11月21

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LIGA 第11節
11月23日 21:00
CAMP NOU
FC BARCELONA
vs
REAL MADRID


24.000km、21分、0分

クラシコを前にして24.000kmのの旅をし、サビオラは21分プレー、ボナノは90分間ベンチ。アルゼンチンフットボール協会が100万ドルを稼ぐために派遣されたこの二人の選手は、今日の夕方にバルセロナに戻ってくる。

アルゼンチン代表監督であるビエルサは自尊心の高い男として知られている。だが彼が一般的な常識を持った人物かというとそうではないようだ。今回の遠征で示したもの、それはクラブチームに対する挑発行為と言ってもいいだろう。親善試合に、しかも資金稼ぎの親善試合に、2万キロ以上の旅をさせてクラブから借りた大事な選手たち、その選手たちに例えばサビオラは約20分、ソラーリは7分、ポチェティーノは3分、そしてボナノに至ってはベンチに座るための長旅となった。
“これは親善試合ではなかったのか?”
“相手チームは日本代表ではなかったのか?”
常識ある監督であるならば、資金稼ぎ以外なんの意味をもたないこの親善試合に召集した選手をすべて出場させるのではないだろうか。前半、後半、それぞれ彼らをプレーさせるのではないだろうか。

61.816人の大観衆で埋まった埼玉スタディアム。後半62分にアルゼンチンは2点目を獲得。その瞬間、サビオラコールが起きる。
"Savioooola, Saviooooola......"
「サビオラを入れろ!サビオラを入れろ!」
それは日本語であったが我々にも理解できるフットボール用語だった。多くの若者が、特に若い女の子がサビオラの登場を望んでいるようだった。これまで個人選手の名前を叫んでの声援がなかったこの試合に初めてサビオラの名前が連呼された瞬間だ。そしてそれから7分後、彼らの期待するサビオラが登場した。

サビオラはベロンからの3回のパスを受けただけの、良くもなく悪くもなくの試合となる。だが彼には罪はない。すべてビエルサのミスだ。わずか20分でいったい何ができるというのか。2万キロ以上の旅をさせてのわずか20分のプレー。だがもっと損なクジを引いたのはソラーリでありポチェティーノであり、ボナノだった。特にサビオラよりも1日遅れて日本にやって来たソラーリは試合後は誰とも口を聞かないほどの怒りようだった。彼もまた2万キロの旅をた一人。試合前日に日本に到着し、わずか7分を与えられた試合後に日本をあとにしなければならなかった。

サビオラの頭の中はすでにカンプノウへと移っている。わずか20分だけの出場となった彼だが、それでも代表に戻れたことの喜びでいっぱいのようだ。
「ケガもしないで試合を終えたことが重要だと思っている。日本のチームは当たりが激しく厳しい試合をのぞんできたね。でも本当にケガもなく無事試合が終了して満足している。なんと言っても代表の試合に出場できたのだから、それも周りに偉大な選手がいるチームでプレーできたのだから非常に満足。だがもうそれは過去のこと。さて、マドリ戦だ。」
サビオラとボナノは今日の17時40分にバルセロナに到着する予定だ。そして約1時間後におこなわれるカンプノウでの練習(19時)に参加するため空港から直行することになる。