3月2日



リケルメ+カンテラ=来季バルサ

FC バルセロナとリケルメ・ボカ側とは合意に達している。それは本紙がすでに伝えてあるニュースだ。だがリケルメ獲得の障害となる状況が生まれてきている。それはレシャックの来シーズンの続投の可能性がほぼなくなってきたことだ。もし来シーズンに就任する監督が「リケルメはいらない」と言えば、バルサクラブとしても彼を諦めるしかない。

リケルメ獲得は来季に就任する監督次第とはいえ、バルサ首脳陣にはもちろんそれなりの構想が存在している。それはクラブが抱えている経済的問題からも余儀なくされている構想といった方が正解かも知れない。ガスパー政権はここ2年間で1億8千万ユーロを浪費し、新しいバルサの選手の獲得をおこなってきた。その移籍作戦が成功だったか失敗だったか、ここでは触れないでおこう。それは来シーズンの問題とは関係ないからだ。だが問題は、3年も続いてこのような出費は許されないことにある。

したがって来季バルサ構想のベースとなるものは、これまで獲得してきた選手にリケルメを加え、そしてカンテラから優秀な選手を抜擢し、チーム編成をするというものだ。もしこのラインにそって来季の監督を選ぶとすれば、ビアンチが最有力候補となるだろう。彼はリケルメ獲得にはもちろん賛成であるし、贅沢な補強も要求しない人物だからだ。現在抱えている選手たちをうまく使っていく監督として知られている。

ここに一つの疑問がある。もしバルサが何らかのタイトルを獲得した場合、それがリーグ優勝であれチャンピオンズ制覇であれ、レシャックの残留の可能性もあり得るかも知れないということだ。ガスパー政権がシーズン終了までその可能性に賭けるのか、あるいは昨年の二の舞を演じないために早めに来季の監督を決めてしまうのか、それによって事情が大幅に変わってくるだろう。

もしガスパーが早急に監督を決めるとすれば、それはカペーロになる可能性が非常に強い。カペーロは昨シーズンを例に見るまでもなく、ギリギリでの自らの移籍を望まない監督であるからだ。彼には早くからの来季に向けたプランニングが必要だ、したがって遅くとも今月中には、来シーズンの己が働く場所を決めるであろう。そしてもちろん彼が監督に就任ということになれば、リケルメの話しはご破算となるのは間違いない。そして多くの「出来上がった選手」の獲得を要求してくるだろう。キーパーに始まり、セントラール、中盤のキーポイントとなる選手とデランテーロ。これらの選手にパヌッチシードルフが加えられることも間違いのない事実だ。

もしガスパー政権が昨シーズン最後の時のように、最後の最後まで監督候補を絞る政策をとるとするならば、カペーロの可能性はゼロだ。そして浮かび上がってくる候補はビアンチクーマンの二人。タイトルをとったらレシャックの続投の可能性もでてくる。

カンテラの活用は、クラブが抱えている経済的問題だけから生じてくるわけではない。実際、バルサの1部でプレー可能な選手がたくさん生まれてきている。すでにモッタが1部で起用され始めているが、キーパーのビクトルイニエスタも来シーズンは1部にあがる可能性は非常に強い。またトラッショーラスダビ・サンチェスも出番を待っている。



アベラルド、地獄からの脱出

今から1年と1日前、スペイン代表での試合で負傷したアベラルド。それからまだ1度もグランドに足を踏み入れていない。だがプロ選手にとって地獄のような日々ともいよいよお別れだ。明日のマラガ戦、スタメンは無理だとしても何分間かのプレーが期待される。そして彼を「再起不能」とした何人かのバルサ関係者にそれが間違いであったことを証明したいという。

負傷したときのことをもちろん覚えているでしょうね。

足に痛みがジーンときたときに、すぐ骨折だとわかった。もちろんその瞬間に思ったことは、多分少しの間プレーできなくなるということだったね。でもまさかこんなに長くなるなんて想像もできなかった。しかも最初の診断ではせいぜい2、3か月じゃないかということだった。

あなたの復帰は絶望的だとコメントした人々がいましたが。

もし再び試合に出場できる日が来たら、まず観客席を見るだろう。そこには女房と子供が来ているはずだ。そして俺の故郷であるアストゥリアスでは両親がテレビの前にかじりついているはずだ。俺の復帰の日は、彼らにとって祝福すべき日であって、そういうバカなコメントをしたヤツらを気にする日ではないんだ。

1年間は長かったでしょうね

毎週末に家にいてテレビ中継をみなければいけないということは、プロとして地獄のようなものさ。多分、女房の方が俺より辛かったかも知れない。

あなたは「もしプロ選手としての俺に傷つけようとした人間があらわれたら、そして実際あらわれたわけだけど、そいつらには真っ向から戦う」と語ったことがありますが。

もちろんさ。女房や子供、そして両親や友人がそういうバカな発言によってどれだけ苦しんだか想像もつかないだろう。俺のために戦うんじゃない。俺を思って苦しんだ人たちのために戦うんだ。

それが明日になるといいですね。

明日の日曜日になるか、あるいは次の土曜日になるか、それはどうでもいいことだ。もちろん早ければ早いほどいい。だけども一番肝心なことは、再びプレーする日がやって来ているということさ。彼らが間違っていたということを証明する日がもう手の届くところに来ているんだ。