はや〜く、こいこい、3月16日

わからないヤツだな、ルイス・フィーゴという男。かつてから噂としてはあったけれど、本当にまだバルサのソシオなんだ。掲示板に「面倒くさいからそのままにしるのでは」なんていい加減なことを書いてしまったけれど、金にあれほどウルサイヤツが、どうでもいい金を払い続けるわけがないわな。

ソシオの年間費は普通は銀行口座から自動的に落とされることになっている。「もう辞めます」と申告しない限り、自動的に徴収されてしまう。たかが120ユーロぐらいの金だからそのままにしてあると何となく思ったのだけれど、ヤツがそんなことを放っておくわけがない。

ルイス・フィリッペ・マデイラ・カエイロ、これがフィーゴの本名。ソシオ番号93927。

彼はマドリのソシオではないようだけれど、もう一つのマドリ・シンパというカテゴリーのソシオではある。マドリに移籍した最初の頃の記者会見で
「あなたはマドリディスタですか?」
という質問に、
「私はポルトガル人です」
と答え、最後までマドリディスタとは言わず、マドリソシオをからひんしゅくをかっていたフィーゴ。バルサ時代とは違い、ゴールを決めたあとにも決してユニのエンブレムに口づけしなくなったフィーゴ。やはりバルサにいたころの良き時代が忘れられないのか。やはり金のためとはいえ、マドリに行ったことを後悔しているのか。

ナ〜ンチャッテね、それでオンナ子供は騙せるかもしれんが、人生経験の長いオジサンはごまかされんのだ。どこまでもふてぶてしい野郎なんだ、アイツは。フィーゴが初めて白いユニを着てカンプノウに来たとき(と言ってもまだ1回だけど)、幼い女の子がかつてのアイドルであったフィーゴを大勢の人がヤジっているのを見て「お父さん、何でみんな怒っているの?」と聞いて、それにうまく答えられないで困っている若い父親の姿を忘れない。

3月16日まで絶対ケガしてはいかん。カード制裁も絶対いかん。体調万全で来るのだカンプノウに。カンプノウでの最高のスペクタクルに役者を欠いちゃあいかんから。3月16日、それはバルサが単独トップの立つ日でもあるんだから。
(02/02/28)


ソウガッカリスルンデネエ

昨日のレシャックが採用した各選手のポジショニングは、別に彼の「発明」でも何でもなく過去にクライフがよくやっていたことだ。左足利きの選手を右に、右足利きの選手を左に、というやつ。

昨日の試合、試合内容なんぞに触れる元気もないけれど、やはりレシャックはクライフの親戚ではあったという感じがした。どこが親戚か。それはそのポジショニングの「発明」だけではなく、イタリアのチームやレアル・マドリなどとの大決戦という場面になると、なぜか普段と変わったことをするところだ。特にクライフはそれまでの試合で実に楽しい試合をしていたかと思うと、マドリ戦になるとケツの引いたミットモナイ戦いをする傾向があった。こういことはメディアはすぐ忘れてしまう。覚えていても言わない。クライフを批判するのは自殺行為に等しい。

なぜそういう戦い方になっちゃうのか、オイラなんぞには理由はわからない。でももしクライフがバルサそのものだとするならば、それがバルサなんだと思うしかない。不思議なことに、バンガールの時代にはそういうことが少なかった。分厚い資料ノートやパソコンの資料を基に試合に臨んだバンガールと、ナガシマ的なその場のフィーリングで試合を組み立てたクライフ。その隣にいつも座っていたレシャック。だからなんだと突っ込まれると困るが、でもそういうこと。

これでまたカペーロとの比較でレシャックは批判されるだろう。だがレシャックへの批判はバルサがグループ落ちしたときでも遅くはない。カペーロを誉める人も、まだ先の結果を見てからにした方がいい。監督としてはカペーロの方が上なのは明らか。経験、タイトル、どれをとってもカペーロが圧倒的に上。レシャックは監督経験1年目でタイトルなんてもちろんとったことないんだから。

チョット気が弱い世間知らずのお坊ちゃんが、老かいなイタリアの詐欺師に騙されたと思って諦めよう、昨日の試合は。
(02/02/27)


しゃべるなレシャック

バルサのオフィシャルTVチャンネルである「カナルバルサ」が、実況中継を始めるのは試合開始1時間前。そしてスターティングメンバーが発表されるのが試合開始30分前。バレンシア戦もいつものように掲示板中継をしようとは思っていたのだけれど、スタメンを知った瞬間にやる気がなくなった。

