2003年
12月
2004年

イノセンテ〜

昨年まではうちの常連さんにイノセンテ記事を送ってもらってみんなで楽しんでだけれど、今回はそれをやめてメディアが流すイノセンテ記事だけを掲載しました。イノセンテがもうじきやって来るよ、やって来るよ、というのをできるだけなくして、いきなり出す当日のニュースをどれだけの人が信じちゃうか、それが今回の意地悪楽しみ。

今回はぜんぶイノセンテ記事で埋めちゃった4chでしたが、ありそうな話しもあるし、う〜ん、本当かなとういう感じのもいくつか。それでも途中まで本当の話も入れてあります。もっともウソっぽい話しだけれども本当の話。それはマドリのビル建築の話です。

“当初、220メートルの高さのビルを建設する予定となっていたのだが、近くにある飛行場に離発着する飛行機の臨時航路区域となっていることが判明。この区域にはビルの高さ制限があり、それは110メートルとなっている。したがってこの4つの高層ビルの高さは110メートルにしか過ぎなくなり、予定されていた販売額の半分しか入らないことになる。それを知ったいくつかの予定されていた買い取り業者が約束が違うということを理由に、すでに手を引いているという。”
この後に続くマドリ会長のヨット売却ストーリーはマルカだかアスに載っていたイノセンテ話しです。

しかし今頃になって何でこんな高度制限のことが出てくるのか、そもそも土地を買い占めた段階で調べていることだろうし、まして設計段階では間違いなくわかっていると考えるのが私たち日本人でありまして、そこら辺を放っておくというのがラテン人の恐ろしいところと言うか懐が深いところというか、実にいい加減でマヌケなところではあります。

土地を売って莫大な借金を返したと言われているマドリだけれど、実はこのビルを売った金が彼らの収入となるわけで、もしビルの手付け金を払った業者がこのニュースのように手を引き始めたらヨダレを垂らしながら待っているその金は永遠にクラブ金庫には入ってこないことになる。さてさて、困ったマドリ。再びメレンゲファンのアスナール首相を動かすことになりそうな気配。イノセンテ記事に踊らされている日本のWEBページは、こういう本当のことを出さなくっちゃね。
(03/12/29)


けっこう良い勝負だったりして

次のカップ戦の相手はレバンテ。かつて一部にいたこともあるし、なんと言ってもあのクライフがアルバイトでプレーしていたクラブとしてバルセロニスタにも知られている。ユニフォームの色もバルサとまったく同じブラウグラーナのレバンテは、今シーズン開始前から一部カテゴリーへの昇格クラブ第一候補としてあげられていた強豪だ。元バルサ選手のクエージャやバルサBにいたジョフレもここでプレーしている。そして選手名簿を見てみると、昨シーズンはバジャドリにいたアガンソ、マラガにいたサンドロ、そしてコンゴなどという何人かの元マドリ選手が見あたる。まだ1敗しかしていないチームらしいし、首位争いをしている最中だというから、まあ、バルサにはバランスのとれた相手かも知れない。

相手がレバンテと決まったことで、クラブ側はまだ正式に公表していないけれど、いよいよカンプノウを閉鎖する時期が近づいたことになる。今までは“閉鎖される”だったのに最近のラポルタ政権は“閉鎖する”という方針に変わってきている。敏腕弁護士ジョセップ・マリア・コローナスがいかに大声で反対の声を上げようと、多くのソシオがナンセンス!と叫ぼうが、ラポルタチームは譲らないようだ。この頑固なまでの姿勢はいったいどこから来るのか、そのうちわかるかも知れない。

頑固と言えば、フラン・ライカーはもうちょっと頑固になったほうがいい。彼がラポルタの圧力に屈してルストゥを起用したというのはもう世間の常識だ。ラポルタ新政権の目玉商品の一つとして獲得したルストゥであるだけに、そして何よりもトルコやトルコ移民の多い国にとっては非常にメディアチックな選手だけに、さらに付け加えるならワールドカップの数試合を見ただけでファンになったという人までいるだけに、彼をベンチに置いておくのではなくグランドに出すことは非常に重要なことだと考えるラポルタ。大量得点を入れられたマラガ戦の直後に“指令”が下りたらしいが、さすがにあの後にポルテロを変えたのではビクトルのショックは大きいし、クラシコのあとに変えることを決意したフラン・ライカー。皮肉にもクラシコでは決して悪くなかったビクトルだったけれどね。
(03/12/20)


なぜ今、ルストゥ?

試合数が異常に多い今のフットボール界では重要な選手を休ませるためにローテーションを組むのはやむ終えないことだということは知っている。でも11人の選手の中で唯一ローテーションをしてはいけないのがポルテロというポジションだということも知っている。そして昨日の試合で、フラン・ライカーはポルテロの変更を試みた。でも、なぜ?

