2月8日


    

空を見ろ! プジョーマンだ!

バルセロニスタにとって本当に愛着を感じる選手は、すべてをなげうって毎試合必死になってプレーする選手だ。そしてユニフォームを汗で光らせる選手。その選手がカンテラ上がりかどうか、技術的に優れているかどうか、それは二の次だ。
カルラス・プジョーはそういう意味でバルセロニスタに特別の感情を抱かせる選手の一人となっている。

ボールが相手選手とプジョーの中間に位置している瞬間、プジョーがそのボールを自分のものにするために負傷の危険を犯してでも足を突っ込んでいくであろうことを疑うファンはいない。開始1分から試合終了の90分まで、プジョーの集中力は決して途切れないであろうことをすべての人が知っている。プジョーが見かけよりはテクニック的に優れていることを認めても、スーパースターとしてのテクニックがあるとは誰も思ってはいない。だがプジョーの存在は、そういうテクニックなどを越えたところにある。

彼の登場によりカンプノウのゴールからゴールまでの105mという距離が、なにか短くなったような印象をうける。それほどまでにプジョーは前に後ろに走り回っている。闘争心が外に現れ、やる気満々の彼のプレースタイルはバルセロニスタの心を奪ってしまった。もう彼はかつてフィーゴを完全にマークしただけのプジョーではない。テネリフェ戦でも見られたように、ジダーン並の両足でのボールさばきや、リバルド並のチレーナまで決めてしまう選手だ。だが、そんなことより彼のユニフォームが常に汗で光っていることがバルセロニスタには嬉しい。それがソシエダー戦での突然のごとくわき起こった「プジョー!プジョー!」コールとなった。

プジョーは精神的に武装された選手だ。自分の将来をはっきりと掴んでいるブラウグラーナに染まったカンテラ上がりの典型的な選手。セラ・フェレールが監督に就任した一昨年、彼はもう少しのところでマラガに移籍させられるところだった。だが彼はバルサで成功することを、その可能性が非常に小さいとしても、そのために倍額以上の年俸をふってバルサに残った。そして今や、インテルを始めイングランドの多くのクラブも彼の獲得を狙っている。だがプジョーはオファーには耳を貸さない。彼の居所はバルサと信じている。彼の現在の年俸がチーム内で2番目に低い額でありながら。

クリスタンバール
「ソシエダー戦の翌日から、僕は彼のことをロナルドと呼ぶことにした。スペクタクルな選手だとは前々から思っていたけれど、こう何回も見せつけられちゃうと参っちゃう。本当に素晴らしい選手だ。しかも人間的にもエグイしね」

サビオラ
「プジョーは今の段階では世界一のディフェンスだと思っている。モンスターというのは彼みたいな選手のことを言うんだろうな。試合ごとに成長し、ファンの人たちの中では完全なアイドルだよね」

デブー
「彼のすごいところは精神面の強さだ。常に勝利したい、常に成長したいという思いが彼をこれほどの選手にさせたんだろう。勝利者というのはまさに彼みたいな選手のことをいうんだろうね。今のところすべてがうまくいっていることは確かだ」

アベラルド
「多分ヨーロッパの中では最高のディフェンスとなっているんではないかな。マーカーとしても素晴らしいものがある。それともう一つ。人々が思っている以上にテクニック的には非常に優れていることを忘れてはいけないね」

クライハート
「プジョーの集中力は凄いよ。あいつのは90分間にわたって途切れないんだ。山あり谷ありはなくて、90分間平地をひたすら同じ集中力を保ってプレーしている。もし我々みんなが彼みたいな集中力を維持できたら、バルサに勝てるチームはいないだろう」

レシャック
「自分に対する信頼感が100%じゃなくて120%の選手がいるとすればプジョーだろう。決して自信過剰という意味ではないよ。そうではなく、失敗を恐れないで常に成功を求めてプレーしているという意味だ。キーパーがいなくなったとしても、彼ならうまくやってくれるだろうと思う」


一方、メレンゲは

危機、危機、危機、危機、そして危機

■MARCA/眠るジダーン抜きのマドリ
12ポイント可能な試合で獲得したのは2ポイント。しかもジダーンなしで戦ったここ2試合では0ポイント。エスパニョール戦に続き惨めな試合を展開したバジャドリでの敗北により、3位に落ちたマドリ。そして、そして、バルサにたった1ポイント差と縮められた。

■AS/ラウール負傷
4試合で勝ちなしの2分け。しかもこれからの2試合は守護神であるラウールが欠けたマドリ。エスパニョール戦に続きバジャドリにも痛い目にあったマドリの将来は暗い。

■ABC/冴えないマドリ
バジャドリにも噛まれ傷ついたマドリ。明らかにバジャドリの選手の方がやる気にあふれていた試合だった。引き分けにも、もちろん勝利にも値しなかったマドリの当然の敗北ではあった。

■EL MUNNDO DEL SIGLO XXI/急降下するマドリ
レアル・マドリの危機の到来はバジャドリ戦ではっきりと確認された。退屈な面白みのないフットボールを展開するマドリは、この敗北によりさらなる急降下のカーブを描いた。