12月13日

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バンガール支援昼食会

ニューキャッスル戦に駆けつけた多くのソシオは、試合に勝っていながらもバンガールに対する“拒否”の姿勢を示した。ベンチから飛び出してくるたびに彼に対するブーイングの嵐がその姿勢を明確にあらわしている。だがそれから24時間たった昨日、ガスパー会長や首脳陣、バルサ現監督、そして選手たちが集まり毎年恒例のクリスマス昼食会をおこない、参加者のすべてがバンガール支持を表明している。

バンガールにとっては明暗を分けた24時間の出来事だ。水曜日の夜には多くのバルセロニスタから批判を浴びた彼が、それから一日たった昨日にはクラブ理事会や選手たちから熱い支持を受けている。ニューキャッスル戦でカンプノウにあらわれた垂れ幕の主役はなんと言ってもガスパーとバンガール。カンプノウ閉鎖措置に対する抗議の表明を圧倒的に越えて彼らへの批判が主役となった日だった。
「ガスパー、バンガール辞任要求!」
「ガスパー辞任、会長選選挙を!」
「バンガール、オランダに帰れ!」

これらの内容の垂れ幕で埋め尽くされたカンプノウ。そして各選手に指示を与えるためにグランドに登場してきたり、バルサゴールのたびに飛び出してくるバンガールに送られた大ブーイング。バルセロニスタはガスパー・バンガール体制に決して満足していないし、それはニューキャッスルに勝利することによっても変わることはあり得ない。

だが昨日催された身内での昼食会はカンプノウで起こったこととはまったく正反対のことだった。クラブ副会長のジョアン・カステールは昼食会での雰囲気を語る。
「ガスパー会長を筆頭とするクラブ理事会から、バンガールに対する全面的な信頼感の表明がおこなわれた。我々はこれまで一度たりとも彼の辞任や新監督の可能性など考えたこともない。ただチャンピオンズでの良い成績をリーグでも追及して欲しいと要請した。」
だがこの発言が表向きのものであることは疑いの余地がない。これまでクラブ首脳陣が何人かの新監督候補を探していたのは事実だからだ。その事実を彼らはもちろん認めることはない。だが緊急の場合に備えて常に次の手段を準備するのは当然のことだ。これまでバルサが接触してきた監督候補は二人。一人は元セレソン監督のフェリッペ・エスコラリ、そしてもう一人はカルロス・ビアンチだ。エスコラリはポルトガル代表監督候補として、ビアンチはボカの監督として交渉が煮つまっているにも関わらず二人ともまだ正式なサインを延ばしている。ニューキャッスル戦と今週末のセビージャ戦の結果次第では、クラブから彼らに連絡がいくことが決まっていたからだ。

だが今のところニューキャッスル戦には勝利し、一時の平和が訪れているバルサファミリー。日曜日のセビージャ戦までは落ち着いた日が戻ってきている。昨日の昼食会に参加した選手の一人、ルイス・エンリケは語る。
「俺は統計には強くないけれど、いずれにしてもシーズン途中で監督を代えて成功したためしはないんじゃねえかな。もちろん監督交代というのがタイトル確保の保証になるなんてこともないし。このままでいいんじゃないの?」

冬のマーケットはもうすぐ公開される。監督の交代があるかないかは別として、選手の補強はあるのだろうか。この件に関しても副会長のカステールが答える。
「バンガールは我々にいっさいの補強選手を頼んではいない。バルサが現在かかえている選手たちでじゅうぶんやっていけるというのが彼の意見だ。そして大事なことは負傷中の選手がそのうち戻ってくること。ルイス・エンリケやアンデルソンが近いうちに戻ってくる。オーベルマルスが負傷から戻ってきて大活躍しているのを見てもわかるように、今は出場できない選手たちの復帰が我々の補強となるだろう。」

「それはクラブの表向きの発言で、すでにクラブは具体的に何人かの選手と交渉に入っている。
そう語るのはムンド・デポルティーボの副編集長でFIFAの内部にも非常に精通しているベテランジャーナリストであるフランセスク・アギラ
「バルサ首脳陣の一人がこれまでバティスツータとの交渉をおこなっていたのは隠しようのない事実。それもかなりの確率で獲得というところまでいっていた。だが最終的に彼の33歳という年齢や300万ドルという年俸がそれを不可能にした。彼はローマでとっている年俸より低いところには行かないという意思があったようだ。ああ、それは当然と言えば当然の話だけれど。」
それではバティの代わりにバルサが狙っている選手は誰か。フランセスク・アギラは明快な答えを用意していた。
「それはフランス人のシセー。クラブ同士の話し合いはすでにおこなわれている。移籍料の2000万ユーロさえバルサが用意すれば彼は間違いなくバルサに来るだろう。」


●クリスタンバール、バルサを出るべきか残るべきか
長い負傷から戻ってきたクリスタンバールがニューキャッスル戦で出場を果たした。だがその事実を持ってしてもこれからの出場が約束されたわけではないことを彼は知っている。もしこれからも出場チャンスが少なく、ベンチで待機の状態が続くならば、そう、やはりバルサを出た方が自分のためでありセレクションのためでもあると考えるクリスタンバール。
「自分の望みは試合にでること、それだけだ。確かにニューキャッスル戦には出られたけれど、それはこれからのスタメン出場の保証とはならない。もちろんバルサやバルセロナの街は素晴らしいと思っている。でも一人のプロ選手として、そしてまだ若い自分としてはとにかくプレーしたいんだ。プレーすることによってチームを助けることもできる。もしそれができないんだったら、やはりそれが可能となるチームを探さなければいけないと思っている。」

バルサに限らずビッグチームであれば、どの選手にもスタメン確実という保証は与えられない。だがそれでも自分のチーム内での立場がどうなっているか知りたいと思う彼は、監督やクラブ首脳陣との話し合いを期待している。その回答次第では間近に迫っている冬のマーケットでの移籍もあり得ると考えるクリスタンバール。
「ニューキャッスル戦では自分なりに良いプレーができたと思っている。体力的にもリズム的にも何の問題もないことがわかったし、次の試合から出場チャンスが増えることを期待している。でも、それは監督が決めることであり、それが不可能というんなら、やはり、どうしようかな?」

●負傷者たち
ニューキャッスル戦で右足太股筋肉を痛めたレイジゲル。昨日の精密検査によって全治6週間と診断された。つまり彼が再びグランドに姿を現すのは早くても来年1月の終わりか2月の始めとなる。だが負傷者は彼だけではない。コクー、デ・ボエルもニューキャッスル戦での負傷組だ。右足かかとを痛めたコクーは昨日になっても痛みがとれていない。日曜日のセビージャ戦には最後の瞬間まで出場が可能となるかどうかわからないが、ドクター・プルーナは悲観的だ。また腰を痛めたデ・ボエルはコクーよりは症状が軽いようだ。だがそれでもセビージャ戦での出場は危ぶまれている。

またニューキャッスル戦には負傷のため召集さえされなかったガブリもいまだにドクター許可がおりていない。右足のヒザが彼の負傷箇所となっているが、彼もまたセビージャ戦の出場は予想がつかない。したがって現在のバルサの選手の中で負傷中なのは、アンデルソン、ルイス・エンリケ、そして今回のレイジゲル、コクー、デ・ボエル、そしてガブリという選手たちだ。また二部Bのトルトレーロもいまだにドクター許可が出ない状態だ。