5月20日




動き出すバンガール

カタルーニャ地方は祭日となっている今日、バンガールは自宅で来シーズンのプランを練っている。そして明日からカンプノウの彼のオフィスで、本格的なニューバルサの船出が始まる。バンガールがしなければならないことは山のようにある。元コーチ陣との話し合い、放出選手・補強選手の具体化、そしてプレステージのプランニング。明日から本格的に動き出す第二次バンガール政権だ。

■レシャック
バンガールが最初に予定している会合はテクニカル・ディレクターとなったレシャックとのものだ。バンガールが知りたい情報は今シーズンにバルサに在籍した一人一人の選手に関するレシャックの評価。この情報を得たところで、来シーズンへの放出選手や補強選手の最終的な決断をするのがバンガールの考えだ。

■コーチングスタッフ
コーチングスタッフで唯一決定しているのはオランダから来るジョンケル。バンガールがサブコーチとして今シーズンのスタッフの中から誰かを選ぶのか、あるいは一新して彼の信頼する人物をクラブ外から呼んでくるか。

■バルサB
バルサの下部組織の責任者であるホアキン・リフェとの会合も彼にとっては重要な意味を持つ。バルサBでプレーする選手次第で放出選手や補強選手のリストも変わってくるだろう。第二のチャビやプジョーを出現させたいバンガール。候補選手としてはババンジーダ、トラッショーラス、ナバーロ、ナノ、イニエスタなどが上がっていると言われる。

■クラブ首脳陣
以上のような会合がすべて済み現在バルサが抱える選手に関する情報が入ったところで、バンガールはクラブディレクターのファルゲールとの会合に入る、目的はクラブの財政状態を確認すること。そしてその後、会長のガスパーとの最終的な会合が持たれることになるだろう。

■解決しなければならないテーマ
・アベラルド
負傷から立ち直り見事に復帰したアベラルドはすでに32才となっている。彼に訪れる二つの可能性、一つはバルサと延長契約、もう一つはヒホンに戻ること。
・セルジ
アベラルドと同じようにガスパーは延長契約を提案している。だが彼の場合もすべてバンガール次第。延長するかあるいは他のクラブへ移籍することになるか。
・デブー
彼の状況は何も変わっていない。クラブは1年の延長契約を提案し、デブーは2年を要求している。週末にデブーのマネージャーと会合しているバンガールがどのような結論をだすか。
・ココ
現在もミランとの交渉が続いている。バルサ側が提案している移籍料の値下げ案をミラン側がのむとは思えない。それはインテルがココを狙っているからだ。

■移籍
・ドゥトゥエル
ドゥトゥエル本人とフランスのクラブであるRENNESとの合意はすでについている。またクラブ同士でも移籍料3億ペセタとして合意がなされている。最終的にバンガールがゴーサインを出すかどうかにかかっている。
・アルテッタ
来シーズンからの4年契約・バルサ側に買い戻し権利つきの条件でレンジャースへの移籍が内的している。移籍料15億ペセタ。

■補強
●キーパー

・ラメ(ジロンディンス)
レシャックの推薦でバンガールがOKを出したキーパー。すでに基本的な合意はなされているが、彼は契約書にサインする前にバンガール本人と個人的な会合を持つことを希望しているといわれる。
・エンケ(ベンフィカ)
彼もレシャックの補強リストにあった選手だが、バンガールは彼のことをいっさい知らない。来シーズンはスペインリーグにくることになるだろうが、バルサという可能性はほとんどなくなっている。

●ディフェンス
・エウラ(ニース)

フランス2部リーグで最優秀左サイドバックの選手に選ばれた21才。まだヨーロッパでは名の知れていない選手だ。バルサスカウト陣から送られてきた報告によってバンガールが検討しなければならない選手。もちろんバンガールは彼のことを知らない。
・カンナバーロ(パルマ)
7年間パルマでプレーしてきたカンナバーロは移籍を要求しているといわれる。バルサにも彼の代理人からオファーが来ている。コロッチーニ獲得がなくなった今、それに変わる一つの可能性ではある。
・ネスタ(ラッチオ)
ネスタ獲得の最大の障害は、その異常なまでに高額な移籍料だ。バルサが彼を獲得する可能性があるとすれば、バンガールの決断次第とはいえ、リバルドとの交換もあり得る。

