2001年
12月
2002年

どうにかなるだろう

ほんのチョットのナニカがきっかけととなって、ガラッと状況が変わることがあるフットボールの世界。ビジャレアル戦で必死になって勝ち取った3ポイントが、あるいはそのきっかけととなるんではという思いで見た土曜日の試合でしたが・・・・・・・・。

もしジェオバンニがキーパーとの一対一の真剣勝負に勝っていれば、もしクルービーが観客席の出口とゴールポストを間違えないでシュートを打っていれば、もしデブーがもっと強烈なキャラクターを持った選手だったら、そしてもし最低ボナノの日ではなく聖ボナノの日だったら・・・・・・、それでも負けていたかも知れない。あるいは勝っていたかも知れない。それは誰にもわからない。

「もしイニエスタが出ていたら」とは言わないけれど、是非とも見てみたかった。出るんではないかというほんのチョットの期待があっただけに、彼が出ていて負けていたらもう少しスッキリしていたかも知れない。でもグダグダ言ってもしょうがない。試合は終わり、2001年も終わりが近づき、そして2週間後には新たな年のリーグ戦も開始になる。首位に6ポイントという差で年を越すのは初めてではないし、また最後のことでもないだろう。また、この時期にきていまだに試合内容が悪いのももちろん初めてのことではないし、これも最後のことではない。

しかし、毎度のこととは言え、メディアの変わり身の早さにはあきれる。「今日の一面」にでているSportsのことだ。創造的批判とは断っているものの、決してそうとは思えない。カタルーニャメディアは非常に冷酷だ。時には「マルカ」の方がバルサを暖かく見守っていると感じさえすることがある。でもあの記事に納得する人もたくさんいるのだろうからしょうがない。

このコーナーは、人気取りする気もないし、多くの人の共感を得るために状況にあわせたことを書く必要もない個人のHPだ。そして個人的には、一度乗った船に最後までつき合おうと思う。だからひたすらレシャックに幸運あれ、と願うだけ。そう、レシャック、来年こそはいい年にして欲しい。

年明けまで、バルサのことは忘れよう。考えたって状況は変わらない。というわけで、このコーナーも年内はお休み。来年の1月2日に再登場しようと思います。皆さん、良いお年を。
(2001/12/24)


モンジュイク

エスパニョールの本拠地として使用されているモンジュイク・オリンピック・スタジアム。92年のバルセロナオリンピックの時に修復されて今のような綺麗なグランドになっている。ローマに行ったことがある人なら見たと思うけれど、修復されるまではあそこのコロシアムみたいな感じの建物だった。現在の正式名称はモンジュイクグランドではなく、エスタディオ・ルイス・コンパニースとなっている。

この正式名称は確か2、3年前につけられた。ルイス・コンパニースというのはスペイン市民戦争が始まった時のカタルーニャ政府首相。戦争中はフランスだかどこかに亡命していて、戦後にゲシュタポに逮捕されモンジュイクの丘で銃殺されている。この時代の「バルサ100年史」を書いたときのあやふやな記憶。

でもエスパニョールのグランドはやはりサリアが一番。経営困難になって4、5年前に売られてしまい、今ではマンションや公園になってしまった。サリアは4万人も入ればいっぱいになってしまうこぢんまりしたグランドだったけれど、非常に見やすいグランドでもあった。それに歴史もある。スペインワールドカップの時、テレ・サンタナ率いるブラジル軍団はここで戦った。ソクラテスやジーコがいて最強軍団だったブラジル御一行様が使ってくれたサリアであ〜る。そしてこの試合を見ているのは、掲示板に3か月に1回くらい顔を出す大岩さん。こういう人はもう恐竜の部類に入る。

モンジュイクはどうも好きになれない。と、前にも書いたような記憶が。とにかくグランドの周りにある、あの陸上トラックがしらけさせてくれる。何か、空気を遮断されているような雰囲気。ガラス越しに見ているような感じ。

でも今日は、もしかしたら、そう、もしかしたらの話しだけれど、明後日の星のイニエスタが出場して、グランドをパッと明るくし、ガヤガヤと空気を流動させてくれるかも知れん。頑張れ!イニエスタ!
(2001/12/22)


それでもダービー戦

スペインで本当にダービー戦として街そのものが盛り上がるものを4つあげろといわれれば、即座に次の試合をあげる。

カナリア諸島ダービーのテネリフェ対ラスパルマス、
アウトゥリアス地方のオビエド対ヒホン、
ガリシア地方のセルタ対コルーニャ、
そしてアンダルシア地方のベティス対セビージャ。

