4月3日



PANATHINAIKOS-FC.BARCELONA

20:45 APOSTOLOS NIKOLAIDES


     

グラスゴーに向けて総攻撃!

他力本願のリーグ戦とは違い、他のクラブの成績を考える必要もなく自力で勝利さえしていけば優勝への道が開けるユーロバルサ。まず第一歩としてアテネの「地獄」での戦いを切り抜け、5月15日のグラスゴーへ向けて総攻撃を!

グラスゴーでの決勝戦を含め5試合残されているバルサにとって、その第一歩となるステージはアテネ。ここをスタートし、10年ぶりの、そしてクラブ歴史2回目のチャンピオンズ優勝を目指す。したがって今日の試合は、将来のユーロバルサの行方を決定づける重要な試合だ。

1999年5月22日からもうすでに3年近くたってしまった。その日は我々にとって最後のタイトルを獲得した日となっている。88−89シーズンのリーグ優勝を飾ってから、我々はいかなるタイトルも獲得していない。バルサの目標はもちろんヨーロッパ制覇。5月15日のグラスゴーでおこなわれるチャンピオンズ決勝戦で勝利すること。そのためには今日のパナシナイコス戦で、セミファイナルへの早いチケットを獲得することが大事だろう。パナシナイコスというクラブ以上に恐怖を与えるのはグランドを取り巻く雰囲気だ。クラブのこれまでのヨーロッパ戦での成績から見ても、あるいは両チームが抱える選手自体の実力から見ても、明らかにバルサが有利な試合だ。問題は純スポーツ的なことではなく、スタデジアムの広さやそれを取り巻く雰囲気がバルサの敵となるだろう。だが我々はすでにイスタンブールで「地獄」を経験し、見事に勝利している。イスタンブールで可能だったことが、アテネでも可能となることを信じたい。

ラス・パルマス戦で思わぬ結果を生んでしまったバルサの選手の精神的問題はどうだろうか。驚くことにオーベルマルスが、普段は控えめで後ろに隠れるあのオーベルマルスが、選手の気持ちを代表して語っている。
「オレ達はみんな自分自身に怒っているんだ」
納得できないラス・パルマス戦の引き分けの代償を払うのはパナシナイコスだと言わんばかりのオーベルマルス。

そしてヨーロッパ戦に戻ってきたアベラルドも、精神的な問題は一切ないと語る。
「恐怖感があるかって?冗談いっちゃあいけないよ、お嬢さん。オレ達が持っているものは限りない希望さ。セミファイナルに進む可能性に対する希望だよ、お嬢さん。」

オーベルマルスもアベラルドも今日の試合ではスタメンで登場するだろう。レシャックはこの大事な試合に、守備の要として経験豊かなアベラルドをクリスタンバールの代わりに起用する考え。これまで数え切れないほどの「戦場」を経験してきたアベラルドにとって、アテネの「地獄」など可愛いものだ。そしてラス・パルマス戦に何でもない「負傷」をしたオーベルマルスも、この日に復帰を飾るリバルド、そしてユーロバルサの得点王であるクライハートと共に攻撃に加わる。


●メンバー予想(エスポーツ&ムンド)


ユーロ・チャビに期待!

今日はチャビがスタメンでプレーするだろう。それが多くの関係者が予想するところ。なぜなら今日の試合こそ、彼の特徴がいかされるものだからだ。

レシャックはこれまで48試合中、チャビを44試合にわたって出場させてきている。それは、クライハート、プジョー、コクーに続き、4番目に出場チャンスが多い選手ということである。0−0で終わったマジョルカ戦まで、驚くことにチャビは常にスタメン出場を果たしていた。だがその試合以降、つまり今から2か月前から、レシャックのチャビに対する絶対的な信頼感が薄れてきたような印象を受ける。特にヨーロッパでの試合を見ればそれは明らかとなる。

ホーム・アンド・アウエーでのローマ戦。コクーがチャビの役目を務め、彼はベンチスタートだった。チャビより背が高く、守備的にも優れ、トッティを個人マークする役目にコクーが選ばれた。そしてカンプノウのリバプール戦がやってきた。この試合、チャビは90分間ベンチに座ることを余儀なくされている。だが次にカンプノウを訪れたチームはレアル・マドリ。この試合にゴールを決めたチャビは、次の試合のガラタサライ戦の出場をもぎ取った。

だがチャビに関する「不可解」なストーリーはこれで終わりを見ない。多くのバルセロニスタにとって理解しがたい「チャビストーリー」は終わらない。ここ最近の2試合を見てみよう。バジャドリ戦で10人となったバルサは、チャビに代えてデブーを投入した。ボールを支配することにより、人数の少なさをカバーするのではなく、守備の優れた人材を入れて得点の優位さを守ろうとしたのだ。そしてラス・パルマス戦がやってきた。バルサは今シーズン初めてといっていいだろう両ウイングを使っての試合を展開しようとしていた。だがその時点でチャビはすでにシャワー室にいたのだ。残念ながら、シャワー室からボールを分配するほどチャビは才能に恵まれていないのに。

それでもチャビは昨シーズンに比べれば、圧倒的に多くの時間をプレーしている。そして彼はまた決して完璧なプレーをしているわけではない。もっと危険を覚悟でキラーパスを出すべきだし、相手ディフェンスに対応の時間を与えないためにももっと強いパスを出すべきだ。いろいろなことでもう少し改良していかなければならないことがあるチャビ。だが20才を過ぎた彼に、今から背の高さを要求するのは無理というものだ。

レシャックの好みに対して、好き嫌いは当然あるだろう。守備的に優れ、背の高い選手を投入して相手の高さから来る攻撃に備えようとするアイデア。それが良いか悪いかは人それぞれの判断による。だがレシャックは少なくても選手時代、ヘディングのシュートが決まったのは長い選手生活を通してたった1本だったということを思い出した方がいいのではないだろうか。我々はフットボールチームであり、決してバスケットボールチームではないということを確認した方がいいのではないだろうか。