4月8日



チャーリーズ・エンジェルス

バルセロニスタが大きな期待のもとスタートした今シーズンのはじめ、チャーリーは「いつか5人のデランテーロで戦いたい」とアドバルーンを上げていた。その5人とはリバルド、クライハート、サビオラ、オーベルマルス、そしてジェオバンニの「チャーリーズ・エンジェルス」だ。たった8か月前のこの発言であるにも関わらず、今となっては8年前のコメントに思える。だが明日のパナシナイコス戦、チャーリーが少しでも勇気を持って望めばその「夢」がかなえることができる。リバルド、クライハート、サビオラ、そしてオーベルマルスのスタメン登場。

■チャーリーズ・エンジェルス、スタメン?
ビルバオ戦での活躍が光ったサビオラ。この結果、レシャックにとって頭の痛い問題が発生してしまった。明日のパナシナイコス戦に誰をスタメンで出場させるか、それが彼の悩みとなっている。彼のこれまでのやり方を見る限り、一応予想されるのがリバルド、クライハート、オーベルマルスをスタメンで出場させて、サビオラをベンチという感じだろうか。このトリデンテでスタートすることにより、左ウイングからの攻撃をメインに戦術を組み立てることができる。だがビルバオ戦で初のアウエーでのゴールを、しかも2得点を決めたサビオラをベンチに置くということは「自然の流れ」に反することでもある。バルセロニスタも黙ってはいないだろう。

クライハートは常にスタメン選手、オーベルマルスもここのところ調子を戻してきている。リバルドは体調に関わらず、例え60%の出来でも体調100%の控え選手を押しのけてスタメン出場してきた。そしてサビオラ。トリデンテの一人として彼をスタメンにおくとするならば、体調がイマイチのリバルドをベンチスタートさせ、後半に出場させることもあるかも知れない。

だがこれらはあくまでも3人しかスタメン出場させないという大前提での話である。これまで見せてきた保守的なレシャックに果たして4人を同時に使う勇気があるかどうか。2点をあげなければいけないというハンディーが、彼の保守性をうち破るきっかけととなるかどうか。それはすべて明日はっきりする。

■ゴールの嗅覚、コネッホ・サビオラ
これまでサビオラに不可能だったこと、それはアウエーでの得点をあげること。だが彼の喉につっかえていたアウエーゴールはサンマメスで獲ることができた。シーズンが始まって実に7か月、、残り試合5試合というところで不可能を可能にしたサビオラ。だが彼にとってアウエーでのゴールを得るということは、何の不思議でもないことだったはずだ。リーベルに在籍していたころの彼のゴールの半分はアウエーで獲得したものだったのだから。だがいずれにしても、その不運はすでに遠くの彼方に旅立った。クリスタンバールとチャビのアシストで、彼は2点を獲得した。そしてゴールを決めたあと、彼は右手人差し指を空に向かって示す。
「お父さん、やっとゴールが決まったよ」

レシャックは常に語っている。
「前の試合で活躍した選手は当然ながら次の試合にでる権利がある」と。
その言葉が本当であるならば、明日のパナシナイコス戦でのサビオラのスタメンは決定だ。サビオラがベンチスタートすることを誰が納得するだろうか。誰も納得しない。もしレシャックに4人のデランテーロをスタメン出場させる勇気がないのであれば、少なくとも自分の言ったことぐらいは守るべきだろう。クライハートがどんなに素晴らしくとも、前回の試合で権利を勝ち取ったサビオラを先頭に、リバルドとオーベルマルスだ。

■バルセロニスタは裏切らない
明日のパナシナイコス戦におけるバルサの目的は単純明快なものだ。2点差で勝利すること。これ以外ない。そしてその目的を達成するのに必要なことも明らかだ。それは10万ソシオの協力。

ヨーロッパ各国、各都市にフットボールクラブが多く存在する中、バルサほどの組織力を持ったファンクラブはいない。それは10万人というソシオの圧倒的な数以外にも、大事な試合には必ずかけつけチームを助ける歴史を持っているからだ。例えば今シーズン、そう、バルセロニスタにとって楽しいことより辛いことの方が多い今シーズン、それにも関わらず、これまで6試合のチャンピオンズの試合に必ず選手と共に戦ってきている。リバプールとかローマとかいう「有名」なチームとの試合以外にも、ガラタサライやフェネルバッチェなどという試合にも多くのバルセロニスタがかけつけている。

明日の試合、パナシナイコスというパッションを呼び起こさないクラブ相手の試合でありながらも、間違いなく10万ソシオはカンプノウにかけつけるだろう。


リバルド、プジョー、準備OK!

