1月18日



パッション・リケルメ!

昨日ムンド・デポルティーボがスクープとして流した「リケルメ、バルサへ」のニュースは、多くのバルセロニスタからの大反響を生んだ。途切れることのない電話やファックスが、そしてe-mailが我がムンド・デポルティーボの本社に舞い込んできた一日であった。1人の選手の移籍問題でこのような反響があったのは何年振りだろうか。そしてそれらのほとんどが、「ありがとう、ガスパー会長」という内容であった。

フアン・ラモン・リケルメ、将来のバルサのリーダーとなる選手だ。彼がカンプノウの芝を踏むとき、かつてなかった熱いパッションと共に10万ソシオによって迎えられるだろう。レアル・マドリ相手におこなわれた東京でのインテルコンティネンタルカップで、歴史的な勝利をおさめたこの若きヒーローのことをバルセロニスタは忘れてはいない。バルセロニスタなら誰1人として、あの試合の事を忘れはしないだろう。

トリデンテを擁し試合ごとにファンとの一体化を取り戻しつつある現在のバルサ。だが遅かれ早かれ、バルサはリケルメのような選手が必要となることは明らかだ。グランドの中で核となる選手、試合のリズムを変化させる能力を持つ選手、苦しみながらもチームを引っ張っていく個性にあふれた選手、そして機を見て攻撃態勢の軸となる選手。これがリケルメだ。そして将来のバルサ選手として決まったリケルメ。

FC バルセロナはスポークスマンを通じて昨日次のように語っている。
「リケルメ問題に関しては、何の新しい展開はありません。だがリケルメ個人とボカ首脳陣とのコンタクトをとり続けけていることは間違いない。」
昨日我々が語ったように、バルサ首脳陣はリケルメ獲得という事実を公表するわけにはいかない。なぜならそれが契約事項の中に含まれているからだ。

サビオラ「どんなフットボール選手であろうとラモンと一緒にプレーできるのは嬉しいことだ。言語的には違う言葉をしゃべる人であろうと、グランド内では共通の「言語」を共用することが可能な選手。タレントと第六感を兼ね備えた選手だからね。ジュニアの代表では一緒にプレーできるチャンスがあった。ラモンは偉大な選手だと思う」

●ロナルド対バルサ イン・カンプノウ

ロナルド対リバルド、クーペル対レシャック、あるいはインテル対バルサ。どの形容でも魅力的となるこの対戦をナイキが計画している。場所はカンプノウ、1月30日が理想的な日としている。

ナイキはインテルやバルサにユニフォームを提供しているスポンサーだ。アメリカの大企業であるナイキは、ユニフォームを提供している各クラブとの契約条項の中に、年に1回の親善試合を主催する権利を有している。そこで今年の親善試合に選ばれたクラブがインテルとバルサだ。この提案はすでに両クラブのオフィスに届き、それぞれ検討されている。インテル側には何の問題もないようだ。だがバルサ側は基本的には受け入れているものの、日程的な問題がネックとなっている。それは1月30日はカタルーニャカップ準決勝であるレリダ戦が予定されているからだ。

もしバルサ側がカタルーニャカップの試合日を検討しなおしてこの試合がおこなわれるとすると、親善試合とは言え実に魅力的な対戦となるだろう。ロナルドのカンプノウへの復帰、バルサ監督就任の噂が絶えなかったクーペルインテル対レシャックバルサの対決、そしてセレソン代表のロナルド対リバルドの顔合わせ。実現が待ち遠しい。



リケルメは契約していない!

リケルメはまだバルサの選手ではない。彼が将来においてバルサの選手となるにはいまだに多くの問題が残っている。バルサ首脳陣が昨日ムンド・デポルティーボの流したニュースに不快感を表すのは当然のことであるし「リケルメ問題の真実」は色々な角度から分析しなければならない。

一つの事実、それはリケルメは遅かれ早かれボカを出ていくことだ。彼がヨーロッパのビッグチームに移籍したいという思いと共に、ボカ側としても彼の移籍を通してビッグビジネスを夢見ている。これは否定できない事実としてある。だが大きな問題があるのも明らかなことだ。まずボカ側が信じられない額の移籍料を提示してきている事実。それは多くのコミッショナーの存在とからみ、移籍料が時間の経過と共に膨れあがってきているということ。そしてバルサ側としては、移籍料の問題と共にリケルメの才能がヨーロッパフットボールにマッチするかどうかという疑問もいまだに拭い得ないものとしてあるということだ。

バルサはかなり前の段階からリケルメ個人とは経済的な問題での一致をみている。だがボカとの同意はいまだに獲得してはいない。ムンド・デポルティーボが言う「スクープ」を信用してはいけない。もし彼らの語ることが本当であればバルサはボカに200億もの金を用意しなければいけないからだ。今のバルサにそれほどの金があろうとなかろうと、1人の選手の獲得に、それがリケルメという名前であろうと、バルサ側が出すわけがない。しかもガスパーはリケルメ問題を少しも「急いだ問題」とは考えていない。彼は2003年にボカとの契約が切れる選手なのだ。

そしてもう一つの事実。これまでイタリアやイギリスのクラブがリケルメ獲得に動いてきたという事実はいっさい噂の段階を越えていない。それはなぜか。それは彼に興味を持つ多くのヨーロッパクラブが、同時に疑問ももっているからだ。果たしてリケルメのリズムがヨーロッパフットボールにマッチすることができるかどうか。長年フットボール界で生きている専門家の間でも、意見が大きく分かれるところだ。

したがって我々エスポーツ編集部は、リケルメストーリーがどのような終わりを見せるのか、その結論を出すのを急ごうとは思わない。いくつかの条件次第で、それも誰にも予測できない将来おこりうる出来事次第で、彼がバルサに来るかどうか決まるからだ。もしバルサがリーグ優勝したら、もしリバルドが来シーズンもバルサのユニを着ていたら、もしレシャックが来シーズンもベンチに座っていたら、等、等。したがって昨日の「スクープ」は存在しないニュースなのだ。リケルメ問題は未だ永遠に終わりを見ない「エンドレスストーリー」である。

●決定! カタルーニャ代表対ブラジル代表

5月18日、カンプノウで夢の対決が実現されることになった。我々のカタルーニャ代表と世界一のブラジル代表との親善試合がついに決定した。

ブラジルのワールドカップ準備は、5月中旬に香港でのミニステージで開始される予定であった。だがこの試合が決定されると同時にそのプランは中止されバルセロナでミニキャンプを張ることになった。それはバルサの会長であるガスパーの政治能力が大きく発揮された今回の交渉であった。カタルーニャ代表としては、3月26日におこないたかったブラジルとの親善試合だが、スペインフットボール協会の反対にあって中止となっていた。そこでガスパーがブラジル側に出した提案が、5月18日の試合とカンプノウでのミニキャンプの提示だった。キャンプ費用はカタルーニャ側が持つという好条件まで出しての提案にブラジル側が乗った形となった。

ブラジル代表は5月12日にバルセロナ入りする。カンプノウでのミニキャンプを張り18日に試合をした後、いよいよアジアに向けて旅たつことになった。