11月11日

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ガッツ、限りなく微妙

ルイス・エンリケの左足アキレス腱の痛みがとれない。かれこれ2週間にわたって練習を休みひたすら回復をはかってきたルイス・エンリケだが、明後日のガラタサライ戦や土曜日のコルーニャ戦はもちろん、来週末のクラシコにも間に合わない可能性が非常に強くなってきた。

先週の土曜日にバルサクラブオフィスで三者会談がおこなわれている。バンガール、ルイス・エンリケ、そしてドクター・プルーナによる三者会談。それまでの2週間近くのリハビリ状況と今後の見通しを検討するためだ。バンガールは当初からガラタサライ戦でのルイス・エンリケの出場は考えていなかった。第一次リーグの最後の試合となるこの試合にはルイス・エンリケは必要ない。すでに若手でいくことが決められていた。だが土曜日のコルーニャ戦には、可能であれば参加させたいという意向があった。そしてこの日の三者会談で明らかになったこと、それはルイス・エンリケの負傷具合は当初の予測よりかなり深刻なものということだった。

来週末のクラシコの出場もかなりのパーセンテージで難しい状況となっている。少なくとも今週中に合同練習に復帰する可能性はあり得ないということだ。ドクター・プルーナが説明する。
「ルイス・エンリケが左足アキレス腱に痛みを感じたのは約2週間前。それ以来その箇所に負担がかからないようにしてきたがそれでも痛みがとれないようだ。したがって再び2週間近くの休養をとって様子をみようという結論に達した。」

約2週間の休養といえば、ガラタサライ戦やコルーニャ戦に出場できないどころの話しではなく、クラシコにも間に合わないことになる。
「状況は非常に厳しいがこの2週間をクラシコの試合に間に合うように努力していきたい。これは医者の立場としての話しで、患者のルイス・エンリケもそれなりの努力をしなくてはならないだろう。マドリ戦に出場したいという彼の思いは非常に強いものがある。だから医者としては可能な限りの治療をしていきたい。いずれにしても今日の段階(11月10日)ではまだマドリ戦への出場が不可能となったわけではない。」

アキレス腱の痛みは非常に微妙なものだ。無理して動かし続けると最悪な状態となることも考えられるし、動かさないで固定ししていると突然のように痛みがとれる場合もある。
「アキレス腱の負傷を治していく場合、慎重にしていかなければいけないのはこの世界での常識。しかも患者は32歳の選手だ。我々は先を急いで選手寿命を危うくするようなことは避けなければならない。だが当人のマドリ戦に出たいという希望が非常に強いこともあるし、試合そのものも重要なものである以上できる限りのことをしていこうと思う。患者の強い意志が痛みそのものを消去してしまうという前例はこれまで数限りなくある。奇跡は必要ない。当人の強い意志と、そして幸運。これが我々の唯一の武器だ。」

クラシコまであと2週間。アキレス腱の痛みとの戦いだけではなく、時間との厳しい戦いとなっている。ガッツ、彼の強靱な精神のみがわずかな希望を与えてくれている。


反乱は許さんのだ!

「こしゃくな真似をしてくれるのう、ビクトル。だが反乱は許さんのだ!私はバンガール、わかるか!」
昨シーズン、国王杯のフィゲーラス戦を前に「アンドラ事件」を起こしたサビオラの監督はレシャックだった。「若い選手には誤りはつきもの」と軽くいなしたレシャックはもういない。そして今シーズン、彼の代わりにチームの指揮をとるのはバンガール。若かろうが年をくっていようが「反乱」は反乱とするバンガール。ビクトルの将来は暗い。とてつもなく暗い。

バンガール政権の下にいっさいの反乱は許されない。一昨日のバルサBの練習に連絡もなく不参加を決め込んだビクトル・バルデス。不敵にもこの若きバルサキーパーは昨日の一部チームの練習に参加する予定でいた。だがバンガールとクラブ側の拒否によってそれは実現されず、今日のクラブ首脳陣とビクトルの間で頂上会談がおこなわれることになった。

バンガールは怒り狂っている。怒りもさることながら、この将来ある若者の理解に苦しむ行為に対し非常に残念に思っている。経験豊かなボナノや今シーズン獲得したエンケを控えに回し、二部から彼を抜擢したのは自分だというプライドがあるバンガール。しかもシーズン開始当初から批判もありながらもビクトルに100%の信頼を置いて起用してきた。ボナノの調子が本来のものに近づき、ビクトルが下降線をたどっている状況を判断し彼のバルサBへの復帰を命じたバンガール。ベンチに控え選手として置いておくよりは20歳の若きキーパーは二部でさらなる経験を積むのが最良という判断からだった。だがそれに対して「反乱」を起こしたビクトルを許すことはできないバンガール。選手間における「規律」とクラブに対する「忠誠」をモットーとするバンガールには、ビクトルの若さからくる反乱であっても許すことはできない。

すでにバンガールはガスパー、ファルゲールと話し合いを持っている。彼の意向は厳しい処分を科すこと。それはすでに彼らクラブ首脳陣に伝えてある。最終的な処分を決めるのはあくまでもクラブ首脳陣。だが現場責任者のバンガールの意向をくみ取ることが最良と考えるであろうクラブ首脳陣はビクトルに対して厳しい処分を用意している可能性がある。彼が反省し、バルサBに戻ることを了承すれば罰金や一時的な「自宅待機」処分で済む可能性もある。だが彼が自分のとった今回の行為を反省していない場合、冬のマーケットが再会されるまで「自宅待機」処分が続き12月にレンタル移籍、あるいは完全移籍ということもあり得るだろう。


●オーベル「またケガしちゃったあ〜」
オーベルマルスの負傷はニュースにもならないことでありながら、やはり研究の対象とはなり得るだろう。それも真剣で真面目な研究がおこなわれるべきだ。バルサに入団してきたからというもの、グランドの中で活躍するよりは診断室での活動が目立つオーベルマルス。
半年間のリハビリから復帰して二部チームとのテストマッチに45分間プレー。すぐに負傷したオーベルマルスはどうにかこうにか公式試合に再び45分間だけ出場しまた負傷。軽い負傷が治ったと思ったら胃腸炎でダウン。それもどうにか回復し、先日のビジャレアル戦に30分近く出場し再び負傷。今回は幸運にも「軽い」負傷とされているため水曜日のガラタサライ戦は出場不可能ながらも土曜日のコルーニャ戦には出場が可能と言うこと。だがそれはドクター・プルーナが専門家として語ることであり、ナンデモアリのオーベルマルスに「確実」な出場という試合は1試合もないことも確かなことだ。この選手に望むこと、それは病院では負傷しないで欲しいということぐらいか。

●ベルナベウには行かない
世界最強クラブ対世界最優秀選手選抜チームとの試合をもってクラブ創立百周年を祝おうというレアル・マドリ。彼らはすでにガスパーの招待、そして選手としてプジョーとサビオラを招待していた。だがガスパーの「ノー」という発言と共に彼らのベルナベウ行きもなくなっている。この間の事情をプジョーは説明する。
「マドリからの招待状を受けたのはまだ自分が契約更改をする前。近いうちにはマドリ行きだのという噂が向こうの方からあったので、そういう誤解を受けないように行かないことに決めた。もちろん彼らには自分を招待してくれたことに感謝している。誇りにも思っている。でもベルナベウに行くということはバルサの選手としては難しいことでもあるし、そこら辺を理解してもらいたい。ガスパー会長も行かないと決めたことだし、選手も行かない方がいいんだろうと思う。」