10月5日



首位バルサ・危機マドリ

本当に久しぶりの首位である。開幕から6試合を終了した段階で、2点の失点しか許していないのはいつ以来だろうか。宿敵レアル・マドリに9ポイント差をつけたのは、いったい何年振りだろうか。そしてバルセロニスタがこういうすべての喜びを分かち合うのを失ってから、どのくらいの時がたっただろうか。

多くのバルセロニスタがもうすでに忘れてしまった事実を、一つだけ掘り起こしてみよう。それは開幕6試合の段階で失点2というのは、88−89シーズン以来だということだ。そう、クライフの最初のシーズンである。将来ドリームチームと呼ばれることになるクライフ号の出発も、固いディフェンスの構築を出発としてなされたことを多くの人はすでに忘れ去っている。

一方レアル・マドリは地元での試合、ロコモティフ、エスパニョール、アンデルレヒト相手に大量得点をあげての勝利により「9回目のヨーロッパカップを目指す無敵艦隊」というマドリメディアの大々的キャンペーンにも関わらず、バジャドリ戦でのつまずきに始まりラス・パルマス戦ではいよいよその正体を現してきた。「大惨事」「壊れたディフェンス」。さすがにマドリメディアも現実を隠すことはできない。これでもマドリは危機を迎えてないと誰が言い切れるだろうか。そう、それはフロレンティーノ・ペレスのみであろう。



9ポイント!

バルサは6試合消化した段階で、早くもレアル・マドリに9ポイントの差をつけた。レシャック・バルサはこれまで1敗もすることなくリーガを戦い、一方のマドリは二部降格まであと1ポイントのとこまできている。バルサとマドリの壮絶な争いは始まったばかりであるとはいえ、ここまでの状況は圧倒的にバルサ優位となっている。

マジョルカ戦での勝利と昨日のセルタの引き分けにより首位にたったバルサ。だが相変わらず負傷者続出問題に悩まされている。マジョルカ戦で失ったものはセルジだけだはなく、ジェラールもコルーニャ戦には出場不可能となった。コクーとサビオラの出場の可能性は、わずかながら残されている。



危機?

バルダーノ「危機という言葉は避けられないだろう。6試合経過して1勝という状態は確かにデリケートなものだ。選手一人一人のプロとしてのプライドでこの状態をしのいでいかなければならない」

フロレンティーノ「危機でもなんでもない。勘違いしてはいけない。我々は偉大な選手たちを抱えているんだし、間違いなくこの否定的な状況を突破することができると思う。シーズンはまだ始まったばかりだということを忘れてはいけない」

ジダーン「体力的にも精神的にも100%になれば、この状況は抜けられると信じている。僕はまだマドリの中でリーダーとしての立場ではないけれど、チームはずば抜けて良い選手を擁しているんだから、そのうち良くなるさ」

クライハート「マドリが危機かどうかなんてどうでもいいことさ。9ポイントも離しているという気分の良さが肝心だもんね」



冷静さを求めて

レアル・マドリの会長フロレンティーノ・ペレスは、監督、選手、そしてメレンゲに冷静さを要求している。昨日メディアの前に現れたフロレンティーノは、チームの状況に満足はしていないものの、危機を迎えている状況ではないと断言している。

「マドリは危機ではない。もちろん現状に満足していると言ったらウソになる。だが私は我々が抱えている偉大な監督と選手たちを信じている。すべての人に望みたい。今こそ冷静さが必要だと」