試合前から嫌な雰囲気だった。「引き分けでも良しとしよう。もちろん我々は勝ちにはいくけど」という発言をバルサの監督はしてはいけないんだ。クライフだってバンガールだって「引き分けでもいい」と計算した試合はたくさんあっただろうと思う。だがそれを試合前に言ったことはなかった。それは言ってはいけないことだから。ファンにも受けが悪いし、選手にしたってチョット勘が狂う。だがおしゃべりレシャックは思ったことを何でも喰っちゃべってしまう。だから、記者たちからの人気は異常に高い。

そういう嫌な感じの発言があったところにあのスタメン選手。な〜んだ、勝ちに行くというよりは引き分け狙いじゃねえか。中盤でのつぶし合いでボールを奪いカウンターアタックで責めてくるバレンシアを計算に入れてのプランニング。中盤の選手ばかり、それも体力勝負でございという選手を並べての取っ組み合い試合に挑んでしまったレシャック。クライハートひとりが上でポツーンと立っている。

レシャックが日本でコーチをするということに一番驚いたのはバルセロニスタだ。これまで自宅からカンプノウまでの、往復15分かかる範囲の世界しか知らないと思われていたレシャックが日本へ行く。カンプノウから何百キロ、何時間も離れたところで果たしてレシャックは生きていけるのか。誰しもが感じた疑問だ。だが一方、異国で生活経験を踏めば少しは度胸もつくんではないかと思った人たちもいる。だがなぁ、少し異国生活が短すぎたか。

マドリのカンテラのコーチから出発し、エストラマドゥーラやテネリフェの監督を経験してきた現バレンシア監督のベニテス。彼はカペーロを師と仰ぐ嫌な野郎だ。この試合はローマ戦の準備に最適の試合だった。そして出た結論。試合前に「引き分けでもいい」なんて喰っちゃべらないこと。そしてほんの少し明るいニュース。オーベルがほんの少しオーベル。
(02/02/25)


チキートコーナーの続き

チキートコーナーの「バルサの宝石箱、バルサB」は新聞のコメントを翻訳したものなので、ほぼそのままの形で載せてあります。したがって個人的に書き足したかったことをここで。

バルサBは8連勝と爆勝中なのはコーナーを読んでもらえばわかりますが、実は昨日の試合にも勝って何と9連勝街道を走る続けています。そして、それ以上の信じられない記録を続けているのがバルサ「infantil A」のカテゴリーチーム。バルサマニアの「カンテラ全員集合」を参考にしてもらうとわかりますが、大体13才から14才ぐらいの少年がプレーするカテゴリーです。もちろんそれぞれのカテゴリーで1年を通してのリーグ戦がおこなわれています。

このinfantil Aは今シーズン19試合を消化。そして勝った数が19。そう、19試合19連勝です。しかも奪ったゴール数が182、つまりほぼ1試合につき10点近く入れている計算となります。さらに驚くことに、失点がたったの4点。凄い!

このカテゴリーの監督を務めているナントカさんという監督の目標は、昨シーズンの225ゴールを超える250ゴールを目指すこと。そして今日の試合、バルサと19ポイント差でリーグ2位につけているサン・ガブリエルに勝利し、早くも優勝を決めてしまうこと。そしてこれまで66ゴールを決めているディオング・メンディという選手に、100ゴールを記録させたいということだそうであります。

いくらカテゴリーが13、14才クラスのものとはいえ、チョットびっくりする数字です。そう言えばかつてラウールがAt.マドリのカンテラをしていたときに、シーズン100ゴールを決めたという話しを聞いた覚えがあるけれど、それがニュースになるということはそんなにしょっちゅうある話しではないのでしょう。

さてカンテラの活躍に期待しつつ、今日の大人たちの試合も是非がんばってもらわねば。バモス!バルサ!
(02/02/23)


二つのマシーン

好き嫌いに関わらず、二つのまったく違うフィロソフィーに基づいた戦法。バルサマシーン対カルッチオマシーン。あるいは攻撃指向マシーン対守備指向マシーン。そしてあるいは、創造的マシーン対破壊的マシーンの戦い。

目的もそれぞれマシーンによって違ってくる。攻撃指向マシーンはもちろん勝ちにいくのが目的。そしてもう一方は負けないことを「美」とする。マシーンの完成は、創造的なものより破壊的なものの方がより完璧に完成されるのが早い。しかもカペーロにとっては2年目のクラブであり、レシャックはまだ1年目だ。完成度においてはローマの方が上だった。

だが、そんなことはどうでもいい。破壊マシーンの完成度には興味がない。創造マシーンの未完成さも仕方がないだろう。サビオラはまったくボールと一体化することができなかった。リバルドはポジションがどこなのか最後まで理解できなかった。モッタはチャンピオンズという緊張感と、いっぱいになったカンプノウにおけるプレッシャーに負けてしまった。オーベルはアヤックス時代の突貫小僧ではもうないようだ。

