4月12日





すべてをかけた18日間!

今日から18日後、それは労働者の日であるメーデー。スペイン中が祝日となるこの日が終わる頃、バルサの将来も明らかになっている。果たしてグラスゴーへの旅立ちとなるのか、そしてリーグ戦では来シーズンチャンピオンズ参加の権利を確かなものにしているのか、それがすべて明らかになる。

多くの挫折感と消耗感を引きずってきた今シーズンのバルサだが、それでもなおこの段階に来ていまだにヨーロッパチャンピオンを狙う絶好の位置にいる。奇しくもバルサという100年以上の歴史を持つクラブが、初めてヨーロッパチャンピオンに輝いたウエンブリーでの試合から10年目を迎えようとしている。

ここまでのレシャックバルサの不安定な試合について語ることもないだろう。それは誰に聞いたところで同じ答えが返ってくる質問だ。非常に不安定な試合が続くバルサ。だがそれでもなお我々は4月23日と5月1日におこなわれるチャンピオンズ準決勝まで進んできているのだ。この事実を前に過去のことなどどうでもいいではないか。

チャンピオンズ二次リーグでの試合、バルサがカンプノウでの試合を3試合とも引き分けてしまったことなど誰が重要視するだろうか。ガラタサライ戦でコクーがゴールラインで奇跡のように相手ゴールを阻んだことを誰が覚えているだろうか。アテネでおこなわれたパナシナイコス戦でのアップアップバルサを誰がいまさら問題にするだろうか。そしてわずか3日前のスーパープジョーの素晴らしいキーパーぶりも、今日となっては誰も話題にしない。なぜなら今の我々にとって唯一興味あることであり、そして同時に歴史のページに残ることになるのは、これから戦われるユーロクラシコのことだからだ。

これまで2回にわたって戦われたバルサ・マドリ、マドリ・バルサによるユーロクラシコは、もう40年前のことだ。今のフットボール人気やマスコミの騒ぎ方から比べれば、まるで比較にならない時代での対戦だった。したがって過去の戦いに比べ、社会的に何十倍も重要視される試合となるだろう。グラスゴーでの決勝戦に進むクラブは、同時にリーグ最大のライバルを敗っての輝かしい決勝進出というプレミアまでつく。

リーグ戦首位を走るマドリに比べ、バルサは厳しい現実を抱えている。今シーズンにおいて最低果たさなければならない使命、それは4位以内にはいらなければならない現実だ。したがってユーロクラシコのことのみ考えてはいられないバルサ。来シーズンのチャンピオンズへの参加権をえるということは、チャンピオンズの決勝戦にのぞむことと同じように重要なことだ。

リーグ戦は5試合残されている。15ポイント残されていると言いかえてもよい。バルサはこの残りの試合をすべて勝利していかなければならない、少なくとも戦いの精神はそうでなくてはならないだろう。これまでバルサは3試合続けて勝利したのが連勝記録として最高の数字となっている。それもシーズン開始直後までさかのぼらないとならない。

いずれにしても、バルサは常に「次の試合」のことをまず考えるべきであろう。一つ一つの試合をまるで最後の戦いのように戦っていかなければならない。次の「最終戦」は日曜日のアラベスとの戦いだ。そして次ぎにやってくる「最終戦」がビーゴに行ってのセルタ戦。この18日の間に、バルサの将来が決定される。


リバルド、週末は温存

ユーロクラシコにむけた秘密兵器。そう、誰もが知っている秘密兵器。リバルドがその日にむけて体調を100%に持っていくことを義務づけられた。したがってアラベス戦にはリバルドの欠場は間違いない。

レシャックを筆頭とするバルサコーチ陣が作成した「リバルド復活特製プラン」のよれば、中途半端なかたちでの試合出場をやめること。そして23日の最初のユーロクラシコにむけて体調を100%に整えること。

パナシナイコス戦で完璧な体調とは決していえない状態で出場したリバルドにストップがかかっている。あの試合でディフェンスの一人としてまで動きまわったリバルドの体調はよくない。試合後には負傷箇所だけでなく、体中に痛みを感じて帰宅している。今日の段階でもまだ右足の古傷が痛んでいるようだ。したがって明後日に予定されているアラベス戦には完全な体調を望むのは無理な話。ほぼ間違いなく欠場ということになるだろう。

今のところ、セルタ戦には出場が可能と思われている。セルタはリーグ4位以内を争う直接対決の相手でもある。だがそうではあっても、リバルドの体調が100%になることが条件。そうでなければいかにセルタ戦とはいえ、彼は出場を見合わせることになるだろう。


アディオス! エウセビオ!

エウセビオ・サクリスタン、スペインフットボールの歴史の中にゴシック文字で記録される数少ない選手の一人。ついに彼にも引くときが訪れたようだ。我が栄光のバルサのユニフォームを着て、黄金時代を築いた一人の歴史的人物が今シーズンをもって引退する。

明日38才の誕生日を迎えるエウセビオは、現役選手としては最多の出場数を記録している。これまでリーグ戦に540試合出場してきた彼の記録は驚くべきものがあるだろう。なぜならスペインリーグでかつて彼より最多出場試合数を記録しているのは二人のキーパー選手だけなのだから。スビサレッタが622試合出場し最多記録を作っている。そのあとをやはりキーパーのブーヨが542試合という出場数を記録している。

彼はバジャドリの選手として1984年にデビューを飾っている。4シーズンバジャドリの中心選手として活躍したエウセビオはプロデビュー5年後にAt.マドリに移籍した。1987−88シーズンのことだ。それに目をつけたのがバルサ首脳陣。その翌年バルサの監督を務めることになるクライフの了承の元、彼を獲得した。そして彼は7年間にわたってバルサの、今となっては「ドリームチーム」と呼ばれるチームの、要の選手として活躍した。

「テクニック的にはスペイン史上もっとも優れた選手」
これがクライフの語るエウセビオ評だった。彼が誘ったファールにより得たフリーキックをクーマンがきめたことにより優勝したウエンブリーでの試合も今では語りぐさとなっている。バルサを離れたエウセビオは2年間セルタに在籍、そして故郷であるバジャドリに戻り今シーズンで5年目を迎えていた。

アディオス、エウセビオ!
我々バルセロニスタは決してあなたのことを忘れないだろう。そしてバルセロナの街はいつでもあなたに対して開いていることを忘れないで欲しい。常に笑顔を忘れず、もっとも好感が持てた選手だったエウセビオ。我々はいつまでもあなたと一緒だ。
ブエナ・スエルテ!