4月5日



レシャック周辺に緊張感!

アテネでの敗北、1−0という結果よりもその戦い方に対し多くの関係者がレシャックに不信感を抱きはじめている。クラブ理事会の一部のメンバーは、今すぐの監督交代をガスパーに要求している。

■監督 試合ごとにディフェンシーブに
これまでほんの少し残されていたレシャックに対する信頼感。それさえアテネでの戦いが終わった時点で消滅してしまった。今や誰一人として彼のプロジェクトを信じるものはいない。彼の状況を救うもの、それは奇跡に近いことだろう。レシャック自身も今年の6月30日が、バルサの監督として最後の日だと思っている。だが多くの関係者は、早ければ明日のビルバオ戦の結果次第で、遅くとも来週火曜日のパナシナイコス戦の結果次第では彼のベンチ生活も終わりを告げると予想する。ローマでの試合で3−0とバルサが敗れたとき、すでに何人かのクラブ首脳陣がガスパーに対しレシャックの更迭を迫ったといわれている。だがガスパーの強い反対によりこの意見は葬られていた。だがアテネでの試合が終わった時点で再びレシャックに対する更迭の意見が、以前にも増して強くなってガスパーを襲ってきている。

これまでレシャックの経験をかってきた人物も彼の限界性を感じているようだ。試合ごとに、しかも重要な試合を向かえるごとに不可解な采配を見せるレシャックに対し、彼の器を越えた状況をむかえてしまっているのではないかと危惧する声もでてきている。それは最近の彼の記者会見での様子を見れば明らかだ。これまでの余裕たっぷりの彼のジョークさえ聞かれなくなった。表情やしゃべり方、プレスに対する批判などはまるでバンガールが戻ってきたような感じさえ受ける。

■選手たち ベンチを見ながらのプレー
セラ・フェレールがベンチにいる時代、多くの選手が彼のシステムに疑問を持っただけではなく、彼のパーソナルティーまでも疑うことが多かった。レシャックと選手間の関係はその時代とは比べものにならないほど良好と言って良いだろう。監督と選手という関係においては、これまで一切の不満を聞いたことがない。だがここに来て、一部の選手から彼のアイデアに対し批判が起こっていることも確かなことだ。それは誰もが予想もしなかったレシャックの保守的なプランニングが問題となっている。多くの選手にとってバルサは攻撃的なチームであり、決して相手に合わせた戦いをするチームではないという認識による批判だ。

この問題解決は決して複雑なものではない。レシャックがこれまでの保守的なアイデアを否定的に総括し、彼本来のアイデアに戻ればいいだけの話しである。彼と選手の間に生まれた亀裂は、攻撃的なフットボールを展開さえすれば埋まるものなのだ。多くの選手が声を高くしてのレシャック批判を控えているものの、何人かの選手はパナシナイコス戦終了後、個人的な意見としてバルサの戦い方の批判をしている。それの代表がクライハートの発言だ。「オレがもし監督だったら、ぜんぜん違う戦い方をしていたと思う」

だが彼らにまったく罪がないかというとそうでもない。確かにパナシナイコス戦だけを見てみれば、いかにベンチからの采配がゲーム内容をよくも悪くもするかという見本ではあった。だがそれまでの多くの試合は決してレシャック一人の、つまりベンチからの采配のせいだけではなかったのだから。国王杯での早すぎる敗退、リーグ戦でのタイトル獲得の可能性の少なさ、そしてチャンピオンズでの多くの苦しい試合、これらの責任の半分は彼ら選手にあると言っていいだろう。

■クラブ理事会 レシャックに多くの疑問符が
クラブに対する愛情、クラブカラーに対する愛着、これらのものがクラブ理事会とレシャックを結びつける糸となっている。レシャックは紛れもなくバルセロニスタであり、クラブ在籍40年以上の人物だ。だがチームの危機、それは同時にクラブの危機であり、彼らクラブ首脳陣への危機となって襲いかかって来るとき、この糸は微妙に絡んでしまう。