●メディオカンポ
・ファンボメル(PSC)

PSVでキャプテンを務めた25才の彼がバンガールの獲得第一希望選手。今のところ、来シーズンに向けた補強選手の中では一番現実性を持つ選手だろう。
・キリーゴンサレス(バレンシア)
他の選手の獲得にオーベルマルスが交換要員選手として移籍した場合、左のポジションを埋めるのにバンガールお気に入りの選手。バレンシアは20億で彼の移籍を認めるという。
・シードルフ(インテル)
もちろんバンガールにとって紹介などいらない選手。明日にでもインテルの会長がバルセロナに来て交渉に入るという噂も流れている。
・ベロン(マンU)
ガスパーが個人的に狙う選手の代表がベロンだろう。バンガールが最終的に決断を下すことになるのはもちろんだが、高額な移籍料問題や交換要員選手の問題などが山積みとなっている。

●デランテーロ
・クレスポ(ラッチオ)

バルダーノも狙っているといわれるクレスポ。ゴール間際での決定力が欠けたバルサに必要な選手ではある。
・ハッセルバイン(チェルシー)
クレスポ獲得に失敗したときに、第二候補として浮かび上がってくるデランテーロ。バンガールはもちろん彼のことを良く知っている。
・ピオッホロペス(ラッチオ)
バンガール第一政権の時に、バルサに苦々しい経験を何度もさせた張本人。バンガールお気に入りの選手の一人だ。
・ロナルド(インテル)
バルセロニスタにとっては夢の選手だが、現実的に彼の獲得は不可能と言って良いだろう。高額な移籍料問題に加えて、負傷から本当に立ち直ったのかどうか、ワールドカップの成績次第となる。


●フィーゴ半額セール中
6000万ユーロから3000万ユーロへ。バルサから獲得した時の移籍料の半分でフィーゴが売りに出されている。散々なシーズンとなったフィーゴに対し、フロレンティーノとバルダーノは今を逃しては元がとれないとばかりに、必死になって彼の移籍先を探している。

●ルシオ「いつかはバルサで」
昨シーズン、バルサに片足を踏み入れていたものの最終的にリバクーゼンへ移籍したルシオ。それでもいつかはバルサでプレーしたいと語る。
「カンプノウのようなスタディアムでプレーするのが夢だった。だがリバクーゼンはバルサよりも2か月も早く移籍に関する交渉をしてきていた。ちょうどバルサのオファーが届いたときにはすでにリバクーゼンと最後のつめをしている段階だった。でもいつかバルサでプレーしたいと思う。」

●バサー、バルセロニスタの団結を
バンガールの監督就任とガスパーのやり方に反対の意思表示をしていたバサーだが、すでにバンガールの監督就任が事実となった今、すべてのバルセロニスタが団結して彼を応援していかなければならないと訴えている。
「危険に満ちた賭けではあるが、もうバンガールが監督となってしまった以上、我々はすべてを忘れて彼を応援していかなければならないと思う。」

●リケルメ、ボカ首脳陣を告発
リケルメがバルサとの合意に達し、すでに細かい契約段階にまで入っていたことを認めている。だがそれが現実化しなかったのは、ひとえにボカ首脳陣の責任であるとして彼らを追及している。
「ボカの態度の変化がすべてを壊してしまった。彼らのやったことは信じられない。自分の家族の安全性を考えたり、クラブに対する不信感などでもうアルゼンチンではプレーする気はない。もし自分にヨーロッパでプレーする自由を与えてくれないのなら、引退も覚悟している。いずれにしてもボカでプレーすることは二度とないだろう。」

●モストボイ、ワールドカップ出場危ぶまれる
先日おこなわれたロシア代表対ユーゴスラビア代表との親善試合で負傷したモストボイのワールドカップ出場が危ぶまれている。今日の精密検査ではっきりするものの、ロシアドクターは悲観的だ。いまのところ4週間のリハビリが必要とされているが、いずれにしても今日の精密検査ですべてが明らかになる。