10月5日

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LIGA 第5節
10月6日 19:00
CAMP NOU
FC BARCELONA
vs
OSASUNA


リケルメの復帰

リケルメが帰ってきた。バルセロナに戻ってきただけではなく、バルサの一員としてすでにオサスナ戦出場の準備もできている。しかも久しぶりの里帰りで、精神的にも以前とは比べようもないほど明るくなって復帰してきている。だが問題は、そう、彼はオサスナ戦もスタメン出場はない、ということだろう。

アルゼンチンから帰ってきたリケルメには、すでに昨日ドクター許可がおりている。エスパニョール戦での負傷は完治しているということだ。だがそれは彼のスタメンを意味することではない。明日のカンプノウでのオサスナ戦、この試合も彼にとってベンチスタートということになるだろう。そして再び、リケルメ論争がやってくることも間違いない。スタメン起用か、控え選手としてベンチスタートか、昨シーズンのサビオラの時と同じような論争が続くだろう。

アルゼンチンではすでに大スターの一人として認識されていたリケルメだが、バルサでは新米選手の一人に過ぎない。とは言っても、鳴り物入りで入団してきた選手には変わりがないリケルメだ。彼にカリスマ性を感じているバルセロニスタは多い。彼らの81%にも及ぶ人々が「近い将来スタメン選手」となると信じている。まだ公式試合では200分足らずしか出場していないリケルメだが、彼のプレーに酔っているバルセロニスタ。彼らが信じるように、いつかはスター選手として常にスタメン出場してくるであろうリケルメだが、今のところその道のりは決してやさしいものでもないだろう。

バンガールは監督としての仕事をしなければならない。彼のフィロソフィーを各選手がグランドの中で実行しなければならない。だがリケルメにとってバンガールノートはかなり複雑なようだ。そして今のところ、バンガールにはバルセロニスタを納得させるものがある。ルイス・エンリケの大活躍も、バンガールのこれまでの方針が間違っているものでないと証明している。快調にきているバルサに「変更」させる必要性は起きていない。

オサスナ戦の結果次第では、リケルメ論争が起きるのは明らかだろう。だがその結果を待つ前に、一つだけ確かなことを認識しておく必要がある。それはバレンシアのアイマールを良い例とすることだ。昨シーズン、初めてヨーロッパフットボールの世界に足を踏み入れた彼が、それに慣れるまで何か月の期間が必要だっただろうか。スタメンでもほとんど起用されることなく、だがそれでも徐々にスペインの水に慣れてきたアイマール。そして彼の今年の活躍を見れば、彼を見本とすることに間違いはないと思うだろう。時間を与えよう、そう、リケルメにはまだ時間が必要だ。


サビオラの秘密

サビオラはこの1年で驚くほどの成長を見せている。ヨーロッパフットボールに慣れてきたということ、それは誰しもが認めるところだ。そして今シーズンの彼を見ると、当たりの強いヨーロッパフットボールに適合する「強靱な肉体」の成長も昨年とは比べものにならないことに気がつく。

1年前にバルサへの入団が決まり、サビオラのメディカルチェックを担当したボレール医師はすべてのチェックが終わった段階での記者会見の席で次のように語っていた。
「非常に良い素材を持った身体をしている。筋肉関連組織や神経組織、そして内臓器官もスポーツ選手として一流のもの。マラドーナが入団した時も私が担当したが、彼にソックリの肉体をしている。小さくて、だが頑丈な肉体、それが彼らの共通していることだ、」

「良い素材」を大事に育て上げるのが、バルサトレーナーのセイルーロの仕事だ。素材は良いものを持っているものの、当たりの強いディフェンスに勝つには強靱な体力が必要とされるデランテロ。こうしてサビオラにも、かつてグアルディオラやジョルディに課せられた特別メニューが普通の練習以外に加えられることになる。ジムでの体力作りだ。

グアルディオラにしてもジョルディにしても、決してエリートスポーツ選手として必要な肉体に恵まれてはいなかった。彼らはバルサB時代から特別な「体力増強」メニューをこなすことを強要されていた。合同練習が始まる前と終わってからのジムでの体力作りが何シーズンにもわたっておこなわれた。そしてそれと同じメニューをサビオラは去年1年こなすことになる。誰も見ていないところでの密かな練習だ。

その隠れた練習の成果は確実に実を結んだいる、と言っていいだろう。今シーズンのサビオラのプレーを見ていれば納得できる。当たりにも強くなったし、簡単には倒れなくなったサビオラがグランドで見られる。そしてバンガールの要求する「ディフェンス面」での仕事も、彼の成長した肉体が可能としている。そして彼は誰にも見られることなく、今日も練習終了後には秘密のジムに通って体力増強に励んでいる。

クラックと呼ばれる選手になるのには、1日24時間の自らに対する規律が必要だ。あのマラドーナでさえ、バルサに入団してから密かにジムがよいをして体力作りをしていた。強靱な体力は強い精神も生むことが可能となる。サビオラが初心を忘れず自らを磨くことを怠らなければ、バルセロニスタにとってこれほど明るい将来の話題はない。