5月2日




REAL MADRID - FC.BARCELONA

1 - 1


    

このように戦っていれば、シーズンは違うものになっていた

エスポーツ編集長
ホセ・マリア・カサノバ

敗北による傷をいやせるかどうかは別として、我々は声を大にして言えることがある。バルサは負けはしたものの、決してマドリより劣っているチームではないことを昨日の試合は証明した。誇りと自尊心を失うことなく、正面切って戦ったバルサ。だがそのバルサに欠けていたものはゴールと幸運だった。そしてマドリはいつものことながらラウールがチームの救世主となって登場した。どのような観点から見ても相手チームが優っているとは言えないのに、決勝戦に進むことが不可能になったのは悲しいことだ。ましてバルサというクラブの歴史の中に、「大逆転」として記録されることが可能な試合でもあったのだからその悲しみは倍になる。そして宿敵マドリが9回目のヨーロッパチャンピオンを獲得する可能性を見るとき、その悲しみは何十倍にもなるだろう。

昨日のバルサ、それは開始1分から90分まで、闘争心と勝利への執念そして逆転劇を信じての容赦なき戦いを挑んだチームだった。まるでバルサの選手には90分間にわたるプレーで、肉体的な疲労への恐れがないかのような戦い方をしていた。もしこのようなバルサが今シーズンの過去の大事な試合で見られたとしたら、今シーズンの歴史も変わったものとなっていただろう。国王杯をいきなり捨てることもなかっただろうし、リーグ戦でも今のような場所にはいなかっただろう。ひとりのバルセロニスタとして心から言わせてもらおう。レシャックは真剣にこれまでのことを総括しなければならないと。これまでどんなに中途半端な試合をやってきたか、どんなに選手たちのモチベーションが低い試合があったか、まるで練習試合のような感じで戦った試合が何試合あったことか。そのつけを今になって払わされているのがバルサだ。4位以内に入ることに必死にならざるおえないバルサとなっているのだ。繰り返そう。もし昨日のような試合がシーズン開始からおこなわれていれば、バルサは今のような場所にいることはなかっただろう。

もちろんそれはクライハートではあり得なかった。もちろんサビオラでもデブーでもない。そして他のどの選手でもあり得ない。それは彼のみが可能なことだった。ルイス・エンリケ、彼のみがバルサという怪物を引っ張っていく原動力として可能な選手だった。負傷上がりだというのに誰よりも走りまくり、周りの選手を激励し、そして彼のみが持つカリスマ性によりキャラクターをチームに浸透していった。決して彼ひとりが戦ったわけではないことは認めよう。だがルイス・エンリケ、彼にはカンプノウの敷地に自分の銅像を立てることを要求できる唯一のの選手だ。そしてそれを要求できないのが明らかな一人の人物、カルラス・レシャック。なぜオーベルマルスを最初から使わなかったのか。昨日の試合の結果論から言うのではない。もちろん昨日の後半に彼が出場してからも明らかではあったが、これまで何試合かの試合展開ですでに結論がでていなければいけないことではなかったか。センターリングの良し悪しには別として、オーベルマルスだけが奥行きある攻撃を可能にしてくれる選手だった。


最後まで「運」がキーポイントに

ムンド編集長
サンティ・ノラ

180分間にわたるこのチャンピオンズ準決勝を振り返ってみれば、決してマドリがバルサを上まわった試合をしたわけではなかった。だが彼らはグラスゴーの決勝戦に進んだ。それが厳しい現実となっている。バルサは決勝に進めなかったとはいえ、胸を張っての敗北と言っていいだろう。二つの要素がグラスゴーに行けるかどうかを分けた。一つ、それは決定的であった要素、運に欠けるバルサだ。

カンプノウでも、そして地元ベルナベウでも、マドリの戦いが決して勇気あるものだったとは言えない。まして惑星からやってきた、ずば抜けたチームではもちろんあり得ない。5人のディフェンスを自陣ゴール前に揃えたマドリは、それでもカンプノウで貴重な得点をあげることができた。特に2点目が彼らにとってはダイヤモンドのような貴重なものとなっている。そして昨日のバルサはカンプノウでの前半のようなゴールチャンスを再びものにできなかった。ロッケンバックのシュートをコクーが角度を変えマドリゴールを狙ったボールは、いつものようにゴールポストに直撃する。そしてその直後、チャビからボールを奪ったラウールによる素晴らしいゴールが決まる。この試合で最初のゴールを決めたチームが、その後の試合展開を決定づけることになるのは明らかだった。