この4つは他の地方のダービー戦に比べて飛び抜けて濃い。その後に続くのがマドリ対At.マドリや、バスクダービーのソシエダー対ビルバオぐらいか。ダービー戦は特別な試合といっても、やはり実力が少しぐらいは拮抗していないとまずい。地味ながらもテネリフェやラスパルマス、オビエドやヒホンあたりは2部にいっても熱いダービー戦となる。その点でいくと、バルサとエスパニョールは特別な年を除いて差がつきすぎている。だからイマイチ盛り上がらない。だから盛り上がらない年は、周りで盛り上げないと。

ガスパーが先日のテレビ番組で「0−3で勝つ」とエスパニョール会長の前で言っていたのもその口だ。そして翌日、エスパニョール会長曰く「ガスパーの発言はバルサのおごりそのもの」と反撃。メディアも待ってましたとばかり大文字で取り上げる。

そう、明日はエスパニョール対バルサによるダービー戦。会長同士がどんなに頑張っても、メディアがどんなに盛り上げようとしても、イマイチのものはイマイチ。試合ごとに辞任要求をファンから突きつけられているパコ・フローレス率いるエスパニョール。もうすぐ折り返し地点まで来ているのに、いまだにレシャックストーリーが読み切れないバルサ。かなりマイナーな戦いだ。

だがカタルーニャ出身の選手にしてみれば、子供の頃からの夢の対決だ。彼らにとっては状況がどうであれダービー戦の価値に変わりはない。困ったことに、明日の試合ではエスパニョールの方が圧倒的にそう思う選手が多く出場する。
(2001/12/21)


注文は有り余るほどあるけれど

元スペインナショナルチームの監督をしていたハビエル・クレメンテ。エスパニョールにいたときも、At.マドリにいたときも、そしてナショナルチームの監督をしていたときも、個人的には興味のわかない監督だった。その彼はいまどこからも干されているみたいで、テレビの解説者をやっていたりする。

多くの元選手や元監督がスポーツジャーナリストみたいなマネをしていたり、時々テレビの実況解説者なんぞをしていたりする。そしてジャーナリストとは「批判」をする職業だという、チョットばかし考え違いをしている人たちを見受けることが多々ある。例えば、現役の監督に他のチームのスタメンとか選手交代に関して質問しても返ってくる答えは決まっている。
「それはチーム事情を一番知っている監督がやっていることですから、私が口だしすることではない」
クレメンテの素晴らしいところは、現役の監督を離れている今でさえ決して無用な監督批判をしないことだ。だがジャーナリストやテレビ解説者は、なんだか批判してナンボという感覚を持っているようだ。だから時々とんでもない恥をかいたりする。

セルタ戦の後半開始と同時にクリスタンバールとガブリが抜け、デブーとセルジが入ってきた。この交代に関してレシャックに対する批判がなされ、それは試合後の分析番組でも同じようにおこなわれる。そしてそれを見たり聞いたりしている空気頭のファンは、50年もフットボールをみているかのような気分になって監督批判をする。

翌日になって明らかにされたことは、ガブリ、クリスタンバールとも負傷していたということ。つまり第三者がどんなに知恵ブリッコしても、その理由は批判とは違うところにあったわけだ。でも、こんなことは氷山の一角。第三者にはわからないことがいっぱいある。だから監督批判はなかなか難しい。

「レシャック、チョロチョロしている選手たちをどうにかせい!いつまでもグタグタしてるんでねえ!!!」  このくらいは許されるだろう。
(2001/12/20)


メレンゲ競技委員会の解散を要求する!

と、勝手に解散を要求したいと思います。

チャビに対して出された2枚目のイエローカードに関する審判の報告書(チャビ選手は審判に対し、走り込みながら肉体的に接触し抗議を続けた)が誤りであるにも関わらず、そしてバルサ側がその証拠ビデオを提出したにも関わらず、そのイエローカードを無効にしなかったこと。この事実は審判の報告書の真偽を疑いのあるものにしただけでなく、メレンゲ競技委員会の無能さをあらわしたものであることは明らか。

アラベス対セビージャ戦。テレビ画面にバッチシ写ったアラベス選手コロッチーニのガジャルド選手に対する暴力シーン。審判は見ていなかったのでその場では何の制裁も受けなかったこのシーン、セビージャはメレンゲ競技委員会にビデオを送っているにも関わらす相手にされず。いったいこの3人のメレンゲ競技委員会の「制裁基準」というのはどこにあるんじゃろうか。リバルド問題ではすでにグランドで処理されているにも関わらず、協議対象としたこの3バカトリオ。結局は余りにも無理がありすぎるので再制裁は諦めた3バカトリオ。あー、やんなっちゃう、3バカトリオ。

