2001年
8月
2002年

世間の風は冷たい

倒れかけている白樺の楽しいニュースがたくさんある今日この頃です。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

その倒れかけている白樺に関して毎日コメントしたんでは「カピタンは、ひょっとしたらアンチマドリディスタではないんだろうか」とい誤解をうけそうなので、せいぜい一日おきにしています。

さて明日の土曜日、アンドラ対ポルトガルの試合がおこなわれます。ここ最近アンドラは国際試合に、カンプノウの横にあるミニ・エスタディオをホームグランドとして使ってきました。バルサBのグランドです。そして今回もここを使うはずだったんですが、ポルトガルの強い反対にあってグランドの変更を余儀なくされたのであります。ポルトガルが反対したのは、お山の大将の「あんなとこ、おらぁー恐くて行けねえだぁー」というのをくんでのことはもちろんです。

そこでバルセロナから100kmちょっと離れた、レリダという街のグランドを使用することになったそうです。その街に行くにも、ポルトガルご一行様は、バルセロナ空港を使わず、サラゴサ空港からこそこそと昨日の午後に到着しました。
「ここまでは、バルセロニスタは来ねえだろぉ」とお山の大将は思ったかどうか。しかしいずれにしても肝心なことを忘れていたんですねぇ。レリダもカタルーニャの街だってことを。

レリダに幾つかあるバルサファンクラブが集まって、ことの処理にあたったそうです。結論は「完全無視」。ファンクラブとしては何もしないけれど、自己主張したいヤツは勝手に行けということです。日本でいう町内会みたいな組織も「完全無視」。中立の立場にあるレリダフットボール協会も、せっかくオラが街で国際試合が開かれるんだから、協会所属の子供選手を無料で招待したそうです。ところが帰ってきた答えは「裏切り者がでる試合なんか、タダでもいかねえ」という、恐ろしいガキどものの返事でした。

結局このワールドカップ予選の国際試合、観客席を陣取るのは、普段つらい思いをして過ごしているレリダのマドリファンクラブの人々と、自己主張したいバルセロニスタと、少々のポルトガル人ということになりそうです。

懐はじゅうぶん暖まったものの、世間の風はまだまだ冷たい。(2001/08/31)


カウントダウン 32、31、30・・・

ヨーロッパカップ関係(チャンピオンズリーグ、UEFAカップ)に参加するクラブの選手登録は、明日(8月31日)の24時で締め切られます。ということは、これから移籍する選手は急いで契約書にサインを済まし、クラブがそれをUEFA組織に送らなければならないということです。その最終期限が明日の24時。今から約32時間後。

さて、将来の就職先を求めている、しかも急がなければならない選手がどのくらいいるのか調べて見ました。

●グアルディオーラから始めるのが礼儀というもの。カップ戦に出場するのであれば、リバプール、バイエルン、パルマの中から選ばないといけません。うーん、どれも可能性は少ないような。

●キコは散々ラッチオにもてあそばれたあげく、いまだにチーム探しをお父さんがしています。ここんとこ浮かび上がってきているのがレバクーゼン。バルサのお相手チームです。

●ブランのマンチェスター入りがウワサされていたにも関わらず、いまだに決まってないようです。まあ、そのままインテルに残ってもカップ戦には参加できる立場ですが。

●ジャルデールはスポルティング・リスボアが狙っている。

●カヌーの獲得を密かに画策しているのが、オリンピアコ・デ・リオン。これまた、バルサの相手チームだ。

●クリスは一時バルサ入りもウワサされた選手。ローマのカッペロがどうしても欲しい選手だという。

●アルメイダ、この名前なつかしい。セビージャにいた選手じゃないか。そんなことより、ユベントスがライライしている。

●ペレグリーノはバルサにいた選手。インテルのクーペルがブランが抜けた場合、欲しい選手の一人。

●ヌーノ・ゴメスはフィオレンティーナの中で少しは高く売れる選手の一人。フランスリーグで現在ペケのナンテスが狙っている。

さてさて、残されたわずかな時間で、誰がどこにいくのでありましょうか。(2001/08/30)


がたがた騒ぐんではねえ、メレンゲども!

まだ一試合しか消化していないスペインリーグ。それでもすでにマドリッドからの被害妄想的な「アンチ・マドリ攻勢」に対するボヤキが囁かれている。

ジダーンに対するバレンシア選手の度重なるファールに、お坊ちゃんグッティは「我々はジダーンを守らなければならない」とピント外れな馬鹿なことを言いだし、マドリメディアもメレンゲをあおって「アンチ・マドリ攻勢」なるものをでっち上げている。それも、どこに行っても人気がないというのならともかく(実際、マドリの評判はどこに行ってもよくないけれど)、反マドリキャンペーンが存在するというのは的を外している。

そもそも被害者意識というのは、いい意味でも悪い意味でもカタルーニャの独占特許であったはずだ。ここの人たちは過去の歴史に対し、けっこう執念深いところある。

古い話しになってしまうけれど、マラドーナやシュステルに対してのファールなんてものはジダーンへのそれとは比べものにならないものであったはずだ。悪名高きゴイコエチェア(今はどこの監督だ?ラージョあたりか?)のマラドーナにおこなった有名なタックルは、ジダーンへのそれより500倍はすごかった。ロナルドへのファールなども激しかった。リバルドへのイエローや、ひじ鉄男レドンド(やな、野郎だったなあ、こいつは。貴公子?ブッフッフッフッ)の執拗なファールはいまだに記憶に新しい。

アンチ・マドリキャンペーンというのは、集団でキャンペーンをはっているのではなく、個人の意識の問題だ。それは昨日の「今日の一面」にあらわれていたように、マドリ組織の高慢さ、傲慢さから来ていることに彼らは気がついていない。
「世界最強のチームに対する嫉妬が、アンチ・マドリ意識を生んでいる」というメレンゲの意識が、そもそもその傲慢さを証明している。(2001/08/29)


なぜ、サビオラをとったんだ?

メレンゲに関して面白い話しが一杯あるのですが、やはりバルサを優先しないといけないので、今日はバルサの話しです。

アルゼンチンのメディアが、反レシャックの大シュプレヒコールを送ってきているようです。もちろん先日の対セビージャ戦に、サビオラがスタメンに使われなかったことに対する批判です。

アルゼンチンの最大の新聞 ”クラリン”は、まず比較的柔らかい感じで
 「いずれにしても外国から来た人間は、新しい国では家を借りるときに必要以上の敷金を要求されるものだ。その借り主の名前が何であろうとも。サビオラも決して例外ではなかった」と始め、
 「悪い芝居のディレクターがそうであるように、レシャックはプレ・シーズンで稽古してきた内容をいっさい無視して新たなシナリオを作ってしまった。それが先日のセビージャ戦である」と厳しい。

また、ときどき「今日の一面」で登場する ”オレー”もレシャックを批判しています。
 「セビージャ戦には一人の悪役が登場した。その名もカルラス・レシャックという二流俳優だ。残念なことではあるが我らがサビオラは、行方の知れぬストーリーをもった映画に出演してしまったようだ。」

