3月10日


     

R.BETIS - FC.BARCELONA

2 - 1


致命的なエラー

今シーズンの最も大事な週のスタートとしてあったベティス戦。だがバルサはディフェンスの2回にわたる致命的なエラーによって試合を失った。この結果、難しくなったリーグ優勝。しかし明後日のリバプール戦、土曜日のマドリ戦に向けてバルサは全力を尽くして戦わなければならない。

小さいながらも偉大なデランテーロ、ダニが2回にわたってポジショニングの悪いレイジンハーを襲った。ボールを支配し試合の主導権をにぎり続けたバルサだが、この2点目で精神的にも深く沈む結果となった。再び繰り返されたアウエーでの試合の敗北により、バルサはリーグ優勝の可能性をかなりデリケートな状況にしてしまっている。土曜日のクラシコを迎え、バルサはレアル・マドリに6ポイントと離された。リバプール戦での必勝と共に、クラシコでは絶対勝たなければならないバルサ。

■ボナノの復帰
これまで何回となく議論の的となってきたバルサのスタメンキーパー。マラガ戦では多くのメディアがボナノのスタメンを予測していたにも関わらず、結局はレイナがこれまで通りにプレーし続けた。だが誰もが予想しなかった昨日のベティス戦で久しぶりにボナノの復帰となる。だが残念なことに、彼もまたチームを救う救世主とはならなかった。

■プジョー対デニルソン
マラガ戦に引き続いてセントラールか、あるいは本来の彼のポジションであるサイドバックか、と注目の的であったプジョーのポジションだが結局はデニルソンをマークする役目となった。カンプノウでのデニルソンに対する完璧なマークをしたプジョーだが、この日もほぼその仕事を完璧にこなしたといっていいだろう。

■最も早い失点
試合展開はもちろんバルサが望んだものではなかった。クライハートが中盤でボールを奪われそれがカウンターアタックとなり、レイジンハーのミスも手伝って簡単に許してしまった1点目。開始2分での失点は今シーズンのバルサにとって最も早い時間での失点となった。

■リバルド、期待に応えず
昨日の試合で明らかになったことは、今シーズンのリバルドは昨シーズンまでの彼とは比べものにならないということだろう。かつてのリバルドであったなら決して外すことのない2回のゴールチャンスを昨日はものにできなかった。いまだに体調が万全ではないのかリバルド。サンバのリズムにはほど遠い、疲れ切った感じのプレーを展開し続けている。バルサの敗戦も重大なことだが、リバルドの不調もこれからの大事な試合を考えると大きな不安材料だ。

■戦術的変更
1−0とリードされて迎えた後半。レシャクはいくつかの戦術的変更を試みる。前半にはサイド攻撃がなかったこと。そしてトリデンテが真ん中に固まってしまっていたこと。これらを反省材料に、サイドバックの選手のウイング参加と共に、トリデンテが左右に散らばり始める。そしてサビオラを中盤に下げ、クライハートを攻撃の中心として相手キーパーに最も近い位置に置いた。そして最終的な攻撃パターンはジェラールを入れ、彼の高さを利用してのロングパス攻撃を使用する。だが残念ながら、この戦術も最終的にプレミアは付かなかった。


バッケロの考察

■最後まで勝利を追求したバルサ
ほぼ試合開始と同時にベティスに先制点を許したバルサだが、それでも試合に対する集中力は衰えなかった。それどころか90分にわたってすべての武器を使って勝利の3ポイントを獲得しようとしたバルサの姿勢はほめていいだろう。その努力がもう少しのところで報われかけたのが96分。だが勝利の女神はバルサ側にはなかった。
全般的に見るならば、バルサの選手はそれなりのプレーを展開していたと言っていいだろう。もちろん何人かの選手は、明らかに普段の実力より劣っていたのも認めなければならない。

■後半はダイレクトフットボール
後半開始と共にバルサはダイレクトなフットボールを試みる。前半よりもさらに直進的である縦のフットボールだ。クライハート、リバルド、そしてココがウイングに散らばり、再三攻撃の足がかりをつかむ。明らかなゴールチャンスが少なくても3度はあったバルサだが、ゴール運には見放されていた。

■クライハートとココ
個人的に見るならば、ゴールはなかったもののクライハートにとってほぼ完璧な試合と言っていいと思う。試合開始直後から集中していた彼は、前半は中盤の選手として誰よりも多くボールに触っている。そして後半に入ると、彼の自然なポジションであるデランテーロとしてベティス守備陣を何回にもわたってかき回していた。そしてもう一人目立ったのは後半に入って動きがよくなったココだ。前半よりも後半に入って試合に絡んできたココだが、彼のウイング参加が攻撃の起点となっていた。

■単調な攻撃
前半30分のバルサの攻撃のリズムは良かったとは言え、攻撃が単純であったことも確かだ。トリデンテによる攻撃が、この日はウイングに散ることなく真ん中に集中してしまった。この攻撃スタイルはベティスにとってそれほど恐れるものではなかっただろう。セントラールにディフェンスの選手を集中させトリデンテを止めればいいだけだったのだから。後半に入り攻撃スタイルを変えて戦うことになるバルサだが、再三のチャンスをつかみながら得点にはいたらない。結局バルサが獲得したゴールはオウンゴールとなった。そして大事な一つのことを言っておかなければならない。このような大事な試合で、試合開始早々ディフェンスの集中力の欠如で点を入れられるということは許されないということだ。この試合を決定づけたのは最初のベティスの1点だったのだから。


レシャックのコメント

大事な試合での敗戦とはいえ、レシャックは自分の選手たちのプレーぶりを誇りに思っている。
「一歩後退といったところだな。そう、後退ということであって、優勝戦線からの離脱ということではない。しかし、これからの一つ一つの敗戦が優勝への道を遠くすることは間違いない。もう9試合しか残っていないんだからね。だが次のマドリ戦で勝利すれば、それは一歩前進ということになる。我々はまだ決して何も失ったわけではないんだ。」

そうは言うものの、レシャックにとってこの敗戦はかなり精神的にこたえたものであるだろう。レアル・マドリが勝利を決めたので、これでクラシコを迎えるバルサは6ポイント差と離されてしまった。だがこれからの大事な試合を控えて楽観主義のメッセージを送ることも忘れない。
「この敗戦をリバプール戦に影響あるものとしてはならない。もし我々がカンプノウで彼らに勝利すればほぼ次のステップが約束されることになる。それは土曜日のマドリ戦に関しても同じことが言えるだろう。我々がマドリに勝利すれば再び彼らとは3ポイント差となるんだからね。」