オーバーヒートしたマシーンを救ったのはチャビとロッケンバックだった。必要以上に熱くなってしまったマシーンに新鮮な空気を注入したチャビ。ガス欠となったマシーンに新たな力を注ぎ込んだロッケンバック。この二人が完成された破壊マシーンの破壊に動く。

引き分けというのはいつもイマイチの結果であることにはかわりはない。でも例えば昨日みたいな両極端な二つのチームの試合を見たあとでは、試合結果もさることながらバルサのファンで本当に良かったと思うことができる。そしてもう一つ思うこと。それはバルサの流れを変えてはいけないということ。レシャック→クーマンのラインを壊してはいけない。
(02/02/21


チョコット復讐

試合に負けることは悔しい。どんな試合でも負けることは悔しい。それでも寝られなくなるほどのことでもない。そうじゃないと長いことバルサファンなんかやっていられない。

でも一回だけ、眠れられない夜を過ごしたことがある。悔しさを通り越して放心状態と言った方がいいかも知れない。それは94年のアテネでのチャンピオンズ決勝戦。カードはもちろんクライフバルサ対カペーロミラン。試合前の雰囲気が「楽勝、楽勝」気分だったこともあるけれど、何といっても4−0というスコアーに見られるように、バルサを応援している身としては情けなさを突き抜けて奈落の底を見た感じだった。

あれからカペーロはメレンゲの親分として一度カンプノウに来て我々が勝っている。だがマドリとの対戦での勝利はあくまでもマドリへの勝利であり、監督が誰であれどうでもいいことだ。しかし、今日のローマ戦は違う。ローマなんかに勝ったって別にうれしかあない。ローマなんてどうでもいいチームだ。だがカペーロが監督であるということになれば話しはチョット違ってくる。あくまでも個人的に、この試合はローマという姿を借りたカペーロとの試合だ。そして目的はもちろん、あの鼻持ちならない自信の固まりのような男の鼻をへし折ってやること。それもバリバリボキボキと音がするほどに。

そしてさらに許されるなら、バティも粉々にして欲しい。フィオレンティーナの選手としてカンプノウにやって来たバティ。ゴールを決めたとき、観客席に向かって「静かにせんかい、坊やたち!」とばかりに唇に指を押し当ててたバティ。今回はプジョーの完璧なマークで静かにさせてやろう。国内のリーグ戦とは一味違うチャンピオンズ。注目度の高いこういう試合でクラブのカテゴリーの違いを見せてやるにはいいチャンスだ。

ストイチコフ様がおっしゃております。
「バティ? いっちゃぁ悪いが、ありゃ、たいした選手じゃねえな。」
(02/02/20


クリスタンバール?

ほとんどの試合にスタメンで出場しているクリスタンバール。アベラルドは長いあいだ負傷中、アンデルソンも負傷ということもあったし、レシャックのお気に入りということもあり毎試合出場している幸運に恵まれた選手だ。でもこの選手、どうも納得いかない。

どこが良い選手なのかよくわからないのが正直なところ。スピードを持っている選手だとか器用な足技を持っている選手ならシロウトにもよくわかるんだけれど、この選手に限って言えばそういう目立つところが見つからない。そうだ、バルサスカウトの連中が評する「バルサが狙う32人のエリートたち」にはどんなことが書いてあったのか。

「フランスアンダー18の時に初めて見た。その時は非常に細いタイプだったが、現在は肉体的にも強くなっている。ヘッディングも良いが、全体的なテクニックが素晴らしい。ディフェンスから攻撃が始まるバルサには、理想的なタイプ。」

ということらしい。全体的なテクニックが素晴らしくて、ボールを出すのがうまい選手ということだ。しかしなあ、本当かなあ。とてもそういう感じはしない選手だ。試合を重ねるごとに、何となく安心して見られるような感じがしてきていた。それはここのところ決定的なミスがなかったからかも知れない。ところが久しぶりに見たコルーニャ戦でのミス。そう1点目のヤツ。プロとはいってもミスがあるのはしょうがない。だがそのあとがいけない。

この選手、気が小さいんじゃないだろうか。何かいつまでも過去のミスのことを気にしている様子。バルサの1点目が入ったあとも、彼だけ一人離れてバカ騒ぎに加わらない。ディフェンスに要求される「冷静さ」と「熱さの欠如」は別の問題。何かキャラクターがこちらに伝わってこないんだなあこの選手。

どうだろうレシャックさん、アンデルソンがダメな今、スーパープジョーを彼のポジションに使って、サイドバックにレイジンハーを使っては。いいアイデアだと思うんだけどなあ。
(02/02/19


