10月11日



金に値する勝利

バルサに義務づけられている最初の目標「第二次ラウンドへの進出」へ、大きな一歩を踏み出した昨日の試合。必要以上に苦労し、苦しみ、汗を流さなければならない試合だったが、最後の最後に貴重な3ポイントを獲得することができた。

後半の最後に奪ったバルサの2点は奇妙なことに、バルサのプレーが試合の流れの最悪の状況の時に生まれた。リヨンペースが続いた15分ぐらいの流れの中、ボナノの2回にわたる見事な守備に救われたバルサは、チャビのパスをヘッディングでクライハートが決める。

そう、フットボールはスポーツであり同時にビジネスや情熱でもあるように、勝利を勝ち取るということは「偶然性」のたまものであるということも証明した。いい試合展開をしたか、あるいは悪かったかという次元とは違うところ、時として「運があったかなかったか」ということで勝負が決まる。前半、その幸運が訪れなかったバルサに、後半終了間際に幸運の女神がやってきた。フットボールとはそんなものだ。

クライハート「貴重な勝利だ。試合は始まる前から難しいものだとはわかっていたし、実際その通りになってしまった。前半は良いチャンスが何回かあったけれど、ツキがなかった。でもとにかく勝ててよかった。僕のポジション? そりゃできればもう少し前でプレーしたい。でもそれは監督が決めることさ。試合に出られれば、そんなことはどうでもいい」

ボナノ「ファインプレー? ツキがあっただけさ。たいしたことじゃない」



ブラボー バルサ!

地元カンプノウでの「貴重な」という言葉以上の重みを持つ3ポイントをあげたバルサ。これで来週の水曜日におこなわれるレバクーゼンの試合に勝利すればグループ1位も夢ではなくなってきた。

昨日のバルサは「今のバルサ」を的確に映し出していた。なぜならレシャックは、スタメン選手を色々悩んで決めることの「贅沢」ささえ持ち合わせていなかったからだ。多くの負傷者と、完全な体調ではない何人かの選手たち。自然なポジションでのプレーを犠牲にして、あまり得意としないポジションでのプレーを余儀なくされる選手たち。しかしそのような状況にも関わらず、バルサのすべての選手は全力をだしてプレーしていた。特にデブーとプジョー、それを支えるチャビ、このディフェンスのトリデンテに加え、疲れを知らないガブリと片足を引きずりながらもがんばったコクーを強調しておきたい。

プジョー「監督が命令するところでプレーすることに何の問題もない。というかどこでプレーしても楽しい。プレーできるということはチームが僕を必要としている証拠だからね」



思わぬ敗北者たち

エスパニョール、サラゴサ、ソシエダー、セビージャ、ベティス、テネリフェ、これが早くも国王杯から消え去った1部のクラブだ。

現国王杯チャンピョンのサラゴサは2部Bのログローニェスにペナルティー戦で負けた。またリーガの首位を走るベティスは同じく2部のBであるセウタに大量失点を許し敗北、テネリフェも2部Bのランサロッテ相手に5−1という大量点でカップ戦から姿を消した。



国王杯

80のクラブから構成される2部Bのカテゴリー。この中から2部Aに上がれるのはたったの4チーム。しかも4つに別れたグループで上位の成績を残した後のプレイオフによる、過酷なシステムを戦わねばならない。その過酷なリーグ戦を戦う2部Bのチームが国王杯カップの主役となっている。また。彼らに少しの幸運があれば、例えばレアル・マドリやバルサと当たるチャンスがめぐってくれば、シーズンクラブ予算の半分近い収入が得られる。

昨日の試合ではセウタ(対ベティス)、レリダ(対エスパニョール)、ログローニェス(サラゴサ)、オスピタレ(ソシエダー)、ランサロッテ(テネリフェ)、シウダー・ムルシア(セビージャ)が1部のチームを倒し次のラウンドに進んだ。