3月28日




「バルサ」、スペインに勝利!

バルサの5人の選手、クライハート、コクー、デブー、オーベルマルス、レイジンハー、彼らを中心にしたオランダ代表が問題なくカマッチョ率いるスペイン代表を敗った。
ワールドカップまであと2か月と迫ったなか、スペイン代表はいまだに良いイメージを感じさせない。前回のポルトガル代表とは引き分け、今回もオランダ代表に敗北してしまった。残されたテストマッチはあと1回でけとなったカマッチョだ。

■クライハート
オレンジ軍団の実質的なリーダー役を見事に果たしたクライハート。ハッセルバインの後ろにつき、中盤での支配と攻撃の起点となる活躍を90分にわたって展開。今やオレンジ軍団にとって欠かせない「偉大なキャプテン」となっている。決定的なゴールをミスするのは今に始まったことではないが、それを差し引いても攻撃の要の選手としての価値は非常に高い。まさに昨日の試合は、クライハートが主役となったものだった。

■デブー
オレンジ軍団キャプテンを務めるデブー。クライハートが攻撃の要であるとすれば、彼は守備の要となり、しかも攻撃を開始するスタート地点でもあった。バルサでプレーしているときによく見せる優柔不断さも感じさせず、キャプテンとしての働きを成し遂げた。スペインを敗ることになった貴重な1点をヘディングで決めている。

■コクー
バルサでの「4番チャビ」の役目を果たしたコクー。スペインの選手からのプレッシングもそれほど受けず、ボールを各ポジションに散らすことに成功。中盤での司令塔としての仕事をまっとうした。

■オーベルマルス
オーベルマルス対プジョーの組み合わせ。ほぼ引き分けと言っても良いだろう。ここにきてオーベルマルスの調子が上向になっていることがこの試合で証明された。オレンジ軍団の作ったチャンスはほとんどが左サイドからのもの。この日も左ウイングのポジションを務めたオーベルマルスだが、何回かにわたってゴールチャンスを生み出した。

■レイジンハー
久しぶりに90分にわたって右サイドバックを守ったレイジンハー。ほぼ完璧な仕事をしたといっても言い過ぎではない。その証拠に、スペイン側からのゴールチャンスは彼のポジションからはほとんど生まれなかった。彼の体調の良さが示されたのは度重なる攻撃参加だ。右サイドからの攻撃参加にも良いところを見せていた。

■プジョー
プジョーが代表選手となってからの一番難しい試合となった。彼がマークしなければいけない選手はバルサで同僚のオーベルマルス。お互いに知り尽くしているだけに非常にやりにくいものとなる。前半はオーベルマルスの勝利、後半はプジョーの勝利ということで引き分け。いずれにしても、彼の100%の集中力と気合いが、スペイン代表チームの中では特に目立った試合となった。


サビオラ(アルゼンチン代表)
アルゼンチン代表監督のビエルサはいったい何のためのサビオラを召集したのだろうか。カメルーンとの親善試合に呼ばれたサビオラは90分にわたってベンチに座らせられていた。この試合でチャンスをもらえなかったサビオラだが、彼がワールドカップに参加できる最後のチャンスとなるのは4月17日、スツッツガルドでおこなわれる最終テストマッチとなる。これまでウエールズ(1−1)、カメルーン(2−2)とテストをおこなってきたアルゼンチン代表が最後のテストとしておこなう試合がドイツ戦。ウエールズ戦でもほんの少ししかプレーできなかったサビオラにとって、ワールドカップへの道は非常に遠い感じになってきた。

ココ(イタリア代表)
イギリス代表とのテストマッチで1−2と勝利したイタリア代表。試合開始前の予想通り、ココはスタメンで出場せず後半に入って交代要員としてプレーした。
さてバルセロナだけではなく、イタリアでも来シーズンからのココの所属先クラブについてウワサされているが、いずれにしてもそれはバルサ次第という感じだ。バルサがとらなければいけない道は二つに一つ。もしココが来シーズンの構想に入っているならば、5月いっぱいまでに彼の移籍料をミランに払わなければならない。そしてもう一つの可能性はミランに返すこと。ココ個人としてはバルサに残りたいと何回も表明しているが、それはすべてクラブの来シーズン構想次第だ。

アベラルド(スペイン代表
1年間の長期離脱から戻ってきたばかりのアベラルドだが、カマッチョはオランダ戦には呼ばなかった。だがそれは彼を本番のワールドカップに召集しないことを意味するわけではない。この試合前にもカマッチョはアベラルドのこれまでの経験が必ず大きな大会には役立つだろうとまで語っている。スペイン代表はワールドカップを前にしてもう1試合にテストマッチを予定している。この試合に呼ばれるかどうかが大きなキーポイントになるだろう。
アベラルドのバルサとの契約は今シーズン限りとなっている。負傷中は色々なウワサが飛び交い、彼の復帰を疑問視する声まであがった。だが負傷から戻ってきた彼が証明したものは、負傷以前と同じようにプレーできること。バルサ首脳陣もそれを認めないわけにはいかないだろう。今ではキャプテンマークをつけ、グランド内外を問わずバルサの顔となっているアベラルドが来シーズン以降の契約延長の交渉に入るのも時間の問題となりそうだ。


ルイス・エンリケ、マイペース

もうすっかりベテラン選手となったルイス・エンリケにとって、最近メディアを騒がせている「新監督・新加入選手」問題はぜんぜん気にならないという。彼のこれまで長い間の選手生活の経験からすれば、それはいつも同じようにメディアから流れることであって、現実とはかけ離れたテーマであるという。
「毎年、毎年、同じ事の繰り返しさ。誰が監督をやっていようが、チーム成績がどうであれ、この時期には同じように次のシーズンに関するウワサが流れるんだ。放出選手、新加入選手、新監督、それぞれのリストが発表されるのは普通のこと。だから誰も気にしてはいないよ。それは習慣みたいなものだからね。だが今の我々にとって一番大事なことはラス・パルマス戦のこと。この重要な試合を勝ち抜いて、タイトルへの希望を持ち続けることが我々にとって最も関心のあることだ。」