いい感じ

0−1
「う〜ん、今シーズンに限らず、こういうことはよくあるわな。それにしても雨が止まねえ。」
1−1
「そうそう、これなら勝てる。オットォ、雨が止んだ。」
1−2
「ギョエー、嫌な感じ。負けのパターンだ。去年のコルーニャ戦と似てる。くそ、雨がまた強くなってきたゾー。」
2−2
「ふむふむ、ここまではど〜にかいくんだ今年のバルサは。だが問題はこの雨だ。今日は傘がない。」
そして2−3
「グアオォォォォオォォオォォオオ〜。いったいどうしちまったんだ今日のバルサ。これは勝っちゃう、勝っちゃう、間違いなく勝っちゃうぅぅ!」

翌日の新聞を見たら入場数はたったの4万人だった。朝からシトシトと雨が降り、とてつもなく寒いこんな日に来る人たちは凄い。しかもテレビ中継もあるというのに。もし前もって留守番を頼んでいなかったら絶対行かなかった根性ナシのワタクシ。でも、留守番を頼んでいてよかった。

4万人の熱いハートによる応援は、ソシオであることに誇りだけを感じて「義務感」でカンプノウに近寄る8万人のそれより迫力があり真実感がある。この熱狂的バルセロニスタから休みなく吐き出される「バルサ!バルサ!バルサ!」の叫びが、選手の反撃を生んだ原因のすべてであるとは思わないものの、その一因であることは確かだと思う。そしてそれを知っている4万人のバルセロニスタは、少し勝利に貢献した自分自身に満足してルンルン気分で「来て良かった!」と家路を急ぐ。

内容良し、スペクタクル有り、結果最高。まず快調のシーズン開幕戦をスタート。
(02/02/18


いよいよシーズンがスタート

2002年のスペインリーグが今日から始まり始まり。バルサーコルーニャ戦が開幕試合。そしてチャンピオンズリーグは20日のローマ戦にて再開。両方ともカンプノウからのスタートという幸運に恵まれている。毎年のように、本格的なシーズンはいつも2月から始まる。これまでのレシャックを少しでも肯定的に評価するものがあるとすれば、この時期に来てまだバルサがヨーロッパ戦に望みを持っているということだろう。バンガールは3回のチャンスで1回しか春までバルサを生かしてくれなかったし、セラフェレールのバルサは冬に姿を消してしまった。

マドリッドのメディアが持ち上げていた「惑星から来た」というチームも、結局それほどのものでもないということがつい先日モンジュイクで証明されたし、カタルーニャメディアのいう「危機感」を抱いているチームでもないことも昨日の7−0で証明された。首位に立ったチームが「危機」だったら他のチームを何と呼べばいいか、ということになる。だからといって「凄い」チームかというとそんなこともない。ようするに飛び抜けたチームでもないし、落ち込んだチームでもない。

それはバルサも同じ。サラゴサやセビージャ相手に、あるいはテネリフェとソシエダー相手に2連勝したとて「バルサ機が急上昇」したわけでもないし、かといってマジョルカ相手に引き分けてもそれほど騒ぐことでもない。問題はすべてこれからだ。

子供の遊びは先週で終わり。今週からスタートし、壮絶な2月と3月を経過して5月まで戦いが続く。レシャックが引き出されたギロチン台にひざまずくことになるのか、あるいは再び倉庫にしまわれることになるのか、その答えがでるのはこれから。

それにしても、と思うのは、カペーロを好きなバルセロニスタっちゅうのは一体どういう人たちなんだろうか。個人の好き嫌いに他人は入り込めないというけれど、一度こういう人たちの中にドカドカと土足で入って行きたい。
(02/02/16


プロフェッショナール

バルサの練習時間は短いことで有名。今のレシャックバルサは午前と午後に練習する日が何回かあるみたいだけれど、クライフの時代にはほとんどが午前中の1時間半だけ。それもセットプレーの練習はいっさいやらなかった。何十回に一回しか成功しない、そんなセットプレーの練習をするのは時間のムダというのが彼の考え。したがってコーナーキックの練習も見たことがなかった。1時間もロンドだけの練習という風景もよくあったように記憶している。

ではバルサにはセットプレーでの約束事がなかったかというとそうじゃない。合同練習ではやらないけれど、暗黙の了解っちゅうやつで何人かの選手が自主的にやっていた。バッケロ、クーマンなどが中心となって、練習後のお遊びがそれ。他の選手も、自分に必要な練習をそれぞれ「隠れる」ようにやっていた。こう書くと高橋三千網の「我ら九人の甲子園」みたいだけれど、本当にそんな感じ。

チャッピー・フェレールは練習が始まる1時間前にカンプノウに来る。そして一人でジムで体力作り。グアルディオーラはドクターが準備したメニューでやはりジムでの筋肉増強を。そしてロマリオは、そうロマリオはもちろんそんなことはしない。彼は練習が終わるとバルセロナのビーチに行って、ビーチ・フット・バレーを大勢の人に囲まれながらよくやっていた。それぞれ選手の特徴によってやることが違う。