アルゼンチンメディアの表現は、スペインのそれとは違いなかなか粋なスペイン語まわしでくるので気に入っています。が、今回のレシャックに対する批判は「自分たちの息子を愛する」親ばか表現の域を超えてない感じです。

サビオラは19歳という若さでヨーロッパにやって来て、しかもまだ一試合しか消化していない段階でのコメントです。彼にはこれから学ばなければならないことが山のようにあるでしょう。世間の認知を受けたクライハートやリバルドなどの ”クラック”と比較するのは早すぎる感じがします。レシャックがどう考えているかわからないけれども、彼は徐々に徐々にヨーロッパの水に合わせてやるのが大事なことだと思います。(2001/08/28)


再び「レアル・マドリ倫理十戒」

復習の意味も込めて「レアル・マドリ倫理十戒」の幾つかを見てみましょう(意味が分からない人は今月初旬のこちらカピタン参照)。

●クラブを応援し、元気づけてくれるマドリファンに対し、我々は彼らに「希望」という形でお礼をしなければならない。特に子供達には、最大のサービスをもって応えてあげねばならない。

プレシーズンでも見られたことだけれど、バレンシア入りしたマドリ選手を乗せたバスがホテルの駐車場にダイレクトに乗り入れ、ホテル前に何十人と待ち受けていたマドリディスタとの接触をいっさい避けた。その後も試合当日にグランドに向かうまで、ファンのとの接触はなかった。
とんだ、サービスだなあ。

●審判に抗議をすることは、自分たちの弱さの証明である。エル・マドリは決して不服を言ってはならない。
●試合後に、審判や相手チームの選手に対し抗議をするのはマドリニズモに反する。

フィーゴやイエロは審判に文句をつけるのに忙しく、プレーするどころではなかった。試合後も、審判批判が多くの選手、監督から聞かれた。
負けたからって不服をいっちゃあ、いけねえよ。

●目的は勝利することであって、相手を踏みにじるものであってはならない。もし我々が敗北した時には、相手を賞賛しなければならない。

試合前、バルダーノはマドリメディアを通じて「バレンシアは30年もリーガ優勝していないチーム。リーガチャンピオンを狙うのはおこがましい」と発言。試合そのものを盛り上げてくれた。
相手を尊敬する模範となるべきスポーツ・ディレクターがこれだ。

今日のマルカは非常に興味ある内容。
「なぜこんなにマドリは嫌われているのか?」
フロレンティーノが会長になってから、ヤバイ方向に向かっているような気がしませんか、マドリディスタの方々。(2001/08/27)


お知らせ

これから週末の一日(土曜か日曜)は、こちらカピタンはお休みということになりました。
Granaさんの意見によれば、週に一回休んだほうがこちらカピタンのありがたみが増すということで、そういうわけで今日はお休みです。
本当は昨日の面白い試合にことを書きたかったんですが、今度にします。
皆さん、よい日曜日を!(2001/08/26)


腰抜け悪魔

ヨーロッパスーパカップにリバプールが優勝したという。あの超卑怯者腰抜けアンチフットボールクラブが、夏のヨーロッパチャンピオンになっちゃうなんて、まあ相手もドイツの恐竜チームだけれど、ヨーロッパ各国でシーズンが開幕しようというこの時期、気持ち悪いニュースでした。この超卑怯者腰抜けチーム対ドイツ恐竜チームの試合は、延長戦に入ってもどちらも点が入らず、ピーケー戦でどちらかが勝つというパターンがお似合いだと思うのであります。ところがそうならず、超卑怯者の方が何かの拍子に恐竜の裏をついて得点を入れ、そのまま腰を引きながら首だけ突っ込んでさらに追加点を入れて勝ったようです。気分が悪くなる、不愉快な話しです。

あの日、カンプノウに何人来ていたか知らないけれど、あの試合を「かつての真っ赤っか・リバプール」というチームが相手の、久しぶりのビッグゲームと期待していた人がほとんどであったでしょう。試合内容はバルサファンなら誰でも知っているので省きます。ただ、現場にいた多くの人たちの一人として言わせてもらえば、バルサのだらしなさを100%認めたところで、それでも生まれて初めて観た超奇怪千万ふざけた試合でした。5人も6人もディフェンスがいるのは許せるとして、相手チームから奪ったボールを前につなげる「そぶり」も見せず、できるだけ遠くのラインの外にに向かってボールを蹴るという、あきれ果てた想像外作戦。カタルーニャカップにでてくる地方の3部チームでさえ、バルサが相手とはいえそんなことはしない。まさにカップ戦用にイメージされたこのチーム、リーグでは当然のことながら優勝することは間違ってもあり得ないでしょう。

しかしそれにしてもオーエン少年、こんなゲームに参加してて楽しいですか?
リバプールファンのひとたち、試合みててエキサイティングしてますか?
おぇっ、なんか気持ち悪くなってきた。(2001/08/25)


バルサの敵

今年のチャンピオンズリーグ第一ラウンドの相手は、例年に比べて「お手頃」なクラブだ。それは間違いない。だがバルサの問題はいつものことながら、最大の敵が自分自身であることだろう。つまりバルサにとって最大の敵はバルサだ。

いかなるトーナメントにおいても、バルサは常に優勝候補としてあげられる。スペインリーグであろうが、カップ戦であろうが、チャンピオンズリーグであろうが、いつも優勝候補の一つである。それでけのビッグチームとしての名声と歴史と、そして実際に優勝戦線にくい込む選手たちを抱えている。

スペインナショナルチームもヨーロッパカップであろうが、ワールドカップであろうが、何かの国際大会に出場するときにはよく優勝候補の一角にあげられる。だが実際は歴史が証明するごとく、いつもホンチャンには勝てない。.それはなぜか。それは常に世界の中でも8位か9位ぐらいの実力しかもっていないからだ。だから予選での格下のチームに確実に勝つものの、ホンチャンでの格上のチームには予想通り敗北する。実際のところその程度のチームなのだろうと思う。だからベストフォーあたりに入れば大成功。

だがバルサは違う。明らかに格下のチームに、コロッといとも簡単に負けるチームだ。それがバルサらしさと言えばそうかも知れない。また、そういうところにバルサの魅力を感じているカタラン人も知っている。しかし、と思う。あのウエンブリーでのバルサの魅力に比べたら、そんな魅力はちっちゃい、ちっちゃい。今回はグラスゴーでの魅力あふれるバルサを見たい。(2001/08/24)


遠くまで来たもんだ

チャンピオンズリーグに我がバルサが参加できるなんて、昨シーズンの後半のことを考えてみるとまるでウソみたいなもんだ。
バイエルンとの決勝戦に、なあんの恨みもないバレンシアの負けを願い、これっぽちも好きではないコルーニャにバレンシアをやっつけてくれいと頼み、その願いがすべてかなったにも関わらず、シーズン最後の最後の92分に起きた「大聖人リバルド様奇跡」を待たなければならなかった。あれはまさに天から落ちてきた落雷みたいなもの。そして、真夏地獄の試合をクリアーして、チャンピオンズリーグに首を突っ込むことに成功。信じらられないなあ。これもまさに、バレンシア様々。今シーズンはお礼にバレンシアを応援しよう。がんばれバレンシア! うん?次の相手はレアル・マドリですか。

