2月10日


    

MALLORCA - FC.BARCELONA

0 - 0

ゴールが、ゴールが、入らない!

まるでテネリフェ戦の再現を恐れたかのような臆病マジョルカに対し、余りにも用心深すぎた試合展開をしたバルサ。それでもじゅうぶんに勝てる試合ではあった。もしサビオラとガブリとジェオバンニがチャンスをものにしていたら。1ポイントを獲得したと言うよりは、レシャックが語るように2ポイント失った印象を受ける試合風景であった。

■失った2ポイント
今シーズンの順位表を毎週見ればわかるように、それはまるでメリーゴーランドのように一つのチームが上がったり下がったりするものになっている。このような状況の中、昨日の試合のような引き分け試合は悪い結果と言わねばならない。「危機感」を抱えてのテネリフェ戦で勝利した後、ソシエダー戦にも勝利し波に乗らなければならなかったマジョルカ戦。だが残念ながら完全に波に乗ったとはいえない状況になってしまった。臆病な試合をしたマジョルカにとっては勝利にも感じるであろう結果であるが、バルサにとっては逆に敗北に感じる引き分けとなった。これから迎える「本番」の試合、つまりコルーニャ戦、ローマ戦、そしてバレンシア戦と続く正念場を前に、バルサにとっては痛い引き分けであった。

■度重なるゴールチャンス
決してゴールチャンスがなかったわけではない。それどころか勝利を味わうために決めなければならない、いくつかの絶好のゴールチャンスがあった。サビオラ、ガブリ、そしてジェオバンニがゴールを失敗していなければ、今日のコメントも別のものになっていたはずだ。まるで負けることを恐れたかのような、あるいはマジョルカの臆病神が乗り移ってしまったかのような迫力のない前半45分のバルサは別として、後半には十分すぎるほどのチャンスが訪れたバルサの攻撃陣。それをものにできなかった3人の選手。これはマジョルカのグランドであるサン・モイで、いまだに1勝もしていないバルサの「運」なのかも知れない。

■これから本番に突入
バルサはこれから毎週2試合のスケジュールをこなさなければならない。つまりリーガはもとより、チャンピオンズ戦でもいよいよ正念場の時期となる。来週から3月いっぱいまでの、密集したスケジュールの中で重要な試合ばかりとなるバルサだ。リーガはまずコルーニャ戦がカンプノウで待っている。そしてチャンピオンズも同じようにカンプノウでのローマ戦。もし昨日のマジョルカ戦のような試合展開をするバルサが見られたとしたら、我々に明るい将来はないだろう。まだまだ改善の余地があるバルサだ。


レシャックのコメント

2ポイントを失った試合だと認めるレシャック。願ってもないチャンスをものにできなかったことにいらついている感じの記者会見だった。
「前半の試合展開は少し退屈なものだった。緩い試合というか、緊張感のない試合というか。フットボールの試合というよりは、ボールがあっちいったりこっちへ来たりという、そう、まるでテニスの試合のような感じだった。」
と、相変わらずのレシャック節。
「後半に入りどうにかしなければいけない場面がやってきて、何回か決定的なチャンスがあった。3回か4回の決定的なチャンスだった。でもボールは入りたがらない。同時に2ポイント失ったというわけさ。ゴールを決めるのには3つの方法があるんだ。一つはロングシュートを放つ。もう一つはパスをつなぎ回してゴールに近づく。そして最後はロングパスからの背比べによるゴールだ。もしこの3つの方法のどれもしなければゴールは得られない。それが前半だった。そしてすべての方法を模索したのが後半だったけれど、ボールが嫌だというときにはゴールにはならない、ということだな。」

退屈な前半ではあったが、ボールコントロールは常にバルサペースで進められた。だが試合開始直後にバルサの選手たちが感じたものは、超ディフェンスシステムのマジョルカだった。
地元でありながら試合開始から、6人も7人もゴール前で守られたんでは難しい試合になってしまう。特にマジョルカはディフェンス面が優れているチームだしね。だから選手たちに対して怒っているわけではないんだ。単純に、結果に対して落胆しているということだな。日曜日の他のチームの試合結果次第では、貴重な1ポイントになるかも知れないけれど、やはり2ポイント失ったという意味の方が強い。こういう試合でこそ、3ポイント稼がなければならいんだけどなあ。」

クレシックのコメント

一方、マジョルカの監督であるクレシックはこの引き分けという結果に非常に満足しているようだ。
「順位が下の方に位置している我々のようなチームにとって1ポイントの獲得には満足している。相手がバルサということを考えれば、大成功と言っていいだろう。もちろん彼らにしてみれば悪い結果だろうけどね。」
マジョルカが地元の試合でありながら超ディフェンス的な試合展開をしたことをはっきりと認めるクレシックだ。
「我々にとって負けられない試合だった。状況を考えれば当然のことだろう。そのことで選手たちにプレッシャーがかなりあっただろうと思う。だが彼らはそのプレッシャーに耐え抜いて90分を戦った。確かに我々には勝つチャンスはほとんどない試合ではあったけれど、バルサにしても決定的なゴールチャンスというのはほんのわずかだった。そして結果的には我々の望んだような1ポイントが獲得できた。だから私は非常に満足しているんだ。文句ある?」


●バルサ、シーズン終了後アジア諸国へ
今シーズンが終了後、バルサはアジア諸国へ向けて旅立つ。この親善試合ツアーは中国がメイン国となりそうだ。ワールドカップに参加しないすべての選手が参加する見込み。だがバルサBに所属する選手は残念ながら参加できない。なぜなら2部Bから2部Aへの入れ替え戦の可能性が強いからだ。

●オーベル、チャンス待ち
オーベルにとってバルサ入団以来、最悪の時期を迎えているといっても大げさではない。テネリフェ戦、ソシエダー戦に出場しなかっただけではなく、昨日のマジョルカ戦では呼ばれもしなかったのだから。だがオーベルは希望は失っていないと言う。これから大事な試合が続く中で、彼の復帰が必ず必要になってくるだろうと楽観的に考えているようだ。

●今日の試合がどうであれ、首位に3ポイント
昨日のバルサの試合と同時におこなわれたバレンシアーセルタ戦が引き分けに終わったことにより、今日の残りのチームの試合結果に関わらず、バルサは依然として首位に3ポイントにつけている。だがポイント差とは別に、順位で見てみると今日の試合結果次第では8位に下がる可能性もある。