すべて有罪!
ガスパー会長、バンガール監督、そして選手たち。クラブが悲惨な状態を迎えている現在、この中から一人として責任を逃れる立場にある者はいない。エスポーツ紙がおこなったアンケートに答えた5千人のバルセロニスタは、現在のこの状況を作りだした最大の責任者はガスパー会長(59%)、バンガール監督(32%)、選手たち(9%)という数字を出している。そしてガスパー会長の犯した最大の罪はバンガールを監督として起用したこととしている。
ガスパー会長の罪はバンガールを再び監督として起用したことだけにはとどまらない。この3年間において300億ペセタという莫大な資金を使いながら有効な選手獲得をおこなえなかったこと、そして度重なる不用意な発言も批判の対象となっている。これはエスポーツ紙がおこなったアンケートに答えた人々の数字だが、他のカタルーニャのメディア(ムンド・デポルティーボ紙、エル・パイス紙、エル・ペリオディコ紙、ラ・バンガルディア紙、etc.etc)も珍しく歩調を合わせてバルサ総体を厳しく批判している。この批判からは会長はもちろん監督や選手たちも決して逃れることはできない。なぜならすべてが批判対象となっているからだ。
■ガスパー会長人気の急降下
もし今すぐにでも会長選挙がおこなわれるとすれば、ガスパーが選ばれることは絶対と言っていいほどあり得ないことだろう。それほどソシオからの信用度はなくなっている。ヌニェス会長の後を継いでから最大の危機を迎えているといっても言いすぎではない状態のガスパー会長。彼が会長に就任して以来、一度もタイトルを獲得していないばかりか3年目を迎える今シーズンも明るい材料を探すことができない。クラブ理事会内の“プロフェッショナル化”を訴えてきたにもかかわらず、いまだにそれは実現されていない。それどころか旧ヌニェス派、現会長派、かつて選挙戦で戦ったカステーレス(現副会長)派、同じく選挙戦で対抗馬となったバサット派が入り交じってのクラブ現理事会に意見の一致を見つけることは不可能なことでもある。
カタルーニャ州の議長になることより難しいし、それよりもさらに魅力的で権威ある椅子とされるバルサ会長席。その黄金の席に座れる権利はまだ2年間残っているガスパーだが、その座は今ガタガタと揺れ動いている。
■何をしようとしているのか、バンガール監督
ガスパー会長に対する最大の批判の的がバンガール監督就任という決断であるわけだから、当然バンガールに対する批判は大きい。理由がどうであれ、そして状況がどうであれ、リバルドを“戦力外選手”として無料で追い出したことを否定はできない。ロナルドをレンタルで獲得する可能性があったにも関わらずやはり“戦力外選手”として拒否した事実も否定できない。バルサに来たがっていたクレスポをやはり“それほど必要ない選手”として拒否した事実も彼は否定しない。そしてこれらの事実をすべて認めた上で“選手の質が低いのかも知れない”とソシエダ戦終了後に語るバンガール。
彼への最大の疑問はもちろんその監督としての能力に対するものだ。これまでの試合でのプランニングで明らかになっているように、バルサ独自のスタイルを作り上げるのではなく、むしろそれを放棄した形で相手チームの戦いに合わせたプランニングスタイルに対する批判だ。しかも度重なるポジションチェンジとマンツーマンシステムに対する疑問も強く上がっている。
■選手たち
バンガール第一次政権でもそうであったように、今回もチームブロックがすべての個人技を上まわると考えるバンガール。したがってリバルドも必要なしとしたし、ロナルドも断ることになる。だがこれまで12節を消化し、そのチームブロックの片鱗さえも見えていないし、クラック選手による個人技が冴えわたっているというわけでもない。
バンガールはエンケをなぜ必要としたのか。国王杯でのノベルダ戦でつぶれたエンケに代わって正キーパーとなったのはカンテラのビクトルだった。誰しもが疑わなかったボナノの才能を疑ったのはバンガールのみだ。ディフェンスは必要以上のミスを犯している。中盤にいたっては存在しているのかどうかも疑わしい。ゴールが決まらないデランテロに対する不安が消えることもない。
ベティス、コルーニャ、マドリ、そしてソシエダ戦、これまでのバルサが対戦してきた相手の中ではもっとも“強敵”とされるこれらのクラブにバルサが決めたゴールはわずか1点だ。それもあのクルイベルがソシエダ戦で決めた冗談のようなゴールのみだ。昨シーズンはほとんど負傷のせいで出番がなかったリバルドだが、それまでは試合を決められる選手として活躍していた。だが今のバルサに試合を一人で決められる選手は存在しない。唯一のクラック選手であるプジョーにゴールまで期待するのは酷というものだろう。
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