2月17日


    

FC.BARCELONA - DEPORTIVO

3 - 2

ファンタスティックバルサ

今シーズンのバルサにとって最高の試合となったデポルティーボ戦。そして最も価値のあること、それはこれまで長い間失っていた「戦いの精神」と「勝利の精神」を取り戻したこと。キャラクターと攻撃的精神を持ったバルサ。90分間にわたって攻撃的な戦いを繰り広げたバルサに、雨の中集まったバルセロニスタは大きな拍手を送る。

■レシャックが選んだスタメン
昨日のバルサイレブンのメンバーを当てることは、多分今週のキニエラを当てることより難しいことだっただろう。ます、ガブリ、ロッケンバック、そしてチャビを外したレシャック。そしてコクーを司令塔に選び、3か月にもわたって戦線を離れていたルイス・エンリケをいきなりスタメンに登場させ、カンプノウでは初めてのスタートからのプレーとなるモッタを起用した。

■トリデンテの躍動
リバルド、クライハート、そしてサビオラのトリデンテが試合ごとに理解を深めてきている。これまで何回か見られた「固まって」しまうトリデンテが、相互理解のもとに必要なポジションに散らばる形が見られた昨日の試合だ。ディフェンスの強さを誇るデポルティーボも「散らばった」トリデンテ対策への対応に苦労させられる。誰かが真ん中に入れば、他の選手はメディアプンタとエストレーモに。トリデンテによる理想的な試合展開を見せた90分であった。

■平和が訪れたカンプノウ
カンプノウが変わってきた。レシャックバルサのイメージチェンジと共に、バルセロニスタの受け入れ方も変わってきたのだ。かつて7ポイント差と離されていたマドリにはついに同ポイントと追いついたし、首位のバレンシアにはわずか1ポイントと近づいてきたバルサ。1日中降り続いた雨や季節はずれの寒さ、そしてテレビ中継があったことにより、多くのバルセロニスタがカンプノウに集まることは不可能な昨日の試合だった。
だが選手やレシャックの呼びかけに応え、カンプノウに集合した本物のバルセロニスタの反応は素晴らしいの一言であった。最初の1分から90分にわたって、しかも2回もハンディ戦となったにも関わらず熱い応援を送ったバルセロニスタ。マドリの敗戦はすでに彼らの心を熱くしていた。そしてバルサの攻撃的なフットボールに酔いしれるファンたち。結果の重要性もさることながら、選手とファンを再び一つに結合させることに成功した。

■プジョーとルイス・エンリケ
頬骨にヒビが入っている最悪な状態でプレーをし続けたプジョー。負傷から立ち直り3か月ぶりにグランドに復帰してきたルイス・エンリケ。チームにキャラクターと闘争心を注入するガッツ精神にあふれる二人の選手の登場は、観客席にも熱い魂を注ぎ込む。もし負傷箇所に再び強い刺激が与えられれば骨折になるのが間違いのなかったプジョー。だが彼のプレーは恐れを知らないものだった。普段と変わらない闘争精神あふれるプレーが90分続く。またルイス・エンリケにしても故障上がりとは感じられないプレーを展開した。


レシャックのコメント

レシャックはカンプノウに集まった多くのバルセロニスタと同じように、最後の最後までハラハラしたことを認めている。彼にとって、バルサにとって、昨日の試合は単なる3ポイントを意味する勝利ではなかった。これから大事な時期を迎えるリーグ戦。将来のバルサを決める大事な試合であると共に、試合内容も問われるものであった。だから、試合後の記者会見場に現れたレシャックの表情は普段にも増して明るかった。
「もし我々が前半15分までにあった2回の決定的なゴールチャンスをものにしていれば、このような試合展開にならずにすんだろう。だが現実に起こってしまったことは、ディフェンスのくだらないミスによる失点だった。しかし2回のハンディ戦となりながらも、決してタオルを投げなかった選手を誉めてあげたい。我々は1回たりとも希望を失わなかったし、反撃のチャンスも多くあったことも事実だ。この勝利によって生まれる選手自身の自信が何よりも今日の収穫だと思う。我々はコルーニャという難しいチームに対し、ハンディ戦を戦って勝利したんだ。これは大きい。とても大きい自信となって選手の励ましになるだろうと思う。」

サビオラ
「素晴らしい試合だったと思う。雨の中カンプノウに来てくれた人もきっと満足して帰路についたんじゃないかな。コルーニャはいいチームだった。2回も先制して我々に苦しい試合展開を強制したんだしね。でも我々が勝利に対する希望を最後の最後まで失われなかったことが大きい。僕のゴールはね、あれは最後の瞬間まで待ったんだ。リバルドのスペクタクルなプレーによって生まれたチャンスだから、彼のゴールにしてあげたかった。最後の瞬間に彼のボールがゴール枠に入らないと判断してから決めたゴールなんだ。それにしてもリバルドのプレーは凄かったよね。」

プジョー
「これまで多くの人々が我々のタイトルの可能性を否定したけれど、この試合を見てからではそれが間違いだったということに気がついたと思う。我々は自分たちの可能性を疑ったことはなかったし、これからも自分たちの可能性を信じてやっていく。もちろん過剰な自信は無用なことも知っているよ。今日の試合にしても、そう、ポイント的には3ポイントを獲得したことにすぎないんだから。」

モッタ
「相手に得点を先に入れられる状況が続いたけれど、試合内容そのものは明らかにバルサの方が良かったと思っている。もし我々が負けたり、あるいは引き分けに終わっていたら、それは不公平というもんだ。だって圧倒的に我々の方が優っていた試合だからね。個人的にはカンプノウでスタメンとしてプレーする夢が叶えられた、決して忘れられない試合となった。」

ルイス・エンリケ
「2回もハンディ戦になるということは、非常に苦しいことだった。でもそれをひっくりかえせたのは大きい、非常に大きいことだと思う。この試合ではどうしても得点したかった。でもね、あれはディフェンスが入れたオウンゴールなんだ。でも俺の得点にしてくれたって文句はもちろんいわないけれどね。よろこんでいただいておくよ。」