7月8日

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旅の準備は整った!

リケルメはいつでもバルセロナに旅立てるように、最低限必要な荷物はすべてトランクに詰め終わっている。あとは、ボカからの連絡またはバルサからの連絡を待つのみになっている。果たして彼の携帯電話が鳴るのは今日か、あるいは明日になるのだろうか。

だがリケルメにとって連絡は早いに越したことはないものの、今日だろうが明日だろうが大した問題ではない。時間がどんなにかかろうと交渉がうまくいくことが問題だ。これまで1年もこの日が来るのを待ったのだから。

ブエノス・アイレスから30km離れたヌエボビベロ・デ・ドントルクアトに住んでいるリケルメ一家。奥さんのアナベラと娘のフロッピと共に今では静かな生活を送っている。彼のバルサ入団の固い決意は、すでにボカでの練習も拒否させている。ボカ会長のマウリシオ・マクリとの悪い関係は以前のままだ。この2、3日、電話が鳴るのを待つこと以外彼がしているのは体調を整えるためのジムがよいだけだ。

彼の弟の誘拐事件に強いショックを覚えたリケルメは、わずか2か月前にはフットボール選手としての引退も考えていた。もしアルゼンチンを、ボカをでることができないならば、それこそ引退も考えていたリケルメだ。だが今となってはそれも遠い過去の話し。バルセロナへ向かう旅の準備はすっかり整ったリケルメ。バルセロナの空港では去年サビオラが到着したような興奮状態の歓迎風景が見られるのはもうわずかだ。

誰もが望まない大きな変化がない限り、リケルメはバルサの選手となる。多くの関係者は昨夜の交渉場所をローマとしているものの、パリかも知れないし南フランスのレウスという可能性もまだ否定できない。いずれにしてもバルサ統合ディレクター・ファルゲールをバルサ代表とし、ボカ側、リケルメ側との難しい交渉をうまく進めているようだ。もちろん交渉中は、バルサ会長ガスパーとの連絡も途絶えることはなかったといわれる。リケルメ獲得という非常に難しいミッション、それはこれまでのアルゼンチン選手獲得の歴史を見てみれば明らかだ。マラドーナ、サビオラ、誰をとっても簡単な交渉ではなかった。だが、そう、最後の最後に来ての思わぬ否定的な事態が起こらない限り、リケルメは来シーズンからバルサのユニフォームを身につけることになるだろう。そしてプレゼンテーションは明日の火曜日となる公算が大きい。