そして今、その血を引き継いでいるのがプジョーだ。彼も練習の1時間前にはジムに来ている。そして一人黙々とバーベルを上げているそうな。それの完成品が試合後に時々見せる超人ハルクみたいな体。凄い筋肉マン。

偶然ながら1981年のスペイン代表対フランス代表の試合を昨日テレビで見た。するとプジョーそっくりな選手がいるではないか。よーく見たらカマッチョだった。昔を知っている人はプジョーをカマッチョの再来と見ているのかも知れない。どうりでマドリがプジョーを狙うわけだ。
(02/02/15


フットボール文化

先週の土曜日から始まった世界初のフットボール博覧会。土日に12万人の入場者数を記録し大成功中。今週のバルセロナの街はフットボール関係者やその博覧会に訪れる人であふれかえっている。

各国のフットボールスクールやスポーツビジネススクールなどの教育機関や養成機関関係、さらに鮮明な画面となった電光掲示板や新型スロービデオ機器などの紹介、もちろんシューズやボール、ユニなどの各種スポーツ用品関係のデスクも多く並んでいる。この博覧会に関する企業がらみのコマーシャルなんぞを見ていると、フットボールがビジネスとして大きな存在になっていることが実感できる。と同時、にヨーロッパ人にとってフットボールは「文化」なんだとも思う。

カタルーニャに数多くある美術館や博物館。ダリ美術館やミロ美術館、タピエス美術館、海洋博物館、考古学博物館、歴史博物館、カタルーニャ美術館、現代・近代美術館、ここでは書ききれないほどの美術館や博物館がある。だがどの美術館や博物館も入場者数ではどうしても勝てないところが一つある。

それはバルサ博物館。カンプノウに隣接し、バルサの歴史的なカップや歴史的な写真などを展示している博物館だ。ここの年間入場者数は、カタルーニャにおけるあらゆる美術館や博物館のそれを上まわる。決して、例えばミロ美術館などの訪問者が少ないというわけではない。ヨーロッパ人すべてがフットボールファンであるということでもないだろう。それでも世界の中で屈指のクラブとして知られるバルサとはどのようなものであるのかを知ることも、地中海の海や太陽に接することと同じぐらいに魅力のあることなのかも知れない。そしてこの建物の中で100年のバルサの歴史を感じることになる。

もしカンプノウに行くことがあったら、是非この博物館も訪ねるといいと思う。
(02/02/13


これからが本番

マドリが何かの間違いで7点もとって「大勝利」をおさめた翌日のマドリメディアは、それはそれは大騒ぎ。危機からの脱出だの、もともと危機などなかっただの、惑星チームのご帰還だの、優勝は決まっただの、それは賑やかであります。そして悲観主義がプリンのように揺れ動くバルセロナでは、マジョルカ戦の引き分けがまるで5対0という結果の引き分けみたいな感じで、これまた少々落ち込み気味であります。

首位との差が3ポイントしかない状況で何で悲観主義に走らなければいけないのか。また5位との差が3ポイントしかないにも関わらず、なにゆえ楽観主義をもってふんぞり返られるのか。これは楽観主義とか悲観主義とかいう以前の問題で、単にメディアにいいように踊らされているだけの話し、というのが正解でしょう。もっともこの踊りにつき合うのもナカナカ楽しいことではありますが。

「快調に飛ばすバルサ」というのは5年に1回、それも10試合ぐらい続けてあればいい方です。今では「ドリームチーム」と呼ばれ、あの当時のバルサはすべて素晴らしかったようなイメージで語られるクライフ時代。でもそれは違う。はっきり言ってまったく違う。

いつも春の入り口まではチョボチョボの試合をしていたことを忘れてはいけない。統計を調べる気もないから具体的な数字は知らないけれど、クライフがいた8年間でいったい何節分トップを走っていたことがあるんだろうか。きっとわずかな期間だと思う。リーガ4連覇を達成したとき、最初の年はブッチギリの優勝ではあったけれど、その後の3年間はすべて最終戦での逆転優勝だったということを人々は忘れている。それは、まるでそれまでずーと首位をキープしていたチームに申し訳のないような逆転優勝だった。

ガッツ・エンリケが戻ってくるバルサ。これからが本番です。
(02/02/12


冴えないオーベル

オーベルはバルサ史上初の60億という最高の移籍料を払って獲得した選手。この金額になってしまったこと自体はオーベルには罪がないのはもちろんだけれど、そうは言ってもやはり史上最高額の選手として認識されちゃうのはしょうがない。しかも試合に出場して活躍していれば、誰もこんなゼニのことなど思い出さないもんだ。