人工芝では試合できないという不可思議な理由でコルーニャに地元での試合を拒否され、最後までがんばって意地をとおしたオスピ。「オラが村以外では試合はせんのじゃ!」と、ミニスタディオでの試合を拒否し、国王杯から追放されたオスピ。このオスピに対し、200万ペセタの罰金と来年の国王杯への参加資格剥奪を決めた3バカトリオ。しかも1億以上も年俸をとっているコルーニャの会長レンドイロに対し、コルーニャでの試合がなくなったのでそれに対する賠償金を要求できると発言。オスピのクラブとしての年間予算はたったの6千万ですよ!たった6千万。ちょっとそれはひどいんではないかい!

というわけで、この3バカトリオの即時退陣を要求したいと思います。
(2001/12/19)


寒波に降参

カタルーニャ州は、ジローナ、タラゴナ、レリダ、そしてバルセロナの4つの県からなる人口400万だか500万だかの州です。気候は地中海性気候というヤツで、冬の気候は内陸に比べればはるかに温暖。だからバルセロナの街には、12月でも太陽を求めてドイツやオランダ、あるいはスカンジナビアあたりから旅行客があふれかえる。

でもそこに寒波がやって来たんだなぁ〜。ドヒャッーと。

大雨がふると地下鉄はストップ。雷が落ちると停電。雪でも降ろうもんなら地下鉄ストップ、停電、交通遮断、街は孤立状態と、恐ろしい状況となってしまう情けない街でもあります。シロウト的に考えれば、除雪車さえチャント用意しておけば国道に積もった雪なんか一発で問題解決しそうなものなのにと思うのですが、何年ごとかに雪が降るたびに国道閉鎖。街は孤立状態。

その寒波がわざわざシベリアからやってきた先週末。予定されていたフットボールの試合が1500中止されたとのこと。15でもなく、150でもなく、1500の試合数。それもカタルーニャ地方の試合でけで1500。しかも3部リーグ以下だけのカテゴリーの数字。1500って、ひょっとすると凄い数字ではないかい?

中止の理由はグランドに雪が積もってしまったとか、相手チームが雪での道路閉鎖により来れなかったとか、いわゆるそういうことだそうです。

それにしてもこの数字から色々なことが推測できます。一体カタルーニャ地方にはいくつのフットボールグランドがあるのか。審判なんぞをやるヒマな人は何人いるのか。選手数はいかほどになるのか。また、週末の試合に命をかけている「○○クラブ命」ファンはどのくらいいるのか。etc.etc.

アラベスとの試合に臨むためにビトリアの街に来たセビージャの選手。その何人かは、生まれて初めて雪を見たそうです。
(2001/12/18)


どこかで見た風景

これはいつかどこかで見た風景ではないかい?

いつだったか、そうそう、バンガールの2年目のシーズンのバジャドリ戦。その試合までバルサは何連敗もしていて、カンプノウではバンガールに白いハンカチが振られ、もしこのバジャドリ戦に負ければクビ切りは疑いのないという状況。

バジャドリに向かったバルサの面々は状況を理解していたから、当然ながら必死になってのプレー。試合内容までは覚えていないけれど、ひどい試合だったことは確か。それでもチャビが幸運な得点を入れて、0−1でバルサがキュウキュウいいながら勝つことができた。そう、バンガールに幸運の女神があらわれた試合だった。昨日の試合がそれと似ている。お世辞にも良い試合とは言えない昨日の試合。ただひたっすら、幸運の女神が救ってくれた試合だ。

この試合に負けていたとしても監督の首切りはなかっただろうが、監督に対する信用関係は(もともとない信用関係だが)ゼロになるところだった。こういうところで幸運の女神がやってくるかどうかで、監督やチームの将来が決まってしまうことがよくある。サッキにしてもカッペロにしてももクライフにしても、名監督と呼ばれる人にも必ずこういう時期があった。そしてこれを契機にするかどうかで、良い監督にも悪い監督にもなるんだ。

そう、バジャドリに勝ったバルサは、そのあと信じられないような快進撃を始めて、いつの間にか優勝戦線にくい込み最終的には優勝までしてしまった。それまでのひどかった試合内容が嘘のように消えてしまった。

今シーズンのバルサに、果たしてその再現がなるかどうか。それはすべて次のエスパニョール戦にかかっている。
(2001/12/17)


リバルド・・・・・・

少なくても明日のビジャレアル戦には出場しないことが決まっているリバルドです。今シーズンは半分ぐらいの試合にしか出ていない彼のことだから、いまさら不思議なことではない。それより何試合も前から完全な状態でなかったのなら、出場すべきではなかったとも個人的には思う。だから、休むのはヒジョーに良しとしよう。

