5月19日



     

カンプノウ、お別れとフィエスタ

カンプノウ、世界に誇る偉大なスタジアム、神話クバーラに最後のお別れを言うステージとなった昨日は、同時にカタルーニャ代表がセレソンを相手に感動的なフィエスタを提供する場所ともなった。代表の試合としては初めての9万人以上の観衆がかけつけた、歴史的な、そして偉大なフィエスタがおこなわれた。


アディオス、クバーラ!

クバーラに最後のお別れを言うために、1万5000人以上のの人々がカンプノウの礼拝堂に押し寄せた。カンプノウ、45年前にクバーラ人気によって建設を義務づけられ、それが可能となったスタジアム。それまで使用していたラス・コーツス・スタジアムでは、収容能力の問題で多くのバルセロニスタがスタジアム外でのラジオ観戦が強いられた。

この日にお別れの挨拶にかけつけた人々、それは政治家から、フットボールクラブ関係者、ソシオ、そして多くの彼の友人たち。クバーラは間違いなく満足しているに違いない。そして多分クバーラにとってもっとも嬉しかったこと、それはこの日にカンプノウに来たマドリ会長のフロレンティーノに対するバルサソシオの暖かい拍手だろう。なぜならクバーラほどフェアプレーを愛した人物はいなかったのだから。彼にお別れを言いに来たフロレンティーノに対する感謝と、あるいはそれ以上にマドリの会長を暖かく迎えたソシオに感謝しているだろう。ライバル意識はグランドの中で躍動するものの、一度グランドを離れればその意識は仲間意識と変わる、それがクバーラだった。

クライフ、バンガール、ヌニェス、ガスパー、フロレンティーノ、ロベルト・カルロス、多くの人々が集まり挨拶をする。お互いの「違い」などというものはクバーラのお別れの前には小さいことだ。クバーラが残した財産はバルセロニズムの結集だけではなく、スポーツ界そのものの団結だった。


フィエスタ、カンプノウ!

カタルーニャ代表は1−3でブラジル代表に敗れた。だがその結果はどうでもいいことだろう。相手は3回も世界チャンピオンになっているブラジル代表。誰も試合の結果を見に来たわけではない。誰一人として試合結果でこの試合の評価をかえることはなかった。なぜならこの試合はカタラン人にとってフィエスタとなる試合だったのだから。

9万6700人の魂がカンプノウを揺さぶる。これまでの最高入場者数が昨年のチリ戦で記録された6万人だったことから見ても、この日のフィエスタはこれまでにない大きなものとなっていた。この日のチケット窓口に売り残されたチケットはわずか1000枚にすぎなかった、この記録を破ることはほぼ不可能と言って良いだろう。


バンボメル

バンガールは一昨日の記者会見を終了し、休む間もなく来シーズンのニューバルサの構築に向けて動き始めている。そして彼の補強リストの中にバン・ボメルが記入されている。

バンガールは慎重に動いている。何人かの選手の放出や獲得を慎重におこないたいと考えるバンガール。だがバンボメルのことに関しては誰よりも知り尽くしているバンガールにとって、彼は非常に興味ある選手の一人となっているようだ。
「確かにバンボメルは来シーズンからの補強選手リストに入っている選手。彼自身もバルサに来ることに興味を示していると聞いている。彼のことはよく知っている。オランダ代表にデビューさせたのは私だからね。だがいずれにしても、私たちが今おこなっていることは各ポジションの検討だ。どこのポジションどのような選手がいて、もし補強をしなければいけないのならどのような選手が市場に出まわっているかということを検討している段階。したがってバンボメルはそのような選手の中の一人にすぎないことも確かなことだ。」

そして彼の第一コーチとなるアンドリエス・ジョンケルに関してもコメントしている。
「多分、現在のフットボール界では彼のことを知っている人物は少ないだろうと思う。特にバルサでは彼のことを知っている人物は皆無に近いだろう。私がオランダ代表に彼をコーチとして呼ぶ前は、彼はオランダリーグの2部のチームを指揮していた。まだ若いコーチだが、才能にあふれる人物だ。」