4chニュースに載っているフラン・ライカーのコメントは“誰も傷つけたくない優しい”言葉に過ぎない。だからあんなものは無視していいし、ルストゥを起用する理由にもなっていない。

フェネルバッチェの選手としてカンプノウに来たときの彼のプレーなんぞはまったく記憶になかったから、プレステージの試合で見た彼のプレーはなかなか新鮮だった。バルサに久しぶりに来た良いポルトエロ、そんなイメージ。それでもすべての試合を通して見る限り、ビクトルの方が遙かに活躍していた。プレステージの途中で故障した不運がルストゥにあったから、ビクトルが余計目立つ感じとなった。

バルサには外国人選手枠の問題があると言われながらも、実際にはそんなものは存在しないことがシーズン開始当初からはっきりしている。“足の遅い”マルケスを評価していないフラン・ライカーだからして、外国人枠は問題なかった。だからもしルストゥがバルサの正ポルテロだと評価していたなら、彼をシーズン最初から起用するべきだった。だがフラン・ライカーはビクトルを選ぶ。カンテラ出身だから、あるいは外国人枠に入っていないから、そういう理由ではなく、プレステージで見事な活躍を見せていたからだ。そしてそれは本番に入っても続くことになる。ビクトルの活躍で何試合救われたか、記憶の中では少なくても3試合は救われた試合があった。

クラシコの直前にルストゥがスタメン出場するのではないかという噂が流れた。でもビクトルがそのままポルテロを務めた。試合後に「ルストゥ出場のことはメディアが勝手に流した噂。我々は100%ビクトルを信用している。」インタビュアーの質問に答えるポルテロ・コーチのウンスエ。マドリに2点とられたバルサだが、2点ともディフェンスに当たって入ったゴールなのだからビクトルに責任はない。じゃあ、なぜ、クラシコの後の試合に彼をベンチに置いたのか、そこがわからない。

ビクトル、ルストゥ、二人ともいいポルテロだ。でも一度ビクトルを信用し、そして彼もその信頼を裏切らない仕事をしているのだからルストゥを出すべきではなかったと思う。控えにルストゥという素晴らしいポルテロがいるということは頼もしいことだし、したがって彼もまた大事に使わなければならない。幸運にもバルサが勝ったから良かったけれど、もしダービー戦でバルサが3−1で負けたとしたら、それはこの試合がデビュー戦となるルストゥに対する死刑宣言に等しかった。
(03/12/15)


敏腕弁護士コローナス怒るの巻き

ジョセップ・マリア・コローナス敏腕弁護士はすでにバルサにはいない。ジョアン・ラポルタの掲げた“変革”は、ガスパーに近くバサットにも近かったコローナスにまで及び、今シーズンが開始されると共にクラブを去ることになった。カタルーニャ州内だけではなく全国的にも敏腕弁護士としてその名を知られている彼はもうバルサにはいない。そして彼が残していってくれた遺産、それはカンプノウ閉鎖措置に全面的に反論し一般法廷に持ち込んでもう少しで勝利する寸前までいっていた彼の遺産、それがいま破壊されようとしている。

どうやらジョアン・ラポルタは一般法廷に持ち込んでいるこの件を今すぐにでも取り下げ、フットボール協会が下した2試合閉鎖措置というのを了承しようとしているようだ。しかもすでに具体的な日付まで触れているメディアもある。それによれば1月11日に予定されいるカンプノウでのサラゴサ戦、もう一試合は7日か14日におこなわれる国王杯(もし来週の試合に勝利して次のラウンドに進められればの話しだけれど)のカンプノウでの試合。この2試合でケリをつけてしまおうとしているらしい。

スペイン憲法制定25周年の政府恩赦がバルサに与えられことが内定した情報が入ったから、一応カッコづけで制裁を受けようという態度を示そうとしているのか、あるいはスペインフットボール協会の脅しに負けたのか、理由はわからない。もともと将来は政治家になるであろうラポルタのことだから、なにがしかの政治がらみの理由かも知れない。

だが、理由がどうであれコローナスは怒っている。昨日の夜のラジオ番組に出演した彼は半年にわたる沈黙を破って怒り狂っている、そういう感じだった。
「我々は常に暴力行為反対を叫んできている。そして同時に、不法な法律処置に対する問題にもノーという声をあげなければならない。カンプノウ閉鎖処置は明らかに現行法を無視したもの。ある意味で言えば、フットボール協会による暴力的な処置でもあると思っている。ラポルタがどのような理由で一般法廷から下りようとしているのか知らないが、それはバルサソシオに対する裏切り行為と言ってもいい。」

“変革”には常に“混乱”がつきもの。ラポルタは何をトチ狂ってしまったのか。政治家は理想より現実を求めるというのが一般的だけれど、ひょっとしてもう地元では勝てないからアウエーの試合の方がいいや、そういうことかいな?
(03/12/10)