今やクラブ首脳陣の中にはビルバオ戦を待つまでなく、レシャックを解任すべきだという声もあがっている。そして何人かはビルバオ戦とパナシナイコス戦が終了するまで結論は急がないという部分も存在する。そしてその他に、いかなる状況が起きようとも今シーズン終了するまでレシャックをベンチに置いておくべきだとする首脳陣もいる。つまりクラブ首脳陣内部で多くの意見が存在しているということだ。ガスパーはもちろん現在のレシャックに満足はしていない。満足はしていないが彼を更迭すること自体に迷いもある。これまで何回となく危機を乗り越えてきたレシャック体制に、再びそれを期待することが間違っているとも思えないガスパーだ。だがいずれにしてもレシャック体制は今シーズン限りだという思いは、すべての首脳陣内で一致することだ。かつてウワサされていたカペーロはすでにローマと延長契約を結んでいる。果たして彼らが作り出す「ガスパー政権第三期構想」はいかなるものとなるのだろうか。


納得できない選手たち

クライハートがパナシナイコス後にコメントしたレシャックの戦術批判は、単なる氷山の一角にすぎない。多くの選手があの試合の戦い方に疑問符をつけている。もちろん表沙汰にならない彼らの監督批判だが、それはコーチ陣のところにも届いていることは間違いないだろう。

パナシナイコス戦がレシャックの保守的な部分が表面化した初めての試合ではないとしても、多くの選手にとって、いや、クラブ首脳陣たちにとっても、大きなショックであったようだ。選手たちは基本的な部分では、レシャックの采配に疑問を投げかけるということはなかった。これまでの「相手の必要に応じて」の戦術にそれなりに納得してきている。だが明らかに実力的に劣るパナシナイコス相手に、超守備的な戦いをプランニングしたことに対し、誰もが納得することができないでいる。

バルサはこの試合、相手選手に対し個人マークをつけている。まるで弱小チームがビッグクラブを相手にするように。ココを見てみよう。彼はリベロポウロスをシャワー室まで追いかけていかなければならなかった。カンプノウでのクラシコでは、ジダーンに対しいっさい個人マークをつけなかったバルサがだ。これ一つをとってみても、誰もが納得できないままプレーしていたのだ。

リバルド、サビオラ、そしてチャビをベンチに置き、クライハートを前線で独りぼっちにするレシャックの采配は誰もが驚いたことの一つだ。バルセロニスタはもちろん、選手やクラブ首脳陣も驚いた。バルサはセミファイナルへの進出をかけた大事な一戦を戦おうとしているのに、なぜクラックをベンチにおいて、しかも超守備的な戦いをするのか、その発想に誰もが疑問を投げつけたのは当然のことだろう。

レシャックがパナシナイコス戦で採用したシステムは別に新しいものではない。だが各選手のポジションという意味では多くの変化が見られる。
プジョーが左サイドバックに
ガブリが右サイドバックに
ココが個人マークについたことで自然とチャビのポジションに
コクーが右インテリオールに

■パナシナイコス戦

■自然なポジション


カタルーニャ・ブラジル戦、スタート

5月18日、21時にカンプノウでおこなわれるカタルーニャ代表とブラジル代表のチケットが売りに出された。

カタルーニャフットボール協会会長のジャウメ・ロウラ、カタルーニャ州スポーツ・ジェネラル・マネージャーのマルドナード、そして代表監督のピッチ・アロンソが集まり、多くのカタラン人にこの試合への参加を呼びかけている。入場料は一番安いもので10ユーロ、高いもので30ユーロとされている。前回のカタルーニャ・チリ戦では6万人の入場者数を記録したが、今回はそれをさらに上まわるものを期待している。

ジャウメ・ロウラによれば、今回のブラジル招待にかかった費用は70万ドル。一般的にブラジル代表の招待費用は100万ドルとされている。ブラジルは、ワールドカップに向けての合宿をバルセロナでおこなうことになる。


●リケルメ弟、無事解放される
リケルメの弟であるクリスチャンが何ものかによって誘拐されていたが、昨日無事に解放された。リケルメの代理人と共にリケルメ自身も誘拐犯と連絡をとって身代金の折衝をしていたようで、非公開ながらその額は16万ドルといわれている。

●プジョー、ビルバオ戦は欠場
パナシナイコス戦前から痛めていた左足だが、それまで無理して無理して出場していたプジョーに対し、ついにバルサドクターの方からストップがかかった。このままプレーすれば大怪我になる可能性がでてきたため、無理矢理プジョーはバルセロナに残されることになった。

●リバルドの休憩か
パナシナイコス戦に途中出場したリバルドだが、試合終了時には足を引きずってプレーをしていた。これまで彼のリハビリは100%終わっているものと思われていたが、どうやら完全な形で負傷から戻ってきたようではないようだ。今日の練習での調子次第では、火曜日のパナシナイコス戦まで温存する可能性もあるようだ。