体調が万全でないからなのか、あるいは他に何か理由があるのかどうか、今シーズンの彼を見るとどうも覇気がない。光るものがないというか、元気がないというか、とにかくパッとしない。そしてファンとの接触を避けているような感じさえ受ける。例えば、記者会見席などには最近ほとんど出てこない。だから、最近の彼の状態を知るには、彼のウエッブページをのぞくしかない。ここでしか最近しゃべらないんだから。

一説によれば、ミズノがこのように差し向けているということだ。ウエッブページでも彼の個人的なスポンサーになっているのかも知れない。ウエッブページビジネスに関してはまったく無知なので、そこらへんのことはわからないけれど、とにかく彼のことを知りたければウエッブページへ行け、という感じ。そういえば、約束した年俸分の未払い問題があるとか、その問題はガスパーと話し合って解決しただとか、ケガを治すのになぜブラジルに戻っただとか、それらのことはメディアに語らないですべて自分のウエッブページで表明している。世の中変わったと言っちゃえばそれまでだけど、何か納得いかないというかスッキリしない。

熱さが伝わってこない。もともとバルセロニスタと「合体」さが薄かったリバルド、このままじゃヤバイよ。こちらも少々「リバールド、怒っちゃダメよ〜」コールをするのも飽きてきてんだから。

今度グランドで見るリバルドに光りがありますように。熱さがありますように。どんなに時間がかかってもいいから、大聖人としてのリバルドが戻ってきますように、アーメン。
(2001/12/15)


ちょっと補足を

先日だしたカピタンコーナーの「バンガール、傲慢さゆえの敗北」に関してちょっと補足を。「人々はまるで皇帝のように接してくれる」という言葉は一体どこから来ているのか、これだけじゃわからない。それがわからないと、彼はただの「スーパーとんまちゃん」になってしまうので、彼の名誉のためにもそこはちゃんと説明しておかないといけない。

バルサには「ペーニャ」と呼ばれる、1000を越えるファンクラブが全世界に散らばっています。その大部分はもちろんスペイン国内にあります。そして年に何回か、クラブ理事会の人間や選手、そして監督などがそのファンクラブの何十周年記念だとかの集まりに参加し、友好を暖めています。バンガールも3年間の監督就任中に、かなりの数の記念行事に参加しているはずです。

国内にペーニャは800近くあるようで、したがって1年に20のペーニャを訪ねたとしても、計算上40年に1回しかバルサ関係のナマの人間を見れるチャンスはないわけです。だからもしそのチャンスが訪れたら・・・・・・それはそれは大変な騒ぎになることは予想できます。何といっても約半世紀に1度のイベントですから。

ペーニャの人々にしてみれば、バルサエンブレムをつけた服を身につけた人物だったら、それこそクラブの用具係でも大歓迎な気分です。マッサージ師でもかまわない。そこにいつもテレビで見ている監督がやって来たりでもしたら、それはすごいことになります。盆と正月が一度にやって来て、ついでにサンタクロースまで来てくれた感じでしょう。この時ばかりはチーム事情が良かろうが悪かろうが関係ありません。評判が悪いと聞いている監督であろうが、何しろ本物がオラが村のペーニャに来てくれているんだからそんなことも関係ない。したがってすごい歓迎風景になる。

多分アヤックスにいたときは、このような経験をしたことがなかったのでしょう。彼の人生の中で、これほどまでに歓迎を受けたことがなかったのかも知れません。そこでほんのチョット勘違いな発言をしてしまったわけであります。
(2001/12/14)


みっともないぜ、レシャック

すべての選手の調子に一番詳しいのが監督だから、スタメン選手を決めるのは監督の特権だ。試合の流れを読むのも彼の仕事だから、選手交代に関しても当然それなりの理由があってのこと。それは第三者にはわからない事情の場合も多いので、メディアやファンから批判を受けることも多い。また監督もイチイチそんなことを説明する必要もないと思う。でももし今シーズンにおこなった交代劇に関して、一つだけ質問に答えると言われたらぜひ聞きたい。

「何でココだったんでしょうか?」

それはいいとして、ピッチ・アロンソというカタルーニャ代表の監督をしている人がいます。彼は元バルサやエスパニョールの選手であり、普段はTV3の解説者を務めている。そして毎週日曜日の番組では、黒板を使ってバルサの戦いぶりの分析をしてくれています。当然セルタ戦の分析もレシャックにとっては気分の良いものとはなりません。そりゃそうだ、あの試合を誉めるようではプロの解説者とは言えない。いやシロウトだとかプロとかの問題でもない。誰もあんな試合誉めるわけがない。世の中の常識。

