5月4




個性的なバルサを目指して!

2002−2003シーズンにむけてバルサが目指す一つの目的、それは積極果敢な闘争心あふれる選手を獲得し、チームにさらなる個性を植えつけること。修羅場を踏んできた経験豊かな選手を獲得し、過去のような誤りを犯さないこと。バルセロニスタの期待を希望と夢を回復するために、タイトル獲得を目指した補強をすること。そして今、3人の補強選手の名前があがっている。

■キリー・ゴンサレス
サラゴサからバレンシアに移籍し、さらに成長したキリー・ゴンサレス。彼の強烈なキャラクターとパワーを評価しているクラブ首脳陣。左インサイドが彼の自然なポジションだとするならば、コクーやモッタとのポジション競争が激しくなる。だが彼はルイス・エンリケやコクーと同じようにいくつかのポジションをこなすオールマイティーな選手でもある。

バルサに伝わってくる彼に関する情報は、移籍に関しては肯定的なもののようだ。バレンシア監督のベニテスとうまくいっていないともいわれている。若手で成長の著しいビセンテを擁するバレンシアにとって、キリーが商品となればそれに越したことはない。

■ファブリシオ・コロッチーニ
キリーと同じようにアルゼンチン出身のコロッチーニは、ミランからアラベスにレンタルされている。そして4月30日までアラベスが保有していた彼の買い取り権利は遂行されなかった。したがって彼はいまだにミランの選手であることに変わりがない。これまでのミランとバルサの関係は特別に良い関係になっている。レイジンハー、ドゥガりー、クライハート、ボハルデ、そして最近ではココがミランから来ている。

バルサの考えているコロッチーニ獲得作戦は、今シーズンの始めにおこなったココの獲得と同じようなもののようだ。つまりレンタルでありながら買い取りの権利を保有するというもの。もしコロッチーニの獲得が現実のものとなるならば、デブーとの契約問題にも影響を与えてくるだろう。彼には1年の延長契約を提示しているバルサに対し、2年以上の契約を要求しているデブー。彼の将来はコロッチーニ次第となる可能性もある。

■フアン・セバスティアン・ベロン
マンチェスターが大金をはたいて獲得したベロンを、同じように大金を使ってバルサが獲得するのは経済的に無理な話。だが来シーズンの補強に必要な選手とあらば何らかの方法を駆使して獲得しなければならない。その一つがこれまでメディアを騒がしてきたリバルドやクライハートとのトレードという形を取る可能性がある。

マンチェスターがリバルドを欲しがっているのは今に始まったわけではない。今シーズンの始めにも80億ペセタの移籍料を提示してきたクラブだ。またクライハートに関してもマンチェスターは非常に興味を持っているといわれる。クライハート個人もいつかはプレミアリーグでプレーしたいと何回も公言している。

今シーズン、バルサにはすでに4人の外国籍選手がいることを忘れてはならないだろう。したがって上記の選手がバルサに来るためには誰かを放出しなければならないことも確かなことだ。ロッケンバックやジェオバンニのレンタル移籍も考えられるし、サビオラのスペイン国籍の取得もキーポイントとなる。だがそれらの問題は別として、補強選手の獲得にはリバルドの放出による資金繰りもキーポイントとなるかも知れない。


バンガールが要求する4つの条件

バンガールのバルサ復帰のウワサはすでに実体を形成しつつある。これまで幻だったものが具体的なものとして検討されつつあるようだ。バルサ首脳陣の中でも重要な核をなす3人の人物、つまりガスパー、クロス、ファルゲールの3人がバンガールと折衝をすませ、獲得の可能性をすでに研究している。

彼らがおこなったバンガールとの最初の接触の手応えは、決して悪いものではなかったようだ。バンガールもバルサへの復帰に関しては大いに興味を持っていると言われるし、オランダ代表での失敗の汚名をどうにかしてバルサで取り戻したいと考えているともいわれる。だがすべてのものにそれなりの値段がついているように、バンガールのバルサ復帰もそれなりの代償が必要だ。バンガールは最初の接触でバルサ首脳陣に4つの条件を出している。