ところで今日の抽選で対戦相手が決まりました。
バルサと当たる運の悪いチームは、リオン、リバークーセン、フェネルバッチェ。いやあ、みんな運が悪い。しかしバルサが気を付けなければならないのは、敵地でのフェネルバッチェ戦でありましょう。なんせトルコのチームですからね。こういうところにポロッとやられてしまうのが今までのバルサ。

気を付けよう。(2001/08/23)


よーく、わかんない

専門的なことはわからないカピタンチキです。昨日の「トリデンテ」が理想的な攻撃布陣なのかどうかはわかりません。でもそんなことをわかったとしても、結局は監督が決めることであり、我々シロウトより何十倍もチーム事情を知っている方が決めることであります。したがって、良いかどうかということに関してはノーコメントですが、趣味的にどうかと聞かれれば、それなりの意見はあります。

サビオラ、クライハート、リバルドのトリデンテは、それはそれは魅力的ではあります。こんなトリオ他のチームでは存在しないでしょう、間違いなく。でも昨日の試合を見た限り(そう、まだ1試合しか見てないわけで)どうも「糞詰まり状態」になっちゃう可能性が多く見られました。縦への攻撃がほとんどになるので、ワンタッチパスが抜ければ「スゲーエェェ!」展開になるんですが、そうじゃないと「誰でもええからシュートせんかいぃぃぃ!」展開となります。

そこでやはりどうしてもエストレーモが欲しい。それも両翼が欲しい。あんなオーフェルマルスでもいいからやはり必要。だが、このトリデンテに両翼を付けちゃうと、13人になっちゃうのでそれだと反則負けになる。それではまず、ディフェンスを一人少なくしてみよう。これで片翼が確保。ここまではレシャック監督にもできることだろう。だが問題はもう一つの翼を得る方法。

いろいろ考えてみたけれど、それはやはり不可能なことのような気がしてきた。トリデンテにオーフェルマルス、ジェオバンニ。これは無理だ。方法はトリデンテを分解して2人にするか、トリデンテの誰かに翼をやらせるか。あるいはもっと大胆に「一人ぐらいだったら増えててもわからないんじゃないか」作戦で、12人スタンメンっちゃうか。(2001/08/22)


どうなるロナルド

ロナルドがたった35分間とはいえ、16カ月ぶりに本来のフットボール選手として復帰。いきなりゴールを決めるデビューだったという。試合そのものは、国連だかユニセフ主催だか知らぬが「南米やアフリカの恵まれない子供達のためのチャリティー」という、まことに胡散臭いものではあったけれど、ロナルドファンにとってはそんなことはどうでもいい。

もともとロナルドは、フットボール選手として遠くまで行きすぎてしまったと思っている。ユニセフ大使だとか、何かの国際的機関が主催するチャリティーというと、必ず顔を出すようになったロナルド。その心意気は実に良しとしよう。だが悲しいかな、政治的に利用されていることには気がつかない。アフリカの深刻な貧困を増大させた国の人たちよって構成されている国際機関。本当に助けが必要としている人たちの元には、決して国際機関からは物が届かないことはすでに歴史が証明している。が、フットボリスタ・ロナルドには、そんな単純なことがわからない。

そんなことは別として、復帰してきたロナルド。多くのメディアが「帰ってきた天才ロナルド」と単純に大喜びしているけれど、それほど簡単なことではないだろう。練習試合とか親善試合では、彼の足が本当に元に戻ったのかなどということは決してわからない。真剣勝負になった時、初めて彼の体調がはかれることになるだろう。だが個人的には、とても恐くて真剣勝負の試合は当分見れない。16カ月前のあのシーンを思い出してしまう。

魑魅魍魎の世界に生きる代理人だちの操り人形になっていたロナルド。そして今、世界のお偉いさんがたに利用されているロナルド。グランドだけが彼の、個人として生きる場所なんだから奇跡をおこして欲しいと思う。(2001/08/21)


バルサの若手もがんばっています

イギリスのジャージーというところででおこなわれていた「ジャージー・フットボール・トーナメント」。どういうトーナメントかというと、21歳以下の選手で構成するクラブ同士のトーナメント大会としか知らない。どういう基準で参加クラブが選ばれて、どういう歴史があるトーナメントなのかは全然わからない。初めて聞くトーナメント大会。

この大会にバルサBが参加していた。テレビ中継はもちろんないし、ニュース画面としてもテレビからは流れてはこない。唯一、試合翌日のスポーツ新聞にのる小さな、小さな記事がたより。

さてバルサB。初戦は地元のジャージーと戦い0−6で圧勝。先日デビューしたばかりのロベルト・トラッショーラスが大活躍。そして第二戦はブラックバーン。ここでも0−2で快勝。イニエスタ、ロベルトが後半に入って交代になったときには、観客席から大拍手が起きたという。翌日の地元の新聞は「ジェントルマンズ・フットボール」という見出しで大誉めだったという。どういう意味かわからないけれど、とにかく誉められることはいいことだ。

そして昨日の決勝戦(つまり2回勝てば決勝戦へ、という大会みたい)では、ベンフィカを相手に戦い、これまた1−3で勝ち優勝。ロベルトが最高得点をあげ、最優秀選手に選ばれた。そしてこの決勝戦であのナノが得点をあげている。そしてもう一人、ついこの間おこなわれていたヨーロッパ選手権アンダー18の最高得点をあげたペローナも得点している。

今シーズンは久しぶりに2部Aへの昇格が期待されるバルサB。カンプノウだけではなく、ミニエスタディオも見逃せません。(2001/08/20)


裏切り者の行く末

フィーゴがポルトガルのセレクションに参加しているとき。
「俺はマドリとの契約期間を全うするとは思えない。なるべく早くポルトガルに戻りたいんだ」
と発言し、メレンゲ族を唖然とさせた。そしてポルトガルからマドリに戻ってきての記者会見で、
「契約を全うしないとは言わない。だってそれはスキャンダルなことになるだろうからね。ただ俺は今29歳、スペインに来てから6年もたっている。もうそろそろ国に帰ってもいい頃かも知れない」

裏切り行為なんてもんは、世の中そこら中ににあふれかえっているということぐらい、合点承知の助のカピタン。ただヤツの裏切り行為の恐ろしさは、普通の「金で雇われる傭兵」におさまらず、さんざんウソ八百を並べてからスカシッペまでしたあげく、新任地に行ったら居直ってまたまたウソ八千を並べて、カウンターアタックまで仕掛けてくるところだ。裏切られた者をさらにペッタンコにして押しつぶそうとする異常さ。こういう輩には同情の余地はまったくといってないからして、もし許されるなら木っ端みじんに切り裂いてミンチにしてあげたいと思う。