もう何回も書いたような気がするけれど、彼の素材は超一流品だと思う。ウイング選手を生み出す国オランダでさえ今では少なくなった本格的なウイング選手。それが、もう2年目だっていうのにその素材の光りをほんのチョットしか、それもほんの一瞬しか見せてくれない。もったいないなあ、もったいないよ、この選手。

運がないと言えば運がない選手だ。これまで2年近くの間に何回ケガしてきたことか。しかも性格的にも精神的にもケガに弱そうなタイプ。そういうことに同情の余地があるのかどうかわからないけれど、一つだけはっきりと同情の余地のないところがある。

彼はいまだに記者会見上で通訳をつけている。英語でしゃべっているのだ。これが日本人だとか、どこかのアジアの国から来た選手ならまだわかる。でも、語学的な才能のある北ヨーロッパ出身の選手にしては珍しいことだと思う。何たってもう2年近くバルセロナに住んでいるんだから。「許されない」ことだとは言わない。やはり外国から来た自分のことを考えれば、それはとてつもなくキツイ表現となる。語学の習得のスピードはまったく個人的な問題であるのは確かだ。それでもオランダ人である彼がいまだにカステジャーノをしゃべれないというのは、非常にデカイ問題だと思う。土地に、人々に、そしてチームカラーに馴染もうとしていないと思われても言い訳はできない。

オーベルの問題は結構この辺にあるんじゃあないかと最近思っている。そう、外国で成功するのは才能だけではダメという良い見本だし、うまく生きていくのは結構難しいことでもあるんだ。
(02/02/11


私は傭兵です

カルラス・プジョーのように子供の頃から夢にまで憧れていたクラブでプレーすることができれば、少しぐらいの魅力的なオファーが来ても微動だしない。だが現実的には彼みたいな恵まれた選手は少ない。ほとんどが「ビッグクラブとしてのバルサ」に入れたことにより、金色の文字として履歴書に残ることがあってもチームカラーまで体に染みこむことは希な例だろう。

そんなことはじゅうぶん承知しているバルセロニスタ。だから外国から来てくれた選手に対しては年俸分の仕事をしっかりしてくれれば文句はない。ゴールを入れた後にユニのバルサエンブレムに口づけしてくれれば、それに越したことはない。チームが必要としているときは鎮静剤を打ってでも出場してくれる選手に対してはありがたいとも思う。でも基本的には傭兵として、つまり金のために来ていることも承知している。そりゃそうだ、彼らはプロなんだから。でも傭兵だって何年もクラブに所属していれば、バルセロニスタを尊重するだろうし自分がどこにいるかぐらいはわかってくる、とも思う。

ルイス・フィーゴはバルサのキャプテンマークを付けた選手だった。エンブレムにも口づけしたし「絶対出ていかない選手」だと自分でも言っていたし、また誰もがそう思っていた。

彼は傭兵中の傭兵だったのだろう。敵に撃たれなくても味方に後ろから撃たれることもあるこの世界。後ろに控えるバルセロニスタをじゅうぶんに味方にすることに成功していた。だがかれにとっては、何年いようとチームカラーなど糞食らえだ。大金を稼げる選手寿命が続く限り傭兵であり続ける。それも本物の傭兵として。

傭兵にも二種類ある。一つは何年もいることにより人々に愛着が沸き土地に染まってしまうタイプ。もう一つはあくまでも最後まで傭兵として振る舞うタイプ。フィーゴは明らかに後者だ。そしてマドリに職場を移したこの傭兵は、今年に入ってどうも居心地が悪いようだ。ギャラをもっと出すところがあればいつでも移る決心はある。ユーロよりはポンドが欲しくなってきたみたいだ。
(02/02/08


バルセロニスタの心得

今日はバルセロニスタと選手との仲直りの日です。2週間前のバジェッカスでの試合をテレビ観戦したバルセロニスタは非常に不愉快な思いをし、それをさらに決定的なものにしてくれたのがカンプノウでのオサスナ戦。あまりの不愉快さ故、相手選手に「オッレー、オッレー、オッレー!」のかけ声をかけて憂さ晴らしをしたバルセロニスタであります。でも先日の0−6の試合で少しは気分を良くし、今日は選手との仲直りを、まあとりあえずの仲直りを心がけなければなりません。

まず我々の方から仲直りの意思表示をしなければなりません。選手たちからバルセロニスタに喧嘩を売ったわけではないのですから。したがって選手が登場してきたら壮大な暖かい拍手を送りましょう。イヤイヤながらの拍手も心からの拍手も音にはそれほど違いはないでしょうから、気持ちはどうであれとにかく大きな拍手を。

