1月2

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「ミリート?私は興味ない!」

マジョルカ戦後、ジョアン・ガスパー側近連中によって決められたバンガール監督の残留。だがそれが決められてからもう10日近くたつというのに、クラブ理事会内部はいまだに揺れている。彼の続投に疑問を持つ理事会員もいるのだ。そしてクリスマスバケーションに入る前、バンガールがクラブ理事会に要求した補強選手の獲得。左ラテラルと9番の選手の名前が書かれた“獲得候補リスト”がガスパーの手元に渡されている。だが彼の続投を支持した理事会メンバーやガスパーは決してサンタクロースではない。クリスマス休暇中には一人の補強選手の獲得も実現しなかった。そして明日の金曜日にクラブ理事会とバンガールを中心とするコーチングスタッフが集まり補強に関する項目を再度検討することになっている。

思いもかけなかったマジョルカ戦の勝利は、それまでクラブ理事会が作成していたプランを根底から変更させることになった。すでにカルロス・ビアンチの獲得はほぼ既成の事実であったと共に、冬の補強選手の具体的な候補とその実現に向けての交渉が進められていた。3人の補強選手、それはラッチオのフアン・パブロ・ソリン、ローマのバティストゥータ、そしてインデペンディエンテのミリート、この3人がビアンチが要求してきた補強選手。だがマジョルカ戦の勝利がこれらのプランをすべて中止させることになる。

続投が決まったバンガールはミリートの加入には首を縦には振らなかった。そもそもシーズン開始前からクラブ理事会が提案していたミリート獲得案に反対したバンガールだから当然といえば当然のことだった。だがシーズン前と今ではバンガールを取り巻く環境には微妙な違いがある。すべての理事会員が彼を支持しているわけではない。したがってガスパーにも当然ながら彼らからのプレッシャーがあるだろう。アルゼンチンの若きディフェンスであるミリートは、これまでマドリやリーズなどからも獲得の噂があったが実現していない。

バルサ理事会が彼に固執する理由は、リケルメの獲得の際によく言われた理由と似ている。将来性あふれるこの若者の移籍料を考えると、今が獲得のチャンスであるというものだ。彼の移籍のさいに必要な違約金は800万ユーロ。しかもこの額より交渉次第ではさらに下がる可能性があると考えるクラブ理事会だ。

12月30日付のムンド・デポルティーボ紙によれば、バンガールはいまだにミリートの獲得には反対しているといわれる。いずれにしても明日から始まる話し合いですべてが決まることになる。話されるテーマは、ミリート獲得問題、そして早急に煮詰めなければならないいくつかの問題。つまりバンガールの獲得候補リストの中にあれわれるハッセルバイン獲得をどうすかということも当然はいるだろう。彼の場合はミリートのケースとまったく逆になっている。クラブ首脳陣の多くのメンバーは彼の獲得に反対している。31歳という年齢にも関わらず3年契約、600万ユーロの年俸を望んでいるハッセルバイン。クラブ首脳陣が彼の獲得にOKを出すとしたら今シーズン限りのレンタルしか考えられない。あるいはチェルシーの監督であるラニエリが望んでいると言われるダニとの交換+金というのも交渉条件となるかも知れない。


「バルサ入団?それは夢の実現!」

ラファエル・バン・デル・バート、今年の2月11日に20歳をむかえる若者。オランダ人選手でありながら彼の身体にはスペインの血が流れている。正確に言うならばスペインアンダルシア地方にあるカディス県のチクラナの血が。ドローレス・ガルシア・ガジャルド、通称ロリータと呼ばれる彼の母は、60年代のはじめに多くのスペイン人がそうしたように、両親に連れられて職を求めてスペインを離れる。目的地はオランダだ。そして大人になったロリータはオランダ人のラモン・バン・デル・バートと結婚し、二人の子供をもうけた。ラファエルとフェルナンドという二人の男の子。そして彼の祖父にあたる、つまりロリータの両親たちはすでに故郷スペインのカディスに戻り住んでいる。

あなたにはスペイン人の血が流れていて、しかも毎夏チクラナを訪ねていると聞きますが。

そう、スペイン人の血が流れていることを非常に誇りに思っている。スペインという言葉を聞くと、なんだかワクワクしてくる感じがするんだ。それは僕の大好きな祖父や祖母を思い出すからかも知れない。毎年のように彼らには会っているよ、チクラナに行ってね。本当に彼らのことが好きなんだ。バレンシアでチャンピオンズの試合があったときにもスタディアムまで来てくれた。もちろんアヤックスを応援しにね。

お母さん、お祖父さんやお祖母さんがスペイン人なのになぜあなたはスペイン語を話さないのですか?

