですね。
もちろん難しい状況だと思う。誰を選抜するかということはもちろんビエルサが決めることだけれど、どのような監督であれバティやクレスポという二人の偉大な選手を優先するのが普通。世界レベルの二人だからね。
彼ら以外にもクルスとかカニージャもいます。
その通り。彼らも素晴らしい選手だ。とにかくアルゼンチンのデランテーロとして選抜されることには大変な競争があると思う。もし僕がその中の一人として選ばれたら、これほど名誉なことはないんだけれど。
ビエルサは選手の名前よりも、調子の良い選手を連れていきたいと言っています。彼とはこれまで話しをしましたか?
いいえ、そんなことはしていないよ。僕はこれまで3回ほど代表に呼ばれたけれど、それだけのことだ。監督と面と向かって話ができるのはもうチョット経験を積んでからのことだよ。
アルゼンチンは優勝候補だと思いますか?
もちろん。そう、もちろんそう思うけれどそれはグランドで示さなければいけない。我々のグループは決して簡単なものではない感じだ。しかもアルゼンチン戦だと実力以上のものを出してくる代表も多いし。
代表の成功は何を意味するでしょう。
アルゼンチンが抱えている問題はかなり悲惨なものだと聞いている。代表の勝利はアルゼンチンの人々に、一瞬だけかもしれないけれど大きな幸福感を与えることになるのでは。祖国の人々の喜びに役立てることができるのであれば、我々は是非とも成功しないといけないと思う。
バルセロナからアルゼンチンは遠いですね。
距離的には非常に遠いけれど、日常的に友人たちとは連絡を取り合っている。彼らの置かれている状況は日増しに厳しくなっているようだ。新聞でもテレビでも、アルゼンチンの状況は伝わってくる。これまで良いニュースなんかほとんどなかったけれどね。本当に心配だ。僕はたまたまバルセロナに来るチャンスがあった幸せな人間だけれど、そうじゃなかったら今ごろ空腹に苦しんでいるアルゼンチンの人々の中に自分がいたかも知れない。そう思うと人ごとではないよ。
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