そしてそれほど遠い将来ではなく、そういう同じ思いをもつことになるであろうメレンゲ族。その時は君たちを「同士」として受け入れてあげよう。

「ポルトガルに戻りたい」なんて言葉を誰が信用すると思っているのでありましょうか。二重契約をしてイタリアを追い出されバルサに拾われ、違約金付きの仮契約をマドリとしてバルサを出ていき、そして今度は「田舎にかえりてえ」と人の同情に訴え、さらなるドルを目指しているギンギン成金フィーゴ。うまくいけばまたまた年俸アップ獲得、うまくいかなければ何か問題をおこしてポンドでも稼ぐか。

カンプノウでは「ノー パレ フィゴ フィゴ(止まるなフィーゴ、フィーゴ)」と応援された彼、まったく止まるところを知らない。フットボール選手というよりは、こちらの方が似合う。(2001/08/19)


グアルディオーラ、ヒソヒソ話し

昨日のガンペル杯に来ていた何人かのバルサ首脳陣は「グアルディオーラ、パルマと契約」を、パルマ側が正式に発表するものと思っていたという。でもその「正式発表」はおこなわれなかった。なぜか? 一人の首脳陣はこう考えるという。「グアルディオーラは、ガンペル杯をあくまでバルサのフィエスタにしたかったんだろう。その場を利用して、ドラマチックに移籍話しをされるのが嫌だったから、他の機会に『正式発表』をまわしてもらったんではないだろうか」。

そう言われてみれば、グアルディオーラとパルマのウワサというのは4、5年前にもあった。その時は彼の代理人がすでにパルマとの仮契約まで済ましていて、ぎりぎりのところでバルサが延長契約にもっていった。その時「仮契約を破棄する交換条件として、いつかガンペル杯にパルマを呼ぶ」というウワサが流れた。今回のパルマ戦は、そのウワサが本当だったのか、あるいはもう一つのウワサ「グアルディオーラはパルマ移籍」ということでなのかよくわからないけれど、いずれにしてもイタリアのチームはお祭り用に呼ぶもんじゃない。試合がくそ真面目になってしまう。

グアルディオーラという人はよくわからない人だ。バルサのシンボル、カンテラのかがみ、カタルーニャの星と呼ばれるわりには敵が多い。それもマドリからではなくカタルーニャの中での敵が多い。一時ゴシップ誌をにぎわした「グアルディオーラ、ホモ説」や「エイズ説」なんていうのは、その典型的なものだろう。彼はそういうウワサに対し何の反論もしない。それがまたスペイン的ではなく、反感を買う。

さて、今回のパルマ移籍ウワサは、どう結論をみるのでしょうか。(2001/08/18)


今日はフィエスタ、フィエスタ!

ガンペル杯はバルセロニスタにとって、夏のフィエスタ。いつも8月の中旬にやることが多いので、避暑地に行っている夏休み中のバルセロニスタにとっては、テレビ観戦となってしまう。だからカンプノウはいつもガラガラ。ところが今年はサビオラ現象でチョットばかし違うようだ。前売り券は例年になく快調に売れているという。今日は7、8万の入りが見込めそう。

さて今日の見所。

●もちろんアスールグラーナを袖にとおしてのサビオラ。
●オランダファンには珍しくないかも知れないが、バルサでは新ポジションのクライハート。
●後半に少し見られそうな、リバルド、クライハート、サビオラの爆発トリオ。
●カピタンおすすめロッケンバック・ブルトーザー。自分のやれることだけをやり、無理するのはやめましょう。
●グアルディオーラの穴を確実に埋めてきている、ひとまわり大きくなったチャビ。といっても身長は伸びていない。
●どこまで抜かれるか、セルジ。
●少しは体が軽くなったか、クリスタンバール。
●落ち着いて見ていられる、アンデルソン。
●コーナーあたりからのセンターリングに弱い、ボナノ。

さあ、今日はフィエスタ、フィエスタ、でもテレビで見よっと。(2001/08/17)


あぁ、退屈だなぁ!

「コネコネコネのおかげで、借金を返す見通しもついたし、絶対不可能とみられたジダーンも来たし、ああ、俺はすごい会長だなあ。今年こそ、9回目のヨーロッパチャンピオンだあ。」と例のニタニタ顔のフロレンティーノ・ペレス。今、イビサ島とマジョルカ島の中間に自分の豪華クルーザーを浮かべ、仲のいい政治家さんたちを招待し、パーティーを開いてバケーション中。

一方マドリッドではそれどころではない。プレ・シーズンとはいえ、勝てないどころか試合内容もお粗末の一言。ジダーンはフランスに帰れば言いたい放題。なぜか? それはフランス人だから。
「ボスケとの会話は存在しない」

スキャンダルは続く。先日の試合で、中盤の要であるエルゲーラがリタイア。イエロは体調不良。モリエンテスはいつケガしてもおかしくない。フィーゴは2本もペナルティーを外す。カランカは年俸引き上げ交渉にかかりっきり。イバン・カンポは相変わらず、カンポしている。

スポーツ・ディレクターのバルダーノはデルボスケと一緒に頭を抱えちゃってる。
「どうすれば、いいんだあ」
昨シーズン、マドリのメディアから「新しいスタイルのディレクター」と持ち上げられてきたバルダーノ。ディフェンスとデランテーロの獲得を要求してきたにも関わらず、やってきたのは世界チャンピオン一人。バラバラになってしまったマドリは今度の日曜日、サラゴサ相手にスーパーカップを戦う。「今シーズン、もっとも重要な戦い」とまで言いだすデルボスケ。

そんなおり、今日は今日でアーセナルが「アネルカの金を払え! まだ20億も未払いがあるぞ!」
アネルカ? いったい、何年前の話し?

マドリは話題が豊富で楽しそうだ。ああ、ゴタゴタのないバルセロナは退屈だなあ。(2001/08/16)


7番サビオラ

実際に見ている限りのバルサの歴史の中で、7番をつけたストライカーを知らない。バルサの7番はゴイコエチェア、フィーゴなどの、いわゆる最後のパスを出す選手の番号だ。出番がなく光栄も失敗も許されなかったアルフォンソは別だったけれど。「7番ストライカー」は何と言ってもレアル・マドリの歴史になる。ファニート、ブートラゲーニョ、そして現在のラウール。

そういう意味で7番をつけたサビオラを見るのは、何かバルサが変わってきているような気にさせる。プレ・シーズンを見た限り、ボールを持っての走り方、マークの外し方、ゴールエリア内のねちっこさ、すべてがラウールのそれとダブる。リーベルでの試合をボーと見てた頃には、良い選手だとは思いながら、実のところどうしても必要な選手とは思えなかった。でもそれは、アスールグラーナのユニに袖をとおしてプレーしているのを見た瞬間、間違いだと気がついた。

俗っぽく言うと、彼から伝わってくる雰囲気がいい。ひたすらな姿勢がいい。初めてヨーロッパに来て、新たなフットボールを学ぼうとするその心意気がいい。先輩(という概念はヨーロッパでは存在しないから、前からいた人、とすべきか)たちに、とけ込もうとするその態度がいい。そしてバルセロニスタにはもっともうれしい、ファンの声援に感謝し、それに応えようとする真面目さがとってもいい。そして個人的には、彼の顔がベッカムみたいな退屈な顔ではなく、友人のウータンの顔に似ているのがいい。ちなみに友人のウータンという人の顔は、笑うとオランウータンそっくりになる、とても親しみを感じさせる顔なのだ。

