12月17日



危機をうち破るゴール

78日間、カンプノウから離れたグランドでの勝利の味をかみしめたことのなかったバルサ。これが危機の原因の一つであったことは間違いない。だが昨日のマドリガールでおこなわれた試合で、バルサはようやく貴重な勝利をあげることができた。そして78日前、ソシエダー相手に最後の勝利を得たときと同じように、クライハートによるゴールで勝利を決めた。

わずか2回のゴールチャンス。90分の試合を通じて、わずか2回のゴールチャンスのうち、その1回をクライハートが決める。まるで5月の渇いた土地に降る雨のように、貴重な3ポイントを獲得するゴールだった。試合内容には触れない方がいいだろう。とても評価できるものではない。だが今のバルサに必要だった勝利と3ポイント。

「空腹に固いパンなど存在しない」
まさに昨日の試合を振り返るのに言い当てた言葉だろう。約3か月ぶりのアウエーの勝利をどんな形であれ成し遂げることができたのだから。

レシャック「非常に満足している。まず第一に、貴重な3ポイントをあげる結果を得たこと。第二に、選手が10人とはいえ最後の最後まで全員が力を抜かなかったこと。第三に、ついに我々にも幸運がやって来たということさ。セルタ戦やガラタサライ戦にはなかった幸運がね。チャビに対するレッドカードは納得がいかない。だがチャビにももちろん責任はある。あの退場で我々は10人で戦わなければならなくなったんだ。」

ビクトール「我々にはバルサに勝利するに値する試合だった。試合内容では圧倒的に勝っていたんだから。だがゴールが入らなければ。唯一かけていたのがゴール。45分以上も10人相手の試合だったのだから、こういう状況での勝ち方も学ばなければならないだろう。だが、いずれにしてもボールがゴール内に入ることを拒否していた試合だったな。まあ、こういうこともあるさ」



反撃への糸口

勝利に値する試合をするかどうか。試合内容は明日につながるものかどうか。システムは納得できるものかどうか。そういうものがいっさい関係ない、ひたすら明日につながる3ポイントをあげることができるかどうか。昨日はその典型的なタイプの試合である。ゴールを相手チームより多く獲得したのであるから「勝利に値」すると言えばその通りだ。だが試合内容、試合の流れを見たものは決して「勝利に値」するものだとは言えないだろう。明日につながる「試合内容」でもなかった。「システム」が納得できるかどうか以前の問題で、システムがあったのかどうかも怪しい。だが3ポイントを獲得した事実には変わりない。とりあえず、「3か月ぶりのアウエーでの勝利」ということと「貴重な3ポイント獲得」ということ以外には触れないでおこう。

クライハート「非常にデリケートな状況を抱えての試合だった。試合内容そのものより、どうしても3ポイントが必要な試合だったからね。10人というハンディーがありながら、最後までみんなが一生懸命やったというメリットは大きいと思う。正直言って、ビジャレアルは我々より良い試合をしていた。もちろんチャビの退場というのが、彼らの優位さを増したということもあるけれどね。試合前にレシャックとミーティングして、僕は普段より前の方でプレーすることにしていたんだ。でも状況が状況だから、それができなかった。そんなことより、後半の苦しい時間に選手全員で戦ったメリットは本当に大きいと思う」

デブー「苦しい試合だったね。審判の笛が吹かれて、はじめて深く深呼吸できた感じ。我々はこの試合前には、もう最悪の状態の底にいたんだ。これで上を見てプレーできると思う。そう、これから前進あるのみ」

ボナノ「バルサでプレーをするようになってから、この試合は最も運動量の多かった試合だったと思う。そしてこんなに苦しみ抜いた試合もない。それだから余計うれしい勝利だね。11人対11人の普通の試合だったらこんなことにはならなかっただろうと思う。本当に難しい試合だったけれど、これでやっとトンネルを抜けることができるんじゃないかな」