そして最初にリバルドにボールが回ってきたら、さらなる拍手を。この方は非常に気難しい選手でありますから、とにかく気分良くやってもらわないといけません。リバルドコールもナカナカ効果があると思います。金を払って見に来ているのに何でこんなに気を使わなくてはならないんだ、なんてことは決して考えないように。人生ややっこしくなりますから。

良いプレーにはやはり拍手を送りましょう。プジョーとかチャビなどというカンテラ出身の選手は、放っておいても一生懸命やりますから彼らにはそれほど拍手する必要はありません。問題は、仲直りを積極的に示さないとすぐにふてくされる気分屋の選手たちです。クルービー、デブー、ココ、これらの選手がチョットでも良いプレーをしたら思いっきりの拍手を。そしてもし試合に勝つようなことがあったらスタンディングオベーションで選手たちを送り出しましょう。

そうそう、カンプノウに行くにあたって用意しなければいけないものにも触れておきます。いかなる試合であれ白いハンカチは必携です。試合後には必要になるかも知れない大事な必要最低限の必需品でもあります。激怒に走りやすい方は、白いシーツがいいでしょう。両手に持って大きく広げれば、それはそれは効果のある意思表示となります。これで準備万端です。さあ、今日は仲直りの日です。バモス、バモス、バルサ!
(02/02/06


バルセロニスタ

以下は、セルジ・パミエスというジャーナリストがテネリフェ戦の翌日に書いたコメントです。全文を載せると長いのでほんの一部を紹介。

もしテネリフェ戦で4点を決めたのがバルサのクライハートでなく、マドリのジダーンだったらどうなっていたか。マドリッドでは町中が大フィエスタで大騒ぎ、病院はケガ人であふれかえっていただろう。さて、あの試合後での一部のバルセロニスタはどういう風に反応したか。一緒にテレビを見ていた友人のバルセロニスタはこう言った。
「なぜクライハートはテネリフェ相手に4点も入れてしまったのか、なぜ他の試合のためにとっておかなかったのか。だからダメなんだヤツは!」
そして他の友人は皮肉っぽくこう語る。
「テネリフェはクライフ時代から色々助けてくれたチーム。彼らにはバルサに勝とうなんて気は最初からなかったのさ。」
さらにもう一人の友人が、怒りをあらわにして追い打ちをかける。
「いいかい、こういう6点も入れる試合があること自体、いかにバルサがイレギュラーな試合をし続けているかという証拠。ダメだ、レシャックは!」
こいつらは生まれてこの方40年のバルセロニスタだ。だが同時にメンタル的な病人でもある。彼らが経験してきたバルサの歴史の中での多くの敗北が、彼らを被害妄想狂にしてしまった。さらに今シーズンのバルサは、我々の知る典型的なバルサのスタイルでもある。喜びを与えてくれたかと思うとすぐに裏切る典型的なバルサなのだ。だから彼らはもう既に信じるということを忘れてしまっている病人なのだ。

病人かどうかはわかりませんが、似たような感じの人だったらカタラン人だけではなく世界中にいそうです。同じように、やれチームプレーができてないだの、試合内容がよくないだの、点数が入っただけの試合だの、レシャックのクビがつながって不愉快だの、等、等。でもこの試合までの状況を考えれば「ぶっちぎりの勝利」というものはそれがどんなものであれ、これまでの傷を癒してくれます。そして楽しめるときには楽しんでおかないと。何たって、明日のバルサはどうなるかわからないんだから。
(02/02/05


お馴染み、チャンス到来

これだからフットボールはわからない。地元のカンプノウでオサスーナ相手に惨めな敗北をしたバルサが、アウエーでスペクタクルな勝利をおさめたかと思うと、去年の11月から負け知らずのマドリがお友達のエスパニョールに負けてしまった。もし予定通りにバルサが負け、そしてマドリが勝っていればその差は10ポイント。だが終わってみれば4ポイントの差に縮まっている。そしてテネリフェ戦の試合前のレシャックと同じように、ほぼ3か月前にはクビ状態に近かったビクトル・フェルナンデスが、今日は首位のクラブの監督になってしまっている。わかんねえもんだ。

もちろんモンジュイクには行かなかった。同じ時間に始まるもう一つの大事な試合を見にいってしまったから。モンジュイクは5万人の大観衆。一方ミニ・エスタディには、1500人のマニアックな入場料無料ソシオが集まっている。5−1の派手なバルサBの試合を見てじゅうぶん楽しんだ後、家に帰ってスポーツニュースでマドリの試合を拝見。

前から思っていたとおり、フィーゴの衰えはヒデーもんだ。ヤツは99年の自己最高の年から確実に下降線をたどっている。バルサにいたころの「楽しんでプレーしている」感じが消えてからかなりの時間がたっているんではないだろうか。ワールドカップで燃え尽きて彼は終わりだな、多分。ペセタからユーロに変わったおかげで、銀行通帳にのっている数字の桁が2つ減っちゃったからショックを受けているのかも知れない。

ヤツのことはどうでもいい。バルサが大事。今週のバルサはチャンス。明後日の試合はマドリがバジャドリで、アラベスとバレンシアはお互いにつぶしあいの試合が待っている。明日はセルタはコルーニャでダービー戦だ。そしてバルサはカンプノウでソシエダー戦。チャンス到来!