また歴史を作ればいい

「マドリ、お前らはオレ達に勝つのに20年もかかったんだぞ、20年だぞ、20年!さあ、バルサよ、元気をだそうじゃないか。またオレ達は歴史を作ればいい。戦いは長いんだから!」
試合開始前のイムノが流れると同時に、いつもカタルーニャ独立旗を振りかざす隣の隣に座るオヤジが試合の終了する間際にこう叫ぶ。その叫び声が届いた20m四方に座っているバルセロニスタから拍手とバルサコールが沸きあがる。そう、一つの歴史が閉じたのなら再び新たな歴史に挑戦すればいい。バモス、バルサ!まだ何も失ったわけじゃない。
(03/12/08)


さてと、開き直り祭りじゃ

こういうスペクタクルな敗北というのは、中途半端な負け方や惜しい負け方をするよりスッキリしていていい。一人のファンとして犯罪者に対しての責めどころがはっきりするというもんだ。

まったく良いところのなかったバルデスは休ませてそろそろルストゥにでもチャンスをやってみるか。ガブリは右サイドの選手であることは間違いないけれど、ラテラルの選手ではないことも間違いない。弱小クラブであるバジャドリがなにゆえマリオをレンタルしたのか、コクーは本当にセントラルの選手なのか、はたまたジオは何でアーセナルでも代表でも控えなのか、チャビはなんで代表から落とされたのか、そしてモッタの貧弱プレーぶりは語る必要もない。いずれにしても彼らはアルベルダやバラッハとは比較できない選手と言うことか。ルイス・ガルシアはかつてミニエスタディで見た点の取れない9番の選手に逆戻りという感じだし、クアレスマは可能性が見えても現在が見えない。つまるところバルサのエストレーモは、レイジェスとかホアキンやビセンテなどよりも遙かに質的に落ちる選手となる。点の取れないデランテロは無視、ついにアンティックと同じ戦法をとるようになった監督に関しても無視。

とまあ、言いたいことをいくらほざいてもスッキリしないけれど、だが、クラシコはバルサが勝利だ。これ以上のひどい選手がいても決して負けなかったバルサだし、所詮クラシコは勝つ必要性のあるチームが勝つようになっている。カンプノウでのクラシコでの勝利は、少なくても敗北しないことは、バルサの基本的な必要性から来ている。だからだいじょうぶ、今回も負けない、そして引き分けではなく勝利・・・そう信じるっきゃない。

あと半年たたないとわからないとは言え、簡単に予想されることは多くのオランダ人選手やその他の何人かのバルサ選手にとって、明日のマドリ戦は彼らにとって最後のカンプノウクラシコとなるはずだ。コクー、オーベル、レイジゲル、クルイベル、ジオのオランダ人選手のすべてが解雇されても不思議ではないし、ルイス・エンリケや何人かのカンテラ選手もおそらくいなくなるだろう。したがって、たぶん、彼らにとって今回は最後のカンプノウクラシコだ。さあ、最後の意地を、もしそれがあるとすればの話しだけれど、最後の意地を見せてみよう。君たちも開き直りなさい!
(03/12/05)


さてと、祭りじゃ祭りじゃ

バルサとレアル・マドリの戦い、それはカンプノウで1回も見られない年はあっても1シーズンを通してみれば1回は必ず訪れるお祭り。その祭りまであと4日。

勝負にかける“執念”とか、勝つためなら何でもするその“がむしゃらさ”みたいなものがレアル・マドリの歴代チームカラーとしてあげられるとすれば、バルサは一言“パッション”で表現されるクラブだ。勝負をする以上あくまでも勝たなければならないという当然の思いがあるものの、それらを越えたところの“スペクタクル”を最低限要求されるクラブ、それがバルサの伝統的なカラーだ。

そして今、バルサにはそのスペクタクルはない。スペクタクルはないけれどパッションだけは消滅することはない。宇宙人たちによって構成されているレアル・マドリにはパッションという言葉は無縁だが、カタルーニャという地方都市をベースに構成されているバルサには非常に似合う言葉だ。10万ソシオから20万ソシオを目指すバルサ、10万収容カンプノウをさらに拡張するかも知れないバルサ、まさに時代を逆行するクラブだろう。ユーベが6万5千人収容のスタディアムを2万人減らした4万5千人収容の入れ物に変えようとしているのが今の典型的なフットボール現象だ。パッションなきフットボールを見るのにスタディアムに行く必要はない。テレビ観戦で十分だからだ。

これまで20回近く見てきたカンプノウクラシコ。スペクタクルで派手な試合、それはこれまでほんの1、2試合しか経験していない。感情が突っ走っての窮屈な試合というのが普通となるクラシコ戦。それでもリーグ戦で負けたところは見たことがないし、そのシーズンのどの試合よりも“濃い”試合となる。10万バルセロニスタのすべての人々が90分間パッションの固まりとなる唯一の試合、その試合まであと3日。ロナルディーニョが出るかでないか、そんな問題はとてつもなく小さい問題だ。
(03/12/03)