普段のレシャックなら笑ってごまかすとこだろう。だが今のレシャックは、普段のレシャックではない。選手にプレッシャーに勝てなどと言っているが、一番プレッシャーにつぶれそうになっているのはヤツではないかしらん。

「ピッチの『魔法の黒板』で、戦い方を教わってみるか。だが彼はマジョルカやエスパニョールで失敗したコーチだからなあ」という嫌みったらしいことを言うレシャック。あーあ、みっともねえ野郎だな。スペイン人はどうだか知らないけれど、オイラはヤツが横浜でどんなめにあったか噂では知っているんだーよー。

もしプレッシャーに勝てないようだったら、早めに監督を辞めた方が良い。性格まで悪くなってしまうからね。
(2001/12/13)


オラが人工芝のどこが悪い!

オスピタレッ・デ・ジョブレガットという市が、バルセロナ空港に隣接するような感じのところにあります。通称オスピと呼ばれるこの市には、やはりオスピという名で親しまれているクラブがあります。現在2部Bのカテゴリーに所属し、バルサBに続いてリーグ戦2位に位置しているなかなか強いチームであります。年間予算たったの6千万、ソシオ数1400人と非常に小さいクラブでありながら、カンテラ組織は充実していて現在400人の子供たちを育てているそうです。
このオスピがまだ国王杯に残っており、今日はデポルティーボ・デ・コルーニャというドデカイ相手との試合です。

オスピのグランドは人工芝をひいています。2部のBぐらいに所属するクラブだと経済的にも大変です。同じグランドで週に何回も色々なカテゴリーの試合をおこなうので、普通の芝では手入れが大変ということがあり人工芝のところが多い。しかもカタルーニャフットボール協会も、新しく作るグランドには人工芝(最近のは非常に質が良いらしい)を進めているくらいです。そして2006年のワールドカップではグランドすべて人工芝にするという話しもでてきているぐらいです。

ところがコルーニャは人工芝での試合では選手がケガをする可能性が強いということを理由に、オスピのグランドでの試合を拒否していました。スペインフットボール協会がだした結論はコルーニャ支持のもので、オスピはバルサのミニ・エスタディを試合会場にしろという判断を下しました。もともと規約に、人工芝でのプレーを拒否する権利を認める項目があるそうです。

しかし、オスピは動きません。何で自分の街からでて戦わなければいけないのか。オレ達はオレ達のグランドで戦う、と言うのが彼らの固い方針です。これには市役所も連帯表明をおこないオスピ断固支持。ソシオも住民も断固支持。決して動こうとはしません。「ミニ・エスタディに行くなんて、それじゃあコルーニャがセルタのグランドを借りて試合をするようなもんだ」と、小さいクラブながらも誇りだけは失っていません。

今日はテレビ中継もあるので、テレビカメラとコルーニャの選手は試合開始の21時30分にはミニ・エスタディに集合。オスピはオスピグランドに同じ時間に集合し、試合開始の笛を待ちます。
(2001/12/11)


どうにか、せい!

厳しいっす、カタランメディアは。明日にでも、この世の終わりがやって来るかのような迫力でレシャック・バルサをこき下ろしています。ワタクシめも昨日のこのコーナーで、不平不満をぶちあげていますから気持ちはわかります。しかも年内最後の試合がこれじゃねぇ、まいってしまいます。バルサが良くなかったのは誰の目から見ても明らか。したがって、どのような厳しい批判もそれなりに筋が通っております。

チーム成績の最高責任者である監督が批判を受けるのは当然であります。それはいつの時代でもそうであり、例えばルイス・アラゴネスが監督だった時もそうだし、クライフやロブソン、バンガールやフェレールの時代も同じ。監督がすべての責任をとらなければいけない。それは、トーゼン。そしてもう一つ確かなことは、監督が代わったとしても大したこたぁ起きないのも事実。バルサで知っている交代劇はベナブレスからルイス・アラゴネス、そして昨シーズンのフェレールからレシャック。雰囲気的に何か起きそうな気がするものの、それほどのこともない。ショック療法というのもイマイチ信用できない。

「どうにかしろよ、レシャック!」という思いは人一倍ありながらも、それ以上に不満に思うのは選手たちに対してであります。監督は即座に取りはずし新しいものへと掛け替えることができるものの、11人の選手のゼントッカエは無理な話しです。したがって監督がいかに無能であれ何であれ、彼らが何とかしなくてはいけない。しかもほとんどの選手が何億ととっている超エリート選手であります。

