5月10日




リバルドの真実

リバルドにとって今シーズンの悪夢を忘れるのには相当の年月が必要となるだろう。シーズンが終わりをつげようとしているのに、いまだに彼のリハビリは見通しの立たないものとなっている。最終戦となる明日のサラゴサ戦にも出場が不可能なリバルドにとって、ワールドカップが唯一の見せ場となる。だがそれも完全な体調で出場できる見込みは少ない。

彼にとって今シーズンのバルサ選手としての最終戦は4月20日のセルタ戦となってしまった。片足を引きずりながらのゴールが彼にとって最後の、今シーズンにあげたわずかなゴールの最後のものとなってしまった。そして明日のサラゴサ戦には彼は出場しない。それは危険が大きすぎるからだ。まだ痛みが完全にとれていない上に、もし悪化するようなことがあれば手術も必要となりそれは彼の引退も意味することになる。もちろんリバルドは心配している。彼の右足ヒザはもうボロボロの状態だということを誰よりも知っているからだ。

だがリバルドの心配事はさらに増えることになる。バンガールの監督就任は彼のバルサ生活の終わりを意味してもおかしくないからだ。かつてバンガールがバルサの監督であった時に、すでに彼とは何回も衝突している。しかも彼がガスパーに提出した放出リストの一番に彼の名前もあがっている。そんなリバルドに彼の重大さを世界中に示す場はワールドカップとなっている。完全な体調では出場できないだろうが、この大ステージで彼は最後の意地を見せようとしている。

■オファーのないリバルド
リバルドの
1年目、51試合に出場し28ゴール
2年目、48試合に出場し29ゴール
3年目、50試合に出場し23ゴール
4年目、53試合に出場し36ゴール
そして今シーズン、彼は33試合に出場し14ゴールしかあげていない。
去年の今頃、リバルドにはヨーロッパ中のクラブからオファーがあったと言っても大げさではなかった。だが今の彼にオファーを出してきているクラブはない。バルサに正式オファーとしてきているクラブは一つもいない。彼がバルサから移籍することが可能となるのは、トレードの交換要員の選手としてのみというのが現状だ。

■リバルドの心配事
サラゴサ戦にも間に合わなければ、来週におこなわれるカタルーニャ代表との親善試合への参加も危ぶまれている。今の彼の一番の目標は、ワールドカップでの試合にできるだけ完全に近い体調で出場できるようにすること。ワールドカップというステージが、彼にとって最後の晴れの舞台の可能性でもあるということを知っている。それは彼自身がブラジルの雑誌にすでに告白していることでもある。もし負傷箇所が悪化するようなことがあれば、フットボール選手として最後の瞬間を迎えなければいけない可能性を。そんな彼に唯一できることは、バルサドクターやセレソンドクターの用意しているカリキュラム通りにリハビリを続けることだけだ。

■リバルドの将来
バルサとの契約期限があと1年しか残っていないリバルドをクラブが売ろうとしても何の不思議もない。彼がクラブにとって「商品」としての価値がまだ残っているのは今年のオフシーズン期間中のみだ。来シーズンが終わった段階では彼は自由契約となってしまう。そこへバンガールの監督就任だ。多くの関係者がリバルドの将来は遠くバルサから離れていると考えるのは自然であろう。だがリバルドはバルサに残ろうとしている。信じられない話だが彼はバルサに残ろうと思っているのだ。バンガールとの個人的戦いを必要とされるのならそれも仕方がない。だが可能な限りバルサに残る道を模索しようとしているリバルド。もちろん厳しい現実が待っていることは十分承知している。


フィーゴ発言に応えるクライハート

ルイス・フィーゴがマドリに移籍した理由の一つを「チャンピオンズのタイトルを獲りたいがため」と発言したのに対し、クライハートはバルサでチャンピオンズのタイトルを獲るのが自分の目標だと答えている。

ルイス・フィーゴとパトリック・クライハートの違い、それは明らかだ。フィーゴはタイトルを獲るために(もちろんユーロをいっぱい稼ぐためということが最優先事項ではあるが)どこのクラブでもかまわないからそれの可能性の強いところに移籍したのに対し、クライハートの願望はバルサでチャンピオンズのタイトルを獲りたいと考えるところだ。
「フィーゴがそう言うんなら俺は別に彼に対してどうこう言うこともないよ。好きなようにすればいいさ。俺はバルサでタイトルを獲りたいと思っているだけで、彼はどこのクラブでもいいからとにかくタイトルを獲りたいと言うことなんだろう。それだけの話しさ。」

彼は来週の水曜日におこなわれるチャンピオンズの決勝戦でもしマドリが負けてもそんなに喜びはしないだろうとも言う。なぜなら一番大事なのはバルサであって、マドリがどうしようと関係ないと言う。
「両方とも強いチームだけれど、俺はレバクーゼンが勝ちそうな気がするな。まあ来週になればわかることだけれど。」

もちろん最近メディアの間で流れる「放出候補」選手の一人であることにも触れる。
「いいかい、それは俺だけが真実を知っているんだ。俺が知っていること、それはクラブ側からいっさいそういう話しは俺のところに来ていないこと。しかも当人の俺が出ていかないって言ってるんだから、これ以上はっきりしたこともないんではないかい?」

放出選手や補強選手の話題であふれている最近のメディアだが、ここに来てバンガールの来シーズン監督就任話しも加わってきた。まだ大事な試合が残っているこの時期に、そんなことがウワサとしてでも出るのはおかしいと考えるクライハートだ。
「普通じゃないよ。明日のサラゴサ戦は来シーズンに俺たちがチャンピオンズに参加できるかどうかという大事な試合なんだ。それなのに俺に質問してくることは、やれ放出選手がどうのこうの、バンガールがどうのこうの、そんなどうでもいいことばっかりだからね。俺の監督はレシャック。そう、レシャックが俺たちの監督なんだよ。」



