1月4日

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LIGA 第16
1月5日 17:00
CAMP NOU
FC BARCELONA
vs
RECREATIVO

 


厳しい現実が待つバルサ

リーガが戻ってくる。年が明け、2002−03シーズンの第16節が今日と明日戦われる。バルサはこれまで15試合を消化し、わずか5勝、そして6試合の敗戦、4分けという悲惨な結果を残している。45ポイント獲得可能な試合を消化して獲得できたのは19ポイント、そう、たった19ポイントだ。首位のレアル・ソシエダーに16ポイント、2位のマドリに11ポイント離されている厳しい現実を抱えた2003年のバルサが戻ってきた。

マジョルカ戦でエトーがくれた少し早すぎるクリスマスプレゼントのおかげで、バルサは0−4という、数字だけを見ればスペクタクルな試合結果を残して2002年の幕を閉じた。久しぶりのアウエーの勝利が、バルサの抱えている“厳しい現実”をオブラートで包んだままクリスマス休暇に突入。この試合結果で、気分的に楽しいクリスマスを迎えたバルセロニスタもいただろうし、バンガールの続投という結論に苦々しい思いで休暇を過ごしたバルセロニスタもいただろう。だがいずれにしてもクリスマス休暇が終わり新しい年に入り、そしてリーガが戻ってきた今、バルサの抱えている“厳しい現実”に変化はない。

基本的には何も変わっていないまま、バルサは2003年に突入している。マジョルカ戦で圧倒的な勝利をあげたとはいえ、相手は11人の“普通”のチームではなく9人のミニ・チームだった。もしあの試合が11人対11人の通常な試合として90分間にわたって展開されていたならば、バルサの勝利は限りなく不透明になっていたことは明らかだ。あの試合でもイニエスタという若者のデビュー以外、バンガールノートにはいっさいの変化がなかったのだから。そのバンガールノートをもとに構成されたバルサは、それまで4勝6敗4分けという結果を残してきた。果たしてあのマジョルカ戦の思いがけない勝利によって、2003年新星バルサに何か新たな希望が生まれる要素がみられるかどうか、それはとりあえず明日の試合を見てみないとわからないだろう。

カンプノウでの“テストマッチ”に参加してくるチームはスペインリーグで最下位を、それも圧倒的な差で他を大きく離して最下位を走っているレクレアティーボだ。まるで1月6日の“レージェス・マゴス”にあわせたかのようなクラブがカンプノウを訪ねてくる。1月6日、それは東欧の三人の賢者がやって来て子供たちにクリスマスプレゼントを配る日。レクレアティーボは一部20チームの中で最も失点が多く、勝利数が最も少ないチーム。明日はレクレアティーボがバルセロニスタに多大なプレゼントを進呈してくれることを期待しよう。

“レージェス・マゴス”のクリスマスプレゼントが終わった後は、いよいよ真剣勝負が続くことになる。とりあえず3試合の難しいアウエーの試合が待っている。マラガ、セルタ、そしてAt.マドリ。そして地元カンプノウでは強敵バレンシアを迎え撃つことになるバルサだ。
「一つ一つの試合を我々は決勝戦のようなつもりで戦わなければならない。なぜならもう我々にポイントを失う余裕などないのだから。」
そう語るのはデ・ボエル。昨日の記者会見の席上で、残っている試合では決してミスは許されないと語るデ・ボエル。だが選手たちの精神的な問題とは別に、チームを指揮するバンガールにはどのようなノートが用意されているのだろうか。

昨日の練習を見る限り、バンガールはサン・モイでのマジョルカ戦を一つの“理想的”なスタイルと認識しているようだ。マシアでおこなわれた試合形式の練習でマジョルカ戦メンバーと違ったのは唯一プジョーの登場だった。クリスタンバールに代わって登場していたプジョーのみが新たなメンバー。つまりあの試合は負傷で出場できなかったリケルメは再びベンチ、ベンチスタートとなったサビオラも再びベンチ、そして一つの疑問はオーベルマルスの負傷が、それが負傷と呼べればの話だが、彼の負傷が完治するかどうかだ。もっともバンガールのマジョルカ戦メンバーを繰り返すという発想は前もって予想できたことだ。あの試合を「素晴らしい試合」と決めつけたバンガールゆえに、メンバーを変える必要性は感じていないだろう。しかも冬のマーケットで新しい選手が獲得されたわけでもない。これまでと同じ選手を起用してのバルサだ。

新たな選手の獲得、それはバンガールにとって“9番”の選手とディフェンスの選手を意味する。だが選手の立場として考えた場合、デ・ボエルは“9番”なんぞ必要ないのではないか、そう疑問を投げつける。
「我々に必要な選手があるとすれば、それは左ラテラルだろう。ナバーロは半年以上も出場できないことがもうわかっているんだから。“9番”?我々にはクルイベルやダニ、そしてサビオラがいるじゃないか」
それはクルイベルにとっても同じような考えだ。補強選手を決めるのはあくまでもクラブであり選手が口を出すことではないと前置きしながらも、デランテロの獲得など必要ないと語る。
「競争は確かにあった方がいいに決まっている。でも俺にはそんなものは必要ないよ。誰が来ようが俺は俺で一生懸命やるだけ。そんなことより、俺たちはどうやってレクレに勝利するか考えなきゃいけねえんじゃねえかな」

だがバンガールの考えていることは少々違うことのようだ。誰しもが必要と考えるディフェンスの補強。確かに彼もその必要性を認めている。認めてはいるが、最優先事項は“9番”の補強と考えているのがバンガールだ。それはシーズン開始当初からの彼の発言を見てみれば少しは理解するのに役立つかも知れない。

セルジ、ココを放出したバンガールはクラブ首脳陣に左ラテラルの補強を要請するものの、決して優先事項ではなかったと何回も語っている。そのポジションはカンテラ選手で補えばいいし、事実バルサBからナバーロいう若者を選出した。もし彼が期待に応えられない働きをしたのならばガブリでもいいし、モッタでもいい、あるいはコクー、メンディエタ、ジェラールがいるではないか。そう語るバンガールだった。したがって彼が一番必要としているポジションは左ラテラルではない。彼が欲しい選手はやはり“9番”の選手なのだ。得点を確実にあげられる“9番”の選手が彼の最も必要とする補強ポイントなのだ。この発想はクルイベルをメディアプンタとして起用したいという思いがあるからだろう。決して得点屋ではないクルイベルの代わりに“9番”の選手を置き、彼はその下に位置するメディアプンタとして起用したいバンガール。だが今のところ“安い、うまい、若い”9番の選手は見つからない。そもそもこの冬のマーケットで見つけようとすること自体、無い物ねだりと言っていい。

もしバルサに来るような、この時期の来るような選手がいるとすれば、いま在籍しているクラブで干されている選手以外考えられない。
トレゼゲ?彼はユーベとの延長契約を主導権を持っておこなおうとバルサを利用しているに過ぎない。そもそも彼の移籍ニュースはイタリアメディアが彼の代理人を通じて流したものだ。
ハッセルバイン?彼の年齢を考えれば彼の要求している年俸や契約期間は受け入れられないものだ。
バティスツータ?彼はローマが3600万ユーロを投じて獲得した選手であり、年俸も当然ながらその移籍金に反映されて高額なものとなっている。しかも彼はすでに34歳の選手だ。彼がバルサに来る唯一の可能性、それは今年6月までのレンタル以外考えられないだろう。