見栄えだけは派手で目立つオーベルだけど、1対1で勝ちながらも、そしてゴールポストの脇まで侵入しながらも、センターリング技をもっていないウイングであること。ましてディフェンスとのボール争いに、決して足を突っ込まないお坊ちゃん選手であること。ボールを誰よりも奪われリズムを壊しているくせに、肝心のシュートが枠の中にさえいかないリバルド。スペインリーグにはゴロゴロといそうな選手ながら、なぜかミランから来たココ。言いだすときりがない不調な選手たちです。う〜ん、困った。

もしレシャックの頭がもう少し大きくて、高慢なしゃべり方をして、名前がバン・レシャックだったら、今頃カンプノウには飛行機が飛び込んでいるかも知れない。
(2001/12/10)


1人のソシオの思い

どうも気にくわない。負けた試合の後によく聞かれる選手たちの発言。

「我々はモチベーションや集中力に劣っていた」
「相手は200%の力を出してきていた」
「チャビやデブーがうまくマークされてしまって、ボールがでなかった」
「これを反省して、次には同じ過ちを繰り返さないようにしよう」

ここのところ引き分けや負けの試合が多いから、こういう発言が自然と耳に残ってしまう。しかし1回や2回なら良いだろう、こういう発言を聞くのも。だがいつも同じ事を聞かされていると、こいつら本気で言ってるのかどうか怪しく思えてくる。

少なくとも億単位の年俸をとっている選手が「モチベーション」に欠けていたなんてのは理由にならない。「集中力」に欠けていたなんてのも話しにならない。まして相手が「200%の力」でやってきたら、どうして億万長者選手も200%の力でプレーしないのか。1試合や2試合の敗北での反省は良いとしよう。だが何回も同じ「反省」をするのはバカのすることだ。ファンをからかうのもいい加減にしろと言ったら言い過ぎか。いや言い過ぎじゃないよ。

ガラタサライ戦の後にオーベルが「あれだけチャンスがあったんだから、勝たなくてはいけない試合だった」といつもながらトボケタことを言っていた。そう、アンタが最後にシュートを決めていれば勝った試合なんだ。そもそもアンタが移籍料に見合った仕事をしていれば、こんな不満は言わなくてすんでいる。シーズン通じて4、5試合しか年俸に見合った活躍をしてないヤツは沈黙を守るベシ。
今日はカンプノウでの2001年最後の試合。言いたいことの百分の一は言ったから、最後の試合ぐらいはどうにかして欲しい。審判が例のオマールだとしても、完璧に勝たねばならぬのじゃ今日は。
(2001/12/09)


第一段階が終了

それにしてもオランダは便利だ。シーズン途中で同じリーグを戦っている他のクラブへ移籍できちゃうんだから。スペインではこんなことは許されない。一度どこかのクラブを辞めたらそのシーズンは他のクラブでは監督はできない。選手の移籍にしても、12月のマーケット以外には移動は不可能。そんなことができるのは、きっとオランダとイギリスぐらいなんではないだろうか。リバプールで唯一のお気に入り選手だったロビー・フォウレルも、リーズだったかどこかへ中途半端な時期に移籍したみたいだし、なかなか便利なシステムだ。

クーマンの契約条項の中には、アヤックスかPSV、あるいはフェイノールドからのオファーがあったらいつでも行けるという項目まであったそうだ。もちろんバルサへの移籍も例外ではない。だが今回のアヤックスとの契約条項の中には、そういうものはないと聞く。でも大丈夫、そんなものは何とでもなるのがこの世界。しかも急ぐことはないよクーマン監督。ワタクシめの計画では2年がんばってもらわないと。

でもそんなことより、現在のバルサをどうにかしてくだされ。何はともあれ、超高給取りの方々の活躍がまず必要であります。リバルド、オーベル、クルービー、それぞれ年俸分しっかり働いてもらわないと、安月給なのに人一倍働いているプジョー君がかわいそうです。ここのところスタメンで活躍しているのは、年俸が一番低い選手というのは問題があるんじゃねえかい?

