2月18日



ニューバルサの誕生

これまで多くの試みをしてきたレシャックバルサ。いくつかの試行錯誤と度重なる疑問を投げかけられて来たレシャックバルサ。そのレシャックバルサがこの大事な局面を前にして、ついに一つの納得いく結論をつかんだようだ。

1■4番を排除
クライフの登場以来、常に4番の選手がオーケストラ指揮者としてチームの動きの軸となってきたバルサ。これまでミージャ、セラーデス、グアルディオラ、チャビとテクニック的に優れた選手を生み出してきたバルサだ。だがコルーニャ戦ではこの4番なしに、グループによる指揮者たちが登場した。それはテクニックというよりは、闘争心を優先にしたグループだ。

いつものフォーメーション
デポルティーボ戦のフォーメーション

2■それぞれのラインに個性を
ディフェンスライン、中盤ライン、そして前衛ライン。それぞれに強烈な個性を持った選手を配置する。やる気と闘争心を自らの血としてその存在をアピールする選手たち。チームにキャラクターを植え込み、ガッツ精神を他の選手に感化していく選手たち。カリスマ性豊かなプジョーやルイス・エンリケがそれらの代表だ。

3■3人のデランテーロ
カンプノウでの攻撃布陣に関しても多くの試みがおこなわれてきた。だがそれもコルーニャ戦で一つの結論を見いだしたからには、その試みも終わりにしなければならない。クライハート、サビオラ、そしてリバルドによるトリデンテをその答えとしなければならないだろう。それも型にはまったトリデンテではなく、それぞれがポジションチェンジを自動的に理解しあい、固まったトリデンテではなく散ったトリデンテとして機能しなくてはならない。

4■モッタの起用
緊急事態を迎えて急きょバルサBから呼ばれたモッタ。だが今では誰が彼のことを新人選手と決めつけることができるだろうか。まるで何シーズンにもわたって一部のバルサでプレーしているような落ち着きを持ったモッタ。彼の登場はチームに新鮮な空気を吹き込むことに成功した。

5■プジョー、セルジ
レシャックが個人的な賭けとして試みてきたプジョーとセルジによるサイドバック=ウイング形式。それが時間の経過と試合の消化と共に少しずつ成果が見られてきている。サイドバック選手として単に守るだけではなく、オーベルやジェオバンニを退けてウイングとして縦の線に入る二人の選手。彼らの攻撃参加はアシストに留まらず、プジョーはゴールまで決めている。

6■レシャックの勝利
少なくてもコルーニャ戦に限って言えば、完全なレシャックの戦術的勝利と言っていいだろう。相手チームの監督であるイルエッタが試合後に語っているように、誰がチャビの不在を予想したであろうか。そして誰がモッタのスタメンを予期できたであろうか。この試合に関していえば、スタメン選手の選択だけではなく、交代選手に関してもパーフェクトだった。


●バルサドクター、プジョーに驚くの巻き
左頬の骨にヒビが入って15日間の安静をいわれたプジョーが、何事もなかったかのようにプレーし続けたことに驚くバルサ医師団。かなり危険な賭けではあったものの、何事もなく試合が終了したことを喜んでいる。だが最後に来て実はプジョーにはたまらない痛みがやってきたシーンがあった。3点目を入れたクライハートに抱きついていたプジョーの上に、ロッケンバックが飛び込んできた。その瞬間、顔面に強烈な衝撃が生まれプジョーは逃げるようにその集団から去っていった。顔を覆い痛みを我慢するプジョー。だが幸いなことに骨折にはいたらなかった。

●ルイス・エンリケ大満足
3か月ぶりにフットボール選手として、プロ選手として、そして何よりも彼にとって一番好きなことであるフットボールができたことを嬉しいというルイス・エンリケ。
「コルーニャ戦の勝利は、これまで苦しんできたソシオに対する楽観主義への招待状であると共に、次のローマ戦のカンプノウへの招待状でもある」

●ボナノ、ローマ戦にスタメン?
レイナのプレーに関しては非常に満足しているというレシャックだが、大事な一戦となるローマ戦にはボナノを使う可能性もあるようだ。何よりも豊富な経験ではレイナの上をいくボナノ。ラージョ戦に続きオサスナにも敗北した時にもボナノの復帰が予想されたが、チャンピオンズに限ってはボナノの出場という可能性は強い。

●アンデルソン、再び負傷
先日のコルーニャ戦に久しぶりに登場したアンデルソン。だがディエゴ・トリスタンとの激しい接触プレーにより試合中に負傷していた。負傷箇所は左足のひざ。痛みに耐えながらも試合を続けたアンデルソンだが、翌日になっても痛みが消えないでいる。今日の精密検査で具体的なことがわかる見込み。

●クリスタンバール、エラーを認める
「オフサイドだ!」とばかり右手をあげてプレーを中止してしまったことにより、ノーマークとなったトリスタンがあげた1点目。クリスタンバールは自分のミスを認めたものの、次のローマ戦でのスタメン出場に響かないことを願っている。

●モンタニャで合宿
コルーニャ戦の勝利を喜んでいる暇もなく、バルサは明後日のローマ戦の準備にはいる。今日の午前中カンプノウで練習したあと、ローマ戦の召集メンバーが発表される。そして午後にはモンタニャに向かい、ミニ合宿ということになる。

●ストイチコフも激励
ストイチコフの所属するシカゴ・ファイアーはシーズンオフの合宿をポルトガルで過ごしている。そんな折り、今週の水曜日まで休暇をとっているストイチコフは先週末からバルセロナに戻ってきている。もちろんコルーニャ戦は雨の中の観戦をしていた。バルサ選手を励ました彼は水曜日のローマ戦を見てから合宿に戻る予定。