9月16日

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俺はガッツ・エンリケ!

2002−03シーズンのバルサのクラック、それは我らがカピタンルイス・エンリケだ。リーグ戦2試合を消化した段階で3得点をあげているだけではなく、チームそのものを引っ張っていく原動力となっているルイス・エンリケ。彼は先日のビルバオ戦の勝利により、スペインリーグの試合200勝を達成ししたことになる。

200勝、それは気が遠くなるような数字だ。100年の歴史を誇るバルサであるけれど、200勝以上の数字を残した選手はわずか6人しか存在しない。しかもその6人の選手はすべてクライフ時代の「ドリームチーム」の選手。

・333勝 スビサレッタ(現役引退)
・258勝 バケーロ(現役引退)
・237勝 エウセビオ(現役引退)
・233勝 チキ(現役引退)
・231勝 ソレール(マジョルカ)
・215勝 アモール(失業中)

わずか2試合しか消化していないとはいえ、バルサの中で重要な選手の一人として活躍するルイス・エンリケ。本来の9番が基本的にアシストとなるようなバンガールシステムの中にあって、メディアプンタの重要性は計り知れない。サビオラと共にこのメディアプンタにポジションをおき、常にゴールの可能性を追及することが彼の仕事だ。そしてこれまでの試合を見る限り、じゅうぶんにその任務を果たしている。
「俺のゴールはまあ一つの偶然性っちゅうやつだな。だからそれほど大げさに騒ぐほどのことでもないさ。必要なときにゴール前にいるのが俺たちメディアプンタの仕事であり、これまでたまたま俺の前にボールが来てそれがゴール枠の中に入った、それだけのことさ。そんなことよりも重要なことは、明後日の水曜日にはバルセロニスタによってカンプノウがいっぱいになること。そうすればチャンピオンズもいいスタートが切れることは間違いない。」

26歳でカンプノウの地を踏み、それから6年たった。今ルイス・エンリケは32歳。だが6年前にバルサのユニに袖を通した時と同じような「夢」と「希望」を持ち続ける。


マジックコネクション

バルサの9番パトリック・クルイベルは、いわゆる典型的なデランテロではない。だがどのデランテロよりもチームプレーに参加するタイプの選手と言っていいだろう。そしてその彼と完璧な理解度を持ってプレーするコネッホ・サビオラ。この二人によるマジックコネクションは相手ディフェンスにとって恐怖となる存在だ。

クルイベルとサビオラのよるコネクションの良さは何もグランド内だけではない。私生活においても二人は息が合うコンビ。したがって彼らのお互いの理解度はあらゆる意味で完璧に近いものになっている。クルイベルはサビオラがどこにいるか探す必要はない。サビオラはクルイベルが何をしようとしているのか考える必要もない。お互いがお互いを見ることなく、どこにいて何をしようとしているか、それはすでに暗黙の了解事項だ。

バルサにゴールが生まれないとき、決まって批判の対象となるのはクルイベルだ。彼はいわゆる典型的なゴレアドールではないし、ゴールへの嗅覚を持った選手ではない。だが彼の最大の特徴は他のところにあることも多くのバルセロニスタは知っている。彼を取り巻くディフェンスを連れて行って他の選手のためのスペースを作ったり、メディアプンタの選手に絶妙のアシストをしたりする才能だ。その一つが先日のビルバオ戦で見られたサビオラへのパスだろう。
「うん、あれは我ながら素晴らしいパスだったね。プロ人生の中での最高のプレーの一つに入るかも知れない。メンディからのパスを受けたときにはサビオラがどこにるかわかっていた。彼の目を見る必要もなかったさ。彼は俺が何をしようとしているか、そして俺は彼が何を望んでいるか、そんなことはお互いわかっているから。でも忘れちゃあいけないのは俺はバルサの9番。次の試合で絶対ゴールを決めてやる。」

ビルバオ戦での勝利の大事さもさることながら、2点目のゴールはクルイベルとサビオラのマジックコンビの恐ろしさを他のクラブにも示した。クルイベルがサビオラの考えていることや望んでいることがわかるように、サビオラもクルイベルのやろうとしていることを完璧に理解しているという。
「クルービーの隣でプレーすることは非常に簡単なことさ。彼のしようとしていることがわかっているし、それを実際にやっちゃうテクニックを持っている選手だからね。僕にとっては似たようなポジションでの最高の仲間だと思っている。屈強な二人のディフェンスをあらぬ方向に連れて行ってくれて、しかも絶妙なパスを出すような選手は世界を探したってそれほどいるもんじゃない。彼がその数少ない貴重な一人さ。」


バルサの心臓、コクー、メンディ

ノベルダ戦での悲惨な敗北のあと、ビルバオ戦でメンディエタとコクーが11人の中に戻ってきた。彼らはチームの中に新たな空気を注入し、バンガールバルサにとって絶対のスタメン候補選手であることを示した。

土曜日のビルバオ戦での快勝劇を冷静に観察してみると、メンディエタとコクーの登場が大きな勝利の要素となっていることがわかる。心臓にも肺にもなって新たな空気をチームに注入する二人の選手。ディフェンス選手にしてもデランテロ選手にしても、彼ら二人の助けが大きな支えとなっている。

コクーはバルサに来て5年目の選手となる。プレーヤーとしても人間的にも信頼感の厚い彼は、ルイス・エンリケ、プジョーと並んでカピタンの一人だ。バンガールバルサのシステムの中に位置される彼のポジションはチャビと並んでのピボッテの一人。チャビがより創造的なプレーを期待されているのに対し、コクーの仕事はもっと肉体的な感じなものとなる。もちろん他の選手が移動したポジションを明確に見分け、そこを埋める頭脳的なプレーもしなければならない。さらにメディアプンタ、デランテロに加わってのゴールを決める役目もある。彼の仕事は多い。
「ノベルダ戦のあとの嫌な試合となったビルバオ戦だったけれど、我々はプレッシャーに負けないでよく頑張ったと思う。各自一人一人がそれぞれの仕事をこなせば今シーズンのバルサの将来は明るいと思う。個人的にはやはりチャンピオンズを勝ちたい。リーグももちろん大事だけれどね。」

一方メンディエタは今年ラッチオからレンタルされている選手。もしバンガールが今シーズン何事もなく期待通りの働きをし、来シーズンもバルサの指揮をとることになれば彼は間違いなくレンタルから完全移籍となるだろう。バンガールによって一番期待されている加入選手は彼なのだから。それはプレステージや公式戦での戦いをみれば明らかとなる。中盤右サイドの「主」は彼しかいない。いわゆるカリレーロとして上に下に走り回る、体力を必要とするポジション。デランテロを助けに上に上がり、ディフェンスを助けに下に下がる、それが彼の仕事だ。いつものことながら言葉少ないメンディエタがビルバオ戦に関して語る。
「いい試合だった。」