それほど多くのバルセロニスタに期待されているわけでもなし、かといって無視されているわけでもない珍しいタイプのレシャック監督。楽しいクリスマス、年末年始をおくるためにも残り年内3試合、グータラ選手どものケツを叩いてやってください。
(2001/12/07)


しけたグループ

昨日の試合はまだテレビで見ていないので、こまかいプレーは全然わかりません。なんかアッという間に入ってしまったガラタサライゴールは、一体なんだったのかもわからない状態。

ただ、2点目を入れられてからの観衆のブーイングはすごかった。ふつうじゃないブーイング。そして後半に入りグランドに出てきた選手に対するブーイングもタダモンじゃなかった。それがサビオラの1点が入ってガラッと180度反応が変わる。すべてのプレーに拍手。すべての瞬間に「行け!行け!」のコール。これも半端なもんじゃなかった。この興奮がたまんないんだよね。これだけでも来たかいがある。というのは嘘。やはり勝たなくっちゃぁ。だから審判の笛が吹かれて我に返った観衆は、再びブーイングの嵐。もう自分たちのやれることはやったんだから当然の権利です。

普通、こういう試合展開は勝つもんなんだ。それも今のチームだったらリバルドが3点目をいれなければいけない。だがそのリバルドがどうもイマイチなんだな、これが。

リバルドが調子が良いか悪いかそれを判断するのは、フリーキックを見ればわかる。調子の良いときはゴール枠の中に必ずボールが行く。調子の悪いときはその反対。昨日の試合、フリーキックはすべて外に行っちゃったんではないだろうか。点を入れてナンボの選手なんだから、リバルドがこれではいかん。1試合で10回も20回もボールを奪われているのを、ゴールを決めてくれることで許してやっているんだから。

とにかくこれで当分チャンピオンズリーグの試合は終わり。周りを見てみればナンダナンダ、無得点の引き分けではないか。これじゃぁ「死のグループ」じゃなくて「しけたグループ」だ。
(2001/12/06)


クライフ大先生

最近、よくしゃべる。それはいいんだけれど問題はこの方の発言は幸か不幸か、いまだに(永遠にか)ドデカイ影響力を持っていることだ。もちろんバルサソシオにだけではなく、バルサファンだけにでもなく、スペインフットボール関係者だけでもなく、世界中に影響力を持っている。またそれをわかってしゃべっているところが、これまた恐いところでもある。

クライフ信奉者にしてみれば、彼が右だといえば物事はすべて右になるし、クライフを知らないクライフ信奉者というのも世の中に腐るほどいるから、その人たちも簡単に右を向いてしまう。それが恐いところだ。

元バルサ会長ホセ・ルイス・ヌニェスとの衝突、バンガールとの昔からの確執、現バルサ会長ガスパーに対する怨恨、そしてかつての親友レシャックに対する憎悪。これだけの複雑な人間関係をもっている方だから、バルサについて語るとき本当に判断の仕方を悩んでしまう。まあ、彼は気まぐれ神様だけれど、信じていないことは言わないだろう、とは思う。だが思っていることの半分も言っていないような気もする。

少なくてもバルサを語るとき、それはトゲだらけの言葉だと思った方が正しいと思う。それは彼のクラブからの追い出され方にも問題があったし、何よりも彼は現在のバルサ理事会の野党としての立場がある。去年の会長選挙の時には敗れたバサット氏の応援についていたし、もちろんガスパーとはうまくいっていない。10万ソシオの半分以上はクライフ派であるけれど、それは残り半分以下は反クライフ派でもあるということだ。だから彼の発言はいつも「納得!」派と「納得しないよー」派に見事にわかれる。

したがってバルサがいい成績を残しているときにはほとんど登場してこない。そういうときにメディアが彼に質問しても空振りに終わる。だから彼がよくしゃべる時はバルサがうまくいっていないときだと思えばいい。そう、最近彼の登場が頻繁になってきている。

ちなみに、そのクライフが「バルサ100年史」に登場してくるのは約1か月後です。
(2001/12/05)


「ふざけちゃいけないよ」とアベラルド

ここのところアベラルドがどうなっているのか、全然ウワサにもならなかった。ところが一昨日の日曜日にTV3というカタールニャ地方局のニュースを見ていたら、突然として「アベラルドの負傷は回復のめどが立たず、復帰するのは絶望的なようです」というキャスターの発言。やはり、何かおかしいなと思っていたところだから、真実味はじゅうぶんにあった感じ。

ところが昨日の午後、アベラルドが記者会見を召集してさっそく反論。
「俺は引退なんか考えてもいない。リハビリが長引いているのは、ちょっと焦って完治していないのに練習に参加したため。それからはリハビリは順調にいっている。そのうちどうにかなるだろう」

そう、思い出した。マドリ戦をかなり前にしての「カピタンコーナー」でのアベラルドインタビューのことを。彼はとにかくマドリ戦に間に合うように、それを目的としてリハビリに励んでるという感じだった。あれが焦りとなって、完治もしていないのにがんばっちゃったのが裏目にでたわけだ。アベラルドが語るには、クラブ関係者の誰かがこういうくだらないウワサを流したんだろうという。それがクラブ理事会の人間なのか、ドクターの誰かなのかはわからない。

