11月19日



特集・アンフィールド

第二ラウンドに突入!
歴史と伝統を誇るリバプール相手に、バルサはヨーロッパ制覇に向けていよいよ第二ラウンドに突入する。しかも初戦は、場所に不足はない伝説のアンフィールド。
そう、昨シーズンのUEFAカップ準決勝でほとんど両チームともフットボールをすることを忘れ、緊迫状態だけがあった試合をしてしまったアンフィールドだ。バルサにとって、多くのフットボールファンが注目するであろうこの試合で、昨シーズンのイメージを拭い去る絶好のチャンスだ。そしてもちろん、それは第二ラウンドの好スタートともなる。

今度は手を使わない!
前回のアンフィールド戦で、マヌケとしか言いようのないハンドによりペナルティーをとられ敗戦の原因を作ったクライハート。明日の試合でその借りを是非とも返したいと誓う。
いまだにあの試合でのミスを引きずっている感じというクライハートは、待ちに待った瞬間を迎えようとしている。心の傷は明日の試合でリバプールに勝利することにより消えるだろう。アンフィールド戦は、彼にとって復讐戦となっている。
「ラス・パルマ戦のように戦っては、リバプールに勝利することは難しいと思う。交代させられたから言ってるわけじゃないよ。もちろん交代させられた時は怒り狂っていた。でもそれは自分に怒っていたんだ。もっと良いプレーができただろうにって。とにかく、明日の試合には彼らが恐れるリバルドも帰ってくるし、個人的な借りも返したい」

サビオラはベンチ?
3試合続けてスタメン登場となったサビオラだが、リバルドの復帰が彼のベンチスタートの可能性を強くしている。クライハート、リバルドは間違いなくスタメンが保証されている。問題はオーベルかサビオラか。大方の予想はオーベルのスタメンだ。
だがもう一つの見方をする人々もいる。中盤を厚くするためにガブリの起用を予想する見方だ。それとラス・パルマス戦の前にレシャックが語った「この試合に全力をあげない選手はリバプール戦には起用しない」という内容からして、まったく良くなかったオーベルを使わないという予想もある。

デブー、ヨーロッパ戦100試合
デブー19歳、1989年9月27日、すでにヨハン・クライフの手によりリーグ戦には出場していたデブーが、ウイーンにてヨーロッパ戦にデビューした。それから12年たった明日、彼にとって100試合目のヨーロッパ戦となる。
「あれはUEFA戦だったと思う。1−0で負けた試合だった。あれから100試合目か。明日の試合で勝利して、パーティーを盛り上げんといかんな」



特集・アンフィールド

アンフィールドの恐怖、リバルド
誰も表向きには「リバルド次第のバルサ」とはもう言わない。言わないが、リバルドの必要性に疑問を投げかける人もいない。ラス・パルマス戦では、明日の試合のために休養をとったリバルドが帰ってくる。
リバルドのスタメン復帰は別として、レシャックはラス・パルマス戦出場メンバーからの大きな変更は考えていないようだ。だが最近3試合のアウエーの試合(オサスナ、マドリ、ラス・パルマス)に1得点もあげていないバルサである。攻撃面でのメンバーの変更があってもおかしくはない。調子の良くないオーベルとジェオバンニを外し、サビオラをとるかガブリを選ぶか。あるいはルイス・エンリケを以前のようにリバルドと組ませるのか。

両監督、引き分けの巻き
リバプールの監督トンプソン、バルサの監督レシャック、共に選手として25年前に戦っている。それは75−76シーズンのUEFAカップ準決勝。場所はアンフィールド。リバプールのスター選手はケビン・キーガン、対するバルサはもちろんヨハン・クライフ。2週間前におこなわれたカンプノウの試合ではトシャックの唯一のゴールでリバプールが勝利している。
アンフィールドでおこなわれたその試合の主人公はリバプールの7番でもなく、バルサの9番でもなかった。リバプールのゴールはトンプソン、バルサのゴールはレシャックが決め、1−1の引き分けで終わっている。そして明日、二人にとって25年ぶりに決着をつける時がやってきた。

レシャック「あのシーズンは危機と呼ばれてもしょうがないほどのひどいシーズンだった。だがアンフィールド戦は珍しく良い試合をしたのを覚えている。個人的にもいい試合をしたし、チーム全体も良かった。我々が勝利していても何の不思議もない試合だったんだ。もちろんゴールのことは良く覚えている。素晴らしいシュートだったね、我ながら」

トンプソン「あの試合のことは一生忘れられない。なぜなら、ディフェンスの私がゴールを決めたということもあるし、世界一のクライフ率いるバルサを敗った試合だからね。今考えて見れば、あの時のレシャックは歴史の証人になったということだ。その後の「輝けるリバプール」のね。あの後、我々は4回にわたってヨーロッパチャンピオンになったんだから」