二つ目の要素、それはマドリがジダーン、ラウール、特にラウールというクラック選手を擁しているのに比べ、バルサには決定的なクラックと呼べる選手がいなかったことだろう。大きな試合になればなるほどその違いを見せるのがクラックだとすれば、バルサにはクラックはいない。チャンピオンズの準決勝180分で、バルサのクラックと呼ばれるクライハートにしてもサビオラにしても1点もあげることができなかった。ジダーンはカンプノウで違いを見せた。ラウールはベルナベウでその大きな違いを見せた。だが我がクライハートやサビオラはいったいこの180分で何を見せてくれたというのか。

今シーズンだけではなくここ2、3年のバルサを見る限り、ゴールチャンスはかつてのドリームチームのようにあるのだ。だが肝心なゴールを決める選手がリバルドしかいない。ここ3年間、バルサはたった一人の選手の存在でもってきている。ゴールを、それも決定的なゴールを決めてくれる選手、それはリバルドしかいない。そこが10年前のドリームチームとの一つの大きな違いだろう。クーマン、バッケロ、チキ、ストイチコフ、ロマリオ、ゴイコ、エウセビオ、多くの選手が決定的な瞬間に登場した。だが今のバルサには大きな試合で違いを見せてくれる選手が存在しない。


レシャック「誇り高き敗戦」

昨日の試合を戦った選手たちに誇りを感じるというレシャック。チャンピオンズの決勝戦の道は閉ざされたとはいえ、胸を張っての敗戦と言いきるレシャック。だが現実は、今シーズンも一つのタイトルもとれなかったバルサであることには変わりがない。

試合そのものや選手たちのプレーに関しては満足しているというレシャックだが、敗戦という現実が重くのしかかっていることも事実だ。チャンピオンズの準決勝に敗れた。しかも相手はレアル・マドリだったのだから、その敗戦の悲しみは何十倍にも拡大される。それでもほんの少しの慰めは、マドリには決して劣っていなかったということだろう。
「カンプノウでもそうであったように、ベルナベウでの試合でも我々の方が優っていたと思う。だが肝心のゴールが入らないんでは勝てないのは当たり前のことだ。彼らは少ないゴールチャンス、それもいいタイミングでのゴールを決めることができたのに我々はゴールチャンスを作っただけに終わってしまった。この違いが180分の試合のすべてを決めた。」

決して言い訳ではないとしながらも、大きな試合で違いを見せるバルサの重要な選手リバルドがいなかったことが大きいとも言う。
「我々はこのユーロクラシコ180分をリバルドなしで戦わなければならなかった。ゴールチャンスを決める幸運さもなければ、これまで大きな試合で決定的なゴールを決めるリバルドもいなかったのだ。もちろん彼が出場できていたとしても、ゴールを決めるという保証はどこにもないけれどね。だが彼がいなかったのは一つの否定的な事実ではある。」

グラスゴーへの道は閉ざされた。リーグ戦での優勝はかなり以前から不可能となっている。国王杯は参加したのかしなかったのかさえはっきりしない。これでバルサは3年連続無冠に終わる。
「今シーズン一つもタイトルをとれなかった我々は、はっきり言って失敗のシーズンだったと総括するしかない。バルサみたいなチームにとって無冠で終わるということは失敗を意味する。だが同時に我々みたいな大きなクラブ、例えばマンチェスターやバイエルン、リバプールにしても同じことが言えるだろう。我々はリーグ戦を2試合残している。それも重要な2試合を残している。自分の将来のことについてはそれが終了してから発表することになるだろう。」


負けたバルサの選手たち

180分の試合に負けたとはいえ、胸を張ってマドリッドからバルセロナへと帰路についた選手たち。だが当然のことながら決勝戦に進めなかった悲しさと、マドリに負けた悔しさがいっぱいの選手たちだ。

■ルイス・エンリケ
体調的にはもちろん100%の状態ではなかったにも関わらず、いつものように人一倍がんばっていたルイス・エンリケ。だがそれもすべて空しく終わってしまった昨日の試合。
「すべての選手が、グランドに出たすべての選手が力いっぱい頑張った。オレ達はバルサの選手なんだ。どんな難しい試合であろうと根性と闘争心をもった戦いをしなければならない。そして昨日はそういう試合になった。だが残念なことに、そう、まったくもって悔しいことに、オレ達のファンに喜びを与えることはできなかった。それが一番悔しいことだ。」
彼にとってこの準決勝は、何かウソっぽい感じのするものだったという。180分にわたって繰り広げられた試合内容と、180分後の試合結果がどうも納得いかないと感じている。
「この引き分けの試合にしても、カンプノウでの0−2の試合にしてもオレ達の方が良い試合をしていたのはすべての人が認めるところ。多くのゴールチャンスや3回や4回のゴールポストに当たるシュートがあった。ついてない、まったくついてないと思う。」