考えてみれば、バルサというのは年間予算が300億近いドデカイ組織なのだ。内部における権力闘争もあるし、医師団の中にもいがみ合いがあっても不思議じゃない。ガスパー反対派やレシャック嫌い派、サビオラをもっとスタメン派、ドゥトゥエル使え派、いっぱいの「派」があり、それぞれ反対陣営の足を引っ張ろうとしてもおかしくない。所詮この手の背広組のバルセロニスタは、クラブの栄光よりは自分に当たるスポットライトの方が気になる人々。だからクラブ理事会というのは、表に出てこなければこないほど良い仕事をしているんだ、きっと。

ワタクシめとは年俸がじぇんじぇん違うとはいえ、同じ労働者であるアベラルド。くだらん上司の陰謀なんぞは無視して我が道をいきませう。そのうちグランドでの勇姿が見られることを期待しております。
(2001/12/04)


我が計画

カピタンチキ計画によれば、レシャックになんとか2年間がんばってもらって、その後クーマンが監督に就任し長期政権となる予定だった。2年間あればクーマンもいろいろと経験を積めるだろうし、現在いる30歳前後の選手を一掃して彼独自のプランでチーム編成が組める。そして今アヤックスの監督ポストが空白になっているみたいだから、それは願ってもない絶好のチャンスであります。ビッグチーム(と呼べるかどうかわからない今のアヤックスだけど)で経験を積んでからバルサに来る。非常に素晴らしい計画と我ながら満足。

だが、だがだよっ。土曜日みたいな試合を見せられちゃうと、この緻密な計画にも一つの不安が襲ってくる。果たしてレシャックが2年間も耐えられるかどうか。いや、2年どころか今シーズンの最後までいられるかどうかも怪しく感じられてきた。

ここはどうあっても踏ん張りと意地を見せなければならないレシャック監督。ちょっとお人好しで気が好すぎ、任侠肌が感じられないオッサンだけど、ここはひとつ底力を見せねばならぬ。何と言っても自分の好みで連れてきた選手が、6人も7人もいる恵まれた環境の中で指揮をとっているのだ。周りの関係者の思惑で連れてきた選手を使わなければならなかったセラフェレールとは事情が違う。

ここのところイマイチとは言え、あんたの思惑通り守りに関してはどうにかこうにかいっている。問題は、攻めにあることは誰の目から見ても明らか。パァーと夏の花火のように狂い咲きして散ってしまうのも困るけれど、ない知恵をどうにか絞って、高給取り選手たちのケツを叩いてゴールへの意地を見せてもらいましょう。所詮、ゴールを決めるのはあんたじゃなくて選手なんだから。

カピタンチキ計画に傷をつけてはいかん。いかんのだよ!
(2001/12/03)


そう、今日は試合なのです

月曜日から金曜日まで、すべてのメディアが見事に無視してくれた今日のアラベス戦。さすがに今日の新聞には触れられていたけれど、昨日まではアラベスの「ア」の字もでなかったメディアです。しかたないっちゃあ、しかたないかも知れない。今週の話題はリバルドであり、ペップだったから。アラベスなんてケチなチームの話題よりはずーと面白い。

しかしながら、よく考えればアラベスはバルサの上をいく2位のチームでありました。しかも地元では5勝1敗1分けという超立派な成績を残している恐ろしいチームであります。そして何よりも嫌なことは、ここの監督のマネさんはビルバオの監督のヘインケスと同じような監督であること。

ヘインケスさんは前回のビルバオ監督時代もそうであったし、マドリ監督時代もそうであったように、今回のバルサ戦もやることは同じでした。4番の選手に強烈なプレッシャーをかけると共に、その後ろにいるディフェンスの真ん中の選手にもついでにプレッシャーをかけちゃう。その結果、肝心なところからのボールが出てこず、攻めの糸口が見つからなくなってしまうパターンです。それはグアルディオーラ・クーマンコンビしかり、今回のチャビ・デブーコンビも同じように封じ込まれてしまった。

マネ監督も同じことをいつもしてくる。

そんなことはじゅうぶん承知の助のレシャックは、当然その対応策を考えているはずです。ビルバオ戦では失敗の巻き。だから今回は、続けての失敗は許されない。さて、どうするか。

本来であるならば、ワンタッチフットボールでスピードのあるボール扱いをしていけばいいのでしょう。だがそれを言うのは簡単だけれども、まさかリバプール戦みたいなマネはマネさんやらしてくれない。だからチャビの両脇にいる選手がとても重要な試合となってくる。

ビルバオ戦と違うところはコクーがいること。そう、この試合、コクー次第と読んだ、どうだ!
(2001/12/01)