3月6日



リバルドが吠えた!

実に2か月と1日ぶりに記者会見場に姿をあらわしたリバルド。だが彼から伝わってくるイメージは、先日のマラガ戦でみせたものと同じように疲れ切ったリバルドだった。
2か月と1日前の彼の発言は「セレソンはカタルーニャ代表と試合すべきではない」というスキャンダルなものだった。そして昨日の内容は別の意味で今後の議論のタネとなりそうだ。隠すことなく思ったまま素直に語ってしまうリバルド。彼が語った内容は次のようなものだ。

■「正しく評価されていない」
リバルドとバルセロニスタとの関係は常に複雑だ。例えばルイス・エンリケが5回続けてミスしようがブーイングはおこらないのに、彼が2度続けてミスしたら大きなブーイングがカンプノウを包む。
「これまで多くの試合に、痛み止めを打ったり何らかの処置をして負傷箇所をだましだまししながら出場してきた。それはもちろん自分のためでもあったけど、チームが必要としているからそうしてきた。体調が100%でないにも関わらずね。だがバルセロニスタの中のいくつかのグループの人たちはそういうことを全然評価しないようだ。もう自分は何年もバルサにいる。これ以上いったい何をすればブーイングが起きなくなるのか、もうわからないというのが正直なところ。」
「チームがうまくいくには選手とファンの一体化が絶対必要だと思う。もちろんファンの人たちが、我々のプレーに不快感を抱くこともあるだろう。毎試合毎試合、我々にしたって良いプレーができるわけではないからね。でも少なくても試合の90分の間は、そういうことを忘れて我々を応援して欲しいと思う。」

■リバルドの将来
このバルセロニスタと彼のギクシャクした関係が、リバルドの将来に影響を与えないとは誰も言えない。リバルドのバルサとの契約は来年の6月をもって終了となる。彼は認めないものの、これまでバルサ首脳陣が契約延長に関してまだ何も提案してこないことにも不信感を抱いているフシがある。
「ガスパー会長やレシャック監督が自分の延長契約を望んでいるという話しはメディアを通して聞いている。だが実際に具体的な話しはこれまで何もない。将来についての交渉は時間をゆっくりとって、お互い都合のいいときにおこなえばいいだろう。そのうちわかるさ、リバルドがどこで将来プレーすることになるのかね。」

■レシャックを正しく評価すべきだ
先日の記者会見でクライハートが語ったように、彼もまたレシャックを全面的に擁護する。少しでも連敗が続くと多くのメディアがレシャックを批判し、彼の代わりとなる監督候補の名前があがることを残念がるリバルドだ。
「レシャックはこれまで良くやっていると思う。我々はリーグ戦では首位に4ポイント差とつけているし、チャンピオンズだってじゅうぶんに次のステップに進めるところにつけている。だがそういうことがあまり評価されていないのがレシャックだよ。彼はチームのためにいろいろと努力しているのに、あまり評価されていないというのは残念に思う。彼はカンテラ育ちだし、選手としてもバルサに大きな貢献をしてきた人物だ。自分の家に中の人間はあまり高く評価されないということはどこでもあることだけどね。」
「チームが勝つのも負けるのも、つまるところそれは選手の責任。実際にプレーするのもゴールを決めるのも選手なんだからね。」

■同僚たちについて
先日のマラガ戦でリバルドはペナルティーを蹴らなかった。誰しもが驚いたことだった。結局ペナルティーを担当したのはクライハート。そしてこれからもペナルティーがリバルドではなく、クライハートが蹴ることになるだろうという。
「彼は得点王を獲得できるポジションにいるからね。マラガ戦でも彼に譲ったんだ。そしてこれからもそうしていこうと思う。もし彼のフィーリングがイマイチという時には僕が蹴ることになるだろう。でも優先権は彼に譲った。何の問題もないよ。」

クライハートは先日の記者会見でトリデンテを毎試合使うべきだと訴えていた。だがリバルドは、今シーズン入団したばかりのサビオラの活躍に感心はしているものの、特にトリデンテにはこだわらない。
「自分はトリデンテだろうがそうじゃなかろうがどうでもいいと思っている。一番重要なことであり、自分が一番望むものはチームの勝利。それがトリデンテの活躍が生まれようが、その他の選手の活躍で生まれようがどうでもいい。サビオラは1年目の選手としては非常によくやっていると思う。若いがすでに偉大な選手の一人として認めていいんではないかな。いずれにしてもバルサで成功する選手だと思う。」


それは違うよ、リバルド

エスポーツ紙編集長
ホセ・マリア・カサノバ

■コミュニケーションの問題
リバルドの語ったことは間違っている。彼がバルセロニスタに正しく評価されていないという愚痴は何の根拠もないことだ。カンプノウに集まってくるバルセロニスタはこれまで彼をそれなりに評価してきたし、尊敬もしているし、彼をアイドルだとも思っている。

