3月8日


    

涙に暮れるレアル・マドリ

フットボールに足し算は成り立たない。つまり2+2=4にならないのがフットボールだ。フロレンティーノ率いるレアル・マドリはクラブ創立100周年を壮大に祝うため、あらゆるコネを使ってカップ戦優勝を有利に導くことを画策してきた。地元ベルナベウでの決勝戦を可能にしたまでは確かに計算通りにことが運んでいた。だが肝心の試合に負けることはまったくの計算外であったことも確かなことだ。

■フロレンティーノ3敗
昨年のヨーロッパスーパーカップとトヨタカップでの敗戦に続き、今回はそれらにも増して最も痛ましいものとなった地元での国王杯決勝戦の敗北。100周年を祝うために国王杯に関してはすべて計算通りのことが運んでいたにも関わらずの思わぬ敗北だ。そして100周年を祝うためのアドバルーンとしてあった「3冠王達成」の中で最も可能性があったタイトルでもあった。

試合から1日たった昨日、フロレンティーノは非公式ながらも決勝戦にベルナベウを選んだのは誤りだと認めていると言う。
「地元での決勝戦の敗北は、底知れぬほどの痛手となってしまった。この日のために多くの人の協力を得て我々は努力してきただけに、精神的な打撃は大きい。それは選手たちにしても同じだろう。」

■メディアの反応
マドリメディアは我々カタルーニャメディアとガリシアメディアを責めた。「決勝戦に出場し、惜しくも敗れたチームを笑いものにした」と我々を責めた。だが世界中のメディアの反応を見るがよい。
ユーゴスラビアメディア「王様クラブから王冠が落ちてしまった」
イタリアメディア「トリスタン、ベルナベウを沈黙させる」
フランスメディア「デポルティーボは、100周年を迎えたカップ戦の優勝カップをマドリからもぎ取った」

■怒り狂うカシージャス
もちろんカシージャスは公の場では語らない。だが誰の目から見ても彼の怒りは明らかだ。試合前日、当日、そして翌日になってもそれは変わらない。リーグ戦ではこれまで絶対のスタメン選手だった自分がなんで決勝戦に出られなかったのか。デルボスケに対する怒りは当分おさまりそうもない。

■フィーゴに対する不信感
試合終了まであと7分というところで、フィーゴは必死になってベンチに叫んでいた。
「俺をかえてくれ!」
大観衆で埋まったベルナベウでのベンチ付近に陣取ったファンたちから彼に対してブーイングが飛ぶ。フィーゴの依頼に気付いた選手たちにしても決していい感じではなかっただろう。それはまるで終了の笛を待たずにフィーゴが試合放棄したように感じられたからだ。負傷をおして出場したフィーゴだが、今シーズン最低の試合の一つとなってしまった。そしてルイス・フィーゴ、16日のクラシコへの出場さえあやしくなってしまった。

■クラブに与える経済的打撃
もしリーグ優勝とチャンピオンズ優勝、そしてカップ戦に優勝し3冠王達成した場合、マドリ首脳陣は選手たちに対する「特別ボーナス」として1800万ユーロを約束していた。クラブはその資金繰りにムシニという保険会社と契約し、それを補おうとしていた。その保険料270万ユーロは近日中に保険会社に支払われなければならない。カップ戦でのマドリの敗戦を一番喜んでいるのはこの保険会社であることは間違いない。


チャンピオンになるためにバルサに来た

ハビエル・サビオラ、昨日の練習でルイス・エンリケと衝突し右足に痛みを覚え一時は大騒ぎとなった。その後の精密検査で大した負傷ではないことを確認。ホッとしたサビオラだ。

今日の練習ではビックリしたでしょう?

ぶつかった瞬間「グシャッ」という変な音が聞こえて、これは骨が折れたのかと思った。しばらく倒れていて、ドクターが足を見てくれた。しばらくしてからゆっくり立ち上がり、強く地面を踏んだときに大した痛みがなかったので本当に安心したよ。ドクター連中が言うには土曜日の試合には問題ないだろうということだった。これで一安心。

カップ戦の試合を見ましたか?

うん。見たよ。二つの偉大なクラブによる素晴らしい試合だったと思う。個人的にはどちらが勝とうがどうでもよかったけれど。

アルゼンチンは非常に難しい状況を迎えていますが

友達たちが毎日のように、自分の国で起こっていることを電話で伝えてくる。明らかに良い状況ではないらしい。僕は彼らとは遠い国に住んで何も彼らのためにできないが、少しでも早く解決策が見つかることを願っている。人々は空腹と失業に悩まされているという。本当に少しでも早く良い状況を迎えられることを祈るしかないんだ。

かつてもそうであったように、アルゼンチンではワールドカップでの活躍が国民の希望となるような状況ですよね。

ワールドカップでの成功が少しでも国民の明るい希望となればそれに越したことはないよね。願わくばそうなって欲しい。アルゼンチンの人々にはそれが必要なんだ。明日への希望がね。僕が出場したアンダー20の大会でもそうだった。国の状況は今ほどではないにしても、決して良い状況とは言えない時だった。そしてすべての人々が我々の勝利を望んでいた。もちろん選手にしてもそういうことに無縁というわけにはいかない。アルゼンチン国民のために、という感じで我々はプレーしていたからね。

ところで、バルセロナに来て半年近くたちましたが。

とても幸せというと月並な言葉になってしまうけれど、そうなんだ本当に。バルサでプレーし、好きなフットボールができる。そして街は住みやすいし人々は親切。他に何を望める?
でもね、もし他に望めることがあってそれが許されるなら、それは我々が優勝することだ。僕はチャンピオンになるためにバルセロナに来たんだから。

ワールドカップに出場できればそれにこしたことはない・・・

ワールドカップでプレーできたら最高。小さい頃からの夢が実現すると言うことだからね。でも、それはかなり難しいことだとは思っているんだ。バルサで僕がスタメンで出場するかどうかをレシャックが決めるように、ワールドカップ出場に関してもそれはアルゼンチン監督の権限であるわけだから、僕は待つだけさ。そして僕がしなければいけないことは、いつ呼ばれてもいい仕事ができるように準備しておくこと、それだけさ。

ワールドカップの予想を。

フランス、アルゼンチン、スペイン、ドイツ、イギリス、ブラジルが最初の候補国だと思う。