1.年俸200万ユーロ(税抜き)
手取り200万ユーロというのがバンガールが提示してきた年俸といわれる。バルサにとってこの年俸に関する経済的問題はいっさいないだろう。

2.4か所の補
4か所の補強(具体的な選手ではなく、補強が必要なポジション)を要求。各ライン一人ずつ、つまりキーパー、ディフェンス、センターハーフ、フォワード。

3.リバルドの放出
これらの4か所の補強をおこなうには、経済的な意味でもリバルドの放出は大前提。バンガールも彼の放出にはいっさい反対はしないという。

4.デブー、クライハートの残留
デブーの最低1年の残留。年俸はこれまでのものと同じ条件で、しかももう1年のオプション付きとすべき。1年間に35試合以上出場した場合、自動的にもう1年残留となる条件で延長契約をおこなわなければならない。またクライハートも新たに獲得するフォワードの下に必要な選手であるから、彼を残留させること。これも条件になっているといわれる。


●サビオラ
「こういうシーズンの終わり方は予想もしてなかったし残念だ」
まだ2試合の重要な試合が残っているとはいえ、チャンピオンズではすでに敗退してしまったバルサ。リーグ戦でも優勝争いに食い込むことができず、4位以内を狙うのが目的となってしまっている。
「バルセロナに着いた時に考えたことは、一つでもタイトルをとれるシーズンとなること。でも残念ながらそれは不可能となってしまった。不安定な試合が続いたことが一番の原因だろうと思う。個人的にはバルサにもバルセロナの街にも人々にも非常に感謝している。僕はまだスタートしたばかりの選手。これからも一生懸命やってバルサファンの人々に喜びを与えたいと思う。」

●コクー
3年連続してタイトルなしのシーズンを送ることは辛いというコクー。この不本意な成績の責任は、バルサに関係するすべての人々にあるという。
「すべてがうまくいかなかった感じ。それはもちろん我々選手、コーチ陣、そしてクラブ首脳陣が責任をとらなければいけないと思う。今シーズンは確かに若い選手たちが大勢いたから、チーム総体としてまとめていくのは難しかったかも知れない。彼らが学ばなければいけないことは沢山あるし、長い目でみてあげないといけないことも事実。それでもバルサはシーズン一つはタイトルをとることを義務づけられているクラブだからね。そういう意味で失敗のシーズンといってもいいだろう。」

●セルジ
2か月近くのリハビリからようやく戻ってきてのマドリ戦で再び足首を痛めたセルジ。今シーズンは彼にとって最悪のものとなってしまった。残りのリーグ戦2試合はもちろんのこと、ワールドカップ出場もこれでほぼ絶望的と見るバルサドクター陣。彼らがセルジに勧めているのは思い切って手術をすることだ。もし手術をするとなると2か月は再びリハビリに励まなければならないことになる。手術が最良の方法と判断するドクターたちだが、最終的な結論はもちろんセルジがだすことになる。

●リバルド
昨日の練習はリバルドにとって最後のテスト。もしこの合同練習を何の問題もなく終了できたのなら、エスパニョール戦の出場も可能かも知れないと思われていた。だが練習終了後にリバルドとドクター・プルーナの話し合いで、結局エスパニョール戦への出場は無理という結論に達した。まだ完全に痛みがとれないというリバルド。ミニ試合に参加したものの、全力疾走はほとんど無理な状態だった。ドクター・プルーナは試合にでることができたとしてもその危険性は非常に大きいと判断。まだまだリバルドのリハビリは長引きそうだ。

●その他の選手
フィーゴの無理矢理タックルで負傷したココ。痛みはまったくとれていない。足を曲げることさえできない状態だ。もちろんエスパニョール戦は欠場。やはりマドリ戦でヒザの負傷をしたロッケンバックは昨日の練習には参加せず、一人ランニングだけで終わっている。だが明日の試合には出場できそうな見込み。またガブリも昨日の合同練習には参加できなかった。彼もヒザに問題を抱えており、明日の試合も微妙なところとなっている。また唯一明るいニュースは来週の月曜日にはアンデルソンが戻ってくることだ。その日にはドクター許可がおりる予定となっている。