「昨シーズンの最後の試合となったバレンシア戦を覚えていないか、リバルド?」

あの夜、カンプノウにこだましたリバルドコールを覚えていないのか。

「リバールド、リバールド、リバールド!」

それもあの夜だけではなかったではないか。これまで何回にもわたってリバルドコールが繰り返されてきたことを忘れてはいけないよリバルド。これまで何回か、リバルドに対するブーイング現象がカンプノウを襲ったことも確かなことだ。先日のマラガ戦のようにね。あの日はハットトリックを決めたクライハートが主役だったんだ。しかも彼を主役にしたのはリバルドではなかったか。監督の知らないところでペナルティーを譲ったおかげでクライハートはハットトリックを決めた。そうしたのはリバルドだ。そして得点を決めた選手の名前がコールされるのはフットボールの慣習の一つであることも忘れてはいけない。あの日は主役の座から勝手に下りたんではないかリバルド。しかもあなたはひどい調子だった。
リバルドの問題はコミュニケーションの問題であると言っていいだろう。これまで2か月にわたって記者会見場から逃げ回り、やっと出てきたと思ったらバルセロニスタに対する愚痴だ。バルセロニスタの聞きたかったことはそんなことではなかったはずだ。彼らが期待したのは、リバルドの口から「リバプール戦やクラシコは是非がんばる」という言葉ではなかったか。繰り返すが、バルセロニスタはリバルドを慕っている。だがカリスマ性がないのはあなたのコミュニケーションの問題からくるものだ。

■バルサに感謝すべき
よく考えてみれば自分の過ちに気が付くだろう。リバルドはバルサというクラブに大きな貢献を残している。だがクラブはあなたにそれと同等のもの、あるいはそれ以上のものを与えてきたではないか。バルサはリバルドを世界最高選手の一人に成長させた。バロン・デ・オロもとれた。今世紀最高の「年俸契約」も果たした。16億ペセタという税抜きの金額をあなたは受け取っている。それを支払っているのはクラブであり、ソシオだということも覚えておこう。それでもいっさいの批判を受け付けないというのならそれもいいだろう。だがこれまで批判を受けなかったクラックが世の中に存在しているとでも思っているのだろうか。

■リバルドの将来
毎年シーズン終了と共に話題の一つとなるリバルドの契約問題。今シーズン終了後もその例外とはならないであろう。彼の契約は2003年6月に終了する。そして彼の延長契約は、正直なところ複雑な問題だ。だが時間が来れば解決するだろう。まず第一に彼を必要とする監督がいて、それをバルサ理事会が経済的問題から検討していくことになる。彼に将来スーパーオファーが来た場合、例えば60億以上のオファーが来た場合、それは検討の余地があるのではないだろうか。だがそれはあくまでも将来の問題だ。今のバルサにはどうしてもリバルドのチカラが必要なのは明らかだ。


●ルイス・エンリケ
リバルドの次ぎに記者会見場に姿をあらわしたルイス・エンリケ。記者たちにリバルドの発言を聞いた後、彼は彼なりの感想を述べている。
「リバルドは彼が思っている以上に、バルセロニスタに評価されていると思う。彼らが感じる本当のアイドルに対して、愛情と憎しみがゴチャゴチャになっているだけなんだ。つまるところ彼は彼が思っている以上に愛されているということさ」
そしてレアル・マドリの100周年行事に、過去に在籍した選手に対して招待状が送られていることを知ったルイス・エンリケ。
「えっ!俺んところには来ていないよ。まあそのうち来るのかもしれないけれど、どうでもいいんじゃない?」

●トリデンテ
本紙がおこなったアンケートによれば、多くのバルセロニスタがベティス戦にトリデンテのスタメンを望んでいる。実に91%のバルセロニスタがトリデンテがスタメン出場すべきと答えている。またもしサビオラがカンプノウ以外のスタディアムでもスタメンで出場していれば得点王がとれるかという質問に対し、87%の人が「とれる」と答えている。

●オーベル
リバプールやグラスゴウ・レンジャースへの移籍話しが流れるオーベルだが、自分のウエッブページでこの可能性をはっきりと否定している。
「バルサから出ていく気はさらさらないよ。外国メディアが何と言おうとそれは彼らが勝手に作り上げた噂にすぎない。もちろん現在の状況に満足しているわけじゃないけどね。もっとプレーしたいし、継続性さえ与えてくれれば調子は戻ってくると思っている。今のところ、練習、練習、練習。その毎日を繰り返して監督の信頼を勝ち取っていかなければ。」

●コクー
ガブリ、クリスタンバール、ロッケンバックが負傷や風邪のためマラガ戦を休場したが、この試合でジェラール、プジョー、デブー、ルイス・エンリケ、そしてコクーが軽いケガをしている。昨日の練習ではプジョーとルイス・エンリケが途中で練習を引き上げたが、ジェラールやガブリ、クリスタンバール、ロッケンバックはすでに回復にむかっている。そしてコクーもほぼベティス戦には間に合いそうな感じだ。