バルサドクターの無理矢理のドクターストップがかかってビルバオ戦は欠場したプジョー。そしてその試合で片足の引きずりながら試合途中で交代を申し出ていたリバルド。だが明日の大事な試合、この二人はスタートから出場する準備を整えている。

アテネでおこなわれたパナシナイコス戦が終了した段階で、明日の試合の参加はほぼ絶望視されていたプジョー。あの試合以来、昨日も含めていっさい合同練習には参加していない。だがプジョーによればもう痛みもほとんどなく完治しているという。ドクター・プルーナはこの言葉を信じてはいないものの、明日の試合の参加に関してはドクターストップはかけないで済みそうだと読んでいる。昨日おこなわれた精密検査では負傷箇所の状態は予想以上によくなっていたようだ。だが間違いなく痛みは残っている。今日の練習に負傷後初めて合同練習に参加することになるプジョーだが、その結果をまって最終的な結論がだされる。つまり明日の試合には出場するということだ。なぜならプジョーだから。

そしてビルバオ戦で、以前と同じ箇所に痛みを覚えたリバルド。彼もまた昨日の練習には参加していない一人だ。マドリ戦でイエロにやられた左足のかかとの負傷により、ガラタサライ戦、バジャドリ戦、そしてラス・パルマ戦と欠場してきたリバルドは、その間、ジム通いでリハビリをおこなってきた。したがってビルバオ戦では体調が完全に近いものであったものの、リズム的には他の選手に比べ非常の劣るものとなっている。だがビルバオ戦で再び同じ箇所に痛みを覚えたリバルド。今日の練習には参加することがすでに決まっているが、その結果次第で明日の試合の出場が決まる。つまり明日の試合には出場するということだ。なぜならリバルドだから。


残り24時間!

ビルバオ戦の勝利は多くの選手のモラルを非常に高いものにしている。あの勝利によってリーグ戦4位につけただけではなく、アウエーでのリーグ戦2連勝をも獲得した。明日の試合はユーロバルサの将来を決める決戦でもある。残り24時間となった今日、バルサの選手は勝利を確信している。

■チャビ もし負けたら一大事だ
ビルバオ戦の勝利は、明日のパナシナイコス戦に向けて非常に大きな内容を持っていると信じるチャビ。そして何よりもカンプノウに多くのバルセロニスタがかけつけることが勝利への重要な要素であると思うチャビ。
「サンマメスという難しいところでの勝利は、我々のモラルを非常に高いものにしている。我々にはどうしてもあの試合での勝利が必要だった。リーグで上位に食い込むためにも、そして明日のパナシナイコス戦に向けての精神的な意味でもね。彼らは少なくても最初は後ろに下がっての試合展開をしてくるだろう。だがそれも12番の選手のプレーシャーを受けての試合だ。必ずミスを起こすと思う。我々はできるだけ早く得点を入れて、相手のスペースをできるだけ広げさせるようにしていかなければならないだろうね。負けることなんかチットモ考えないけれど、もしそのような不幸なことが起こったら、それはシーズンの失敗も意味することになってしまう。大丈夫、我々は間違いなく勝利できるさ。」

■コクー 我々が勝利する番、それも2点差以上で
コクーにとって明日のパナシナイコス戦、決勝戦に勝つための手続きでしかないと思っている。コクーは単純明快に明日の試合を予想する。攻撃的なバルサの復活。それしかない。
「彼らは間違いなく1点という得点差を守った戦いをしてくるさ。彼らにカンプノウでの勝利の可能性はないんだから。我々はバルサだ。彼らはパナシナイコス。そして今度は我々が勝つ番。それも非常に攻撃的な戦い方で相手をやっつけたいね。2点差の勝利はそれほど難しいものではないと思う。とにかく個人的な目的はチャンピオンズに優勝すること。こんなところで、しかもパナシナイコスあたりに、その目的を邪魔させはしない。」

■ボナノ 攻撃的なバルサが見れる
ボナノにとって明日の試合の戦い方ははっきりしている。攻撃、攻撃あるのみだ。できる限り早く点をとり、できる限りのゴールを決めること。それがバルサの戦い方だ。
「これまでの我々の戦い方とは一味違う感じでいかないとだめだろうな。最初の1分から攻撃に重点をおいた戦い方。しかもハンディーはたった1点しかないんだ。我々バルサの攻撃陣はパナシナイコスあたりに比べれば、非常に質の高いもの。ほんの少しの幸運と、多くのバルセロニスタの協力があればそれほど難しいことではない。もちろん我々の最終的な目標はチャンピオンズの優勝。セミファイナルには間違いなく残れるだろうが、4チームのどこが優勝してもおかしくはないだろう。すべてのチームにチャンスがあると思う。」