新たな風を吹き込んでくれそうな、7番サビオラに期待。(2001/08/15)


かつての期待の星も、今では粗大ごみ

アルフォンソがAt.マドリに移籍する話しがかなり本格化してきたみたいだ。それで思うのはアルフォンソはたった1年前に、セラ・フェレールがどうしてもと何十億も払って獲ってきた選手。それがいつのまにやら生涯背番号の7番はとられるわ、新監督のプランには入っていないわ、気がついてみれば売り商品になっていた。それでもビッグクラブへの移籍が決まればいいけれど、唯一行けそうなのが二部のクラブ。それでもアルフォンソはまだ良い方。クラブが希望する移籍料に近い金で売ることもできるらしいし、当人の年俸もバルサでもらっていたものとほぼ同じぐらいらしいから。いや待てよ、At.マドリにそんな金が本当にあるのか? あやしい話しだな。

可愛そうなのは行き先もなければ、かといって残ってもプレーする見込みのない選手。クラブが選手登録できる人数は25人までと決まっている。残り12,3日でシーズンが始まるという今、レアル・マドリにはまだ30人近くの選手がいる。その中で超可愛そうな代表選手は何と言ってもバリック選手。

彼はトシャックが「是非とも」と言ってレアル・マドリに来た選手。来た早々ケガをしちゃった不運があったけれど、デルボスケのプランには最初から入っていなかった。じゃあ、移籍させればいいんだけれども彼の問題は「高額年俸」。4億以上の年俸を彼に払うクラブがない。そんなものあるわけがない。じゃあ、どうするかというと1年ごとにどこかにレンタルして、レンタル先のクラブと年俸を半分ずつ払うという仕組み。クラブにとってはまさに粗大ごみとなってしまったかつての期待選手。こんな選手を何人か抱えているマドリは、実は他のクラブで働いている選手にもいっぱいお金をまき散らしている、まことにおおらかなクラブなのであります。これじゃいくら土地を売っても黒字にはならない。

そんなおり、まだ行き先も決まらないでのーんびりと、マイペースで生きている男がいます。非常に珍しいケースではあります。いまごろ「うーん、この芝のめは左に傾いているな」なんてやっているのでしょう。(2001/08/14)


マーク・ヒュークスの復讐

個人的趣味でいうなら、昨日の試合のハイライトはマーク・ヒュークスの登場だ。朝の新聞を見るまで、まだこの人が、現役でやっているなんて夢想だにしなかった。だって最初に見たのが86年なんだから。86年。しつっこいようだけど86年ちゃあ、今から15年前だ。

リネッカーと一緒にヒュークスがバルサに来たとき「なんじゃ、田舎くせえイギリス人だなあ」と思ったものだけど、彼はエゲレスのお方じゃなくてウエールズの方でした。リネッカーはいかにも都会育ちのぼんぼんという感じだったのに比べ、ヒュークスは農家からやって来た次男という感じだった。それともよくわからないけれど、イングランドとウエールズの違いか。

いきなり都会(ったって、バルセロナですから、せいぜい新宿と渋谷をたして2で割って、池袋を加えたぐらい)に一人で来たもんで、すぐさまホームシックにかかってしまい「帰りたい、帰りたい」と言っていたヒュークス。1年いたか2年いたか忘れたけれど結局最後まで、街にも、人々にも、そして肝心なフットボールにも馴染めず、バイエルンへ移籍していった。今から考えてみれば、とてつもなく苦しく、退屈で、面白みのない、人生にマイナスの日々だったのかも知れない。

そして91年、バルサがマンチェスターとやったカップ・ウイナーズ・カップの決勝戦。
「おっとお、相手チームにヒュークスがいるではないか」
いつも突如として現れる男、マーク・ヒュークス。この試合でも、昨日と同じように決勝点を決めていた。彼の個人的なことはまったく知らないけれど、ひょっとしたらバルセロナを去ってからの彼の心の中には、
「カタラン人の馬鹿やろぉ!」という強い恨みがあるのかも知れない。

リネッカーの笑顔はいまだに好きだけど、こういう男もなかなかグー。
マーク・ヒュークス、38歳ながらがんばっております。(2001/08/13)


今日の練習試合(ブラックバーン)

雨がパチャパチャと降る中での最後のテストマッチ。
レシャックの試合前の予告によれば、今日の目玉商品はデブーの4番ポジション。つまりピボッテにデブー。ところが先日の試合で少し張り切りすぎたようで、安全をとって今日はお休み。ガブリは、全世界バルサファンの「?」をあびながらも、再び右サイドバック。
バルサは常にワンタッチでボールを処理していくので、エゲレス人たちはなかなかついていけない。
まず18分、チャビのシュートをディフェンスがはじき、そのボールをコクーが強烈シュート。1点。
28分、ガブリがセンターリングを楽々と許し、コクーとボナノの相互理解不足による、やらなくていい点を与える。1−1。
クリスタンバール、ルイス・エンリケ、この二人はまだまだという感じ。それともクリスタンバールはこんなものなのか。それに比べチャビ、アンデルソンは超合格点。特にチャビは試合ごとにリーダーとしての風格。昨シーズンのグアルディオーラよりはいい。
41分、心配のタネのクリスタンバールがPKエリア内でファール。鉛のように重そうな体。ダメだこいつ今日は。PK入れられ2−1。
そのまま前半終了。キャプテン・ルイス・エンリケ。

ついにサビオラ登場。
ボナノからレイナ、アンデルソンからマルセロ、ガブリからプジョー、ルイス・エンリケからロッケンバック、そしてジェオに代わってサビオラ。
前半に続いてボールを支配する割には、決定的なパスがでない。
14分、オーフェルマルスに代わりロベルト。
バルサ攻めまくるも、7人も8人もいるディフェンスをなかなか破れない。
28分、誰が誰にファールをしたのかわからないPKをもらう。とにかくチャビが決め同点。2−2。
33分、ついにお待ちかねのヒュークス登場。久しく見ないうちに頭が白くなりました。本当に動けるのかと思っていたら、1分後に豪快なシュートを半分の年のレイナの横に。お見事の一言であります。3−2。
ここら辺からクライハート、チャビ、サビオラあたりが消えかかる。もういい加減お疲れのようです。ロッケンバックがここ何試合か目に見えて下降気味。必要以上のことをやろうとしちゃあいけないよ19歳。
テストマッチ初の敗北。
キャプテン・コクー(2001/08/12)


今日の練習試合(ダービー・カウンティ)

3万人の大観衆を集めてのテストマッチ。
かたやブラジル、オランダ、アルゼンチン、スエーデン、スペインから集まったスター集団、そしてもう一方は14カ国の選手を集めながらも筆頭スター選手が、ラ・バ・ネ・リ というチーム。こんなところにいらしたんですか、知りませんでした。

