3月21日



     

「夢はチャンピオンズカップ」

チャビ・エルナンデス、22才になったこの若者はこれからのバルサの歴史を作る選手の一人だ。「クラック」と呼ばれる選手の影に隠れながらも、チャビは確実に成長している。これまで141試合に出場した彼は、今では神話となったミゲーリの649試合出場を越えるかも知れない。

ここ2試合のスタメン出場で、あなたの「復権」がなったということでしょうか?

「復権」なんてとんでもない。単純に、自分にもこのチーム内にポジションがあるということを毎試合証明しようとしているだけさ。

これまで何試合かベンチ生活を余儀なくされてきましたが、それによる焦りというのはありませんでしたか?

監督は僕以上に「強い」選手を中盤において戦おうというアイデアだったんだ。それがうまくいったのがデポルティーボ戦だったと思う。だがだんだん結果が出てこなくなってきて、何らかの変化が必要になってきた。それが僕の登場となたったんだと思う。

4番のチャビの復活

それほど大げさなことではないよ。単にカンテラ上がりのチャビの登場さ。正直言うと、これまでの何試合かのベンチ生活も今となってみれば「体力温存」という意味で僕に有利に作用してきている。これからのラストスパートに新鮮な感じで、もちろん体力的にも何の問題もなく、戦えるという感じ。いずれにしても、これからの反撃を可能とするものは精一杯の毎日の練習以外にないと思っている。

地獄のイスタンブールはどうでしたか?

はっきり言って、ウワサされていたほどのものでもなかった。確かに観客席の雰囲気はカンプノウにはないものだったね。2、3時間前からファンが集まってきているんだから。信じられないよ。でもガラタサライのチームそのものは、予想していたとおり大したものでもなかった。その証拠に彼らにはゴールチャンスがそれほどなかったし、実際にもゴールは決められなかったからね。

ローマの敗退は驚きでしたか?

ビックリした。だって、決勝リーグに参加できる可能性の最も高かったチームだからね。しかもイタリアンスタイルそのものといっていいローマだから、引き分け狙いでいけば必ず目的は達成できると思っていた。でもリバプールというチームの素晴らしさも認めなければいけないとも思うよ。最後の最後で勝利を獲得したんだからね。

あなた方の可能性を疑った人々がいましたが。

彼らには予想が外れて「お気の毒さま」と言うしかないね。だって我々は生き延びているんだから。しかも以前より精神的にも強くなって生き延びているんだ。

レシャックに対してプレッシャーがありすぎると思いますか?

もしあなたが何かのセクションでバルサの関係者となったとしたら、それだけでプレッシャーは存在することになると思うよ。ボール拾いから会長まで、すべての人にプレッシャーが襲いかかるクラブなんだ。レシャックはそういうクラブに40年もいる人だということを理解しなければ。いいかい、40年だよ。彼はプレッシャーに負けるというよりは、我々に襲いかかってきているプレッシャーを取り除いてくれる人物さ。それは凄いプレッシャーがレシャックにあると思う。でもそんなことで負けるような人ではないよ。

チャンピオンズの優勝は、難しくなったリーガ制覇より優先事項かな?

もちろんチャンピオンズの優勝はいつも優先事項。シーズン開始前からそうだ。リーグ制覇ということももちろん大事だけれど、我々の最大の目的はチャンピオンズの優勝と言ってもいいかも知れない。それは個人的にそう思っているだけじゃなくて、すべてのバルセロニスタの夢だと思うんだ。

バルセロニスタとの団結に必要なものは?

試合内容、試合結果の安定性。これに尽きると思う。我々はこれまで非常にイレギュラーな戦いをしてきているからね。それは我々はもちろん、バルセロニスタにとっては気に入らないことだと思う。彼らは我々が一生懸命やっていることは理解してくれてるとは思う。だが安定した結果がでないことには、彼らにとってもガッカリすることだろうからね。でも大丈夫、我々は必ず反撃できると思う。


「グラスゴウが見えてきた」

イスタンブールでの勝利は多くのバルサの選手に精神的な強さを与えたようだ。その中の一人がファービオ・ロッケンバック。彼はガラタサライでの勝利は単なる3ポイントを獲得しただけではなく、選手たちの間での団結力が強まったことも意味するという。