ペップ、秘密の手術

グアルディオーラは誰にも知られることなく、5月2日にバルセロナで手術をしていた。彼の信頼するドクターであるクガット医師により、負傷した箇所を完全に治療するために秘密の手術をしていた。

5月2日深夜、バルセロナにあるエル・ピラール医院でクガット医師のもとにグアルディオーラは手術を受けた。シーズン終了間際に右足ヒザを負傷したグアルディオーラはすぐにバルセロナに戻り、彼の信頼するクガット医師に相談していた。クガット医師の診断では二つの治療方法が告げられていた。一つは保守的なもの、つまり負傷箇所を固定してとりあえず様子を見ること、もう一つはもっとラジカルの方法、つまり思い切って手術して負傷箇所を根底から治療してしまうというもの。そこでグアルディオーラがとった決断は手術をするというものだった。

だがこの手術は秘密裏におこなわれている。クガット医師とピラール医院にこの手術を機密事項として処理するように依頼しているからだ。今となってはすでに99%の確立でローマ入りが確定している彼だが、その時点ではどのクラブともまったくの白紙状態。したがって彼に興味を抱いているクラブとの交渉をスムーズにおこなうため、どうしても秘密にしておかなければならなかった。

手術は成功、彼のリハビリ期間は1か月とみられている。つまりワールドカップが中盤にさしかかっている時期には、グアルディオーラは練習を始められる状態となっている。


マドリ、夏のバーゲンセール

フロレンティーノとバルダーノが出した結論、それはスター選手に加えてカンテラの起用によりチーム構成をしていくこと。それには中途半端な選手の放出をこの際思い切っておこなわなければならないこと。そして今、1ダースほどの選手が市場に回されようとしている。

■イバン・カンポ
彼のこここれまでの起用のされ方を考えれば、カンポにマドリでの未来はないことは明らか。マジョルカに戻る可能性が一番強いと言われている。マドリディフェンスの悩みのタネが消えることも意味する。

■カランカ
かつてのルイス・エンリケと同じようにバルダーノに追われることになるカランカ。契約更新内容でもめてフリー状態の彼にデポールが興味を示している。

■ジェレミ
あと2年の契約が残っているとはいえ、デルボスケのプランには入っていない。ワールドカップでどのくらい活躍するかによって移籍料がはじき出される。負傷しない限り販売中。

■セラーデス
2年間のマドリ選手として、少なかったチャンスをものにできなかったセラーデス。2005年まで契約があるとはいえ、彼もまたデルボスケのプランに入ってはいない。

■フラービオ
2年前に40億もの移籍料で入団。負傷に泣かされたファビオだが、彼もまたチャンスを活かしきれなかった選手。半額で販売中。

■マケレレ
デルボスケにとっては常にスタメン選手であったにもかかわらず、クラブの財政的問題で売り出し中。彼にオファーを出すクラブは山とあるようだ。彼もまた商品の一つに過ぎない。

■サビオ
もうマドリに来て5年になるサビオ。来年に契約が切れるため、この夏には売らないと賞味期限が切れてしまう。

■ムニティス
サンタンデールとの試合に負けたあとに急に思いついたムニティス獲得アイデアはやはり失敗だった。特別バーゲンセール中。

■コンゴ
この選手の存在を知らないメレンゲもいるという。いったいどこから来た選手なのだろうか。そしてどこが受け入れるのだろうか。夏のミステリー選手。

■マクマナマン
契約切れとなった選手としてやってきたマクマナマンの年俸は7億ペセタ。常にベンチにいる選手にさすがのマドリも7億はもったいないと考えたのか、現在セール中。

■モリエンテス
マドリの唯一の「9番」選手。だが負傷が多い上に、調子の波が激しい。彼もまたデルボスケの起用法に疑問を持ち、マドリに多くいる反逆選手の中でも「9番」となってクラブと戦っている。

■ロドリゴ
98−99シーズンにマドリに入団し、1試合も出場していない記録的な選手。バジャドリ、スポルティング・リスボアなどにレンタル。だがもういい加減売らないと元が取れない。イヤ、もうすでに元は取れない。