クライハートは、お気に入りのポジションにおかれてご機嫌。クリスタンバールの代わりにデブーが初登場。あとはベストナインに加えてオーベルとジェオが左右に開いている。
まずセンターラインあたりからのパスを、クライハート後ろから走り込んでシュート。1点。オーベルからのセンターリングが、珍しくクライハートに届いてシュート。2点。ジェオの個人技で相手を抜いていき、クライハートとのワンツーでジェオシュート。3点。ここまで16分。
その後も一方的に攻めまくるも点は入らず。肝心の守備の練習にならない前半終了し、0−3。
キャプテン・セルジ

ボナノからレイナ、セルジからレイジンハー、レイジンハーの位置にガブリ、デブーからクリスタンバール、クライハートの代わりにルイス・エンリケが入る。途中、ロッケンバックに代わりロベルト、アンデルソンに代わりマルセロ。
一方的にバルサがボールを支配していくものの、決定打もなく退屈な試合。まあ、こういう一方的な展開になってしまうと、ウイングの選手も線審とおしゃべりしてるよりは、ゴールの方に入っていきたくなる気持ちもわかる。というわけで、ボールはすべて真ん中に集まり、よしゃあいいのにオーベルまでシュートを何回か試みる。もちろん入らない。
結局、サビオラはベンチの中にはいたものの出場せず。明後日の試合は、もう少し骨のあるチームを期待します。
無得点のまま終了。0−3でバルサの勝ち。
キャプテン・ルイス・エンリケ(2001/08/11)


ないものねだり

4回のテストマッチ、1回のホンチャン試合、そしてきょう再びイギリスでのテストマッチ。6試合やってまだ一回も見れないものがある。それは恐怖のサビオラ・クライハート・リバルドトリオ。

サビオラ・クライハートコンビに、やっとリバルドがそろったと思ったら、すぐさま19歳はお父さんのもとへ。そして元気ではないだろうけれど「やる気」だけは相変わらずの19歳が帰って来たと思ったら、今度は30歳が母国の応援に。この応援は15日までだから、17日のガンペル杯には間に合わない。予定通り、何事もなくうまくいけば、このトリオが見られるのは21日のクラコビア戦となる。

しかし、と思う。この恐怖のトリオを見たいのではあるけれど、そうするとバルサ特有の「両翼に開く、広いツバサ」なんてのは存在しなくなるのも確か。このトリオがプレーする限り「瞬間的に開く、目ぱちくりツバサ」という風になるのではないだろうか。3人でポジションを変えながら、誰かが線審の方へ開いていく。それはそれでもいいのだけれど、個人的趣味としては、かつての左にストイチコフ、右にゴイコの両翼が広がったスタイルを見てみたい。それはもちろん無理だから、オーフェルマルス、ジェオバンニでもいいから見てみたい。ゼンデン、シマオは遠慮しときましょう。

せっかく高い金払って試合を見に行くんだから(本当は安い年会費しか払っていませんが)、好きなものをすべて見てみたいのがファン心理。だから、どうにか解決できないだろうか。恐怖の3人トリオ+両ウイング。無理でっしゃろか、Granaさんの「希望・願望フォーメーション」以外は。(2001/08/10)


玄人が分析すると

カピタンの分析より、玄人の分析を。しかしこの玄人さん、ちょっと厳しいです。

●ボナノ
彼にとっては、ちょっと苦い公式戦デビュー。しかし3点を入れられたのにも関わらず、2点目まではディフェンスを責めるべき。3点目は、もう少しどうにかできたかも知れないが、アンラッキーだった。

●ガブリ
ガブリはサイドバックの選手ではないことを再び証明した。彼はディフェンスではないし、当人もそう思っていないだろう。レシャックは試合前、クラコビアの武器は左側(つまりロッケンバック、ガブリ側)からの攻撃だと予測していたにも関わらず・・・

●アンデルソン
ディフェンスのリーダーとしての期待が大きかった割には、非常に目立たない存在だった。ヨーロッパチャンピオンとしては、3点目の失点は防がねばならないところ。

●クリスタンバール
まだまだディフェンスとしてのリズムがつかめない印象。体ができていないのか遅いイメージがある。攻撃参加を何回か試みたが、いずれも不発に終わった。

●セルジ
セルジとしては昨シーズンと同じレベル。つまり、ディフェンス的にまったく冴えない。セルジの背中からの相手選手のヘッディングゴールによる、1点目の失点がすべてを物語っている。

●チャビ
チームをまとめるのに必要以上の時間がかかってしまった。そうは言ってもリバルドの2点目のゴールのアシストは絶妙。後半に入りリズムをつかむ。コクーが入ってきて、さらにリズムにのった感じ。

●ロッケンバック
グランドの隅から隅まで走りまくる選手。ただこの試合では、能力以上のことをやろうとした若さがでた。彼のミスでの1点目の失点が良い例。だがバルサの3点目は、彼の個人技によるもの。

●ルイス・エンリケ
バルサの中で悪かった選手の代表の一人。試合を通して、相手選手に完全に抜かれていた。プレーするより、審判への抗議に集中していたのはいただけない。

●クライハート
サビオラとのコンビよりは、リバルド、オーフェルマルスとの理解度は落ちる事を証明。それにも関わらず、もっとも目立った選手の一人。ペナルティーを誘い、自身ゴールを決め、リバルドへのアシスト。10点。

●リバルド
再び、試合を決めるハットトリック。体はまだまだできあがっていない上に、他の選手とのリズムがうまくかみ合わないながらも、3点。予備選出場を決め、さらに本戦出場を決める。

●オーフェルマルス
果たしてこの試合に出場していたのかいなかったのか、よくわからない。もしいたとしたら、まだシエスタの最中だったのかも知れない。当然のことながら、途中交代。

●コクー
後半の中盤から登場。彼の登場により、相手チームの中盤が消え去った。と同時にチャビ、ルイス・エンリケの動きもよくなる。

●レイジンハー
試合の行方がすでに決まった、残り9分というところで出場。前半に必要だった選手ではないのか。

●ロベルト
カンテラの夢がかない、初のチャンピオンズ戦デビュー。のびのびとプレーしていた。(2001/08/09)


サビオラに捧げる勝利

まるでテストマッチの続きのような質素なスタディアムと、箸にも棒にもかからないような相手チーム。それでも勝負に何十億もかかっていることと、バルサとしては初の公式試合ということもあり、ちょっと不思議な緊張感の中で試合はスタート。

バルサはベストナイン(コクーの代わりにガッツ・エンリケ)に、リバルド、オーフェルマルスというスタメン。良く言えば「慎重」、悪く言えば「へっぴり腰」な試合展開。まあ、無理ないか。相手のレベルはスペインリーグの2部というところ。それでもデカイ上に、体がもうできている。90分走れる強みがある。

前半、まずロッケンバックのミスでボールを奪われたあと、フリーウエイとなってしまった右を抜かれてセンターリング。それに合わせられてヘッディングの1点。しかしすぐにリバルドの絶妙のパスを受けたクルービーが、ディフェンスに足を引っかけられてPK。リバルドまず1点。だが、すぐさままた右のフリーウエーを使われ、センターリングに合わされた頭で、また1点入れられる。そしてさらに、チャビの絶妙なパスを受けてリバルドが2点目。はあぁ、よく点の入る試合だ。だがまだ前半、点が入る。中盤からのシュートをボナノが左前にはじいてしまい、それに合わせたデランテーロのチョコン・ゴール。結局、前半終了して3−2でクラコビアのリード。