バンガール、2年契約

来週の月曜日、5月13日がバンガールがバルサに来るかどうかのキーポイントとなる日だ。

多くの関係者が見るところによれば、来週の月曜日にバンガールは正式書類にサインすることになる。これまでガスパー会長と何回かおこなってきた接触により口約束であったものが、正式な監督就任として現実化する。今日の段階において、この月曜日の正式就任はセレモニーのようなものだ。公式に発表されてはいないものの、バンガールの監督就任はすでに既成の事実である。来週末が過ぎれば無効となるといわれているこの「口約束」だが、週末をまつまでもなく現実化するのは明らかだ。そして彼の正式プレゼンテーションは17日の金曜日となる。ブラジル代表対カタルーニャ代表のおこなわれる17日に、彼が正式に来シーズンからのバルサの監督となることが発表される。

第一次バンガール政権と違うところは契約期間が2年ということだ。前回は3年契約でその後の2年のオプション付きというものだった。だが年俸に関しては同じもの、つまり3億ペセタといわれている。

バンガールにとってこのバルサへの回帰は、監督人生の勝負を賭けたものだと親しい友人に語っている。かつて3年間の第一次バンガール政権は、中途半端に終了してしまったことを非常に悔やんでいるようだ。だが成功への条件はかなり前回の方が上まわっている。なぜなら彼を全面支持したヌニェスはもういないこと、そしてクラブの経済的問題により彼の望むすべての選手の獲得までには至らない可能性があることだ。

だがそれでも有利な面ももちろんある。現在の選手たちを見てみればほとんどが彼が去った時のメンバーでもあり、各選手の特徴は知り抜いているバンガール。しかもバルサベンチを仕切るのがいかに難しい仕事かということも理解している。だが問題は彼の復帰を喜んではいない選手もいることだ。

我々ムンドデポルティーボが知るところによれば、リバルドは放出リストに載っていない。これまで我々も含めて発表してきたリバルドの放出案をバルサ首脳陣は考えていないようだ。それはどのように理解すればいいのだろうか。想像の域を出ないが、一つは彼の代わりになるような選手が獲得できないこと、そしてもう一つは彼の年俸を払うことができるクラブがないこと。したがって金銭移籍や交換トレードがかなり難しい状況になっているということか。だがバンガールの復帰が間違いない今、彼がリバルドを受け入れるとは思えない。セルジやアベラルドは放出されたとしてもルイス・エンリケは放出することはできない。そして今、またリバルドという選手が残ることになるとバンガールと衝突する選手が一人増えることにもなる。

いずれにしてもバンガールの復帰はいまだにバルセロニズモの中で大衝撃となっている。人それぞれによってこの復帰の受け入れが違ってきているのは当然のことだ。当社がおこなっているアンケートによれば賛成・反対がそれぞれ見事に50%と別れている(カピタン注・エスポーツ紙によれば賛成42%、カタルーニャラジオによれば賛成29%)。彼の家族や友人たちは危険性を考えて今回の復帰に反対しているといわれている。だが余程の変化がない限り、3、4日後にはバルサの監督に就任することになるだろう。


●意欲に燃えるコロッチーニ(エスポーツ)
バンガールが来週に正式発表されるまでは、コロッチーニの獲得もまたなければならないバルサ。来シーズンの監督となる彼の正式な了承が必要なのは当然ではある。だがバルサがコロッチーニを獲得するというニュースは彼のところにはすでに届いている。その日をクビを長くして待つコロッチーニだ。
「バルサはスペインの中だけではなく、ヨーロッパの中でも何本指に入るビッグクラブ。まだ代理人からは何も言ってきてはいないけれど、一日も早く入団が決まれば最高。サビオラとも再会できるし、夢のような話しだ」

●コロッチーニ、At.マドリへ(ムンド)
コロッチーニは日増しにバルサから遠のいてきている。At.マドリは彼の所属するミランとの直接交渉に入っており、移籍の合意に達するのは時間の問題と見られている。新監督が正式に決定するまで補強選手に関しても最終決定ができないでいるバルサは、At.マドリに遅れをとってしまった。今のところ唯一確かなことは、彼はもうミランには戻らないこと、そしてスペインにクラブでプレーすることだ。At.マドリとの契約期間は5年間になると伝えられている。

●怒り狂うストイチコフ
はっきりとものをいうのがストイチコフ。アメリカでバンガール監督就任の可能性を知った彼は怒り狂うと共に、悲観に暮れている。
「いったいどうなってしまったんだバルサは? バルサ首脳陣はみんなバカか? オレはこのニュースを知ってからというもの、いまだに何が何だかよくわからない。バンガールってあのバンガールだろ? 世界中で一番優れていると思っちゃってるあの男だろ? オランダ代表で恥知らずにも失敗したあの男だろ? ニヤニヤと気持ち悪い顔してバルサを出ていったあの男だろ? バルサとカタルーニャを侮辱して出ていったあの野郎だろ? あのスカシッペ野郎がまた戻ってくる? オレは決めた。もしヤツが監督になったらバルサソシオを辞めるんだ。オレの金がアイツのところにいくなんて想像しただけでも胸くそ悪いからな。プン、プン、プンだ!」

●グアルディオーラ、ローマのウワサを否定
昨日多くのイタリアメディアに登場したペップのローマ移籍。ローマが彼に興味を示している事実は認めるものの、具体的な移籍問題にはいまのところなっていないと語る彼の代理人のオロビッチ。ペップのところに来ているオファーはローマだけではなくいくつかのイタリアクラブ、そしてプレミアリーグに所属するクラブ。ペップの意向はイタリア国内よりもイギリスに向けられているという。