11月20

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ありがとう ございま〜す!

サビオラにとって初めての日本滞在、それもほんのわずかな期間の滞在となる今回のアルゼンチ代表選手としての日本滞在経験。それでも一つの「言い回し」を覚えるのには十分な時間であったようだ。
「ありがとう ございま〜す!」
そう、スペイン語で言う「ムーチャス・グラシアス!」。彼はこの日本語だけは忘れないでバルセロナに戻ってくるだろう。

アルゼンチン代表のユニでなかったとしたら、それは間違いなくバルサのユニフォーム。日本の多くの若者がサビオラのサインを求めて用意してきたユニフォームのことだ。ファンとの交流が許される時間となれば、多くのスター選手を抱えるアルゼンチン代表でありながら、やはり日本人と同じような体型をしたサビオラに一番の注文が飛ぶことになる。サインや写真を求めるファンとそれに応えるバルサ選手の体型はほとんど変わらない。いや、それどころかサビオラよりも大きい日本人の若者も多くみられる。だが体型がサビオラと同じであろうが大きかろうが、帰ってくる感謝の言葉は同じだ。礼儀正しい東洋の若者から発せられる感謝の言葉、それは「ありがとう ございま〜す!」。サビオラの頭の中に染みついた言葉だ。

サビオラの頭の中にあるものは、もちろんその言葉の余韻だけではない。日本戦のこと、そして何よりも土曜日のマドリ戦のことで頭の中はいっぱいになっている。
「バルサ・マドリ戦は文字通りリーベル・ボカと同じように興奮するもの。それはインチャの人だけじゃなく選手にしても同じさ。試合の何日も前から議論が始まり、そして試合が終わってからも何日にもわたって試合結果に関する議論が展開される、それがクラシコだ。去年のことはよく覚えている。カンプノウは試合が始まる前から異常な興奮状態だったし、それは練習中にもピリピリと感じていた。今回も同じように、あるいは去年以上に興奮状態になるんだろうね。」

日本人の若者が非常に礼儀正しく感謝することを忘れないように、サビオラもまたバルセロニスタの応援に感謝の言葉を忘れない。
「バルセロナに来てから1年チョットたったけれど、本当にバルセロナの人やバルセロニスタには感謝している。いつも暖かい声援を送ってくれるし、個人としてのサビオラを尊重してくれているイメージを受けている。クラブを離れて個人サビオラに戻ったときには街にでても「頑張れ!」と声をかけてくれることはあっても、ズカズカと入ってくるようなことは一切ないしね。普通の生活が送れることが嬉しい。」

日本戦での疲労もさることながら、行き帰りで消費されるエネルギーを彼は少し心配している。何と言っても土曜日の試合の前日しか練習する時間がないのだ。
「デポルティーボ戦で疲れていたから飛行機の中ではなるべく寝るようにした。5時間ぐらい眠れたと思う。もっとも隣にいたティト(ボナノ)の話では離陸してから上陸するまでずーと寝ていたといっていたけれど。いずれにしても帰りもできる限り睡眠をとって疲れをとるように心がけようと思う。今週の目標、それは日本戦に勝利し、そしてもちろんマドリ戦にも勝利すること、これだからね!」