■チャビ もし最初の1点が入っていたら・・・
僕たちはみんな頭にきている。そりゃそうだろう、180分間にわたってバルサの方が良い試合をしたんだから。それにしてもこの試合で最初の1点が我々のものだったら試合は違う展開になっていたのになあ・・・

■ボナノ ツキとは戦えぬ
我々は胸を張ってバルセロナに帰ればいいと思う。我々が望んだような試合結果にはならなかったものの、ツキがないときはこんなもの。しかもツキには誰も逆らえない。

■プジョー ボールは入りたがらなかった
カンプノウでもそうだったように、我々が支配したボールはゴールの中には入りたくなかったようだ。ゴールだけが試合結果を決めるというのにそのゴールが入らないんでは・・・

■アベラルド 同僚たちを誇りに思う
180分を通してバルサには8回のゴールチャンスがあり決めたのはオンゴールの1点。マドリは5回のチャンスがあり3回がゴールの中に入った。でも誰もバルサの選手を批判することはできない。それどころか俺はすべての選手を誇りに感じることができた。

■ロッケンバック オイは勝ちに来たばってん・・・
おいはバルサの方が強かごた気のするばってんが、どげんかね?

■サビオラ バルサとマドリの違いは正確さ
この180分の試合でバルサとマドリの唯一の違い、それはゴールを決める正確さだと思う。いずれにしても我々にとってはカンプノウの敗戦が痛かった。


勝ったマドリの選手たち

カンプノウでの0−2という結果があったにも関わらず、マドリとしても油断の許されない試合となったベルナベウでの戦い。負傷者も投入しての全力の試合を要求された。

■ラウール
試合後には多くのマドリの選手がバルサの戦いを誉めている。ゴールを決めたラウールもその中の一人だ。
「バルサの選手たちが本気をだしてやってくると本当に恐ろしいチームになる。この試合にしてもほとんど彼らがボールを支配し、試合の主導権を握っていた。それはカンプノウでの結果がああだったから当然のことではあるけれど、我々にとってはキツイ試合だった。」
この試合マドリとしては唯一の得点を記録したラウール。このゴールによって試合展開が楽になったマドリの貴重なゴールだった。
「もちろん簡単な試合ではなかったけれど、我々はカンプノウでの2点という優位さを考えての試合をした。それでも厳しい試合になってしまったけれどね。」

■フィーゴ 個人的には悪い試合だった
チームの勝利が大事なことであって、個人の問題なんかどうでもいい。さて来シーズンはどこへ行こうかな?

■ジダーン 偉大なクラブを相手に勝利した
バルサは偉大なクラブだと思う。そのクラブを相手に我々は決勝戦に進んだんだから非常に誇りに思う。これで3回目の決勝戦となる。また負けちゃうかな?

■ロベカル オレ達は頭がいいのよ〜
オレ達とバルサの違いは頭のよさ。しっかりカウンターアタックに成功しちゃったもんね!

■サルガド バルサが攻めて来たのは最後だけ
何だかんだ言ってもバルサが攻めて来たのは最後の45分だけじゃねえか。あ〜恐かった!


●トマソン、ミランへ!
つい先日一部のメディアがスクープとして流したトマソンのバルサ移籍交渉。だが実際はミランでおこなわれた交渉はバルサとのものではなくて、ミランとのものだった。昨日の朝、再びミランに飛んだトマソンはAC.ミランのドクターチェックを受け、この結果次第でミランに移籍することになる。契約期間は4年間。

●ジャルミーニャ、イルレッタの頭を殴る
昨日のミニ試合形式の練習でペナルティーの笛を吹かれたジャルミーニャ。審判をしていたイルレッタに対し強硬な抗議を続ける。イルレッタがペナルティー地点にボールを置くとそれをあらぬ方向に蹴りまだし抗議を続けるジャルミーニャ。いい加減アタマに来たイルレッタは彼にシャワー室に向かうように命令。すると突然ジャルミーニャはイルレッタに襲いかかりアタマをボコン!