4月25日




    

ガソール、NBAの歴史的選手に!

バルサカンテラ育ちのバスケット選手パウ・ガソールがNBAの新人王に選ばれた。NBAの歴史の中でヨーロッパの選手が新人王に選ばれたのはこれが初めてという快挙をやってのけたガソール。そのガソールは明日バルセロナに戻ってくる。

スポーツ選手の未来は常に不安定なものではある。思いがけない負傷や長期にわたるスランプ期間は誰にでもやってくる可能性があるからだ。だがガソールは少なくてもNBA選手1年目にして、バルサの歴史書に黄金の文字で記録されるカンテラ出身選手となった。ヨーロッパからやって来た選手としては初めてのNBA新人王を獲得したのだ。当然のことながら1年目の選手にしか獲得できない賞、今では伝説の選手となっているジャバールやラリー・バード、マイケル・ジョーダン、シャーキー・オニールなどと同じカテゴリーの道を歩むことを約束させる賞だ。

新人王はジャーナリストの投票によって選考される。126人のジャーナリストが投票する「今シーズン最も活躍した新人選手」。実に117票がガソールに与えられた。126票中の117票だ。2位のリチャード・ジェファーソンがたったの3票ということから見ても、圧倒的な差をつけての受賞だった。ちなみにマイケル・ジョーダンが新人王を受賞した1985年、彼への投票率ははるかにガソールより少ないものだった。

ガソールを信用し、シーズンを通して彼を使い続けた監督シドニーは誰よりもこの賞を喜んでいる一人だ。
「一つだけ確かなことがある。まだアメリカ人は本当のガソールを見ていない。彼はもっと凄い選手になるだろう。これまで長い監督経験でこれほどの才能と、1年目にしてこれほどのインパクトを受けた選手はいない。」

昨シーズン、バルサの選手として最後の試合を戦ったマドリ戦。リーグ優勝をかけたプレイオフでガソールが活躍したバルサは全勝し優勝している。そして優勝パレードを楽しむ間もなくトランクに最低限必要なものを詰め込み、単身アメリカに乗り込んだガソール。ドラフト3位という、これまたスペイン人選手としては初めての高いドラフト位置に入ったガソールは、それ以来バルセロナに戻ってきていない。NBAのスケジュールはスペインバスケットリーグの想像をはるかに超えた過密スケジュールだ。彼には一度たりともバルセロナに戻ってくる時間が与えられなかった。だがそのガソールが新人王という晴れの賞を抱えて明日バルセロナへ戻ってくる。約1週間のバケーションだ。


ガスパー、将来について語る

カンプノウでの苦々しい敗戦の翌日、ガスパーは逃げ隠れせず記者たちの前に姿をあらわした。90分にわたって精一杯の応援をし続けたバルセロニスタが、例え一部ではあったものの、ガスパーとレシャックに対する抗議集会を試合後カンプノウの横でおこなってきたことを知っているガスパー。だが同時に「私を元気づけてくれる人々もいた」と語る。

まずレシャックのことに関して語るガスパー会長。レシャックが先日開いた記者会見場で「私の将来はすでに自分では決めてある」と語ったことに触れ、
「彼がどのような結論を出したのか私はまだ知らない。それは今のところ彼しか知らないことだ。だがいずれにしても、来シーズンの構想について彼と話し合いを持つつもりだ。それは近いうちにおこなわれることになると思う。もし彼が監督を続けるというのなら、それについてクラブ首脳陣との会合をもって検討することにもなるだろう。」

メディア間で来シーズンの監督についてのウワサが再三のように流れている状況があるにも関わらず、いまだに具体的な方針を公表していないクラブ首脳陣。それに関して、
「我々は来シーズンにむけての準備はしている。新加入選手、放出選手、カンテラから上がる選手、その他いろいろと計画はできている。監督に関しても今のところ一人か二人の候補者が揃っている。だが今はもちろんそれらを公表すべき時ではないことを了承して欲しい。」

ガスパー政権2年目となる今シーズンだが、これまでおこなってきたクラブ首脳陣による仕事にはそれなりに満足していると語る。
「スポーツ部門で成功するかどうかはコーチ陣や選手たちの問題。我々クラブ首脳陣はタイトルを獲得したり、あるいは失ったりすることはできない。それは現場の問題だ。そして現場での結果に対する最終責任をとるのは我々クラブ首脳陣ということになる。ここ2シーズン、我々は決して満足できるシーズンをおくっていない。それはレシャックにも伝えてある。我々は大いに改善すべきところがあるだろう。」

リバルド、クライハートの将来について聞かれたガスパー。
「個人的には彼らを移籍させることには反対だ。だが彼らを起用するかどうかは監督の問題。我々クラブ首脳陣がいかに彼らの『ファン』だったとしても、監督がいらないといえば我々はそれに従うしかない。もちろんクラブの経済的問題ということもある。だが彼らはまだ契約期間が残っている選手。彼らの意見も当然聞かなければならない。繰り返すが、一人のバルセロニスタとしては、彼らには永久に残って欲しいとさえ思っている。」


●リバルド
リバルドの「完全復帰」にむけてセレソンから一人の使者がやって来ている。その名はレナット・カルバーニョ、物理療法の専門家だ。ポルトガルとの親善試合にプレーしたあとバルサの試合で再び負傷したリバルドを心配しセレソンが送ってきた専門家。ドクター・プルーナは「バルサは独自にリバルドの復帰にむけて働いている」としながらも、リバルド個人の要請もありこの専門家をカンプノウに迎えている。レナットはバルセロナに来てからわずかな日数しかたっていないものの、比較的楽観的な見方をしている。
「当面我々が目標としているのは来週水曜日のマドリ戦の出場。それに間に合うように毎日調整している。可能性はかなりあると思う。いずれにしてもワールドカップへの参加時期には100%の状態となっているだろう」と語っている。

●プジョー
ユーロクラシコには出場できなかったプジョーだが、昨日の午前中の練習には参加していた。だが合同練習に入るところまではいかず、一人軽いランニング程度の練習となっている。土曜日のビジャレアル戦出場はいまのところ非常に微妙なところ。だが少なくてもマドリ戦には間に合うという。

●ココ
プジョーよりははるかに回復しているココだ。マドリ戦では最後の段階で出場できなかったココ。無理をすればどうにかなったものの大事をとってベンチに90分。だが次のユーロクラシコには間違いなく出場可能となっている。フィーゴのマークを担当することになるココは、昨日の合同練習には参加できる状態となっている。

●レイジンハー
マドリ戦で途中交代したレイジンハーは、昨日の練習には顔をだしていない。試合中に負傷した右足筋肉の状態がよくなっていないようだ。痛みもまだ完全にとれていないというレイジンハーは1週間から10日間のリハビリが必要。ビジャレアル戦はもちろんマドリ戦での出場も危ぶまれている。

●ロッケンバック
やはりマドリ戦で途中負傷したロッケンバック。ちょうどジダーンのゴールの瞬間にはラインの外でうずくまっていた。試合後ひどくなった痛みに耐えかねて氷で冷やしたりしていた彼だが、昨日はだいぶよくなって練習に参加してきていた。だが練習を続けていくうちに痛みが再発。途中で練習を終えている。彼のビジャレアル戦への出場は監督次第。なぜならロッケンバックは何がなんでも試合に出さしてくれと頼んでいるからだ。レシャックが大事をとってマドリ戦のために温存するか、あるいは負傷者の多い今ビジャレアル戦にも出場させるか、それはレシャックの考え次第となっている。