7月30

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 日曜日

カピタン・エンリケ

2年前の夏、ルイス・フィーゴはそれまで在籍したクラブの永遠のライバルのチームへと移っていった。しばらくしてからグアルディオーラは未だ見ぬ文化を求めてイタリアへと冒険に出ていった。今シーズンはバンガールの復帰によりセルジとアベラルドが後ろ髪を引かれながらクラブを去っていく。リバルドは気がついてみればミランの選手となっている。そして今、ルイス・エンリケがバルサのカピタンとしてバルサ選手の頂点に立つ。


カピタンに選ばれた意味は?

ある意味で非常に特別なことだ。バルサという偉大なクラブの選手たちやチームを代表することを意味するわけだから。昨シーズンも何回かカピタンマークをつける機会があったから、その重みはわかっているつもりだ。ただあの時はセルジが故障していたり、アベラルドがやはり故障していたから俺に順番が回ってきたんだけれど。第一カピタンとして選ばれた今年はこれまで以上に一生懸命やらんと。

例えば優勝カップを上げるとか?

もうすべてのカップを両手高々と上げている姿を想像してる。難しいシーズンであることは間違いない。でもオレ達は希望とやる気だけは誰にも負けない自信がある。バルセロニスタと一緒に今年こそは大きな喜びを分かち合わないと。

でも今シーズンはリバルドがいない。

リーボーはいないけれど他にも素晴らしい選手がいるじゃないか。リーボーは確かにクラックと呼ばれるに相応しい選手だったけれど、新しくやって来た選手や前からいる選手が力を合わせれば、これまで3年間できなかったことが可能となるはずだ。これまでのところオレ達の団結心は非常に固くなっている。今年は期待できるぜ。

リバルドの放出劇はカピタンのあなたにこれまで以上の責任感が覆い被さるということか。

そんなことはないさ。それは大きな間違いというもんだ。俺の責任感はいつも同じ。リーボーがいたときやロナルドがいたときとな。俺は状況がどうであれ自分の持っているものをすべてグランドでだすことしか知らない選手。誰がいようといまいと責任感に関しては同じ。しかしそれは俺だけじゃないだろう。すべての選手が己の責任を背負ってやっているわけだし、それができないヤツはバルサにいる資格がない。

これまでの同僚が一人一人減っていきますね。

そう、その通り。あまり嬉しいことではない、というかやはり悲しいことだ。これまで個人的につき合ったきた友人と離れることになるわけだから。一番つらいのは練習が始まる最初の日だ。控え室に行くだろ、そこにはセルジやピットゥ(アベラルド)の姿がない。その前にはペピーノ(グアルディオーラ)の姿が見えなくなった。そしてその前にはフィーゴの姿がなかった。現実を受けいれるのにはいつも時間がかかるもんだ。それでも俺は自分が幸せで恵まれている人間だと思っている。自分の好きなクラブで自分の好きなことがやれるんだから。

さてバンガールシステムのどこに食い込むことができると思いますか?

3か所の攻撃的なポジションならどこでも。あるいは左右のインテリオールかも知れない。クルイベル、リケルメ、サビオラは素晴らしい選手だがシーズンはいつものことながら長い。誰にもチャンスがやって来るんだ。そしていつも俺はレギュラー選手になってきた。今シーズンもできる限り可能な試合数をこなしていきたいと思う。


君もカピタン

選手たちによる投票で決められたカピタンはルイス・エンリケだった。そして2番目にコクーが選ばれた。そして3番目のカピタンはバンガール自ら選んだプジョー。新監督の絶大な信頼を得ているカルラス・プジョーには5番の背番号が用意されている。


おめでとう!

いやいや、カピタンはルイス・エンリケだということを忘れてはいけないです。チームにはカピタンは一人、それがルイス・エンリケ。彼やコクーになにかアクシデントが起きたら僕がカピタンになるけれど、とにかくカピタンはルイス・エンリケです。選手としての経験といい、実力といい、キャラクターといい、すべての選手からの尊敬を受けているのは彼らです。特に我らがカピタン、ルイス・エンリケです。彼からはこれからも多くのことを学びたいと思っています。

バンガールを買収したということはないですよね?

そんなことは誓ってありません。彼には言葉では言い尽くせないほどの恩を感じています。今の自分があるのはひとえに彼のおかげですから。今回も自分に示してくれた信頼感に一生懸命応えていくだけです。

バンガールは次のように言っていました。あなたはカタラン人の代表で、コクーは外国人選手の代表、そしてルイス・エンリケはすべての代表だと。

ルイス・エンリケはバルサの象徴です。選手の中でもっとも偉大な人物、それがカピタンであるルイス・エンリケです。そして自分は3番目のカピタンとなったわけでありますが、それはそれは凄い誇りを感じています。

そして責任感も。

もちろんです。かつての自分がそうであったように、多くの子供たちが何キロ、何十キロ離れたカンプノウまで試合を見に来る。自分は彼らのために一生懸命プレーしたいといつも思っています。自分は市内で生まれ育った人間ではなく村で生まれ育った人間です。遠い村や町からアイドルを見るために、そしてバルサを応援しに来る彼らのために良いプレーを見せる責任があります。

村とバルセロナでは大きな違いがありますか?

バルセロナは大きな都会です。いろいろなチームカラーを持った人々がゴチャゴチャと住んでいる。でも少なくても自分の村は違う。通りを歩いていてマドリディスタとすれ違うことなんてあり得ない。村中がバルセロニスタなんだから。そういうところで生まれ育った自分が、今こうしてバルサの選手となりしかもカピタンの資格まで得られるということは、これ以上の誇りはないです。

そして今バンガールが戻ってきた。

自分はこれまでのすべての監督とうまくやっています。セラ・フェレール監督やレシャック監督も自分には多くの信頼感を持ってくれました。いつだったか、自分はキーパーまでやったんですから。監督が要請すればどこでもやる覚悟があります。ジェラールも言っていたけれど、我々カンテラはそれこそバルサにいられるならどこのポジションだってやる覚悟がある。

カピタンの一人として選ばれた瞬間はどうでした?

すべての人々に感謝しています。バンガールやルイス・エンリケには特に。そして家族に感謝しています。彼らも今回のことで誇りに思っているでしょう。家族だけはなくて村の人々すべてが誇りに思っているはずです。