2月28日



再び、ニューバルサ

保守的なレシャックに自己革命がせまられている。バレンシア戦に続いて多くのバルセロニスタに悪いイメージを与えたローマ戦。レシャックを始め彼のコーチングスタッフは、何人かの選手に対し非常に厳しい要求をすることになるだろう。今週末のマラガ戦では、これまでのバルサの11人スタメンの変更が予想される。

ローマ戦終了後、会長のガスパーはコーチ陣、選手全員を集め激励の言葉をおくっている。
「我々はまだ何も失ったわけではない」
確かにそれは正しい。リーガ制覇の戦いも、チャンピオンズの戦いも決して悪い位置にいるわけではない。だがこれまでのチームの試合内容を見れば、レシャックにとって会長の甘い言葉は慰めにはならない。これからの大事な試合を前にして今こそ大胆な変革が要求されていることを認識している。

マラガ戦をスタートにベティス、マドリと続くリーグ戦、そしてリバプール、ガラタサライ相手に戦わなければならないチャンピオンズ。まず今週末のマラガ戦から、新たなスタメン選手選考に手をつけていかなければならない。

レシャックはレイナに罪はないと思っている。確かにこれまでの相手ゴールはキーパーのせいではない。だがチーム全体に冷静さを取り戻すために、ボナノの復帰としてはいい時期だとも思っている。そして4人のディフェンス選手の変更。セルジは3週間の負傷で出場できない。その穴を埋めるのは当然ココになるだろう。そしてここのところ目に見えて調子が衰えてきているクリスタンバールにかわりプジョーをセントラールに移動し、レイジンハーをサイドバックに起用する。

中盤の選手にも少々の変更が必要だ。コクールイス・エンリケは文句なくプレーし続けなければならない重要な選手。モッタもさらに試されるだろう。そしてチャビの復帰をもって中盤のブロックが形成される。

デランテーロの選択に驚きが登場するかも知れない。それはバルサの選手として今シーズン最高のノリを見せているクライハートのスタメン落ちだ。クライハートがベンチスタートは前から噂されていたことだ。それは戦術的な問題からというよりは、彼のグランド外でのおこないの問題からと言った方が正解だ。これまで何回もクラブ規約を破ってきたクライハートだが、ローマ戦の召集にも遅れてきている。それは今に始まった事ではないだけに、コーチ陣の怒りも大きくなってきている。マラガ戦でもしクライハートの欠場があるとすれば、ツートップはサビオラリバルドとなるだろう。

●ムンド編集部が予想するマラガ戦メンバー



レシャックへの助言

ピッチ・アロンソ(カタルーニャ代表監督)

1.バルサのスタイルを決めること
2月に入っても、まだチームとしての決まったスタイルがないことは異常なことである。それが保守的なスタイルであれ攻撃的なものであれ、それはそれで監督が決めることである。だがレシャックはそれさえはっきりしていない。一体バルサはどのようなスタイルで戦おうとしているのか。これまで決まっているのは4人ディフェンスということに過ぎない。ピボッテはチャビ一人なのか、あるいはコクーとのコンビでダブルピボッテなのか。中盤は菱形なのか、ラインなのか。攻撃態勢はトリデンテなのかウイングを使うのか。
これまで各種のシステムを起用しているレシャックだが、それは相手チームを研究したところからきていることは明らかだ。だがそれはバルサのスタイルではない。バルサのようなビッグチームのとるスタイルではない。相手がどこであろうと一つのラインが明確になっているのがビッグチームのとる方法であり、バルサのとる方法だ。相手に合わせた戦いをしなければいけないクラブば、それはバルサではなくバルサが相手にするクラブでなければならない。

2.ベースとなる11人の選手を決めること
毎試合のようにスタメン選手がくるくると変わるのが今のバルサの現状だ。それはレシャックを始めとするコーチ陣に、何らかの迷いがあると思われてもしょうがないだろう。毎試合同じ選手を起用する必要は確かにない。だがそれは疲れ気味だとか、負傷中だとか、あるいはカード制裁を受けているという理由がない限り、継続性を追求すべきである。これまでそのような継続性はいっさい見られていない。2試合続けて同じスタメンでスタートしたことがあっただろうか。スタメン選手の決定の迷いは、つまるところ自らのスタイルを持っていない事への証明である。

3.サビオラを起用すべし
サビオラはこれまでカンプノウ以外のグランドでは、ほぼ間違いなく控え選手となっている。だが彼の持ち味をうまく利用していない感じを受ける。サビオラは他の選手と違うものを持っている選手だ。それはプレシーズンからこれまでの出場した試合で誰の目から見ても明らかなことではないだろうか。個人的な考えでは、バルサはもっと攻撃的なスタイルをとるべきだと思う。カンプノウであれアウエーの戦いであれ、もっと攻撃的なシステムで戦うべきだ。左右のウイング戦法を放棄したレシャックは左右のサイドバックの上がりでそれを補充してきた。サビオラが持つ「ゴールの嗅覚」こそが、サイドからの攻撃を成功させるキーポイントとなるだろう。


危ない審判がクラシコに!

危ない、危ない、危ない。なぜこの審判が選ばれたのだ。3月16日、バルサーマドリ戦の審判に、今注目のスキャンダル審判であるペレス・ブルールが笛を吹くことに内定した。

ペレス・ブルール、先週の日曜日にベティス・セルタ戦の笛を吹いた審判。ドリーバ、カセレス、モストボイ、そしてカルピンを退場させた審判だ。そしてセルタは今週レアル・マドリを迎え戦う。

だが彼が起こしたスキャンダルは先週に始まったことではない。97−98シーズンにデビューしたこの審判は、これまで何回もバルサの試合で笛を吹いているが、同時に多くの批判の対象ともなってきた。特にデビューした年の11月22日、バルサがオビエドでした試合はまさにスキャンダルなものだった。90分にわたって、バルサに不利な笛を吹いたことは記憶に新しい。デリ−・バルデスに対するコウトのペナルティー(ビデオを見るまでもなく存在しなかったことが明らかなペナルティー)もさることながら、コウトと一緒にグアルディオーラまで退場処分にし9人で戦わなければいけなかったバルサだ。

危ない、危ない、危ないバルサは気を付けなければならない。


クライフ「カペーロは嫌い」

オランダテレビ局NOSで、ローマ対バルサの試合のゲストだったクライフはカペーロの来季からのバルサ監督就任問題に関してもコメントしている。
「最近ちまたで流れているカペーロの監督就任の話しだけれども、これだけはあたらないで欲しいと思うね。もしあなたがフットボールゲームが好きで、一度でも彼の試合を見たことがあるのなら理由は明らかだと思うよ。ちっとも面白くないだろ。もしかしたら好きだという人がいるかも知れないけれどね。でも個人的にはああいうフットボールは受け入れられない。結果だけが大事な監督のどこに魅力があるというんだ。ローマというチームでほんの少し面白みがあるとすれば、それは時たま見せるトッティのプレーぐらいなものだろう。」

もちろんクライフの批判はカペーロだけにとどまらない。バルサのユニフォームの色も気にくわなければ、もちろん試合内容も気にくわないクライフだ。

「バルサは快勝したかと思うと、くだらない戦い方をして負ける。それの繰り返しでここまできている。レシャックにとっても非常に苦しい時期だと思う。問題は来季の監督が誰が良いかということだが、私には誰々というほどの具体性は見つからない。バルサの監督は誰でもなれるものではないからね。もしカペーロのような戦い方をする監督がきたら結果は明らかだ。カタルーニャの人々がカウンターアタックなんて戦法で満足することなんか想像できるかい?」