母とは小さいときから時々スペイン語でしゃべっていた。スペイン語でしゃべるのはチョット苦労するけれど聞く分には何の問題もない。つまるところ僕はバイリンガルじゃないんだ。そのことで母はよく反省していた。小さいときから常にスペイン語で親子の会話をしておくべきだったとね。でも僕には彼女がなぜそうしなかったかよく理解できる。彼女は子供の時にオランダに来たせいもあり、彼女が育った文化はオランダ文化なんだ。でももちろんスペインの血が流れている女性でもある。今でも時々スペインオムレツやパエジャを作ってくれるけれどね。

あなたはバルサファンと聞いていますが。

僕だけじゃなくて家族全員がバルサファンさ。母や祖父や叔父たちもね。僕がバルサファンになったのは彼らの影響は別として、オランダチームとバルサの歴史的な関係があったからだ。ミケルス、クライフ、ニースケンス、そしてアイドルのロマリオ。バルサにいたときの彼の試合はすべて見ている。

ということはプレステージでバルサと対戦したのは特別な感じだったでしょう。

そう、いくつかの意味で非常に特別だった。まず、大好きなバルサを相手にプレーすること。そして自分のゴールがゲームをひっくり返すことができたこと。さらにバルサの監督がバンガールだったことさ。彼は僕がまだ18歳の時に代表デビューを実現させてくれた監督だからね。その感謝の気持ちはいつまでも消えないだろうと思う。

今でもバルサの試合を見ていますか?

もちろん見ている。それにしても不思議だよね。チャンピオンズではヨーロッパで一番の成績を残しているのに、リーグ戦ではなんであんなに不調なのか。誰にも説明できないことだと思うよ。まあ確かにスペインリーグはヨーロッパの中でも最強のリーグであることは間違いないだろうけれど。マドリ、バレンシア、コルーニャ、すべて高いレベルを保っているクラブだ。

いつかはバルサでプレーしたいと思います?

夢さ、それは限りない夢。小さい子供の頃からすべてのバルサの試合を見ているんだから。これを夢と言わなくて何というと思う?あのカンプノウの芝を一度で良いから踏んでみたいと思うよ。

あと1か月ちょっとで20歳となりますが、ビッグクラブに移る心の準備はできていますか?

クーマンとはよくその手の話をするんだ。クラブの責任者とも何回か話したことがある。プロの選手としてさらに大きくなるには、やはりビッグクラブでの激しい戦いを経験しないといけないと思う。もしスペインのクラブが不可能なら、イタリアやイギリスでのプレーも考えている。問題はいつジャンプするか、それだね。

クーマンはどんな感じの監督ですか?

選手としても大活躍した監督を持つということは、僕にとっても非常に名誉なことでもあると思う。数え切れないほどのタイトルを獲得した選手だし、人間的にも大きな人だ。理解できないことは経験をとおしてわかりやすく説明してくれる。だからすべての選手が彼と一体になっていると言っても大げさじゃないと思う。彼のフットボールアイデアはスペクタクルな攻撃を通して勝利していくもの。

彼がバルサの監督になったら?

僕も一緒さ、それが可能ならね。でも現実的な言い方をすれば僕はアヤックスの選手であり、このクラブにはとても世話になっている一人の選手に過ぎない。だからクラブに何らかの形でお返しができれば最高だと思っている。いま言えること、それはアヤックスが限りなく遠くまで行けるように、ヨーロッパの中で大活躍できるように頑張るだけ。


●バルサ、今日から練習開始
今日ようやくバルサの練習が始まる。他のどこのクラブよりも長い10日間という、クラブ史上でも初の長いクリスマス休暇を終えてバルサの選手が戻ってくる。首位を走るバルサではなく、首位に迫るバルサでもなく、限りなく窮屈なポジションにいるバルサでありながら、バンガールは10日間という長いクリスマス休暇を選手に与えていた。多くのバルセロニスタが疑問に思うこの長いバケーションがこれからの試合結果次第では批判対象になることは明らかだろう。練習は午後の6時から開始される。

●ルイス・エンリケ、アンデルソン
年が明け2003年1月となった今月はバルサにとって勝負の月となる。快調なスタートが切れるか相変わらず不安定なバルサのままとなるか。地元でレクレとバレンシア戦、アウエーでマラガ、セルタ戦を戦うバルサだが、今月中に二人の重要な選手の復帰が望まれそうだ。
ルイス・エンリケとアンデルソン、ドクター・プルーナによればルイス・エンリケは予定通り行けば今月中旬に、アンデルソンは月末あたりには復帰の可能性が大いに期待できるという。

●コクー、デ・ボエル
今シーズン限りでバルサとの契約が切れる二人の選手コクーとデ・ボエル。シーズン終了まで半年となった今、彼らには来シーズンからの移籍チームを自由に交渉する権利が生まれることになる。契約期間が終了する6か月前までは“合法的”な移籍交渉は禁じられているが、彼らはすでにその半年という期限を切ったことにより彼らの代理人が自由にチームを選べる状況にある。多くのメディアによれば、特にオランダメディアによれば、コクー、デ・ボエルとも来シーズンはオランダリーグでプレーする可能性が大。