後半に入り、バルサは堅さがとれたのか動きがよくなり、一気に攻撃モードへ。開始早々、ロッケンバックの個人プレーで相手ディフェンスを3、4人抜き右のコーナーフラックあたりからセンターリング。そこで待ってましたとばかり、クルービーがバシャッっと強烈なシュートを決め同点。そしてオーベルに代わって入ったコクーが自陣からロングパスをクルービーへ。前を塞ぐ2人のディフェンスをチョコチョコとからかった後、バッチシのリバルドへのセンターリング。しっかりとそれを決めたリバルドは、ハットトリック。3−4。

ゴール運さえあれば、4点差でもおかしくない一方的なバルサの試合。じゃあ、なぜ3点もとられたかと言えば、それはバルサだからでありましょう。バルサモード進行中。(2001/08/08)


男同士の約束

カッチョと奥さんのマリアはすでにバルセロナ行きの飛行機チケットを買っていたという。そのチケットは8月6日(月)ブエノスアイレス発。しかしその内の一枚はもう必要ないものになってしまった。

今まで常に一緒だった父はもういない。一緒に試合を見に行ったり、自分のプレーを見に来てくれた厳しいコーチとしての父は、もうすでに過去のひととなってしまった。だが残っているものが二つある。一つは永遠に忘れることがないであろう「父の面影」。そしてもう一つは「男同士の約束」。

息子のハビエルと父のカッチョとの間で結ばれた「男同士の約束」。それはバルサで成功することだ。そしてこの約束事は、ハビエルにとって人生の中で最も重要なものとなってしまった。

19歳としては非常に大人っぽいハビエルに、「男同士の約束」がさらに責任感と円熟味を与える。ハビエルは何が何でも、バルサで成功しなければならないのだから。

カッチョの夢はカンプノウでマリアと一緒に、アスールグラーナのユニフォームをまとった息子のプレーぶりを見ることだったという。だがそれが不可能となった今、カンプノウの明るいライトに反射し照らし出される、ひたすら高い上空からの観戦となる。そこには多くの元バルサソシオの人々が、2週間おきにいまだにフットボール観戦を楽しんでいる特別席があるのだ。(2001/08/08)


レアル・マドリ倫理十戒

先月の中旬にフロレンティーノが発表した「レアル・マドリ倫理十戒」。世界最高クラブの選手のモラルはこうであらねばならぬ、というご立派な教えであります。ではいってみましょう。

●目的は勝利することであって、相手を踏みにじるものであってはならない。もし我々が敗北した時には、相手を賞賛しなければならない。

●審判に抗議をすることは、自分たちの弱さの証明である。エル・マドリは決して不服を言ってはならない。

●レアル・マドリの選手は、親善試合であろうとチャンピオンズの決勝戦であろうと、すべての試合に精神を集中してプレーしなければならない。

●スタメン出場は日々の練習で勝ち取っていくものである。監督に文句をつけるのはハジとしなければならない。

●試合後に、審判や相手チームの選手に対し抗議をするのはマドリニズモに反する。

●クラブを応援し、元気づけてくれるマドリファンに対し、我々は彼らに「希望」という形でお礼をしなければならない。特に子供達には、最大のサービスをもって応えてあげねばならない。

●チーム移動の際には、クラブの公式背広を着用し、クラブのイメージを大事にしなければならない。

●クラブの医療班が、故障選手を治療する際の唯一の責任担当者である。

●選手は個人の生活においても、ごく普通の一般市民として正しく規律を守らなければならない。

●すべてをなげうってでも、レアル・マドリのユニを着てわずか1分でもいいからプレーしたという、何百万の人々のことを忘れてはならない。

これは12歳の少年部の坊やたちにではなく、すでに億万長者となっている選手に対する教えです。わたくしカピタンは12歳の子供でもなければ億万長者でもありませんが、「相手を賞賛」する意味でこれからは外出の時はバルサ公式サンダルに公式Tシャツを着け、神経を集中して買い物をし、態度の悪い店員に文句一つ言わず、レジで子供が後ろについたら順番を譲ってあげる覚悟であります。(2001/08/07)


メレンゲ、ナイル川にて沈む

スポーツ・ディレクターのバルダーノの年俸は3億ペセタといわれている。彼の仕事は、コーチ陣の要望に応えて(少なくとも、要望を検討して)、必要な選手を集めてきたり、戦略外となった選手の移籍先を探すことである。

さて、デルボスケがオフシーズンに要求したのは、右サイドバック、セントラール、そしてデランテーロ・セントロの3人。相手チームにとってフィーゴ、サルガドがいる右側は「高速道路」と化しているし、34歳になりただでさえ負傷の多いイエロの控えも必要。そしてデランテーロ・セントロはモリエンテしかいなく、昨シーズンも負傷で出場回数は少なかった。デルボスケの要望は、600km離れたバルセロナからも当然と思えるのであります。

ところがフロレンティーノが躍起になって獲得してきたのは、頼みもしないアルジェの英雄ジネディーン・ジダーン。モリエンテスの代わりにも、イエロの代わりにも、もちろんサルガードの代わりにも使えない。唯一「マドリ100周年の顔」には大いに役にたちそうな選手。結局フロレンティーノは2年間で230億ペセタを投入して、ワールドカップしか頭にない2人の選手を獲得してきた。そしてバルセロニスタ、ユベンティーノという新たな敵を、数多い敵リストの中に加入させた。

確かにジネディーン・ジダーンの加入は、フロレンティーノが望んだとおりのどでかい世界的反響を生む。それは再び、600km離れたバルセロナからも認めましょう。しかし、どうでも良いはずの試合であったエジプトへの資金稼ぎ遠征での敗北で、たったこれだけのことで、あれほどレアル・マドリを持ち上げていたマドリメディアは大騒ぎしている。やれ「フィーゴはどこに行った」だの「ジダーンのポジションがない」だの「不調ラウール」等、等。

もし、このまま補強なしに、しかもマドリが快進撃することなく惨めなシーズンで終わったとしたら、600km離れたバルセロナからバルダーノとフロレンティーノの辞任を要求したいと思います。お節介? (2001/08/06)


とりあえずのベストナイン

この9人は間違いのないところ。レシャックもクルービーもやけにあのポジションが気に入っているみたい。というわけでクルービーは以前とはちょっと違って、少し下がり気味に位置しそう。

残る二人を誰にするか。もちろん最有力候補はリバルドとサビオラ。そしてその次ぎにオーベルとジェオ。水曜日のチャンピオンズ予備選には今のところリバルドもサビオラも出られそうもない。したがって、オーベルとジェオの二人か、あるいはどちらか一人とルイス・エンリケではないでしょうか。またプジョーも故障中なのでガブリか。(2001/08/05)