チャンピオンズの試合が終わり、日曜日にはバジャドリとの大事な試合を控えているバルサ。もしこの試合でトルコで見せた精神を再現できれば、バルサは確実に上昇気流にのることができると信じるロッケンバック。
「我々の最大の武器はチーム内の団結だ。多くの人々が我々の可能性を信じないで、ローマの決勝リーグ進出を信じていたみたいだけれど、我々の中ではこれっぽっちの疑いもなかった。そして結果はその通りになった。そうだろ?一つ良いことを教えよう。帰りの飛行機の中で目を閉じて瞑想したんだ。何が見えたと思う?グラスゴウが見えたんだ。参ったね、グラスゴウだよ。そして我々が勝つんだ。」

ルイス・エンリケのゴールのチャンスを作ったのは自分だと言い張るロッケンバック。彼の得点にはならなかったものの、半分は自分のものだと信じているようだ。
「誰が点を入れたかなんてこたあ、どうでもいいことさ。俺の強烈なロングシュートがそのきっかけになったことなんてこともどうでもいいこと。要は勝利につながるゴールを我々が勝ち取ったということだし、しかもあの強烈なロングシュートでグラスゴウへの夢が開かれたというだけの話しさ。」

バルサの中盤でプレーする選手は非常に若い。経験のなさを指摘するメディアもある。だがロッケンバックはそんなことは何の心配もないと言う。
「オレ達は見事に理解し合っているよ。チャビ、ガブリ、モッタ、そして俺、みんな若いけれどそれなりの経験もあるし、大事なことはそれぞれが理解しあっているということだな。コクーは素晴らしい選手だし、経験はオレ達以上に持っている。だけどね、監督もそろそろ気がつかないといけないよ。いかなる状況であろうと、オレ達みたいな若者グループも素晴らしく役に立つということをね。」

彼の尊敬するリバルドが負傷に倒れていることを心配するロッケンバック。彼にとっては大事な相談役であり、アイドルでもあるリバルドだ。
「いつの遠征の時はリバルドと同じ部屋。彼と一緒の時はビデオを見たり、テクニックのことについて話し合ったりしていた。そしていつもオレに言うんだ。冷静にプレーしろとね。熱くなりすぎるなと。オレはいつも冷静にやっているつもりなんだけど、周りではそう見えないみたいだな。とにかく知っていることをやれ、それが彼のアドバイスでもある。そうすれば必ずバルサで成功するだろうとね。オレもそう思う。」


●リバルド、まだ10日間必要
マドリ戦が終了した段階ではそれほどの負傷とはみえなかったリバルド。したがってバジャドリ戦を休みさえするば現場復帰が可能と思われていた。だがリバルドの負傷は思ったより重いものであるようだ。左足かかとの負傷はトレーニングに戻るまでまだ10日間の休息を強いている。バジャドリ戦に欠場することはすでに決まっているリバルドだが、そのあと予定されているブラジル・ユーゴスラビアの親善試合にも欠場し、リーグ戦のラス・パルマス戦(30日)も危ぶまれてきた。

●満足、満足、アベラルド
アベラルドがスタメン復帰し、そして仕事を完璧にやり遂げた。しかもここ一番という大勝負であるチャンピオンズの試合でのスタメン復帰だった。彼の負傷中、契約が切れる今年の6月以降のことについて多くのウワサが流れた。バルサは契約延長しないだの、彼の選手寿命は終わりだの、あまりいいウワサではなかった。だが彼はそんなことをいっさい無視してプレーしたという。
「俺はいまさら何も自分の力を証明する必要はないからね。自分の知っているプレーをしただけ。しかも俺は監督の選んでくれた11人の中のスタメン選手ということだけの話し。俺の個人的なことなんかより、チームのことのほうが大事に決まっている。そしてもし俺のことが来シーズン必要ないとクラブが考えるなら、それはそれで受け入れなければならない。俺はプロなんだから、それぐらいのことは理解してるつもりだよ。」

●バイエルン、バルサを希望
Aグループの2位となったバイエルンが決勝リーグであたる可能性のあるチームは、マドリ、レバクーゼン、そしてバルサ。そして多くの選手がバルサとあたることを期待しているという。長いリハビリ生活から119日ぶりに復帰したハッサンもその一人。
「多くの選手たちはバルサとあたることを望んでいるみたいだね。我々にとっては最大のライバルだけれど、カンプノウでプレーできることがモチベーションを非常に高くするんだ」
そしてオリバー・カーンやサミー・クフォーも例外ではないようだ。