10月18日



スペクタクルと、そして苦痛

”トリデンテ”がバルセロニスタに希望と夢とスペクタクルを与えるということを、バルサの1点目は証明してくれた。それはまさしく”トリデンテ”によるゴールであった。リバルドからの完璧なサビオラへのパス。それを受けたサビオラから、これまた完璧なクライハートへのキラーパス。そしてクライハートがワンタッチでシュートを放ち、最初の1点を決めた。その後も何回かにわたってカウンターアタックによる攻撃シーンは、8万観衆を総立ちにさせる。苦しい試合展開となる後半だが、この”トリデンテ”の活躍がこの日のハイライトと言っていいだろう。それにしても後半のバルサは、必要以上の用心深さからなのか、あるいは疲れ果てた選手たちによる自然の成り行きなのか、レバクーゼンに主導権をわたしてしまう。それはまるでドイツでの試合の後半を見るような感じであった。だが唯一の違い、それはバルサは苦しみながらも、黄金の3ポイントを獲得したということだ。

ルイス・エンリケ「後半のレバクーゼンは攻撃、守備ともに最高のものを見せた。だがカンプノウの観衆は、我々が苦しみ助けを必要としているときに、盛大な応援をしてくれたよね。ほんと、感謝している」

プジョー「後半は下がり過ぎだった。オレ達も苦しんだけど観衆も苦しんでいたよね」



”トリデンテ”ゴール!

バルサが誇る3人のクラック。クライハート、リバルド、そしてサビオラ。今シーズン2回目となったスタメン”トリデンテ”がついに爆発した。それは前半12分、リバルドがフリーキックを正確にサビオラに送る。そしてサビオラからクライハートへわたったボールは糸を引くようにゴールポストの中に沈んでいった。まさにスペクタクルな得点。だがリバルドが交代となるその瞬間まで、計6回の”トリデンテ”コンビネーションが展開されるものの、得点に結びついたのはこの一回だけだった。

ディフェンスに目を向けるならば、プジョーとボナノの活躍も特筆されるべきだろう。後半引き気味になったバルサを救ったこの二人の活躍により、バルサはどうにかレバクーゼンに勝利しグループの首位にたった。

レシャック「3人組がようやく理解しあえるようになってきた感じだ。それにしても後半は苦しい戦いとなってしまった。思わず敵地での後半を思い出してしまったよ。でも選手たちの体力はギリギリのところだから、責めることは当然できない。負傷組ができるだけ早く戻ってきてくれて、少しでも今の選手たちを休ませることができればいいんだが」

ジェラール「後半は頭を使ってプレーするというよりは、感情にまかせてプレーしてしまった」

クライハート「リバルド、サビオラとわたって僕のところにきたボールだったけれど、あのゴールだけは失敗するわけにはいかなかったよ。それにしてももうヘタヘタだ。疲れ切ってしまった。自分の車の走行距離より走りまくったという感じ」



新たな歴史

デポルティーボ・デ・コルーニャがオールド・トラッフォールドで新たな歴史を作った。それはまるで毎日このグランドで戦ってきたかのような素晴らしいプレーを、マンチェスター相手に繰り広げた。二つのエラーを抜かせばほぼ完璧の試合と言っていいだろう。そのエラーをマンチェスターに狙われたものの、チームブロック、バランス、秩序、すべての点において地元マンチェスターに優った試合展開であった。コルーニャはこの歴史的な勝利によりグループの首位に立ち、ほぼ第二ラウンドへのチケットを手に入れたと言っていいだろう。

イルエッタ「我々としては初めてのオールド・トラッフォールドでの試合だったが、いきなり歴史を作ることができた。コルーニャとしては今日は大事な一日として記録されることになるだろう。」

ファーガソン「すごい試合だった。フットボールがいかに素晴らしいスポーツかということを認識させるような試合だった。我々はミスが多すぎたが、それでもコルーニャの健闘を認めないわけにはいかない」



サー・ディエゴ・トリスタン

サー・アレックスがマンチェスターの歴史の中で最も優れた監督であるならば、サー・ディエゴ・トリスタンはコルーニャの新たな歴史を作った選手となるだろう。マンチェスターのスコットランド人監督はこの日の事を決して忘れることはないに違いない。なぜならオールド・トラッフォールドでの試合で90分間にわたってビジターチームに主導権を奪われ、そして敗北したのだから。