帰ってきた若大将

ジェラールがついに帰ってきた。テストマッチでのデビューとはいえ、4カ月以上の負傷・リハビリを乗り越えての復帰。45分間のプレーを見る限り、最後までリズムをつかめずのものだったが、そんなことは問題じゃない。肝心なことは45分間のプレーでヒザに問題がなく、走るのにも、ボールタッチにも支障をきたさなかったということだろう。

試合後次のようにコメントしている。
「グランドの芝を踏むこと、そしてその上でプレーすること、それを夢見てリハビリに励んできた。今はひたすら満足している。」
「グランドの状態は雨のせいで理想的とは言えなかったけれど、それでもヒザには何の問題もなかった。ゴールを決める運もあったし、最高のデビュー。」

後半開始早々入ってきたジェラールは、最初チャビのポジションにつき、リバルドが抜けた時点で彼のポジション(メディアプンタ)に収まっている。
「ポジションはレシャックが決めることで、僕はどこでもいい。中盤にはルイス・エンリケ、コクーなどポジションチェンジが問題なくできるプレーヤーも多いし、僕もその一人。」

ジェラールは誰が何と言おうと、これからのバルサを10年しょってたってもらわなければならない選手。レイナ、プジョー、チャビ、サビオラ、ロッケンバック、そしてアルテッタ、イニエスタも加えてのバルサ10年構想のリーダーにならなければならない。アスールグラーナの血が流れるバルセロニスタ・ジェラールの復帰は大きい。(2001/08/05)


今日の練習試合(S.リスボア)

雨がバシャバシャと降り続く、涼しそうなジュネーブの質素なグランド。ここでバルサはスイスでの最後のテストマッチ。5日後にはチャンピオンズのホンチャン予備選になる。
システムは一貫した4−4−2。旅行中のサビオラ(ブエナ・スエルテ!)の他に、ケガしているアルフォンソ、プジョー、アベラルド、背番号をもらえなかったドゥトゥエル、アルナウ、そしてロンドンに行ったゼンデン(ブエナ・スエルテ!)も当然いない。
初のガッツ・エンリケのゴールに続き、オーフェルマルスのおまけゴール。
前半0−2。キャプテンはセルジ。

リバルドは前半だけのはずだったのに、なぜか残業。クリスタンバールに代わって、コクー。ガブリに代わってレイジンハー。チャビに代わってジェラール(おっ、お久しぶり若大将)、クライハートに代わりジェオバンニ。
ジェラールは何カ月ぶりかの試合だから、リズムに乗れないのはしょうがない。リバルドは初試合なので、疲れちゃって動けないのは仕方ない。しょうがないことや、仕方ないことがいろいろあって後半はリスボアペース。ボナノの働きが目立ってしまう展開となりました。レシャック風に良いように考えれば、守備の練習という感じの後半の試合展開。後半の中程で1点入れられ、必死に守るバルサ。試合終了間際ジェラールの「おめでとうゴール」でテストマッチは終わり、明日バルセロナに帰ります。
1−3でバルサの勝ち。(2001/08/04)


サビオラ、ひたすら長い一日

木曜日01.30
同室のチャビと共に寝ているところへ、世話役のナバールから内線電話がかかる。
「すぐ下のホールへ降りてきてくれ」
ホールにはレシャックとアントン・パレイラ、ナバールが待っている。
「お父さんの様態が悪化した。すぐに帰らなければ」

木曜日07.00
朝食をとった後、ナバールとジュネーブ空港へ。

木曜日09.00
空港でナバールと別れ、マドリッドまで飛び立つ。

木曜日12.10
マドリッドで彼の代理人ブリズエラと待ち合わせ。一緒になったところで、ブエノスアイレスまで飛ぶ。

金曜日01.00
ブエノスアイレスに到着。空港から病院までまっしぐら。

こちらのメディオは、個人的なデリケートな問題には一切クビを突っ込まない。したがって彼の父親がどのくらいの病状なのか今まで触れていなかったけれど、どうもかなり悪いみたいだ。なぜ早くバルセロナに来て病院に行かないのかと思っていたら、彼の体力が長いフライト時間に耐えられるかどうかという問題があったようだ。それでもどうにか来週には来れるようになっていたというのに。レシャックがジーンとくることを言っている。
「試合の数は腐るほどあるけれど、父親は一人しかいない。こっちのことは気にしないで、気の済むまでお父さんの側にいなさい」(2001/08/03)


ロッケンバック

以前、チキチキコーナーで「バルサが狙う32人のエリートたち」の中でロッケンバックに関し、情報集めのプロたちは次のように分析していた。

ROCHEMBACK (Inter de Porto Alegre)
ドイツ人のような肉体と、ブラジル人のテクニックを持ち合わせた選手。ブラジルではドゥンガと比較される。チャーリーがブラジルに行ったときに、興味をひかれた選手だ。ポジション的にはほぼオールマイティーにこなせる強みがある。

そして今、素人のカピタンの目に映った彼は、次のようになる。

かつてのビクトル・ムニョスのように敵のいる所ならどこにも姿を現し、バッケロのような容赦しない激しさと、エウセビオのような華麗なテクニックを持ち合わせ、シュステルのような絶妙なパスを出すプレーヤー。

しかしこれはちょっとオーバーとしても、この選手はみっけもんだ。サビオラはすでにどんな選手かわかっていたし(と言いながらも、あれほどラウールに似ているとは思わなかった)、アンデルソンにしても来たところが来たとこだから「あー、あの選手か」とわかった。ジェオバンニ、クリスタンバール、ボナノに関してはまだよくわからないながらも、とにかくロッケンバックは使える。本当に、間違いなくスタメン選手だと思う。(2001/08/02)


今日の練習試合(スイス・グラスショッパー)

バルサはリバルド、ジェラール、プジョー、アルフォンソの4人の故障者。しかも今日の相手はスイスの名門チームときている。この試合は交代が4人しかできないようなので、体力的に心配。
相変わらず4−4−2の配置。だがポジションチェンジが激しいのなんのって。サビオラとクライハートが常にチェンジしているのはともかく、コクー、ロッケンバック、ルイス・エンリケが激しく入れ替わる。サビオラはロマリオやマラドーナというよりは、まさにラウールにそっくり。クライハートはリキが入っている。ロッケンバックはエウセビオ(ポルトガルの神様の方じゃなくて、元バルサにいた方)のドイツ版という感じ。
サビオラとキーパーとの1対1で、サビオラの勝ち。前半1−1。
キャプテンはセルジ。

ルイス・エンリケ、セルジ、オーフェルマルス、レイジンハーに代わり、チャビ、ゼンデン、ガブリ、ジェオバンニが入る。
1点リードされたバルサ、クライハートの絶妙のパスを受けて、サビオラのゴラッソ。そして1分後コクーのパスを受けてジェオバンニのゴラッソ。さらにロッケンバックの強烈ロングシュートのゴラッソ。絶妙のパスをだしたのは以前からいる選手、ゴールを決めたのは加入選手という試合でした。
トータル2−4でバルサの勝ち。
キャプテンはコクー。この試合から皆それぞれ自分の背番号を付けている。ちなみに審判は女性でした。(2001/08/01)