ニューバルサの誕生
これまで多くの試みをしてきたレシャックバルサ。いくつかの試行錯誤と度重なる疑問を投げかけられて来たレシャックバルサ。そのレシャックバルサがこの大事な局面を前にして、ついに一つの納得いく結論をつかんだようだ。
1■4番を排除
クライフの登場以来、常に4番の選手がオーケストラ指揮者としてチームの動きの軸となってきたバルサ。これまでミージャ、セラーデス、グアルディオラ、チャビとテクニック的に優れた選手を生み出してきたバルサだ。だがコルーニャ戦ではこの4番なしに、グループによる指揮者たちが登場した。それはテクニックというよりは、闘争心を優先にしたグループだ。
いつものフォーメーション
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デポルティーボ戦のフォーメーション
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2■それぞれのラインに個性を
ディフェンスライン、中盤ライン、そして前衛ライン。それぞれに強烈な個性を持った選手を配置する。やる気と闘争心を自らの血としてその存在をアピールする選手たち。チームにキャラクターを植え込み、ガッツ精神を他の選手に感化していく選手たち。カリスマ性豊かなプジョーやルイス・エンリケがそれらの代表だ。
3■3人のデランテーロ
カンプノウでの攻撃布陣に関しても多くの試みがおこなわれてきた。だがそれもコルーニャ戦で一つの結論を見いだしたからには、その試みも終わりにしなければならない。クライハート、サビオラ、そしてリバルドによるトリデンテをその答えとしなければならないだろう。それも型にはまったトリデンテではなく、それぞれがポジションチェンジを自動的に理解しあい、固まったトリデンテではなく散ったトリデンテとして機能しなくてはならない。
4■モッタの起用
緊急事態を迎えて急きょバルサBから呼ばれたモッタ。だが今では誰が彼のことを新人選手と決めつけることができるだろうか。まるで何シーズンにもわたって一部のバルサでプレーしているような落ち着きを持ったモッタ。彼の登場はチームに新鮮な空気を吹き込むことに成功した。
5■プジョー、セルジ
レシャックが個人的な賭けとして試みてきたプジョーとセルジによるサイドバック=ウイング形式。それが時間の経過と試合の消化と共に少しずつ成果が見られてきている。サイドバック選手として単に守るだけではなく、オーベルやジェオバンニを退けてウイングとして縦の線に入る二人の選手。彼らの攻撃参加はアシストに留まらず、プジョーはゴールまで決めている。
6■レシャックの勝利
少なくてもコルーニャ戦に限って言えば、完全なレシャックの戦術的勝利と言っていいだろう。相手チームの監督であるイルエッタが試合後に語っているように、誰がチャビの不在を予想したであろうか。そして誰がモッタのスタメンを予期できたであろうか。この試合に関していえば、スタメン選手の選択だけではなく、交代選手に関してもパーフェクトだった。
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