4月19日





リバルド、30才に

ポルトガルとの親善試合をすませ、昨日バルセロナに戻ってきたリバルド。そして今日、彼は30才の誕生日を迎える。

リバルドにとって昨日はやたらと長い一日だった。ポルトガル戦のあとリスボンに一泊し、昨日の朝の飛行機に乗ってバルセロナに帰ってきた。ポルトガル戦では50分以上プレーし、バルサドクターたちをガッカリさせていたリバルド。バルセロナに戻るやいなや、空港で待ちかまえていたジャーナリストによって、プレーしたことに関する質問が矢継ぎ早になされる。彼自身としてはプレーできる状態であったから試合に出ただけであり、監督の要請があったからポルトガル戦に出場しただけなのに、それがなぜこんなに問題になっているのか理解できなかったのであろう。憮然としてカンプノウに向かうリバルドだった。

一部のメディアが伝えた一つの事実。それはドクター・プルーナがリバルドにセレソン監督宛の手紙を持たせたということ。それは事実だ。だがその手紙の内容は伝えられているような「リバルドはリハビリ中だから試合には出さないで欲しい」というものではなく、単にセレソンのドクター宛の「リバルドの診断書」に過ぎなかった。だから彼にとってポルトガル戦で試合出場したことは自然なことだったのかも知れない。

昨日の練習が終わってから、他の選手と一緒にガスパー会長招待の昼食会に出席している。そしてそのあと、彼の日課となっている子供たちの学校へのむかえに行く。バルセロナにいるときはいつもおこなっている子供たちの送迎。移動が激しい彼らににとって、少なくともバルセロナにいるときは子供たちをむかえに行くのを日課としている選手が多い。彼もその一人だ。

昨日の夜、リバルド家は一日早い誕生日パーティーを開いた。本当は今日が誕生日のリバルドだが、午後には仲間とビーゴに飛んでしまう。だから一日早い誕生日パーティーだ。30才の誕生日。そう、リバルドは30年前の今日、ブラジルの貧しい村レシフェで生まれている。家族は貧しいながらも彼の好きなことをやらせてくれた。それはもちろんフットボール。そして30年後の今、彼は世界の頂点に立つ選手の一人となっている。その間、数多くの負傷という経験もしてきたリバルドだが、彼のモットーは自分の体がどうであれ、少なくても走ることができる状態だったら試合に出ることだ。負傷なんかいつやってくるかわからない。それがフットボール選手の宿命だと思っている。

だからレシャックがアラベス戦でベンチに置いたことには納得いかないリバルド。納得はできないけれども受け入れなければならないと思っている。レシャックの気持ちがわかるからだ。監督はユーロクラシコに100%の状態で出場して欲しいと思っている。それは理解できるリバルドだ。だがやはり試合には、相手がどこであれ出場したいとも思う。

いずれにしてもこれから残されている試合の重要性は認識している。バルサにとってシーズンをかけた総力戦となる残りのすべての試合。そのためには全力を出しきってバルサのために戦う準備が整ったリバルドだ。たとえ明日のセルタ戦にベンチに置かれたとしても決して文句は言わないだろうリバルド。だが彼の体はベンチにあったとしても心は常にグランドの中にある。

今回の「リバルド事件」は、クラブ側が想像を絶するような高額な年俸をクラック選手に支払っていようが、それでもなおその選手の権利者とはならないことを如実に示している。レシャックはアラベス戦ではリバルドを召集しながらもベンチに90分にわたって温存した。多分、明日のセルタ戦でもそうなる可能性が大きい。なぜならユーロクラシコにむけてフレッシュなリバルドを期待しているからだ。だがそれにも関わらず、セレソンはリバルドをスタメンで出場させた。エスコラリーにとってロナルド・リバルドコンビの様子を見ることが必要だったからだろう。彼の所属するクラブが「使わないで欲しい」などと頼んでも、それを無視する権利がエスコラーリにはある。だが彼の出場で、レシャックやバルサドクターが計画していた「100%リバルド」の復活はこれでオジャンとなった。

このような状況を前にしてバルサにできることは何もなかった。バルサドクターが何を要請しようがすべてムダなのだ。バルサが唯一できること、それは再びリバルドを休ませることしかないのだ。すべてユーロクラシコのために。もちろんリバルドには何の罪はない。彼はベンチで控えていろといわれればそうするしかないし、試合にでろと言われればもちろんどんな肉体的状態であろうとも喜んで出場する選手だ。隠れもしなければ言い訳もしない、それがリバルドだ。


ダニ↑、ココ↓

3か月にリハビリを乗り越えて昨日ダニが戻ってきた。当初、復帰には4か月はかかると予想されていたが、1か月も早く戻ってきたのだ。だが一方、イタリア代表に呼ばれていたココはバルセロナに帰ってきた時には既に負傷している状態だった。

昨日おこなわれた練習での主役は、ダニ・ガルシア・ララとフランチェスコ・ココの二人だった。だがはっきりと明るいニュースと暗いニュースに別れての主役となってしまった。ダニは3か月ぶりにドクターOKがでた選手、そしてココはダウンした選手だ。

1月23日に緊急手術をしたダニ。今シーズン3回目のダウンだった。まだプレシーズン中の7月27日に今シーズン最初の手術をし、3か月後にリハビリが終了している。だがそれから2、3週間後に再び負傷するというアンラッキーなダニだ。それも練習中におこった負傷だった。具体的には11月27日の出来事である。それから2か月にわたってリハビリに励んでいたダニが再び練習に戻ってきたばかりの状態でダウンする。当初、4か月と診断され今季絶望かと思われた彼だが、1か月も早く戻ってきた。

一方ココは昨日の練習には参加できない状態だった。ウルグアイ戦を前にして代表の練習に参加していたココだが、その練習中にガツッソの強烈なタックルの前にダウン。かかとを負傷してしまった。もちろんウルグアイ戦には出場できず、ベンチに90分座っていた。

ココは昨日のバルサでの練習では一人で軽いランニング程度のもので終わっている。明日のセルタ戦に出場できる見込みはほとんどないと言って良いだろう。だがバルサドクターは火曜日のユーロクラシコには何とか間に合うと見ている。

■ボナノ
パナシナイコス戦で頭を打ち緊急入院したボナノだが、昨日は元気に合同練習に参加してきている。明日のセルタ戦におけるスタメン出場は間違いないところだろう。

■アンデルソン
ボールを使っての練習に参加できるほど回復してきたアンデルソン。だが多くの関係者が見るところ、今シーズンの試合に参加できる見込みはかなり少ないようだ。しかしワールドカップでの出場には問題ない。

■セルジ
当初の見込み以上にリハビリに時間がかかっているセルジだが、ここ2、3日だいぶ回復してきているようだ。このままリハビリがうまくいけばベルナベウでのユーロクラシコにギリギリ間に合う感じとなってきている。

■ジェラール
ヒザのリハビリの最中。経過は良好にきているものの、今シーズンのプレーは不可能。

■クライハート
ロッケンバックに倒されたクライハート。アラベス戦では欠場していた。だが昨日の練習具合を見る限り、明日のセルタ戦では問題ないようだ。