何回も、そう何回もこういう期待を裏切られてきたのだか、そんなことはすぐに忘れてしまうアホバルセロニスタ。わかっていても、思わず期待してしまうのであります。
(02/02/04


モンジュイクがミニ・ベルナベウになる日

明日は待ちに待ったエスパニョール対マドリ戦。誰が待ちに待ったかというと、カタルーニャに住むメレンゲの人たちです。仕事か何かの理由でマドリッドを離れカタルーニャに住んではいるけれども、やはり「私はメレンゲよ」という人たちにとっては1年に1回のチャンス。カンプノウでの試合ではチケットもないし、幸運にも入れたとしても大げさにマドリの応援ができる雰囲気は当然ない。何といってもカンプノウはアンチ・マドリの殿堂みたいなものなんだから。でもモンジュイクは別だ。エスパニョールのグランドは、第二のベルナベウと呼ばれメレンゲ族に親しまれているのだ。

エスパニョールというチームにしても、そのクラブの名が示すとおりカタルーニャ的なチームというよりはスペイン的なチーム。プレーする選手たちは経済的な問題で歴史的にカンテラ育ちが多いけれども、彼らを応援するファンはそれとはまた別の話。エスパニョールのファンは、マドリッドや各地方からの出稼ぎ労働者が多いし、ソシオにしても同じこと。一般的に、まず第一にエスパニョールファン、第二にアンチ・バルサ、第三にレアル・マドリファンというのが多い。だが家族代々メレンゲというところでは、第一にレアル・マドリがきて、第二は同じで、第三がエスパニョールファンということになる。

ミニ・ベルナベウ現象はモンジュイクの前のサリアグランド時代も同じで、3万人ぐらい埋まった観客席の半分以上がメレンゲとなる。彼らにとっては、まるで兄弟同士のチームによる戦いであるわけだから、明日はフィエスタだ。

カタルーニャには100以上ののレアル・マドリファンクラブがあるらしい。総勢9000人を誇るこのファンクラブの人たちが、明日はモンジュイクに集合する。これにエスパニョールファン、アンチ・バルサファン、日本人学生卒業旅行中のメレンゲ大好きフィーゴ万歳ファンが3万人ほど集まって、モンジュイクは年に1回のほぼ満員状態になってしまうのだ。
(02/02/02


快進撃を続けるバルサ

と言っても、もちろんレシャックバルサではなく、その下のバルサBです。これまで21試合を経過して13勝4敗4分け。43ポイントを獲得し、2位のエスパニョールBに3ポイント差で首位を走っている。そして凄いのは41ゴールという最多のゴール数を獲得している上に17点しか入れられていない最少失点チームでもあること。

1月の4試合はついに4連勝。1部リーグ、2部リーグA、2部リーグBを通じて4連勝したチームはバルサBだけ。まさに「今月のチーム賞」だ。

この快勝の原動力になっているのが、明日のテネリフェ戦で初の1部デビューが予想されるモッタ。先週のソシエダーB戦でハットトリックを決めている。そしてモッタと共に良いのが今年バルサCから上がってきたサンチェスと、にわかに復帰してきたナノとトラッショーラス。

サンチェスは細っこい体で長身の選手。ジョルディがバルサBでプレーしていた頃に良く似ている。ジョルディのお父さんも現役の頃はきっとあんな感じだったのだろう。細い体をしているのだけれどバランスが良いのか、強いあたりをされてもナカナカ倒れない。ドリブルも結構いけるし、ボール離れも良い。ゴールをいっぱい決めるわけではないので派手な選手ではないが、最近非常に気に入っている選手。

ナノが突然のように復帰してきた。ここ何試合か立て続けてゴールも決めているし、センターリングも何年か前に騒がれた頃のように冴えてきた。トラッショーラスも控えが多かったけれど、ここにきてがんばり始めている。ソシエダーB戦で彼も2得点を決めていた。。

ソシエダー戦は敵地で戦って0−5でバルサが勝った試合だけれど、それはスペクタクルな試合だった。リバプール戦の30回パスどころの話しではない。もっともっとパスが続いてのゴールが決まったシーンがあった。今シーズン、カンプノウでのスペクタクルは期待できないが、ミニ・エスタディが熱い。
(02/02/01