8月19日

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100%バルセロニスタ、ペップ

昨シーズン、イタリアのブレッシアに移籍したグアルディオーラ。彼がチームに合流したときには、すでにほんの少しの背番号の選択しか残されていなかった。だが今シーズンローマに移った彼にとって、背番号の選択はかなり自由が許されることになる。だがグアルディオーラの選んだ背番号は28。娘のマリアの誕生日の数字を再び選ぶことになった彼は、一瞬たりともバルサのことを忘れたことはないという。


バティ、パヌッチ、カフー、サムエル、そしてグアルディオラ。多くのスター選手がいるクラブでのプレーとなりますね。

まるでバルサに戻ったような感じさ。選手たちのレベルの高さや彼らに要求されていることなんかはまったくバルサ当時と変わらない。ローマは想像していた以上に大きなクラブだった。プレステージの試合にも多くのメディアがチームについて移動するなんてブレッシアでは考えられないこと。まったくバルサに戻ったような感じだ。

バルサもローマも常に勝利が要求される。

ローマというクラブは特にそうさ。勝利、勝利、そして更なる勝利。もっとも重要なことは勝利すること。だから目指すものはひたすら勝利、勝利、そして勝利だ。どのように勝利するかは問題とならないことがバルサとの大きな違いだろう。フットボールに対する考えが違うんだな。個人的にはブレッシアにいたときの半分でもいいから、シーズンを通して楽しめたらいいと思う。

まさにバルセロニスタがそうですね。シーズンを通して楽しむこと、それが唯一の望み。

自分に関しては多くのコメントがされていると思うけれど、一つだけ言えるとすれば自分はどこにいてもバルセロニスタということ。それは絶対だ。そして今イタリアでプレーしている一人のバルセロニスタが思うことは、今シーズンのバルサは素晴らしいという印象だね。なぜだか知らないけれど、良い予感がする。そして何よりも嬉しいのはビクトルとかナバーロが活躍し始めていることさ。外から誰かを獲得するという前に、自分の家にいる選手の可能性を試しているということほど嬉しいことはない。

しかし、バルサもローマと同じように、あるいはそれ以上に勝利が望まれています。

もちろんバルサは勝ち続けるだろう。バルセロニスタに期待感がある限り大丈夫さ。もしバルサが「良い試合」をすればバルセロニスタには期待感が生まれる。期待感が生まれればカンプノウは満員になる。カンプノウが満員になればバルサは勝利するパーセンテージが凄く高くなる。これがバルサにいるときに学んだことさ。「良い試合」をしさえすれば、とりあえず勝利するかどうかは関係なく、バルセロニスタは喜ぶし、カンプノウもいっぱいになる。それがバルサさ。

バルセロニスタは常に勝利を要求する。

そうじゃない。バルセロニスタは常に勝利を要求するけれど、彼らにとってはその内容が大事なんだ。バルセロナからしばらく離れてみて思うことだけれど、我々バルセロニスタは特殊な人種という気がしてきている。マドリと我々のライバル意識というのは誰もが知っていること。それにも関わらず、例えば昨シーズンのユーロクラシコでバルサがそのマドリに負けたときでさえ、大きなスキャンダルにはならなかっただろ。それはバルセロニスタが自分たちの方が優秀なチームであったことがわかっているからさ。圧倒的にバルサがマドリを押していた試合だった。だからそれを直に見たバルセロニスタは大した不満を言わなかった。自分で言うのも何だけれど、バルセロニスタっていうのは非常に感謝することを知っているファンなんだ。選手がさぼらずに一生懸命やれば、バルセロニスタはそれに感謝してくれる。

現在のバルサの選手について。

自分は今でもロマリオが最高のデランテロだと思っている。彼を別とすれば、クルイベルは世界の中でも最優秀デランテロと位置づけられるほどの選手だと思うよ。彼は決定的なチャンスを外すことで過小評価されている選手だ。彼のようなテクニシャンのデランテロは世界に二人といない。それははっきりと言い切れると思う。プジョーのように成長した選手も珍しいし、ルイス・エンリケのようなカピタンも他のクラブを探しても見つからない。

リケルメは?

正真正銘のクラック。プロのフットボール選手になるには少なくとも「才能」が必要だけれど、彼ほどその才能に恵まれた選手も少ないと思う。だが、リバルドの後釜と考えたらそれは彼が可哀想だ。まだバルサに来たばかりだし、出来る限りのプレッシャーを取り除いてあげないといけないだろう。

では、マンチェスターでチャンピオンズ決勝戦でお会いしましょう。

もし、その日がやって来るとしたら、どんな結果に終わろうといずれにしてもグアルディオーラが裏切り者となる日だね。


批判には耐える用意がある

バルソビア戦の1点目をデ・ボエルが決めた瞬間、バンガールはベンチを飛び出して嬉しそうにゴールを祝った。だが2点目のリケルメの時には座ったまま表情を変えなかったバンガール。バンガールの行為はメディアによってすべてが討論の材料となり、批判されることも多くある。だが前回と違って、今回はすべての批判に耐える準備ができているというバンガールだ。


