10月10

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 日曜日

4人ディフェンスでの練習試合

2週間にわたってリーグ戦がないバルサだが、彼らに休みはない。多くの選手が各国代表チームに合流している今、残っている選手で練習試合をおこなっていく。今日はガバとの練習試合だ。アンデルソンやオーベルマルスを起用し、4人ディフェンスを試す。

ミニエスタディでおこなわれる予定のこの試合はメディアをシャットアウトしての秘密練習試合。バンガールは娘の結婚式に参加するためにオランダに帰っていることから、コーチのジョンケルが指揮をとることになる。この練習試合の目的は普段は控えとなっている選手のテストであり、同時に負傷上がりの選手のテストともなる。そして負傷上がりの選手の一人であるアンデルソンの復帰ということもあり、今後採用されるかも知れない4人ディフェンスのテストでもある。

4−2−3−1,これがジョンケルが試そうとしているシステムだ。相手チームが後ろに下がって戦ってくる状況を想定してのシステム。つまり相手が5人ディフェンスを起用してきたり、あるいは5人のセントロカンピスタを起用してきたりした場合のバルサがとるであろうシステムである。これまでのシステムと違うところは、3人のセントラルを2人にし、左右のラテラルがかなり前に上がっていることだ。

ジョンケルが用意する11人の選手。それはキーパーにエンケ、4人ディフェンスはアンデルソンガブリの二人のセントラル、そして右ラテラルにロッケンバック、左ラテラルにバルサCのコロメ。二人ピボッテはイニエスタジェラール。そして3人のメディアプンタスは左にオーベルマルス、右にジェオバンニ、真ん中にリケルメが入る。プンタはダニとなるだろう。

■ロッケンバック
昨シーズンに比べて出番がほとんどなくなっているロッケンバック。プロ選手として、しかもまだ20才のプロ選手として、試合に出場しないのはマイナス面しかない。冬のマーケットでレンタルあるいは完全移籍という形でバルサを離れるかもしれないと噂が流れても不思議ではない。だが、あくまでバルサでの成功を夢見て練習を続けていくというロッケンバックだ。
「自分に自信がある。だから12月までにはきっとレギュラーの地位を築いていると信じている。確かに今の状況は気分のいいもんではない。レシャックが監督の頃はこれほどひどい待遇を受けなかったし、彼は選手一人一人と会話をしてくれた。だがバンガールは違う。それでも決して彼の性格は嫌いじゃない。自分と似て頑固なところがあるから、練習でもよく衝突するけれどそれは仕方ないだろう。ガバとの練習試合はチャンピオンズの決勝戦のつもりで行くぜ。」

■エンケ
ロベルト・エンケ、彼の登場は実に国王杯戦以来となる。3−2という屈辱的な敗戦、あれ以来エンケは試合に出場していない。ノベルダのマドリガル選手に入れられたハットトリックがいまだに脳裏から離れないというエンケ。試合後の理不尽なデ・ボエルの個人批判も決して忘れてはいないが、それはもう個人的問題としては解決済みだという。
「国王杯で何が起きたか、それはもうみんな知っていることだ。そして試合後に何が起きたかもすべての人が知っているだろう。デ・ボエルの自分に対する個人批判は忘れることはできないが、彼との関係はいまのところ普通だ。彼に恨みなんか持っていない。フットボールの世界ではたまにこういうことが起きるもんさ。でも自分のミスは自分が一番よく知っているし、反省もしている。いずれにしても過去をいつまでも振り返ってもしょうがない。練習試合とはいえ、一つ一つのチャンスをものにしていくしかない。」


●冬のバーゲン準備
冬のマーケットに参加する必要が起きるか、あるいはまったく必要ないか、それを決めるのはもちろんバンガールだ。だがマーケット解禁となる12月まで時間がそれほどあるわけではないから準備を怠ってはならない。バンガールがいざという時のために必要とする選手リストは存在する。そしてそのリストをもとに動きまわらなければならないクラブ首脳陣にとって、ここ2か月は忙しい時期となる。
バンガールにとってアンデルソンとオーベルマルスの復帰は明るい材料だ。もし彼らが期待通りに活躍し、思わぬ故障選手が出てこなければ冬のマーケットはパスしようとさえ思っているようだ。だが準備はしておかなければならない。冬のマーケットにおける獲得候補選手、それにはソリン、スタム、キューエル、キリーなどの選手の名前があがっている。

●これからはすべて秘密練習
オサスナ戦での敗北の翌日に、何人かのソシオが練習場に集まりバンガールとデ・ボエルに向かって怒声をあげていた。そのことがきっかけとなったのか、あるいは以前からプログラムされていたことなのか、それはコーチ陣のみ知ることだ。だがいずれにしてもこれからの練習はいっさいの一般人の見学はおろか、カメラマンや報道陣をシャットアウトしての秘密練習となる。
再びバンガール第一次政権と同じことが起きている。つまり練習開始してから最初の15分だけカメラマンを練習場内に入れるがそれ以降は報道陣をいっさいシャットアウトするというバンガール練習方式だ。過去において、バンガールとオスカーの練習中の衝突問題がカメラに収められてからも同じような状況が生まれた。そして今回はジェオバンニとオーベルマルスの衝突が報道されたのがきっかけとなったようだ。
クラブによる正式発表では、バンガール監督の「集中できる環境の中で練習を続けたい」という要請があったためこの処置をとったという。

●クリスタンバール、旅立ちの用意
この夏にバルサを出て他のクラブへの移籍も噂となったクリスタンバールだが、バンガールの説得でその話しもオジャンとなっていた。バンガールは彼をプランの中に入る選手として考えていたようだ。だがシーズンが始まってみるとクリスタンバールの出番はほとんどない状況となっている。それでは話が違うではないか、そう思っても不思議ではないクリスタンバールだ。もしこんな状況を迎えることがわかっていたら、夏には移籍していればよかったと思うクリスタンバールだが、夏の後には必ず冬がやって来て、しかもバーゲンも再開されることを知っている。彼の頭の回転は決して遅くない。
「ニューキャッスルやリーズからオファーが来ていることは知っている。でもこの10月の段階ではまだまだ興味のない話だ。だがこんな自分でももちろん我慢の限度がある。もしこのような退屈な状況が冬まで続くなら素速く、そう僕のプレーみたいに素速く行動を起こそうと思っている。」