前回よりは周りにとけ込んでる印象を受けますが。

自分が住んでいる街や国にはいつもとけ込もうと努力しているつもりだ。それは前回の監督時代も同じ。だがもちろん状況は違う。5年前に初めてカタルーニャに住み始めたとき、私はあまり多くの知識がなかった。バルセロナという街やバルサというクラブ、そしてカタルーニャという国。だが今ではその国特有の文化にもしっかりとけ込んでいるつもりだ。それは私が住んでいるシッチェスという街だけではなく、クラブ職員、選手、メディアの人々、すべてのバルサを囲む環境を理解し始めているということだ。

それでも、今回も批判からは逃れないと思いますが。

5年前に私が初めてバルサに来たときのことを覚えているか?あの年、私たちはリーグ優勝した。それでも私に対する批判が多くあった。したがってもし今シーズン、運良く何らかのタイトルがとれることになったとしても私に対する批判があるだろう。だが私はそんなことには負けない。チャント準備しているよ。私はバンガールだからね。

でも「批判」自体は大切なものだと思いますが。

その通り。批判は大切なことだ。だがこれまでの多くの批判は事実に基づいていないものだった。そういう批判はよろしくない。全然よろしくない。批判は事実に基づいたもので、しかも常に建設的でなくてはならない。そういう批判からは私でさえ学ぶことがあると思う。だから建設的な批判は大いにあってよろしい。

すでにバルソビア戦のゴールに関して問題になっていますが。

それを批判する人は3点目のコクーの時にも私はベンチに座ったままだということを見逃している。しかし、なぜそんなつまらんことをメディアは問題にするのかね。デ・ボエルのゴールは先制点だった。もっとも重要な先制点だったから私は大騒ぎしてベンチを出たんだ。あのゴールによって試合の流れが楽になるという意味で非常に貴重なゴールだった。そして私は非常に嬉しかった。それだけのことだ。

バルサ、マドリ、マンチェスター、バイエルン、ユーベ、インテル、ミラン、アヤックス、各国のビッグチーム同士によって争われるチャンピオンズとなりました。

年ごとに優勝するのは難しくなるだろう。ワールドカップを見ればわかるように、これまでの優勝候補代表と新顔の代表などの差が年々縮まってきている。それはクラブ単位でも同じことだ。バルソビアにしても良いチームだと思う。我々は幸運にも勝つことができたが、ああいう試合内容を1年続けるということは難しいことだ。それは我々だけではなく、すべてのクラブにいえるだろう。

あの試合ではビクトルがスタメンでしたが。

あの試合に最適なキーパーがビクトルということで、これからも彼がスタメンとは限らない。これまでも同じことを何回も繰り返し言ってきたが、どんなスター選手であろうと絶対のスタメンなどあり得んのだ、バンガールにとっては。

セルジ、アベラルド、リバルドを放出しましたが。

批判はもちろんあるだろう。私は何をしても批判される立場にあるんだから。そしてそれを受け入れる用意もある。私はバンガールだから。だが少なくても私のフィロソフィーを理解してから批判して欲しい。私は彼らが長い間バルサの歴史的な選手としてクラブに在籍したことをもちろん知っている。多くのファンに愛されていたことももちろん知っている。そういうことはすべて知っている。だが同時にどんな選手であれ一つのサイクルの終わりというものがあるんだ。そして私バンガールが監督就任した年に、偶然ながら彼らのサイクルは終わりを遂げたということだ。そして一つの重要なこと、それは彼らにとっても他のクラブに行くことが最良の方法であったと私は信じている。

しかし、デ・ボエルはまだサイクルが終わっていないんでしょうか。

その質問の裏には彼がオランダ人ということがあるんだろ?いや、そんなことはどうでもいい。まず彼は私のシステムに欠かせない選手だから残った。それだけのことだ。だが何年か前のことを思い出すがいい。彼が不調の時は私は彼をベンチにおいたことがあった。それも何試合にもわたってスタメンでは出場させなかった。それだけではない、彼を試合そのものに呼ばなかったこともあっただろう。レイジンゲルもいまのところ出番がない状態だ。それは彼が不調だからだ。

これは批判ではありませんが、バルサ職員の中であなたの悪口を言う人に出会ったことがありません。

私は私の周りの人たちに非常に気を使っているからだろう。クラブのために働いている人々には大きな尊敬の念を持っている。毎日の会話も大切なことだと思って、すれちがう職員とも常に話すように心がけている。彼らは5年前もそうだったが、私という人間を尊重してくれている。私も彼らを尊重している。尊重には尊重を、これが私のモットーだ。だが一部のメディアの人間はそうじゃない。例えばデ・ボエルのゴールのことなどを取り上げるメディアは私を尊重していない証拠だ。したがってそういうメディアは私も尊重しない。私はバンガール、お分かりいただけたかな。